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島田委員 大変長い時間
議論しながら、いま一つすとんと腑に落ちない思いで時間がもう押し詰まってしまったのであります。私は、
大臣はこの
牛肉問題についてかなり積極的なお考えをお持ちで、恐らくいままでの歴代
大臣にないやり方をされるのではないか、そして
牛肉の抱えておりますいろんな要求や矛盾の解決に当たられるのではないかというふうにも考えて、きょうは
牛肉問題だけにしぼって質問を続けてまいりました。従来の農林省の
考え方から現段階においては大きく踏み出すというふうな
考え方が示されないのは、果たしてこれが
日本の将来の
牛肉にとってプラスかマイナスかという点を考えますれば、私もまだ現段階でそれを判断することはむずかしゅうございます。
ただ、どうしても私どもがわからないのは
牛肉の仕組み、せっかく私どもがつくった
牛肉が
国民の
皆さん方に喜んで食べられるようになっていかないという点に一つのもどかしさ、そういうものを感じております。第一、
牛肉というのはまだまだ全国的に見ても、どこででも豚肉や鳥肉のように簡単に買えるというふうになっていないという販売上の問題ももちろんありますし、それ以上に
牛肉というのは、ふところが豊かになったら
牛肉が頭に浮かんでくるけれども、さびしくなってくると、どうしても
牛肉の方は頭に浮かんでこないという性質のものですから、それだけに大変むずかしい
対策が幾つも必要なんでありましょうけれども、しかし、そこのところをこんな機会に、いままで
牛肉がこれほど大きく世上問題にされ、話題にされたことはないと思います。ですから、絶好の機会なので、やはり行政の
責任において
大臣は、いま私が幾つか問題の提起をいたしましたものを含めて、勇敢に手をつけていただきたい。ただし、勇敢にと言っても
自由化問題で勇敢に取り組んでいただいては困るのでありまして、そこのところだけは、後ほど本
委員会も決議をいたしますから、当然区別されておると思いますけれども、しかし、ややもすると元気のいい
大臣、こう言われておりますから、そういうところでひとつ元気を出されても困りますので、国内の
牛肉問題については、ぜひ思い切った、あなたらしいやり方で、さすがに
中川農林大臣であったというふうな解決をぜひやっていただきたいと思います。
先ほど私は
価格形成、わずか十人足らずの人間で
日本の
牛肉の
価格を牛耳っているというようなうわさが飛ばないように、やはり真剣に取り組んでもらいたいと思っています。
さて、少し時間がありますので、私は、
牛肉問題をここでおきまして、私の
考え方だけ申し上げて、
大臣から特別御答弁をいただくつもりで申し上げるのではございませんが、五分ほど時間がありますから、しばらくお耳をかしていただきたいと思いますのは、
先ほどもちょっと触れた米の
生産調整の問題であります。
私は、実は米の問題でこの席から
政府側に向かって物を言ったことは余りございません。今度の
生産調整についても、積極的にいろいろな御意見を聞きながら、私なりに幾つかの判断をして見ているところであります。ただ、私は、歴代
農林大臣が、口を開くと米が最近食べられなくなってしまって、
消費拡大を一生懸命やっているのだけれども、なかなかどうもうまくいかぬ、こういうお話を聞きます。私は、米の
生産調整というのは、もう八年間という苦い、長い経験を持っているのですから、そろそろ
政府内部においても私どもが納得できるような
対策というものが打ち出されてこなくてはならぬと思っていましたら、今度の第二ラウンドで出されてきた米の問題というのは、私どもの
期待を大きく裏切るばかりか、とんでもない米つぶしというような感じで、またぞろ同じ手法を用いておやりになろうとしている。
先ほど大臣は、
竹内委員の質問にも答えておりましたが、米はともかく余っているのだ、こういうふうにおっしゃっているわけであります。私も、米が足らないとは思っておりません。かなり余裕のある
状態になったと思っています。しかし、反面、消費
対策について一体いままでどれだけ
政府が力を入れてきたのかというと、私は、はなはだ貧弱ではなかったかと思うのです。なるほどテレビにも米を食べなさいという字幕が出てまいりましたから、ああ何とかやりおるなと、あるいはまた、ポスターで米を食べようというようなのも見かけますから、やっていないとは申し上げません。しかし、もうこういう時期になったら、もっと具体的な消費
