○高橋(寿)
政府委員 お答え申し上げます。
まず、
滑走路一本の問題でございますが、私
ども手元にある資料では、先進国の主要
空港はすべて複数
滑走路でございますが、ただ
一つ、これはやはり最近できましたパリのシャルル・ドゴール
空港、このシャルル・ドゴール
空港は
滑走路一本で運用を開始いたしております。第二
滑走路は目下建設中ということになっておりまして、これもやはりル・ブルジェ、オルリーだけでは足らなくてシャルル・ドゴールをつくった。第二
滑走路までできるのを待てばいいのだけれ
ども、航空需要に追いつけないので、とりあえず開業したということであろうかと存じます。
もちろん
成田につきまして、一本
滑走路よりも二本、三本がいいわけでございますが、第二期工事の様子を考えますと、まだかなり時間がかかる。一方におきまして、羽田の
事情を考えますと、どうしても
開港を急がなければならないということがございまして、一本
滑走路で
開港するわけでございますが、
横風用のCランウエーができないのになぜ
開港するかという点が問題になるわけでございますが、これは再度御
答弁申し上げておりますように、
成田は、羽田と違いまして内陸
空港でございますので、横風の成分が非常に少ない、気象データでは年間一%未満ということでございます。したがいまして、
横風用滑走路がなくても大きな支障はないであろう、しかしながら一%未満でも、横風が吹いた場合につきましては、羽田を代替
空港として使うという手はずを整えているわけでございますが、大きな支障は起こらないと考えております。
このことと乱気流問題とは実は別の問題でございまして、乱気流の問題は、私
どもまだ詳しく解析いたしておりませんけれ
ども、気象庁の係官その他の論文などで読んだところでは、
成田という周辺が丘あり谷ありというふうなところでございますので、土地が平たんでない、したがって強い風、特に南風が吹いた場合に、地上の高い低いところを縫って流れる風が波になりまして、その影響で地上のある
程度の高さのところに風の乱れができるということでございます。上空は関係なくても、地上のある
程度の高さのところに乱れができる、そうしますと、飛行機が着陸すべく入ってまいりますときに、ちょうど低いところにおりますので、そこでがたがた来るということのようでございまして、南風のときにこれが見られるという気象庁の専門家の論文等があるわけでございますが、現実に、先日の慣熟飛行の途中で、これをやりました
日本航空のパイロット等が、乱気流のあることを体験いたしております。
したがって私
ども、このことは決して無視をするつもりはございませんが、目下のところ、このことが運航の安全に支障があるということでは絶対ないという点では
心配いたしておりませんけれ
ども、しかし、機体の揺れ等がやはり旅客に不快な感を与えるというふうなこともあり得ましょうし、また初めて来る外国のパイロット等がおやっと思うということもあり得るということでございますので、さしあたり事実上の方法、つまりパイロットの
世界的な協会と申しますか、そういったところを通じまして、パイロット仲間にこれを知らせるというふうなことを事実上の
措置として講じておりますけれ
ども、なお
開港後ある一定期間のデータをとりまして、必要がありますならば、このことを念のために「航空情報」という、ちょうど航空関係の官報みたいなものがございますが、そういった官報に載せまして
世界各国に布告をする、そして念のためにそういったことに気をつけて運転してもらうというふうにすることを考えたいと思っております。
それからなお、第二の問題でございますが、医療
施設の問題あるいは住宅の問題、それから通勤の問題、これらにつきましては、
成田にたくさんの人が勤務するわけでございますので当然大問題でございます。従来におきましても、こういったものの受け入れ体制を
成田市におきましてもとっておりますけれ
ども、なお今後、
開港後の
状況に応じまして、必要な
措置を速やかにとっていきたいと考えております。特にパイロットの方たちの住宅問題あるいは通勤
問題等につきましては、
日本航空と現在パイロットの
組合と折衝いたしておりますけれ
ども、このことが円満に
解決がついて
開港を迎えるようにということを会社の方に強く指導いたしておりまして、何とかうまく安全に、そして円滑に
開港を迎えたいと思っております。