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1978-02-10 第84回国会 衆議院 運輸委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    国会召集日昭和五十二年十二月十九日)(月 曜日)(午前零時現在)における本委員は、次の とおりである。    委員長 大野  明君   理事 小此木彦三郎君 理事 加藤 六月君    理事 増岡 博之君 理事 坂本 恭一君    理事 渡辺 芳男君 理事 石田幸四郎君    理事 河村  勝君       石井  一君    北川 石松君       佐藤 文生君    佐藤 守良君       関谷 勝嗣君    田澤 吉郎君       永田 亮一君    藤本 孝雄君       古屋  亨君    堀内 光雄君       箕輪  登君    太田 一夫君       久保 三郎君    佐野  進君       斉藤 正男君    田畑政一郎君       草野  威君    宮井 泰良君       薮仲 義彦君    米沢  隆君       小林 政子君    中馬 弘毅君     ――――――――――――― 昭和五十三年一月二十一日  大野明委員長辞任につき、その補欠として増  岡博之君が議院において、委員長に選任された。 ――――――――――――――――――――― 昭和五十三年二月十日(金曜日)     午前十時三十一分開議  出席委員    委員長 増岡 博之君   理事 石井  一君 理事 小此木彦三郎君    理事 佐藤 守良君 理事 浜田 幸一君    理事 坂本 恭一君 理事 渡辺 芳男君    理事 石田幸四郎君 理事 河村  勝君       加藤 六月君    北川 石松君       関谷 勝嗣君    田澤 吉郎君       藤本 孝雄君    古屋  亨君       堀内 光雄君    太田 一夫君       佐野  進君    田畑政一郎君       草野  威君    宮井 泰良君       薮仲 義彦君    小林 政子君       中馬 弘毅君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 福永 健司君  出席政府委員         運輸政務次官  三塚  博君         運輸大臣官房長 山上 孝史君         運輸大臣官房会         計課長     西村 英一君         運輸省船舶局長 謝敷 宗登君         運輸省鉄道監督         局長      住田 正二君         運輸省航空局長 高橋 寿夫君  委員外出席者         海上保安庁船舶         技術部長    宮川  晋君         日本国有鉄道副         総裁      天坂 昌司君         日本国有鉄道常         務理事     馬渡 一眞君         運輸委員会調査         室長      鎌瀬 正己君     ――――――――――――― 委員の異動 一月二十日  辞任         補欠選任   永田 亮一君     三原 朝雄君   箕輪  登君     浜田 幸一君 同月二十一日  辞任         補欠選任   三原 朝雄君     西村 英一君 同月二十五日  辞任         補欠選任   大野  明君     箕輪  登君 二月一日  辞任         補欠選任   小林 政子君     不破 哲三君 同月二日  辞任         補欠選任   不破 哲三君     小林 政子君 同月三日  辞任         補欠選任   箕輪  登君     足立 篤郎君 同月七日  辞任         補欠選任   小林 政子君     不破 哲三君 同月八日  辞任         補欠選任   不破 哲三君     小林 政子君 同月九日  辞任         補欠選任   中馬 弘毅君     小林 正巳君 同日  辞任         補欠選任   小林 正巳君     中馬 弘毅君 同月十日  理事宮崎茂一昭和五十二年十一月三十日委員  辞任につき、その補欠として浜田幸一君が理事  に当選した。 同日  理事増岡博之君一月二十一日委員長就任につき、  その補欠として石井一君が理事に当選した。 同日  理事加藤六月君同日理事辞任につき、その補欠  として佐藤守良君が理事に当選した。     ――――――――――――― 昭和五十二年十二月十九日  地方陸上交通事業維持整備法案久保三郎君外  三十七名提出、第八十回国会衆法第二四号)  中小民営交通事業者経営基盤強化に関する  臨時措置法案久保三郎君外三十七名提出、第  八十回国会衆法二五号)  交通事業における公共割引国庫負担に関する  法律案久保三郎君外三十七名提出、第八十回  国会衆法第二六号)  中小民営交通事業金融公庫法案久保三郎君外  三十七名提出、第八十回国会衆法第二七号)  特定空港周辺航空機騒音対策特別措置法案(内  閣提出、第八十二回国会閣法第八号) 昭和五十三年一月十九日  地下鉄建設費補助率引き上げ等に関する請願  (新村勝雄紹介)(第四号)  同(伊賀定盛紹介)(第一六七号)  同(川口大助紹介)(第一六八号)  同(栗林三郎紹介)(第一六九号)  同(吉原米治紹介)(第一七〇号) 同月二十三日  地下鉄建設費補助率引き上げ等に関する請願  (安藤巖紹介)(第三一一号)  同(安島友義紹介)(第三一二号)  同(伊藤茂紹介)(第三一三号)  同(池端清一紹介)(第三一四号)  同(小川仁一紹介)(第三一五号)  同(大島弘紹介)(第三一六号)  同(大原亨紹介)(第三一七号)  同(川本敏美紹介)(第三一八号)  同(後藤茂紹介)(第三一九号)  同(渋沢利久紹介)(第三二〇号)  同外一件(新村勝雄紹介)(第三二一号)  同(新盛辰雄紹介)(第三二二号)  同(鈴木強紹介)(第三二三号)  同(田中美智子紹介)(第三二四号)  同(塚本三郎紹介)(第三二五号)  同(栂野泰二紹介)(第三二六号)  同(西宮弘紹介)(第三二七号)  同(日野市朗紹介)(第三二八号)  同(松沢俊昭紹介)(第三二九号)  同(水田稔紹介)(第三三〇号)  三宅島航空便増便に関する請願鈴切康雄君  紹介)(第三三一号)  安全輸送確保に関する請願後藤茂紹介)(  第三三二号)  同(斉藤正男紹介)(第三三三号) 同月三十日  地下鉄建設費補助率引き上げ等による請願(  安藤巖紹介)(第三七七号)  同(加藤万吉紹介)(第三七八号)  同(沢田広紹介)(第三七九号)  同(清水勇紹介)(第三八〇号)  同(新村勝雄紹介)(第三八一号)  同(田中美智子紹介)(第三八二号)  同(中西積介紹介)(第三八三号)  同(三谷秀治紹介)(第三八四号)  同(新村勝雄紹介)(第四五〇号)  同(渡辺芳男紹介)(第四五一号)  同(小川国彦紹介)(第五二九号)  同外四件(新村勝雄紹介)(第五三〇号)  同(矢山有作紹介)(第五三一号)  同(山花貞夫紹介)(第五三二号)  大島航空便増便に関する請願鈴切康雄君紹  介)(第四四七号)  八丈島航空便増便に関する請願鈴切康雄君  紹介)(第四四八号)  安全輸送確保に関する請願久保三郎紹介)  (第四四九号)  同(山花貞夫紹介)(第五三三号)  国鉄瀬棚線貨物取扱集約計画の撤回に関する  請願田中正巳紹介)(第四六七号) 二月四日  地下鉄建設費補助率引き上げ等に関する請願  (田中美智子紹介)(第五五九号)  同(新村勝雄紹介)(第五八八号)  同(田畑政一郎紹介)(第五八九号)  同(只松祐治紹介)(第五九〇号)  同(新村勝雄紹介)(第六四七号)  同(千葉千代世紹介)(第六四八号)  同(新村勝雄紹介)(第六七五号)  全国主要都市所在構内敷地活用に関する請  願(細田吉藏紹介)(第五九一号) 同月七日  紀勢本線宇久井駅の手・小荷物取り扱い廃止反  対に関する請願大島弘紹介)(第七二一  号)  地下鉄建設費補助率引き上げ等に関する請願  (新村勝雄紹介)(第七二二号)  同(田中美智子紹介)(第八〇五号)  同(井上一成紹介)(第八四七号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 二月六日  国鉄小荷物合理化及び貨物取り扱い廃止反対  に関する陳情書  (第七八号)  国鉄貨物通運合理化計画反対等に関する陳情  書  (第七九号)  中京圏鉄道網整備促進等に関する陳情書  (第八〇号)  地方陸上交通事業維持整備法案等制定促進に  関する陳情書外十九件  (第八一号) は本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  理事辞任及び補欠選任  国政調査承認要求に関する件  陸運海運航空及び日本国有鉄道経営に関  する件等運輸行政基本施策)      ――――◇―――――
  2. 増岡博之

