○石田(幸)
委員 運輸行政全般についての質問を申し上げたいわけでございますが、時間の許す範囲でございますので、どこまでいけるかわからないと思いますが、まず最初に、
航空関係からお伺いをするわけでございます。
成田空港が三月三十日に
開港ということが閣議で
決定をされて以来、いろいろな
準備が進められてきたわけでございますけれ
ども、まだいろいろなネックがあって、その
対策、
開港の整備条件としてはまだ万全の手配ができていない、このように言わざるを得ないわけでありますが、その中で私は
騒音問題を取り上げたいと思うわけでございます。
現在、特定
空港周辺
航空機
騒音対策特別措置法というのが継続審議になっておるわけでございますけれ
ども、本年の一月にわが党が、この
騒音の問題で
公団を中心にして進められてきました防音民家、この第二次
騒音テストの実際の効果という問題について、これらの
方々の意識
調査を実施したわけでございますけれ
ども、これは特に第二次
騒音テストの中で行われたわけでございますが、将来五分に一機というような
状況で頻繁にジェット機が行ったり来たりするわけでございますが、そういうことまで考えてみますと、この防音民家に対する意識
調査というものは、非常に多くの問題を指摘しているように思うわけでございます。これはすでに運輸省には
調査の概要を申し上げていると思うのでございますけれ
ども、念のためにきょう質問をしたいわけであります。
これはわが党の党員が二人一組になって面接聴取をいたしたものでございまして、回答率は約九〇%という非常に高い回答率を示しておるわけでございます。
そこで、問題になった点を幾つか申し上げたいわけでございますけれ
ども、まず防音民家という形での
騒音対策は、非常に期待に反しておる、不満であるというのが実に七六・二%になっておるわけであります。期待どおりのことで満足していると答えた人はわずかに一・七七%、そういうような
状況であります。その中で問題になりましたのは、特に第二次
騒音テスト時に防音効果がなかった、あるいは余りなかったという回答が圧倒的に多くて約七七・四%、こういう状態でございます。このことは今後の防音
対策の上で真剣に考慮してもらわなければならない問題ではないかと思うのです。
それから、この防音
対策がいわゆる四人家族の場合一部屋、五人以上が二部屋というのが
公団の
基準になっておるわけでございますが、実際に頻繁にこのように
航空機が往復をするさなかにおいて、生活環境という点が全く無視されておる。いわゆる防音民家の中にはトイレがないというのが四二・三%、水道を引いていないというのが八九%という
状況でございますから、もちろんこれは一家の中ではそういうものはあるのですけれ
ども、防音装置を施している部屋というものは、そういった意味で非常に生活の上において不便である、こういうことが強く指摘されておるわけです。中には水道等を引いている人もいるけれ
ども、こういうものは全面的に自分が費用を出して設備をしているというような
状況でございます。そういうようなところから、
開港後も現在の防音家屋を使用しないという人が約一割もある。これでは何のために防音
対策をしているのかわからないというような
状況ではないだろうか、こういうふうにも思われるわけであります。
それから、これらの防音民家の設備を整備する上において自己負担が非常に多い。実に二百五十万円以上使っている人が六%、これを含めて百万円以上の自己負担を強いられた人は四七%にも上っているというんですね。これでは非常な犠牲をこうむったまま、そういう
政府の施策に協力をしているという
姿勢でございますけれ
ども、さらに、それが自己資金で賄われておればいいのでございますけれ
ども、農協等から借りて、そして付帯設備を整備したというのが五一・二%という、半分以上の方が金融機関から借り入れをしなければどうにもならない、こういうような
状況があるわけでございます。
さらに、もう一点申し上げたいわけでございますけれ
ども、そういうような
状況で、また家族構成の点からいっても、この防音民家の部屋数というものは足りないと答えた人が実に八六・九%もある。百人のうち約八十七人の人が、これでは実際の生活に耐え得ないということを訴えておるわけでございます。したがって、全室防音にすべきであるというふうに答えている人が八七・二三%ある、そういうような
状況でございます。
いまこの人たちは、そういうような意見を持っているわけですが、実際に全室防音ということになってみれば、自己負担がいまのたてまえからいけばふえるわけでございますから、とてもこのような負担には耐え切れないと答えている人が八四%もあるわけですね。
さあ、そこで質問なんでございますけれ
ども、こういう形で進められていく、いわゆる
政府の施策として多額の費用を要するので、協力をしていただかなければならぬ、この程度でがまんをしていただかなければならぬというようなことを恐らくおっしゃるだろうとは思いますけれ
ども、この防音民家に現実に住んでいる人たちが訴えているこの窮状に対して、当然私は、人間がその
騒音の中で生活をするに足る環境をやはりつくってあげるべきが、特定
空港を整備していく上においてどうしても必要である、今後の協力
関係を得るためにも、もっと積極的な生活という問題から考えなければならぬ、予算という面だけでこれを考えていったのでは、犠牲をこうむる人たちの不満というものが政治不信にもつながってくるのではないかというので、その基本的な方針についてもっと改善をする方向に行くべきだと思いますが、
運輸大臣の基本的なお考えをまずお伺いいたしたいと思います。