○福永国務大臣 いま
堀内さん
お話しの
中央新幹線が非常に大事なものであるということについては、私も全然同感でございます。
大事なものに対してどうするかという観点からいろいろお尋ねがございましたが、一歩前進という御表現でございますが、このあたりで一歩前進せしめること、結構であろうと思います。結構というか必要があろうと思います。
先ほどから聞いておりますと、
国鉄の諸君はずいぶん控え目に物を言っているようであります。赤字がいかぬとかなんとかかんとかしかられればああなるのも無理はない。そこで、皆さんと私は政治をやるという立場でございますから、この政治をやるという立場からいたしますと、
国鉄が手がたくああいうように言うことは信頼しつつこれを理解していくのではあるが、同時に、そういうことだけてもいかぬというように——これは私が言うことではないかもしれませんが、お互いに政治をやるという共通の立場において私はあえて申し上げたいのでありますが、たとえば成田の開港に
当たりまして、新しく成田へ乗り入れを希望した国が三十数カ国ある。そのうちのほんのわずかをやっと認めたわけですが、早く認めてくれ、早く認めてくれと言っている。そのほかに従来入っている国の多数が増便を希望している。それで、最近私が思いますことは、
お客が減ったとか、そのわりにふえないとか、ことに
グリーンについてはどうかという話を先ほどから拝聴をいたしておりましたが、世界じゅうから来る私どもの友人がこのごろ言うことは、前よりもずっとそういう
傾向がふえてきたのでありますが、
東京を見ただけでは日本を誤解すると言う。そういう
傾向はお互いにあるわけです。パリを見ただけでフランスを云々すると大変な間違いを起こすのと同じでございます。古き日本、伝統の日本というものを見つつ本当の日本を理解させるということは、われわれの立場においてもぜひ望ましいことである。このごろの外人は、
東京へ来てすぐに帰ってしまう、そういうのももちろんいますけれども、その際に、ぜひ
新幹線にも乗って
大阪あたりまで行ってというのが大変ふえてきております。これからますますそれはふえていくであろうと思います。また、そういうのがふえるように持っていくことがお互いの考えることでもあろうと思います。
そういうふうなことから申しまして、私は、これはまだ
結論的に申し上げるわけではございませんけれども、
国鉄なんかにも、大いに合理化をして赤字を出すなということはお互いにやかましく言わなければなりませんが、同時に、もう少し違った観点から、日本の国民全体を伸ばすというような
意味から
伸び伸びとやらせるようにも考えなければいかぬ。そういう観点からいたしますと、鉄道を敷設するということについて、ますます
国鉄の赤字がふえるという心配ばかりをさせるようなことではなくて、国が大いにめんどうを見てやるということ、これは委員の皆さんから、そういう
意味で私自体がしょっちゅうおしかりも受けているところでありますが、私も閣内等で、まあ道路等に対してはそれなりの配意が行われているが、そのわりに鉄道等については同じような配意等も行われていないが、多面的によく似たところと思う、そういう
意味から、建設公債その他を考慮してやらなければ鉄道はどうにもならぬではないかというようなことを言っておりますし、これがある
程度理解されてくるようになりましたことは、これもあなたのお
言葉をかりるならば一歩前進していると思うのです。
それで私は、いま
お話の点等につきましては、ぜひ一歩前進させたいと思いますし、先ほどから
中央新幹線については、その
代替機能等を強調されましたが、確かにその一面はありますけれども、地域の開発に資するという点もかなりあろうと思うわけであります。したがって、いろいろな面から見てその特徴を——まあ
経済的にとうだというようなこと等も、いままでの例からしますと、こうということもございますが、進んで
経済性をより開発して将来に明るさを求めるということも政治の上でお互いにしなければならない、まあ、こんなようなことを思っているわけでございますが、そういうようなことをいろいろ考えますと、確かにここいらあたりで一歩前進するのが必要であろうし、先ほど、
山岳地帯についてこういう
調査をしているということを
国鉄当局が申しておりましたが、まだまだ大都市周辺等ではいろいろな
問題がございまして、いよいよこれからやって
完成させるまでにはいろいろな
問題がございますから、着手については余りぐずぐずしないでやるということが必要ではないか、こういうように私は率直に考えておるわけでございます。