    増岡委員長 これより会議を開きます。  この際、一言ごあいさつを申し上げます。  このたび、はからずも運輸委員長重責を担うことになりました。まことに光栄に存じます。  今日のわが国経済社会情勢下における運輸行政は、広範かつ多岐にわたっており、総合的な見地からする運輸政策確立推進が待たれる重要な時期に直面いたしておりますので、本委員会に課せられました使命はきわめて大きいものがあると存じます。  まことに微力ではございますが、幸いに、練達堪能な委員皆様の御協力、御指導を賜りまして、委員会の円滑な運営を図り、その重責を果たしてまいりたいと存じます。  何とぞよろしくお願い申し上げます。(拍手)      ————◇—————
  3. 増岡博之

    増岡委員長 理事辞任の件についてお諮りいたします。  理事加藤六月君から、理事辞任いたしたい旨の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 増岡博之

    増岡委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次に、理事補欠選任の件についてお諮りいたします。  ただいまの加藤六月君の辞任による欠員のほか、理事宮崎茂一君の委員辞任に伴う欠員及び理事でありました私が委員長に就任いたしました結果、現在理事が三名欠員となっております。その補欠選任につきましては、先例によりまして、委員長において指名いたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 増岡博之

    増岡委員長 御異議なしと認めます。  それでは、理事に       石井  一君   佐藤 守良君    及び 浜田 幸一君 を指名いたします。      ————◇—————
  6. 増岡博之

    増岡委員長 次に、国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。  運輸行政の実情を調査し、その合理化及び振興に関する対策を樹立するため、  一、陸運に関する事項  一、海運に関する事項  一、航空に関する事項  一、日本国有鉄道経営に関する事項  一、港湾に関する事項  一、海上保安に関する事項  一、観光に関する事項  一、気象に関する事項 について、本会期調査をいたしたいと存じます。  つきましては、衆議院規則第九十四条により、議長の承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 増岡博之

    増岡委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。      ————◇—————
  8. 増岡博之

    増岡委員長 陸運海運航空及び日本国有鉄道経営に関する件等について調査を進めます。  この際、運輸大臣から運輸行政基本施策について発言を求められておりますので、これを許します。福永運輸大臣
  9. 福永健司