対策を組んではいかがだったのだろうか、こういうふうに考えますと、どうも米の
消費拡大という面ではきわめて消極的で、やり方は、私はお粗末に過ぎるという感じがしてなりませんでした。
今度の
生産調整というのを考えますときに、私はどうしても、特に
中川新
農林大臣に訴えておきたいのは、第一ラウンドでおやりになったあのやり方というものは、
農民の心を踏みにじったというふうに思っているのです。というのは、確かに転換をせい、休耕をせい、そのことは、行政の
責任において補てんをし、損害は見てやるよ、こういうことでありますから、
農民のふところに入ったお金は、おっしゃるとおり決して無為なものであったとは思っていません。ただ、やはり私ども
農民は、確実に種をまいて、それを雨風しのいで育てながら何とか出来秋を迎えようと
努力をするところに
農民の生きがいと心があるのであります。札束を積んでおいて、余り働かぬでもいいわ、テレビでも見て暮らせよといっても、それは三日や四日や五日は続きますが、仕事を取り上げられたさびしさというのは、これは
農民だけではない、人間である限り、非常にさびしい思いをするのは、
農民といえども例外ではありません。そういうやり方を避けるべきだと言ってきたのが私ども社会党の主張でもありました。
しかし、今度おやりになるのは、さらにそれに一層お札を高く積み上げて米づくりをやめろということであります。つまり、ほかのものに転作をせよということでありますけれども、しかしながら、ほかのものに転作せよと言われても、その条件はないのです。私は、そういう意味で、転作できる条件をつくってから畑作転換へ自然に誘導していくという、そういう
政策をおとりになるべきだというのがいままで私がここで言ってまいりました一つの主張点でもあります。それが今度同じ手法を用いて米つぶしをやろうという、そういうやり方に私はどうしても納得ができないし、これは直ちにおやめいただきたいというふうに申し入れをいたしましたとおり、私どもとしては、そういう
農民への
協力要請というのは本来おかしいのではないか、こういう
立場に立って反対をしてきたわけでありますから、ぜひこの機会に、もう少し知恵をめぐらしてお米の
消費拡大を図るという点について
努力をした上でこれからの
生産調整に
協力を求めるという姿勢に立ち返ってもらいたいと、こう思っていましたが、もう時間がなくなってしまって、しゃべっているうちに終わりになってしまいましたが、まだ全部お話ししないうちに終わりになってしまいましたが、私はそういう意味で、前
大臣のときにもわが党からかわるがわる立っていろいろな具体的な、こうやれば何も百七十万トンを直ちにつくるのをやめろなんという言い方をしなくたって済むではないかと、こういうふうに言ってきたのでありますが、しかしながら、どうも取り入れられないまま、見切り発車で各県に指示がなされています。これは、いまからでも遅くはありませんが、いずれ時を改めて私は新
大臣に対して米の問題についての
考え方をひとつ交換したいと、こう思っています。
きょうはもう少し時間の余裕を見て私の
考え方を具体的に述べたいと思っていましたが、すでに時間が過ぎたという通告が来ましたので、残念ながらこれで私は終わりにいたしますが、重ねて申し上げますのは、
農民の心を大事にする、そういう気持ちの
農政をぜひ
中川新
農林大臣にはとっていただきたい。そんなつもりでいるよとおっしゃるでしょうけれども、私は重ねて、
生産調整というものがどういう問題を現地に引き起こし、そして長い目で見た場合に、
農民の大事な、いままでも本当に後生大事にしてきた百姓としての心を踏みにじるようなことがないようにしてもらいたい、そういうふうに考えているのです。いずれ具体的には時を改めてお話をしたいと思います。それを述べるだけでもう少し時間がないといけませんから、
一言だけ
農民の心という問題だけを区切って私の
考え方を述べておきたいと思うのであります。
先ほどの
牛肉の問題と合わせて、いま私の申し上げました点についてお考えがあれば、時間が余りなくなってしまいましたから、
一言だけお聞きをして、私の質問を終わりたいと思います。