○森下
委員 成田の不祥事件、開港
準備の問題、それから尖閣諸島周辺におきます領海侵犯の問題、それからきょう第二波のストをやっております国労、動労の問題、
運輸省もなかなか大変でございまして、
運輸大臣初め
運輸省の方々の御心労を察するわけでございます。
私は、陸上、海上、航空と、三つの
運輸省所管にわたって質問をしたかったわけでございますけれども、時間の関係で初めに陸上、いわゆる鉄道問題、その中で本四架橋の問題にしぼってまずお尋ねしたい。そして時間がございましたら、次に海上の問題、いわゆる海上保安庁の方の所管の尖閣諸島周辺におきます領海侵犯問題、これに移りたいと思います。航空の方は、もう時間がないので恐らく質問できないと思いますので、これは次の機会に保留をしたいと思います。
三月二十八日の参議院の建設
委員会で
運輸省の山地
国鉄部長は、四国
新幹線の問題でこういうふうに答弁をしております。要旨は「四国
新幹線大阪−大分間の完成など見通しを立てるのも難しい。大鳴門橋の
新幹線併用部分に対する
国鉄の分担金は、金利だけでも
国鉄を圧迫するので、併用を見直すべきだという議論を内部でしてきた。」それから「大鳴門橋の計画から
新幹線併用を外すため、鉄建審にかけるよう、関係者間のコンセンサスを得る
努力をしている。しかし
新幹線整備法に基づく四国
新幹線の基本計画はなんら変更するものではない。」こういうふうに答弁をされております。
それから四月十四日に住田鉄監
局長は、紀尾井町の赤坂プリンスホテルで開かれました高知県関係者との懇談会でこういうふうにおっしゃっておるようです。「大鳴門橋に
新幹線を通すのは国民経済的にも問題があり計画を変更したい。その際四国
新幹線はトンネルにすることになるので単独橋が正式決定されれば、明石−鳴門のトンネル
調査を始めたい。」それから「計画変更を鉄道建設
審議会に諮る際は徳島、高知など関係県の了解を得ることを前提にする」こういうふうに実はおっしゃっております。
その内容を見ますと、現在の
国鉄の財政内容を見ましても、併用橋の場合は六百億ばかりの巨額の金を
運輸省が負担するわけでございますから、これも大変でございますし、大阪から淡路を通って四国それから大分県、これが四国
新幹線のルートでございますけれども、これができ上がるには二十年も、遅ければ三十年も四十年もかかるのではなかろうか。残念ながらわれわれ自身もそういうふうに予想をされるわけです。そのために
運輸省の持つべき六百億の負担金、これが金利等を考えますと、現在の貨幣価値でも二千億も三千億もかかる。効率的に非常によくない。われわれも、
決算面から考えましても、併用橋ができて早く開通できればいいと思いますけれども、現実はそう簡単なものじゃないということを考えまして、最善よりもむしろ次善の策をとって、そして単独橋でもいいから早く橋をかけてもらいたい。いろいろ条件はあると思いますけれども、実はそういう方向で進んでもらいたいと私は思うのです。
そこで、いろいろお聞きになっておると思いますけれども、
運輸大臣に次のことをずばりお聞きしたいわけでございまして、ひとつ明快にお答え願いたい。
まず、大阪から四国を通りまして大分へ参ります四国
新幹線、これはすでに豊後水道、大分と愛媛県の間ではトンネル
調査をやっております。
運輸省で
予算を二億円ばかり毎年つけておりますから実績がございます。そういうことで、併用橋問題は別にして、四国
新幹線は絶対に断念しないのだ、あくまでもやるのだ、これをまずお聞きしたい。
それから、鉄建審、先ほど私が申し上げました鉄監
局長や
国鉄部長の発言の内容にも、鉄建審とか閣議でこれは前に併用橋ということで決めておりますから、これをおろすのはそう簡単にいかないと思うのです。その点やはり
運輸大臣の決断によって早く決まる。しかも、不景気なときでございますから、早く公共事業をやらなくてはいけないし、下部
構造は大鳴門の場合はできておりますから、上部
構造にかかる場合に併用か単独かということが非常に問題になりますし、どうしても六月までに決めないとまた一年延ばされる。実は昨年も
予算をそのまま使わずに置いてあるようなことでございまして、これも
決算から見ましてもまことに効率の悪い問題でございますから、ひとつ大臣の方からお答え願いまして、また具体的な問題は鉄監
局長の方から補足していただいても結構でございますから、大臣からよろしくお願いします。