    福永国務大臣 第八十四回国会に当たりまして、当面の運輸行政の諸問題に関し、所信の一端を申し述べ、各位の御理解と御支援をお願いいたしたいと存じます。  世界経済情勢は、景気回復調整過程にあるとはいえ、その足取りはなお遅々としており、通貨をめぐる国際経済問題、各国による二百海里漁業水域の設定など、わが国を取り巻く国際環境はきわめて厳しいものがあります。  また、わが国経済は、石油危機以来の傍滞から緩やかな拡大基調に移行しつつあるとはいえ、速やかに景気回復に取り組むことが急務とされる状態にあります。  このような厳しい内外経済情勢を受け、国民生活経済活動基盤である運輸交通分野におきましても、輸送需要は総じて伸び悩みの傾向を示している一方、公害環境問題の解決や利用空間などの制約要因への対応が緊急の課題となっております。さらに、このような環境下で、運輸事業経営は悪化しており、安全を前提とした良質な輸送サービス確保するためにも、その健全化が急がれているところであります。  私は、このような状況のもとで、当面次の諸点に重点を置きつつ、総合的に運輸行政を展開してまいりたいと考えております。  まず第一に、日本国有鉄道再建であります。  政府といたしましては、これまで国鉄経営健全性確立するための諸施策推進してきたところでありますが、昨年十二月に、国鉄再建にとって重要な基礎的条件ともいうべき国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道法改正が行われましたので、この新しい仕組みのもとにおける今後の国鉄再建を方向づけるため、同改正法国会における審議過程を踏まえ、新たに「日本国有鉄道再建基本方針」を策定いたしました。  言うまでもなく、国鉄問題を解決するに当たって最も肝要なことは、国鉄が、かつてのような独占的地位を失い、他の交通機関との厳しい競争関係に立っているということを関係者が十分認識し、思い切った意識の転換を図ることであります。今般の「基本方針」もこのような観点に立ち、責任ある経営体制確立等前提としつつ、適時適切な運賃改定による収支悪化防止国鉄経営抜本的見直しによる体質改善等によって、健全経営回復しようとするものであります。このため、国鉄に、一層の経営努力を要請するとともに、これと相まって国としても所要の行財政上の援助を行うことといたしております。  政府といたしましては、今後、この「基本方針」に沿って国鉄再建に鋭意取り組んでまいりたいと考えておりますので、今後ともよろしく御協力を賜りたいと存じております。  第二は、新東京国際空港の円滑なる開港実現であります。  新東京国際空港は、関係省庁地方公共団体等協力を得て、本年三月三十日に予定する開港に備え、現在、開港のための諸準備を着々と進めているところであります。政府といたしましては、円滑な開港実現に向けてさらに努力を重ねてまいる所存であります。  第三に、造船業及び海運業における不況対策等推進であります。  造船業は、国際的な経済環境の変化による需要減退等により、深刻な構造不況に直面しており、適切な不況対策実施急務となっております。  このため、従来から講じている輸銀資金活用等による工事量確保のための措置操業調整雇用対策金融措置等充実強化を図るとともに、今後、業界の構造改善を含む不況克服のための長期的対策確立を図ってまいりたいと考えております。  また、タンカーの船腹過剰、石油危機以後の輸送需要停滞等により不況下にある海運業につきましては、金融措置のほか、タンカーによる石油備蓄推進タンカー船腹量削減についての国際的合意促進近海船及び内航船過剰船腹解消対策推進等を図る所存であります。  さらに、これら海運業不況対策とあわせて、最近低下している日本船国際競争力強化する方策など、わが国外航海運の長期的なあり方に関する対策確立してまいる所存であります。  これと同時に、最近における船員雇用をめぐる厳しい情勢に対処するため、先般制定された、船員雇用促進に関する特別措置法による施策を含め、効果的な船員雇用対策推進してまいることとしております。  第四に、新海洋秩序への対応であります。  最近におきましては、国際社会に新たな海洋秩序の形成が進展しつつあります。運輸省といたしましても、このような情勢に即して、外航海運活動確保海洋汚染防止等観点から、国際的な努力を払ってまいることとしております。  また、領海法及び漁業水域に関する暫定措置法が昨年七月一日より施行されたことに伴い、漁業操業秩序維持わが国漁船の保護、領海警備等業務が増大しており、これに、より的確に対処していくため、さらに海上保安体制整備、増強を推進することとしております。  第五は、交通安全の確保災害防止についてであります。  私は、交通安全を確保することこそ運輸サービス基本であり、運輸行政において最重点を置くべき課題の一つであると考えております。したがいまして、陸海空すべての交通分野において、人命の尊重を最優先させるとの認識のもとに、交通安全のための諸施策を、長期的視野に立って強力に推進する所存であります。  また、わが国は、その地理的気象的条件により地震台風等の異常な自然現象による災害発生しやすい上に、経済社会の発展に伴い危険物集積等による災害要因増加傾向にあるため、防災体制強化する必要があります。このため、最近、国民各位重大関心事となっている震災対策につきまして、地震に関する観測、監視体制の一層の充実を図るとともに、静止気象衛星本格的活用等による気象業務体制強化、第二次海岸整備五カ年計画に基づく海岸保全施設整備等災害対策を広く推進してまいる所存であります。  第六に、交通公害防止についてであります。  運輸交通にかかわる公害問題としては、航空機騒音問題新幹線鉄道騒音、振動問題、自動車排出ガス騒音問題、海洋汚染問題等があり、これらは国民日常生活と密接な関連を有しております。  私は、豊かな国民生活実現には、交通機関のもたらす利便を促進すると同時に、交通機関環境に与える影響についても十分考慮しなければならないと考えております。  交通公害対策実施に当たっては、まず、公害発生源対策としての技術開発を進め、公害発生を抑制することが重要であり、次いで、民家の防音工事等周辺対策を必要に応じ推進するとともに、土地利用調整を図ることによって被害防止することが重要であります。  また、公害に対する規制及び監視取締体制強化して、環境対策の実効を確保することも必要であります。  このような環境対策の一環といたしまして、特定空港周辺航空機騒音対策特別措置法案を第八十二回国会提出し、自来御審議をいただいているところでありますが、航空機騒音問題を解決するため、その早期成立にぜひ御協力を賜りたいと存じます。  また、海洋汚染対策につきましても、国際的な汚染防止等に関する合意の方向を踏まえ、所要施策を検討してまいることといたしております。  私は、今後とも、これらの施策を講ずることにより、交通公害防止に積極的に取り組んでいく所存であります。  第七は、わが国経済及び国民生活基盤である輸送施設長期的整備についてであります。  これにつきましては、第三次全国総合開発計画昭和五十年代前期経済計画との整合性を保ちつつ、鉄道港湾空港等整備計画的に推進してまいる所存であります。すなわち、新幹線等を初めとする国鉄輸送力整備充実を図るとともに、第五次港湾整備五カ年計画及び第三次空港整備五カ年計画の第三年度として、港湾及び空港整備推進することとしております。  最後に、地域における輸送力確保の問題であります。  最近、国民生活の安定、向上のため、地域における国民日常生活に必要な輸送サービス確保することが重要な課題となっております。  このため、運輸省といたしましては、地方交通対策として、経営が困難となっている国鉄中小民鉄地方バス路線離島航路離島航空路に対し助成措置を講じてまいりました。また、大都市交通対策といたしましては、都市高速鉄道網整備バス輸送サービス改善に努めてきたところであります。今後とも、これらの施策推進してまいりたいと考えております。  また、従来から懸案となっております日米航空協定改定問題につきましては、引き続き、日米間の航空権益を均衡あるものとすべく努力するとともに、国際協力推進世界観光機関への加盟を初めとする国際観光振興等施策充実することといたしております。  このほか、沖繩県交通方法変更対策の円滑な実施観光レクリエーション施設整備運輸部門におけるエネルギー対策確立運輸情報システム整備等推進してまいる所存であります。  以上、運輸行政の当面の諸施策につきまして申し述べましたが、これらは申すまでもなく、委員各位の御理解と絶大なる御支援とを必要とする問題ばかりでございます。  この機会に皆様の一層の御指導、御鞭撻をお願い申し上げる次第でございます。(拍手
  10. 増岡博之

    増岡委員長 次に、昭和五十三年度運輸省及び日本国有鉄道予算について、運輸政務次官から説明を聴取いたします。三塚運輸政務次官
  11. 三塚博

    三塚政府委員 昭和五十三年度運輸省関係予算について御説明申し上げます。  まず、一般会計について申し上げますと、歳入予算総額は、十七億一千四百七十六万八千円であり、歳出予算総額は、他省所管計上分一千十四億二千七百七十二万円を含み、一兆二千四百五十一億七千三十三万二千円でありまして、これを前年度予算額と比較いたしてみますと、比率で一八・九%の増加となっております。  次に、特別会計について申し上げます。  自動車損害賠償責任保険特別会計につきましては、歳入歳出予算額一兆二千九百八十二億百万円余、港湾整備特別会計につきましては、歳入歳出予算額二千六百八十一億七千八百万円余、自動車検査登録特別会計につきましては、歳入歳出予算額二百五十七億二千万円余、空港整備特別会計につきましては、歳入歳出予算額一千五百五十六億二百万円余をそれぞれ計上いたしております。  また、昭和五十三年度財政投融資計画中には、当省関係の公社、公団分として一兆五千六百九十九億円が予定されております。  運輸省といたしましては、以上の予算によりまして、まず第一に、日本国有鉄道再建推進することといたしております。  国鉄再建につきましては、国会における国鉄問題審議の経緯を踏まえて昭和五十二年十二月二十九日に閣議了解された「日本国有鉄道再建基本方針」に従って各般の施策推進していくことといたしております。  これに基づき、昭和五十三年度においては、諸般の事情を考慮して所要運賃等改定を予定するとともに、国は、一般会計総額五千四百一億円を計上し、国鉄経営上の負担を軽減するための助成措置を一段と強化することといたしております。  第二に、新海洋秩序対応して海上における警備救難公害監視等体制充実させるため、海上保安庁巡視船艇航空機等整備を強力に推進することといたしております。  第三に、交通基盤施設整備等投資部門につきましては、港湾海岸及び空港に関する各五ヵ年計画推進するための予算を大幅に増額するとともに、東北、上越両新幹線を初めとする鉄道整備につきましては、これを重点的に進めることといたしております。  第四に、安全防災及び環境保全対策といたしましては、地震火山対策集中豪雨対策海上防災対策空港周辺対策交通安全対策被害者救済対策等充実を図ることといたしております。  また、本年七月に予定される沖繩県における交通方法変更対策につきましては、必要な経費を計上し、その円滑な実施に万全を期しております。  第五に、経営改善努力している地方バス中小民鉄離島航路等に対し、地方公共団体協力して助成を行い、国民日常生活に不可欠な公共交通サービスの維持確保に努めてまいります。  第六に、世界的な不況に直面をしております造船業対策に必要な財政投融資を確保する一方、最近の厳しい船員雇用情勢に対処するための船員雇用安定対策の一層の充実を図ってまいりたいと考えております。  なお、運輸省関係予算の部門別の重点施策の概要につきましては、お手元に配付してあります昭和五十三年度運輸省予算の説明及び昭和五十三年度日本国有鉄道予算の説明によりまして御承知願いたいと存じます。  以上をもちまして、昭和五十三年度の運輸省関係の予算についての御説明を終わります。     —————————————
  12. 増岡博之

