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米田委員 実は、この三月三十日でございますが、新潟県知事、新潟市長を、
韓国大使館の総領事である朴性武氏、それから領事であるということで鄭燦植氏がそれぞれ連れ立って訪問されました。今度、新潟に
韓国の総領事館が設置されることになったので、私、すなわち鄭燦植氏がその領事になって参りますのでよろしくというあいさつがなされたということを
承知しておるわけであります。この
韓国大使館総領事と名のっての朴性武氏、それから領事として名のった鄭燦植氏、それぞれ
大使館員として実在されておるのかどうか私
どもわかりませんので、ひとつ
外務省の方からまず
答弁をいただきたい。とかく
韓国の在外公館の館員なる者は、果たしてその館員であるのかどうか、たとえばKCIAの部員であるとか他の一般の民団等の部員を兼ねているとか、きわめて複雑怪奇でありますので、この際ひとつ正式にこの人物を確認したいと思いましてお聞きします。
それから、これまで新潟市長も知事も、新潟市に
韓国総領事館が設置されることについては全く知らなかったようであります。このことによって初めて、なるほど新潟に
韓国総領事館が設置されるのかということがわかったということであります。そこで第二の問題として、どういう経過でどういう手続で新潟総領事館が設置されたのか。
そこで私がちょっと
指摘しておきたいのは、一九六五年に日韓
条約が
締結されましたが、新潟は一九五九年から在日朝鮮人の帰国の出港地として利用されておりましたし、戦前戦後におきましても、新潟市はいわば朝鮮半島の
日本海岸の窓口でございました。そういう関係で、対朝鮮の関係はきわめて緊密で
友好的であったところであります。一九五九年以来、その新潟が指定されまして、人道のかけ橋あるいは平和のかけ橋と評価されました帰国事業が、新潟港を出港地として円満に人道的に今日まで進められておるわけであります。そういう新潟に対しまして、日韓
条約が
締結されまして以来、絶えず
韓国は領事館の設置を求めてきておるということを私は聞いておるわけでありますし、事実、私
ども関係者としては、それは困る、帰国事業の妨害に恐らくその意図があるのだろうから新潟としては困るということで、反対運動を起こした経過もございます。したがって今日まで
韓国領事館は設置されないまま推移をしておるわけなんでありますが、あえて言わしていただければ、今回突如として
韓国領事館が今度設置されることになった、こういう経過がありますだけに、私
ども理解できないわけであります。
外交上手続が経られまして在外公館が設置されることは、
外交権を持っている
政府の一元的な権限であり、それは当然な遂行義務であろうと思いますけれ
ども、しかしこの種のものは、設置される地元の市民や県民や住民や、在日朝鮮人の
理解と
協力がなければ、この公館というものはその任務を果たすことができないはずであります。要するに、歓迎されるような
状態で初めて任務が果たせると私は思うのであります。そういう点で今回突如として設置されたことについて、私はまことに奇怪に感ずるわけでありますし、経過がわかりませんので、ひとつ説明をいただきたいし、なお私は特に
大臣に御出席いただきましたのは、日韓の関係は非常に対朝鮮の関係もございまして、
政府としては常に慎重に取り組んでいらっしゃるはずだと思うのであります。したがいまして、
韓国領事館の設置という問題は、手続上は口上書の交換とか、日韓
条約の第一条にあるその手続上の関係は別といたしまして、
政治的には相当これは慎重に配慮されて、当然
大臣の
判断、決裁があったろうと私は思うのでありますし、それに価する新潟の総領事館の設置だろうと私は思います。したがいまして、この点について
大臣はどのように
理解をされて設置を承認されたのか、ひとつあわせて御
答弁をいただきたい。