○辻説明員 使用済み核燃料の海上輸送につきましては、
先生御
指摘のように本年度以降非常に大量のものが出てくるということはかねてから私
ども予測をしておりました。これが安全対策につきましては、
昭和四十九年以降科学
技術庁と私
どもとの間で寄り寄り協議いたしましてその準備を進めてきたわけでございます。
基本的には、キャスクの部分については科学
技術庁の方でチェックをする、それから運輸省の方ではこれを運搬する船舶の
安全性及び積みつけ方法その他についての
安全規制をやろうという分担を取り決めまして、諸般の研究を進めてきたわけでございます。
〔
貝沼委員長代理退席、小沢(一)
委員長代理着席〕
まず、キャスクの点につきましては、これは一九七三念にIAEA、国際
原子力機関が使用済み燃料を輸送する場合の容器あるいは輸送方法についての国際的な基準をつくろうということで勧告が出されております。これが今日
世界で唯一無二の国際的な安全基準になっておるわけでございまして、
世界じゅうの使用済み燃料の輸送はこの基準に従った容器あるいは輸送方法によって行われているわけでございます。キャスクの点につきましては後ほど科学
技術庁の方から詳しい御説明があると思いますが、こういうようなことで科学
技術庁と運輸省と協力いたしまして、実は昨年の十一月にこの輸送
関係のキャスクの要件あるいは輸送方法についての規則
改正を全面的に一斉に行いまして、ことしの一月一日からこれを実施しているわけでございます。これらの規則は先ほど申し上げましたIAEAの勧告に全く従ったものでございまして、同時にこれらの基準は
原子力委員会においても検討されて、
国内的にもこの基準を使うべしという御意見をいただいておりますし、省令を
改正いたします際には放射線
審議会の方にも諮問をいたしまして御検討をいただき御了解をいただいて行ったわけでございます。
その
安全規制の
やり方と申しますのは、キャスクはここに書いてある要件に従ったもので運ぶ、そしてそれに所定の使用済み核燃料を封入する、ここまでのチェックを輸送物の安全確認ということで科学
技術庁が実施するわけでございますが、これを船舶で持ってまいります場合には、船主から諸般の積みつけ状況、運航状況等についての計画書を提出させて輸送の安全の確認をやった上で輸送を認めるというような措置をとっているわけでございます。
それから、これを運搬します船舶につきましては、御
指摘のように船が沈没して海底にキャスクが沈むということは大変好ましくないことでございますので、これをできるだけ沈没しないような船にしようということで、運輸省におきましては
昭和四十九年度に学識経験者の方々からなる委員会をつくりまして、安全基準をつくったわけでございます。これはもうすでに実施されておりまして、ただいま
東海村から諸般の内航輸送に使われております日の浦丸はこの安全基準に準拠してつくられたものでございます。この専用船はたとえば耐衝突構造にする。T2タンカーというサイズのタンカーがどてっ腹にぶつかりましてもそれで船が折れてしまうようなことはない十分な吸収エネルギーを持つように船側の補強をする、及び一定の区画に水が入っても直ちに沈没しないような構造にしてある、その他いろいろなシビアな基準を設けております。実際にこの船は船体が二重構造になっておりまして少々のことでは沈没しないように設計されておるわけでございまして、この基準は国際的な基準にはまだなっておりませんけれ
ども、国際的な基準よりははるかに高い、シビアな基準になっておりまして、沈没するようなことはまず心配ないのではないかというふうに私
ども考えております。
キャスクにつきましては、科学
技術庁から御説明を願います。