    増岡委員長 質疑の申し出がありますので、これを許します。石井一君。
  13. 石井一

    石井委員 ただいま大臣の所信表明をお伺いいたしまして、どの項目をとりましても、それぞれ国民生活にとって非常に重要な問題でございますが、本日、私は、この中で第二と第三の問題について、時間のある限り御質疑を申し上げたいと思います。  そこで最初に、新東京国際空港の円滑なる開港実現でございますが、諸準備を着々と進められておる、そして、さらに努力を重ねていく、こういう所信の表明でございますが、私たちが拝見しておりまして、あと開港まで五十日という限られた時間の中で解決しなければならない問題点というのが山積しておるように思うわけでございます。  大臣としては、開港までに、どの問題も重要でございますが、逐次お伺いをしていきますけれども、特に重要だとお考えになっておる点はどういうところにあるのか、また、三月三十日の開港の日時というものに変更なく開港を期することができるというふうにお考えになっているのか、まず、この点からお伺いしたいと思います。
  14. 福永健司

    福永国務大臣 御心配をいただきまして、恐縮に存じます。  新東京国際空港は、関係省庁地方公共団体等の御協力をいただきまして、三月三十日に開港する予定になっており、政府としても、現在、関係諸機関の協力のもとに新空港開港が円滑に実施できるよう、新空港——都心間のアクセス対策空港周辺の騒音対策航空会社等の羽田から成田への移転準備等について全力を挙げて取り組んでいるところであります。  なかなか容易ならざる問題もあるわけでございますが、ただいまお尋ねの三月三十日に開けると思っておるかということは、ぜひそういうようにいたしたいと切にそれを願っておる次第でございます。
  15. 石井一

    石井委員 いまアクセスの問題とか外国航路の問題、騒音の問題等々についての御指摘がございましたが、これらはそれぞれ問題を含んでおると思うのでございますが、次に、各論の問題に入りまして、具体的に大臣なりあるいは政府委員から御答弁をいただきたいと思うのでございます。  航空機の燃料暫定輸送の計画、そうして、その実施の見通し、特に昨今の千葉地本を中心にした動労の反対闘争など非常にむずかしい問題が含まれておるように思うのでございますけれども、まず暫定輸送の問題について、それから、これはごく限られた三年という期間でございますが、本格パイプラインの建設についての、どのような交渉が行われて、どういう見通しを持っておられるか、この点についてお伺いしたいと思います。
  16. 福永健司

    福永国務大臣 大変大事な問題で、同時に、私どもも頭を痛くしておる問題でございます。何とかしてこれらの問題をうまく解決していかなければならぬということでございますが、具体的な諸点等につきまして、これと関連して政府委員から答弁させることにいたします。
  17. 高橋寿夫

    ○高橋(寿)政府委員 開港を控えまして暫定輸送のルートを確保することが大変大事な問題であることは、御指摘のとおりでございますが、これにつきましては、先日、幕張駅構内の折り返し設備の建設につきまして国鉄労働組合と話がつきまして、これにつきましては円滑に工事が終わりました。残るところは、動力車労組が実際にこの三月初めから行いますところの備蓄用燃料の輸送に応ずるかどうかという点が最大の問題でございますが、これにつきましては、国鉄当局がいま必死になって動労と話を進めております。私どもは、必ずやこの交渉が成功いたしまして、予定どおり運ばれることになることを期待いたしております。  なお、御承知のように、この輸送方式は三年間の暫定方式でございますので、三年後の本格的な事態に備えまして、現在、本格パイプラインを千葉の港から成田空港までつくるという点が今後の残された問題でございます本格パイプラインにつきましては、先ごろ千葉市内を通る問題につきまして、千葉市民の反対によりまして、これが変更することを余儀なくされつつございます。  そこで先ごろ、ことしに入りましてからでございますけれども、政務次官が空港公団総裁とともに千葉市へ赴きまして、千葉市長に対しまして新しい変更ルート、つまり千葉の港から海岸地帯を通りまして花見川の川底を通りまして北上するという案の説明をしてきたところでございます。現在、千葉市におきまして、住民との話し合い等を通じまして、この本格パイプラインのルート案につきましての合意を形成する努力をいたしているところでございます。これが事実上合意に達しますと、今後はパイプライン事業法に基づきまするところの各般の手続をいたしまして建設に着手するという運びになります。  なお、まだ地元との間でかなりの折衝の余地が残されておりますので、今日これらの手続が進む時点を即断することはできませんけれども、私どもといたしましては、本格パイプラインの建設には、どんな突貫工事でやっても、どうしても二年半はかかるという事態を踏まえまして、ことしの夏までには諸般の準備を全部終わりまして、秋早々には着工をすべく努力をしておるところでございます。
  18. 石井一

    石井委員 仄聞いたしますと、動労本部の意向はともあれ、千葉地本の暫定輸送に関する反対闘争というのが非常に厳しいということを聞いておりますが、もし仮に、これが期待をしておられると言いますが、説得できない場合には、ほかに方法があるのか、あるいは鹿島ルートだけで持つのか、あるいは鹿島ルートもそのことによってつぶれるのかということが一点と、それから本格パイプラインを引きますときに、問題になっておる地点はどの程度あるのか、千葉市内だけが問題なのか、この点を明らかにしておいていただきたいと思います。
  19. 高橋寿夫

