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土井委員 航空業務の最大の
目的というのは、いかにして
旅客を安全に輸送するかというところに私はあるだろうと思うのです。国際
空港についても、
安全性を確立させるということが国際信用を獲得するまず第一である、このように私は思うわけですね。外務大臣も恐らくそのようにお
考えになるだろうと思います。外務大臣、
成田空港を
利用されて、海外へ出発をされる場合、また帰っていらっしゃる場合、恐らくは外務大臣御自身は、私は命がけで国際間の
交渉に当たり、
外交問題に身を挺して連日臨んでおりますから、命は別に惜しくありません、とおっしゃるかもしれません。でも、やはり人間ですから、
成田空港を
利用される場合に一抹の不安がおありになるのじゃないか。これは率直なところ、お互いだれの胸の中にもいまあるだろうと私は思うのですよ。なかったら不思議です。あるだろうと思います。
政府は五月二十日出直し
開港をいま決めていらっしゃにますが、十日に行われた福永運輸大臣と戸村一作反対同盟
委員長との話し合いを期待していた人たちの期待も、実は
内容は平行線に終わっているようでありますから、余り期待をかけられるということでもなかったようであります。近く過激派による
開港阻止闘争も行われるであろうということが予想されるわけですね。この中で、世界の航空界も
安全性についていま不安を抱いて、
IATAを通じていろいろ申し入れがあってみたり、操縦士の方から、パイロットの方からのいろいろな問い合わせが相次いだりするわけであります。こういう中で
開港して、
政府は乗客の安全を確保する自信というものが本当にあるのかどうか。国際信用上から
考えても
開港を延期すべきであると私は思うわけであります。このことに対して外務大臣並びに
運輸省がここに御
出席でありますから、ひとつ
最後に
お尋ねをさせていただいて——別に
開港延期になったといって、そのことが
イラク共和国との間の
航空協定に対して違約するということには断じてなりません、現に
暫定実施期間においては
羽田に
乗り入れを認めているわけでありますから。
相手国に対して当初の約束からすると
状況が変更いたしましたけれ
ども、事情変更の原則に従って、これにはそれなりの措置をとれば済むことであります。したがいまして、
協定そのものに対しての違約にはならないと私は思います。
最後に、
開港を延期すべきであると思うがどうかという点を
お尋ねさせていただいて、
質問を終わります。どうでしょう。