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中山(正)
委員 実はこのいまカーターの相談
相手がこう書いております。「具体的な障害があるにしても、
中国との接近という方向は大多数の
日本人にとって、心情的にも魅力のある道だといえるだろう。」しかし「
中国問題は、また別なかたちで日米を突如として分断させる可能性がある。」日中をやったら
アメリカと切れると書いてある。私が日中
条約の後に来るものを予測しているのは何かと言えば、防衛庁、私は
アジア集団安全保障
条約というものに入ってくると思うのです。そのころに
日本の
政治が変わっていきます。このブレジンスキーも後で予測しております。
日本で
自民党がつぶれるだろうと書いております。「今後五年間に、劇的な左旋回が起こる見通しはないが、左翼はその力を増し、
日本政局における強大な勢力となるだろう。」「
自民党は左翼の
内政プログラムを導入するように努めるだろう」、確かにそのとおりで、いまもう大阪とか東京は知事さえも出るとか出ないとかややこしいことを言っておりまして、大政翼賛会は
日本にできつつあります。京都だけは特異な立場でいま選挙をしておりますが、地方において特に大政翼賛会はできつつあります。「同党自体は団結力を弱め、連合体制に頼るほかはなくなるだろう。」だから公明党が自衛問題で変わってきたんですね。そしてそこへ
総理大臣が、はるかに敬意を表すなんて言っている。いまごろいいかげんなことを言うなといって電報を打たなければいけないんです。そういうときは。「こうして、
日本の政局は、安泰にサヨナラを告げる。その代りに、政権をにぎる指導部内で、勢力再編成が頻繁にくりかえされ、ある程度の、
政治的混乱さえ起こるであろう。」そして「
中国は今後とも、
日本にとって格別魅力ある対象としての地位を持ちつづけ、日米
関係の劇的な決裂が生じた場合、少なくとも心情的に魅力ある脱路を提供するだろう。同時に、
中国は今後とも、
日本国内の尖鋭な
政治的分裂のタネになるだろう。」と書いている。
これからいきますと、
日本の
政治が変わってくる、そのころにソ連が何を言うかというと、北方領土を返しましょうとこう来ます。そのころです。そうすると
日本人の心がそれますから、
日本ごと取れるときが来たら多分返すでしょう。
もう時間がありません。またの機会をぜひいただきたい。もうこの問題は党内で新聞記者を締め出して議論する問題ではございません。私は、もっと
自民党内での慎重派――野党が皆やれやれと言う。
毛沢東語録にこう書いてあります。彼らがやらないでおこうというものをやらせろ、彼らがやりたいと思うものはやらせるな。野党が全部、さあ
中国とやりましょう。
自民党の中でもめている。これはあたりまえの政調会で協議するような問題ではない。もっとオープンにして、これでいいのかと……。四十年前に
アメリカから七〇%輸入ダウン、そしてABCD包囲ライン、そして移民拒否。仕方がない、満州に王道楽土をと考えた石原莞爾、板垣征四郎はいま
日本にいっぱいおります。また円高であおられる。しょうがない。そして二百海里を
アメリカが先に宣言する。輸出の問題が起こってくる。しょうがない、
中国貿易だ、シベリア開発だ。
日本人の考え方は全く変わってない。
特に注意しなければいけないのは、いま
アメリカが
日本を捨てよとしている時代が来た。ブレジンスキーは七年前には、
日本を放しては危ないと思ってこれを書いていますが、いまはこの理論が逆に利用されています。歴史を振り返ってみますと、野坂参三は、
アメリカが
中国の延安と相談して
日本に送り返してきた。亀山幸三という人の「戦後
日本共産党の二重帳簿」という本によると、もちろんこの人は昭和七年、私が生まれた年に、延安に亡命をして、昭和十年には
アメリカに寄っておりますが、
アメリカに寄っておって加藤勘十と会っております。そして延安に入って岡野進と
名前を変えて、
日本人のくせに
日本人を撃っておった男でございます。それがいま共産党の大将でございますが、実は、
天皇制廃止と天皇家の存在は別だと言う野坂参三をわざわざ
日本に送り返してくる手はずをしいたのは
アメリカなんです。
そんなことを考えてみますと、この複雑怪奇な時代に、
中国との問題、――もう時間がありませんから、一方的に物を言って終わりにしますが、
大臣、特に千五百万トンの大慶油田の石油なんて、――中東の石油は、こうしますと落ちます。ところが大慶油田の石油というのは、パラフィンが多くて重質油ですから、こうしても落ちません。ジャムみたいに、こうして逆さまにしても落ちてこない。落ちたら固まる。摂氏七十度に温めて載せて、その載せたタンカーで摂氏七十度に温めて、そして持ってきたらまた摂氏七十度に温あて保存をする、その石油を使ったら機械が傷む。そんな石油三百七十万トン、電力会社も引き受けないと言っています。そんなものに操られての
中国貿易。この間、
外務省からもらった「
経済と外交」というのを見てみますと、
中国との貿易は支払い方法がわからないと書いてあります。そんなもので、国民に夢のような思いをさせる。
また覇権とはどういうことかというと、実は一国革命主義である。
自分たちは、
世界でまずソビエトに革命が起こってその次に
中国に革命が起こって、第三の革命が
日本で起こる、その
日本で起こる革命が
世界革命の導火線である、こう言うのです。
防衛庁にせっかく来ていただいていますから、最後に。ソ連はわざと北方領土を返さないのに、
アメリカは沖縄を
日本に返還しました、これは
アジアから抜けていくためです。
アジア安保に入らなくてもいい、こう言っているのです。私も驚いたのです。堂々と「
世界」に出ているカーターズコミュニズム、カーターの
共産主義。
アメリカは共産党を非合法化していますが、共産党団体には活動を許していますから、それが労働組合で民主党の中にもぐり込んでいます。だからラルフネーダーがしきりに公害問題をやると、
日本の革新が騒ぐ。そして朴東宣を呼んでやれと言っているワシントンにビルのある
アメリカの共産党が活動している。第三インターはパリにありますが、第四インター、きのうも成田の実地を見に行きましたら、一番過激なのは第四インターだということですが、第四インターというのはシカゴかニューヨークにあって、これはどうもトロツキー、ケレンスキーが
アメリカに亡命したときの組織が、いまそのまま強大になってきている。そして
アメリカの内部撹乱のためにいま一生懸命
努力しているという話を聞くわけであります。そんなときに、防衛庁、いかがでございますか。中ソ
条約、日中
条約を結んだ後、だれも北朝鮮のことを言いませんが、ここにまた「四人の金日成」というおもしろい本があります。いまの北朝鮮の金日成は、ソビエト軍の大佐でございます。
中国とソ連の軍事同盟
条約のことはみんな問題にしますが、スターリングラードの攻防戦に三千人の
韓国人を引きずっていった金日成の、北朝鮮と
中国の軍事同盟のことはだれも問題にしません。防衛庁、どうお考えですか