    ○高橋(寿)政府委員 暫定輸送の問題につきまして、現在、国鉄経営者と動力車労組が話を詰めておりますが、御指摘のように、動力車労組の中でも特に千葉の地本が大変強い反対の姿勢を示しておるところでございます。これにつきましても、国鉄経営者及び先日は運輸大臣も総評の事務局長との間で、このことにつきまして会談をいたしました。動力車労組の中央の努力によりまして、千葉地本を何とか説得してもらうという努力をいま続けておるところでございます。  仮にということは考えたくございませんが、これが実現しない、つまり動力車労組の反対によりまして、仮にタンク列車の運行が不可能になりますと、燃料が成田へ行きませんから、開港の日取りが大幅に変わってくるわけでございます。動力車労組は千葉ルートだけではなくて、鹿島ルートもやはり関係がございますので、これにつきましては、目下千葉地本を説得いたしまして、協力してもらうという道しか開かれておりませんので、全力を挙げてやっておるところでございます。  それからなお、本格ルートでございますが、問題の点を申し上げますと、千葉市内が最大の問題でございます。これにつきましては、千葉の海岸埋立地の中を通りまして、それから花見川の川底へ入って北上いたしまして京葉道路ののり面に入る、それから東関東自動車道沿いに北上していくわけでございますが、この海岸線を通る地点、これは運輸省港湾局の所管する部分でございます。それから花見川の川底を通りますのは建設省河川局の所管する部分でございますし、それから京葉道路ののり面に入るのは建設省道路局の所管でございます。  この辺につきまして、関係官庁との話はずっと進めておりまして、技術的な安全性、安定性等については、ほぼクリアーをいたしておりますけれども、問題は、やはりそこを通ることについて地元と話をつけなければならぬ点がございます。特にその問題は、花見川底の問題でございまして、川の底を通ることについての不安が地元からぬぐえないわけでございますが、川底と申しましても、川の底からさらに十数メートル、二十メートル近くも掘り下げまして、そこに人間が通って歩けるような大きなさやになる管を埋めまして、そのさや管の中に内径三十五センチのスチール製のパイプを二本つるすということでございますので、たとえ地震等がございましても、油が流れている管に直接影響がないという構造にいたしておりますので、安全性には万全の自信を持っております。そういうことを理由に目下地元と話をしておるところでございます。  それからなお、東関東自動車道に入りましてから成田へ行くまでの間、これはかなり長い距離でございまして、現在まだ全部埋め終わっておりません。このうち、若干のものにつきましては、地元と話をつけましてパイプを埋める交渉を進める必要がございます。これにつきましても、千葉市と並行いたしまして空港公団が目下話を始めたところでございます。
  20. 石井一

    石井委員 IATAの国際航空運送協会との交渉の対象になっておる空港の使用料の解決の見通しについてお伺いをしたいのであります。  これは国際的に非常に高い使用料を提示しておるということを聞いておりますし、国際的な非難もあるようでございますが、これについての交渉の見通しについてお伺いをしたいと思います。
  21. 福永健司

    福永国務大臣 ただいま御指摘の交渉につきましては、IATA、国際航空運送協会の責任者と空港公団でいろいろ折衝をいたしておりますが、なお結論に到達していないことを残念に思います。漸次日も迫ってまいりますので、この交渉を急がせてぜひ結論に到達したいと思いますが、お話のごとく双方の主張にはかなり開きがございます。ではございますが、それだけに双方の主張の対立の理由もかなり明確になってきておりますので、今後さらに検討を続けて開港までにぜひ決着させたいと思います。  先般IATAの責任者の一人であるハマーショルド氏が私のところへも参りましたし、その他にも何人か見えた人もございますが、私からはまだ、それらの点について具体的にどうするかということはもちろん申してはおりませんが、いまお話しのように、日本の立場も十分考えるとともに、国際的な観点からどうあるべきかということもやはり考えなければいけない、こういうふうに考えております。ぜひ間に合うように、円満に解決していくようにいたしたいと存じます。
  22. 石井一

    石井委員 そうすると、大臣としては、日本側の新しい提案をいま準備しておる、双方の開きも大きいし、時間も限られておるので、そういう形での妥協案を提示しよう、こういうお考えでございますか。
  23. 福永健司

    福永国務大臣 何せいま交渉しているさなかに、いまのお尋ねのとおりの言葉でお答えすることはいかがかと存じますが、ああいうようにかなりの開きもあり、国際的な事情もわきまえていかなければならぬということでございますので、私も若干考えていること等もあるのでございますが、いま交渉しているさなかでございますので、その妥協案をどうとかこうとかという言葉ではお答えできませんが、何とかしてなるほどという結論に持っていきたい、こういうことで御了承いただきたいと思います。
  24. 石井一

    石井委員 次に、米軍の郵便物取扱所の設置に関しまして、これは過去当委員会におきましても、いろいろ質疑が行われてきた問題でございますが、これについての運輸省の考え方をお伺いして  おきたいと思います。
  25. 福永健司

    福永国務大臣 考えようによっては、余り広い面積を必要とする営造物をどうこうという問題ではございませんが、これはかなり質的に重要視しなければならぬ問題であると私は考えておるわけでございます。いままでいろいろいきさつもございましたし、またアメリカの方はアメリカの方で要求をいたしておるところであります。これまた折衝中のことでございますので、運輸省としては、どうということを申し上げるのはちょっとはばかるのでございますが、何とか解決しなければならないし、できないことではなかろうと私は考えておるわけでございまして、いま折衝している関係者にこの上ともの努力を私は期待いたしておるわけでございます。
  26. 石井一

    石井委員 目下交渉中の問題でございますし、私の立場でこれ以上詰めることは避けますが、こういう地位協定等もございますけれども、過去の運輸省の見解、また今日、五十日を目前にしましたこのせっぱ詰まった時期において、いつまでもそういうようなことでは、われわれといたしましても、必ずしも納得できない面がございます。一日も早く説得力のある結論を出していただきたいと要望いたしておきたいと思います。  開港時におけるいわゆる外国航路の乗り入れの問題でございますが、これは昨年、私なども次官をしておりまして、たくさんの外国の代表にこの問題について会見いたしました。大臣はきょうもこういう形での会見で退席されるというふうに伺っておりますが、このことについて、これまで大臣もかなりかわっておりますし、国際的な約束というものもいろいろできておるようでございますが、この辺できっちりと整理をして、一つの方針というものを打ち立てていかなければいけない。一体どの程度の国の新規乗り入れを認めようとしているのか、まずこの点をお伺いしておきたいと思います。
  27. 福永健司

