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伊藤(公)
委員 恐らくそのお話は私は事実であろうと思いますし、実態を掌握をしていると思いますけれども、しかし要は現実に二度三度
日本の地を踏んでもらっているかどうか、そしてたとえば二度三度四度、来るたびに
日本というものに深い
認識を持って、さらに
日本の国に愛着を持ってもらっているかどうかという実態を正確に掌握をするということが、私は、正しい、これから
日本が観光立国としてやっていく場合には非常に大事な問題だと思っているのです。実はむしろその中に、
日本に一遍来たあるいは回数を重ねるごとに
日本に対してかなり失望をしている人たちが多い。私は海外に五年ほど生活をしていて、その期間に、
日本に行ってきたよ、こういう人たちの話をずいぶん伺いました。しかし、行ってみたけれども話に聞いていたほどではない。つまり、いろいろな話で、
日本はいい国です。こうまず外交辞令で言いますけれども、実際には
日本の川はどこを見てももう死にかけている。山を見ても、この山はといって山に行けばコカコーラのかんや何かがあっちこっちに散在をしている。行った先々では初めて会った
日本の接待をしてくれた方は二日、三日、一週間はいいけれども、そのうちにはみんなめんどうになってほうり出されてしまう。語学も通じない。あるいは夜の町に出ても、そこには本当に
日本の伝統的な
文化というものをお客さんに親しんでもらうという配慮が必ずしも行き届いていない、飲みに行ってもお金だけとられて心配なところしかない。いろいろな角度から、私は先ほどとっぴなことをお尋ねしましたけれども、国際的に
わが国がこれから観光立国として伸びていく場合に、観光という、そうした問題をどこで管轄をしていくか。これはもちろん自然の問題もありましょうし、それぞれのいろいろな省庁にまたがる問題でありますけれども、観光庁あるいはそういうものを総括して管轄するような省庁も、これから
わが国が本当に観光を大事に考えるなら、あるいは国際的な社会で
日本の立場をもっと大事にしていくという意味から言えば、機関のあるいは制度上の統合、きちっとした制度化をしていくことも必要ではないのかというふうに私は考えたから御
質問したわけであります。政務次官、せっかくお座りでございますからどのようなお考えを持っていらっしゃるか。観光で国を立てよう、自然もある、伝統もある、歴史もある、
文化もある、しかも
日本人は比較的いろいろなものに対して美的な感覚も持っている民族だという意味から言えば、観光という面が占めるこれからの役割りは非常に大きい。しかしそういうことでいままでの
わが国の政治全般を見てくると欠けていた点がずいぶんあると思いますけれども、この辺で観光庁、いまいろいろ行政改革をするという時期にこういう提案がいいかどうかわかりませんけれども、あるいは
連絡機関みたいなものをつくられて立ち向かっていくということが必要ではないかと思いますが、いかがですか。