    福永国務大臣 実は私、就任いたしまして間もなく、幾つかの国々の大臣とかその他の関係者の来訪を受けまして、前々の大臣から、成田が開港になったら何とかするというような返事をいただいているのですが、新大臣はどうだ、こういうような話でした。  そこで私は、成田は開港するといっても完成した形においての開港ではない、滑走路もまだふやすこと等その他いろいろな事情からいたしまして、あなた方は成田でも開港されたらと、こういうように聞いておられるようだが、その言葉は、まだ開港にかなり日があったころには皆さんはそういうようにお聞きになったかもしれぬけれども、私としては、開港前はもちろんだめだが、開港後適当な時期にと、こういう意味だと了承してもらいたいと言ったら、妙な顔をしていた人たちもおります。しかし現実、そうでないと、開港した途端に三十二もの国からぜひ乗り入れさせろと言っているのを、端からわかりましたというようなわけにはとてもまいりません。といって、いろいろこちらにも、多少は無理をしても何とかという措置をとることによって、日本対それらの国々とのいろいろの意味の関係をうまくやっていかなければならないということ等もございますので、ごく少数の国については考えなければいけない、まあ考えるだけではなくて、実際上乗り入れをさせる措置を講ずるということでございますが、余りたくさんは成田開港と同時にということではいかない、こういう事情でございます。  ただ、先ほども申し上げましたように、相手国では、成田が開港になれば何とかなるのだということを頭に置いているようでございますから、余りいい顔をしないので、そんなに早速というわけにはいかぬのかというような顔をしておりますけれども、これがやむを得ざる事情でございますので、そのことについて深く理解してもらうように努力をしております。  きょうもある国の交通大臣が来て、同じようなことを言うと思います。どうしても会えと言いますから会うことにいたしますが、なかなかその辺むずかしいと思います。むずかしいけれども、この日本のむずかしい事情をよく理解してもらえるように、この上ともできるだけの努力をしてまいりたいと思います。少なくともいままでのところ会った諸君は、ある程度わかってくれたような気がいたすのでございますが、今後なおたくさんの国々が同じような事情にありますので、気をつけて対処いたしたいと考えております。
  28. 石井一

    石井委員 三十二の申し込みがあると申しますが、大臣として、どうしてもこの数カ国だけは最初の決定に含まなければいかぬというふうにお考えになっておる航路と申しますか、これがどれぐらいあるのでございますか。
  29. 福永健司

    福永国務大臣 たとえばイラク、このイラクとは話を詰めましたし、それからサウジアラビア、この責任者とも私は会いましたが、これとは話がつく見通しでございますが、ただいまのところ、そこいらあたりが目ぼしいものでございます。ほかはないとも言えませんし、あるとも申しがたいのですが、まあイラクとサウジアラビアは、私が説明を申し上げるまでもなく、わが国航空事情を考えた場合にも、油もたくさんちょうだいしておりますし——これは言っていいのかどうか、それだけでどうというのじゃないが、そういうこともございますし、その他いろいろ事情もございますので、いま申し上げましたようなことにいっておりますが、その他につきましても、よく考えて対処いたしたいと考えております。
  30. 石井一

    石井委員 たとえば外国から来る国賓、公賓等の飛行機は、すべて羽田へ着くのだというふうにも聞いておりますが、これは開港と同時に、国際線、国内線の最盛時と申しますか、非常にふくそうした航空路の乗り継ぎその他の運航計画改定しなければいかぬと思うのでございますけれども、国内乗り継ぎという便に関してどういうお考えを持っておられるのか、お伺いしておきます。
  31. 福永健司

    福永国務大臣 御指摘のごとく、成田におりて羽田へ急いで行って向こうへ乗り継ぐというようなこと、これがうまく行われなければならぬということは当然でございます。それで、この間相当な距離もございますし、したがって、この乗り継ぎをどうするかということは、かなり重大問題でございます。その手段等について、やや具体的な話等も出ているわけでございますが、運輸省といたしましては、それらをよく検討して、申し出を受ければ、その実現方について適切な処置をとるように、こういうように考えております。  また、現実的にどういうことということは、ちょっと申し上げるところにはいきませんが、かなり話も出ているところでございまして、具体的なことにつきましては、政府委員をして答えさせることにいたします。
  32. 高橋寿夫

    ○高橋(寿)政府委員 補足をさせていただきます。  特に大阪あるいは福岡、千歳等のように、かなりまとまった旅客需要のあるところにつきましては、その地方の住民、利用者の方々から、乗り継ぎ便を認めろという要請が非常に強うございますので、それにつきまして私どもいろいろ検討いたしております。大臣が御答弁申し上げましたとおり、航空会社から申請がございますれば、開港後適切な時期になるべく早くこれを検討していきたい、こう考えております。
  33. 石井一

    石井委員 それでは次に、一本滑走路の不安という問題がございますが、二期工事の目標はどのようになっておるのか。B滑走路、C滑走路についての工事に対する目安というものはもうついてきたのかどうか、この点いかがですか。
  34. 高橋寿夫

    ○高橋(寿)政府委員 お答え申し上げます。  現在、開港いたそうとしておりますのは、御指摘のとおり、A滑走路だけでございますが、残るところのB滑走路及び横風用のC滑走路、これの建設を急ぐ必要がございます。ところが、まだこれらにつきましては用地が全部買えておりません。残っている用地は約四十ヘクタールほどと聞いております。持っていらっしゃる地主さんも十数人というところまで話がずっと縮まってまいりましたので、目下、空港公団が中心になりましてこの用地買収に全力を挙げているわけでございますが、むずかしいのは、用地が仮に買えましても、あの辺一帯は縄文と聞いておりましたけれども、その時代の土器が至るところに埋蔵されているという土地でございまして、一期工事のときにもかなり土器が出てまいった事実がございます。  そこで、土地が買えましても、その埋蔵土器の状況につきまして文化財の調査をする必要がある、そして必要な措置を講ずる、必要な措置と申しますのは、滑走路の建設によりまして破壊されるようなおそれがある場合には、あらかじめ掘り起こしてほかへ保存する、あるいは土かぶりさえ厚ければ保存ができるというところは、そのまま埋めておくというふうなことを選択いたしまして、文化財に支障がないような措置を講じた上で建設をするということでございますので、用地買収が済んでもなおすぐにブルドーザーを入れるというわけにはまいりません。目下、千葉県の教育委員会と公団との間で文化財調査促進方を進めているところでございます。これのめどがつきますれば、まあ全くの想像でございますが、早ければことしの秋、遅くても来年早々にはブルを入れまして整地を行い、滑走路をつくるというふうなことを考えております。未確定要素がございますので、まだ完成時期というものを申し上げる段取りでございませんけれども、私どもとしては、なるべく速やかにB、C滑走路をつくってまいりたいと思っております。  ただ、御参考までに申し上げますけれども、一本滑走路でも能力的にはかなり対応できます。羽田でいま一年十七万五千回の飛行機が離発着しておりますが、成田へ移りますのは、そのうち約五万五千回でございます。したがいまして、一本でも倍になってもまだ余裕があるということでございますので、このままの需要算定でまいりまして昭和六十年までは優に持つと思います。  ただ、指摘されておりますのは、一本滑走路では横風のときにどうするかという点がございます。現在、羽田でも横風用滑走路がございまして、横風の場合には横風用滑走路を使っておるわけでございますが、その点につきまして、危ないじゃないかという指摘がときどき新聞に出ますが、成田は羽田と違いまして内陸空港でございますので、横風の吹く日が非常に少ないわけでございます。従来の気象庁の各種の観測によりますと、一年のうち横風が吹く率は、平均して一%未満というふうに聞いております。したがいまして、横風用滑走路がなくても、A滑走路だけで運用いたしまして、そういった支障は特にないと思います。ただ、ゼロではございませんので、やはり吹く時間帯によりまして、季節によりまして問題が起こります場合には、たとえば羽田にダイバートをするというふうなことを考えております。  そういうことでございまして、当面、一本滑走路で能力的あるいは安全問題での支障は私どもはないと考えております。
  35. 石井一

    石井委員 大臣の時間があるようですから、大臣にあと二つ質問をさせていただいて、御退席いただいて結構でございます。  最初は、成田の問題でございますが、結局、開港を前にいたしまして、まだ完成していない中途半端な問題点がたくさん残っておる、これは万やむを得ぬ理由もわかるのでございますが、一体これで利用者やら周辺の住民に対して安全というものが確保できておるのか、不測の事態というふうなものが想像できるのではなかろうかということをわれわれとしては大変憂慮いたすわけでございます。最近の鉄塔の処理等、ここ一週間ほどに起こっております事件を見ましても、非常に厳しいものを感ずるわけでございますが、これらの警備体制あるいはゲリラ対策というふうなものについて、大臣は、どういうふうにお考えになって開港に臨まれようとしておるのか、これをまず第一にお答えいただきたいと思います。
  36. 福永健司

    福永国務大臣 私も、同様頭を痛くしておる一人であり、特に責任者といたしまして特別にそうであらねばならぬことは当然でございます。いまお話が出ましたようなことで、まあ治安上その他にいろいろめんどうがあるということを予想することは、私としては、ぜひそういうことがないようにということを強く念願いたしておるところでございますが、同時に、そういうことに備えるという観点からは、これはひとり私どもの方ばかりではございませんで、たくさんの関係省庁あるいは地方自治体、その他多くの皆さんの御協力を得なければならぬことでございますが、それらにつきまして万一を憂えてのその種の措置はそれなりに講じているつもりでございますが、しかし、問題が問題でありますだけに、なお一層念を入れて今後に対処するよう備えてまいりたいと考える次第でございます。
  37. 石井一

    石井委員 この問題は非常に重大な問題で、また開港後にもパイプラインの建設等延々と続くわけでございまして、不測の事態がどこにあるかということを考えましたときに、やはり万全の警備体制とともに基本的な問題に取り組んでいくという運輸大臣としての姿勢が要請されておるのではないかと思います。  もう一点、大臣が就任されました直後に、関西国際新空港を浮体方式で行うということを打ち上げられまして、これは現下の雇用情勢等を考えましても、画期的な提案であるというふうに造船業界あるいは関西の経済界では受けとめられておるわけでございます。ただ、新しい構想でございますし、不安要素もたくさんあることもわれわれ承知いたしておるわけでございます。その後多少の時間が経過いたしましたが、もちろん本年度は調査費もつき、徐々に進んでおると思うのでございますが、打ち上げられましてから今日までどのような措置をとられてきて、それに対する確信というものがどの程度出てこられたか、ひとつ大臣からお伺いしておきたいと思います。
  38. 福永健司

    福永国務大臣 関西国際新空港を建設する目的というのは、申すまでもなく現在の大阪国際空港騒音問題を解消し、公害のない空港海上に建設して、将来における関西地方の航空輸送需要対応しようとするものでございますが、このために、運輸省といたしましては、すでに昭和五十一年度から新空港の建設が周辺の環境に与える影響等につきまして事前調査実施しているところでございますが、その結果はこれを地元に公表し、関係府県の合意を得て建設に着手する、これに変わりはございません。  そこで、航空審議会の方から、こういう観点からの諮問に対して答申を得ておりますが、棧橋工法、埋立工法あるいは浮体工法、さらにはもう一つ干拓云々とありますが、まあこの四つのうち先に述べました三つが主たるものでございまして、答申では、こういうようにいろいろあるが、その時点では埋立工法を主体とするという表現になっております。しかし、あれだけの大きな空港をつくるということであれば、こういうように工法は幾つかあるということで理念的には分けられるけれども、実際の工事というものは、ある部分はどの工法による、他の部分は別の工法によるという、総合的にりっぱなものをつくることが大事であろうと思うわけでございます。  そこで、いま私が申しましたことは、これに決めたという意味じゃございません。それはそういう性質のものではないので、第一まだ、その種の空港をつくる、つくらぬということについては、先ほども申し上げましたような手順を経る必要があり、その手順を経て関係方面の御協力を願う、こういうことでございますが、あの答申がありましてから今日まで、いまお話しのように、かなり時日も過ぎましたし、それから、その間にいろんな技術的の進歩もございます。おまけに、あの答申がありましたころには、造船であれ鉄鋼であれ、今日とはおよそ事情が違っておって、それなりに仕事もやっておったのでございますが、現在は非常に深刻な不況下にあります。  そこで私は、政治全体を考えて、まさに政治というものはそういう必要があろうと思うのでございますが、いまいろいろ論議されております公共事業がどうのこうのということ等から考えましても、実は造船なら造船を一つ例にとってみますと、一般の公共事業がそこへ波及して、造船の労働者がそれで大変仕事がある、よくなったというわけにはなかなか簡単にいかないのでございますので、そこで、造船なら造船という、そういう仕事に関係する人たちの仕事が得られて、そして将来に残るこういう空港が、日本の技術の粋を尽くしてりっぱなものができるということになれば、まさに一石数鳥になるということでございます。  そういう観点から言うならば、その後浮体工法の技術等も進歩してきておるし、このことによって、造船を初めその他いろいろありますが、そういうような関係の人たちの仕事もこれでできるし、かてて加えて、そういうことをやりますと、言うならば、ある程度そういうことに日本は手を染めておりますけれども、今度そういうことに成功いたしますと、世界各国から大いに注目されることになるであろう。国土の狭い日本は、北の方では歯舞、色丹以下の四島をすぐ返してくれということ、これはこれで一生懸命にやるが、同時に、日本民族の頭脳や腕から出た新領土の頭脳的造成というか、これはちょっと表現はいかがかと思いますが、こういうようなことを幾らかでも考えられた結果が得られるということになれば、やはり政治の目指すところも、そういうところに一部あるような気がいたしますので、そういうことで、私は、確かにこの種の問題には全然素人でございます。素人ではございますが、専門家がいろいろ考えてくれる、それとともに、政治をやる者は政治をやる者としてその種のことも考えて、これらを総合的に考えて、どういうことにするのがよかろうか、こういう結論にいくのが望ましい、こういうように考えておるわけでございます。  ただ、素人福永健司の構想をもって単にそれだけというつもりではございませんで、いまも申し上げたように、日本人の頭脳、日本人の技能を十分に生かした方途がとられるべきである、私の本旨はそういうつもりでございます。
  39. 石井一

    石井委員 抽象的ですが、前向きな御答弁をいただいたと拝受いたします。  大臣、お急ぎでしたらどうぞ……。  政務次官と政府委員に一、二点、成田の問題について最後にお伺いをしたいと思います。  先ほど御質問しましたように、今後の不測の事態ということ、これは非常に心配の種でございますが、このことに関して、これまで開港に至るまでの反対派の動きというのは、あくまでも運輸当局なり公団に対する不信感に満ちておるという感じがいたしますし、話し合いの機会というものが比較的少なかったのではないかという感じがいたします。  この間、政務次官は千葉市へ行かれて、本格パイプライン等の敷設問題についても積極的に動いていただいておるようでございますが、開港ができたからといってまだ問題が解決しておらぬわけでございます。私は、やはりそこへ行って、ひざを突き合わせて話し合う、こういう姿勢も非常に要るのではなかろうか、開港ができたから終わったということにならぬだけに、今後もそういう根強い努力が必要だと思うのでございますが、こういう問題に関して、政務次官の御所見なり御決意があれば、ひとつ伺っておきたいと思います。
  40. 三塚博

    三塚政府委員 ただいま運輸大臣からもお話がありましたように、この開港問題、三月三十日は至上命題であります。同時に、その後の問題をスムーズに進めていくということは、まさに新国際空港の形態を整える上におきまして必要大切な要点であります。  ただいま御指摘のように、運輸省及び公団に対する地元の皆様の不信感、これにつきましては、御指摘のように千葉市初め県庁に参りまして、おわびするところはおわびを申し上げ、しかし、国家的な事業でもございますので、御協力を賜るところはひとつ御協力をしてほしい、そして今後、運輸省及び公団に対しましていろいろな御指摘があられようと思いますけれども、その点については、まさに誠心誠意問題解決のために相協力をさせていただきながらやらさせていただきます。こういうことでお話をさせていただいたわけであります。  石井委員も前任の政務次官として現地にたびたび参られまして、御努力をされてまいりましたその実績がありましたものでありますから、私が参りましても、わりかしそういう話のルートがついたようにも考えるわけであります。そういう点で今後も石井委員を初め運輸委員の各委員皆様方の御指導、御鞭撻を賜りながら万遺漏のない形の中で仕上げをしていかなければならぬと思います。開港したからこれで終わりというようなことではございませんで、まさにそこがスタート台でございますので、困難な道のりを一生懸命がんばってまいるつもりであります。  さらに、いわゆる反対同盟の問題につきましても、いろいろな要素が絡み合っておりますものでありますが、しかしながら、それはそれなりに事実として認識をしながら一生懸命解決のために、各機能をフルに発揮することによりましてがんばってまいりたいと考える次第であります。
  41. 石井一

    石井委員 どうかひとつ反対派の連中をも忘れることなく、行動する政務次官として御努力を賜りたいと思います。  あとほんの二、三点、関西新空港についてお尋ねをして私の質問を終わりたいと思います。  先ほど大臣から、浮体工法をも含めて政治の姿勢として現在の不況下に対処する、こういう御意見でございましたが、本年は関西新空港がいよいよ本格的な調査の年でございます。ほとんど調査が完了するということを期待しておるわけでございますが、また、それに相応したように二十数億の調査費もついておる。これまでの最大の額でございます。細かいことは結構でございますが、一体どの程度まで調査が終わる見込みなのであるか、また調査が終わった後にどういう手続を踏んで着工までにあと一年かかるのか二年かかるのか、またスムーズに行けばどの程度でこの関西新空港という一兆円、二兆円という大きなナショナルプロジェクトが完成する見通しなのか、これをひとつ明らかにしておいていただきたいと思います。
  42. 高橋寿夫

    ○高橋(寿)政府委員 お答え申し上げます。  関西新空港の建設の前段階になります事前調査でございますが、私ども当初の計画では、五十一年度から三年間で完了したい、こう思っておったわけでございます。ところが、建設予定地に観測のために建てますところの観測塔の設置につきまして、地元の反対が非常に強く、事実上一年ほどおくれたわけでございます。最近になりまして本格的なデータが出始めているという状況でございますので、五十一年度から五十三年度まで三年間でという調査が、恐らく事実上一年繰り延べになりまして、五十四年いっぱいかかるのではないかというふうな状況でございます。今日まで予算的には三十億円つけていただきましたし、来年度は二十一億円つけていただいたわけでございますが、これらにつきましても、在来そういった事情から若干未消化の部分も残っております。したがいまして、全力を挙げてやりましても、調査が完了いたしますのは、五十四年度いっぱいになるというふうに考えます。  そして調査の結果は地元に公表するという約束をいたしておりますことは、大臣の御説明のとおりでございますが、私どもは、五十四年に調査が全部完了するのを待ってそれから地元へ公表するということをいたしますと、それからまた時間がかかりますので、そういうことをなるべく避けまして、中間段階でも発表できるまでまいりましたものにつきましては随時発表いたしまして、そしてなるべく早く、五十四年度いっぱい、あるいは五十五年度早々にも地域の意見の集約をお願いいたしたい、こう考えているわけであります。意見の集約は地元の県知事さんにお願いするということにしてございますので、県知事から建設いいか悪いかという点の御返事が来る段取りになっておりますが、それについては五十五年度早々にお願いいたしたい、こう考えております。  それから、建設の期間でございますが、これは工法をどのようにするかによりましても変わると思いますので、いまのところ、明確な完成時点を申し上げることができないわけでございますが、私どものいま感じておりますところでは、五年でつくり上げるということは、やはり精いっぱいのところだろう、こう考えておりますので、仮に五十五年から取りかかりましても、六十三年ないし若干超えなければ、どんな短くてもできないのではないかというふうに考えているところでございます。
  43. 石井一

    石井委員 本年度の調査で明らかになることでございますけれども、たとえば現在の位置の問題に関しましても、土壌が非常にもろいとかあるいは発着に関するいろいろの障害があるとか、あるいはまた経済性というふうな問題で、もう少し大阪の湾岸の中に持ってきた方がいいのじゃなかろうかというふうな議論も最近出ておるわけでございます。  これは調査の結果によっては成田でも起こったわけでございますが、最後の閣議決定の以前に場所が移動されたというふうなことがあったわけでございますけれども、位置について多少の変更が、その調査の結果出てくる可能性もある、それは調査によるものだろうと思うのでございますけれども、そういう可能性も秘めておるというふうに考えていいのですか。
  44. 高橋寿夫

    ○高橋(寿)政府委員 建設の地点につきましては、四十九年八月に航空審議会が答申をお出しになる前に、いろいろな事情を総合的に検討していまの場所を選んだと私、理解いたしておりますので、この地点が大幅に変わるということは、一般的にはあり得ないだろうと思うのであります。ただあり得るとすれば、それは三年間の調査の結果、どうしてもいまの場所につくったのでは環境を保護するのにまずいという結論が出た場合には、これを環境上影響がないところへ変えるということ、場合によっては関西新空港自身を断念するということも理論的にはあり得るわけでございますが、その環境への影響以外の事情によってこの建設地点を変えるということは、航空審議会の答申までにいろいろ検討されました事情との関連で申しますと、余りあり得ないことではないかというふうに私は考えております。
  45. 石井一

    石井委員 それでは私、きょうは特に造船の問題を聞こうと思ってまいりまして、謝敷局長に申しわけありませんが、これは非常に重要な問題ですから、野党の委員からも次々に質問があろうかと思いますので、私、これは本日は割愛して質問を終わらせていただきたいと思います。
  46. 増岡博之

    増岡委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午前十一時四十五分散会