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1977-12-09 第83回国会 衆議院 決算委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十二年十二月九日(金曜日)     午前十時三十分開議  出席委員    委員長 芳賀  貢君    理事 葉梨 信行君 理事 森下 元晴君    理事 原   茂君 理事 林  孝矩君       宇野  亨君    津島 雄二君       西田  司君    西村 英一君       野田 卯一君    福田  一君       村上  勇君    馬場猪太郎君       春田 重昭君    安藤  巖君       依田  実君  出席国務大臣         郵 政 大 臣 服部 安司君  出席政府委員         大蔵省主計局次         長       松下 康雄君         郵政大臣官房長 河野  弘君         郵政大臣官房電         気通信監理官  江上 貞利君         郵政大臣官房電         気通信監理官  神保 健二君         郵政省郵務局長 神山 文男君         郵政省貯金局長 高仲  優君         郵政省電波監理         局長      平野 正雄君         郵政省人事局長 守住 有信君         郵政省経理局長 浅尾  宏君  委員外出席者         大蔵大臣官房会         計課長     村上 哲朗君         大蔵省主計局司         計課長     石井 直一君         大蔵省銀行局総         務課長     石川  周君         文部省大学局学         生課長     浪貝 一良君         郵政大臣官房資         材部長     浅川 泰治君         郵政省人事局厚         生課課長補佐  石原 敏宏君         消防庁防災課長 持永 堯民君         会計検査院事務         総局第二局長  松田 賢一君         会計検査院事務         総局第五局長  東島 駿治君         日本電信電話公         社総裁     秋草 篤二君         日本電信電話公         社総務理事   山本 正司君         日本電信電話公         社総務理事   好本  巧君         日本電信電話公         社総務理事   長田 武彦君         日本電信電話公         社監査局長   小澤 春雄君         決算委員会調査         室長      黒田 能行君     ————————————— 委員の異動 十二月九日  辞任         補欠選任   山口 敏夫君     依田  実君 同日  辞任         補欠選任   依田  実君     山口 敏夫君     ————————————— 本日の会議に付した案件  閉会審査に関する件  昭和五十年度一般会計歳入歳出決算  昭和五十年度特別会計歳入歳出決算  昭和五十年度国税収納金整理資金受払計算書  昭和五十年度政府関係機関決算書  昭和五十年度国有財産増減及び現在額総計算書  昭和五十年度国有財産無償貸付状況計算書  (郵政省所管日本電信電話公社)      ————◇—————
  2. 芳賀貢

    芳賀委員長 これより会議を開きます。  この際、閉会審査に関する件についてお諮りいたします。  すなわち、決算の適正を期するため  一、昭和五十年度一般会計歳入歳出決算    昭和五十年度特別会計歳入歳出決算    昭和五十年度国税収納金整理資金受払計算書    昭和五十年度政府関係機関決算書  二、昭和五十年度国有財産増減及び現在額総計算書  三、昭和五十年度国有財産無償貸付状況計算書  四、歳入歳出の実況に関する件  五、国有財産増減及び現況に関する件  六、政府関係機関経理に関する件  七、国が資本金を出資している法人の会計に関する件  八、国または公社が直接または間接に補助金、    奨励金助成金等を交付しまたは貸付金、    損失補償等財政援助を与えているものの会計に関する件 以上八件について、議長に対し、閉会審査申し出をいたしたいと存じますか、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 芳賀貢

    芳賀委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次に、閉会中の委員派遣に関する件についてお諮りいたします。  閉会審査案件が本委員会に付託され、審査または調査のため現地委員を派遣する必要が生じました場合には、議長に対し、委員派遣承認申請を行うこととし、派遣委員派遣期間派遣地及びその手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 芳賀貢

    芳賀委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。      ————◇—————
  5. 芳賀貢

    芳賀委員長 次に、昭和五十年度決算外二件を一括して議題といたします。  本日は、郵政省所管及び日本電信電話公社について審査を行います。  この際、服部郵政大臣から発言を求められておりますので、これを許します。
  6. 服部安司

    服部国務大臣 お許しをちょうだいいたしまして一言ごあいさつを申し上げます。  このたび郵政大臣を拝命いたしました服部安司でございます。  改めて申し上げるまでもなく、郵政省業務郵便貯金簡易保険電気通信電波、放送など国民日常生活に深い関係を持ち、いわば国民の神経とも言うべき行政を担当いたしておりますので、当委員会皆様方の御指導と御協力をいただき、国民の立場に立って当面する各種の問題に対処いたしまして、その重責を全ういたしたいと考えております。  また、御承知のとおりに郵務事業は約三十二万の職員によって運営されておりますので、特に私は正常な労使関係の確保をいたしまして、職員全員一致協力をし、国民期待にこたえられる郵政業務を推し進めてまいりたい考えでございます。  なお、いろいろと皆様方から御理解と御支援をいただいております進学ローンの新しい制度の発足につきましても、庶民大衆のために大変な意欲を燃やしておりますので、一層の御指導、御協力をお願い申し上げたいと存ずる次第でございます。  また、ちょうどいま年末の最繁忙期を迎えておりまするが、おかげさまで現在職員一致協力体制のもとに正常な運行を続けておりますので、なお一層国民に御満足のいただける結果を出すべく最善の努力をいたすつもりでございます。  以上をもちまして、はなはだ簡単でございまするが、私のごあいさつを終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
  7. 芳賀貢

    芳賀委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。原茂君。
  8. 原茂

    ○原(茂)委員 いま大臣のごあいさつがありましたが、どうぞがんばっていただきたいと思います。お祝いを兼ねて申し上げます。  きょうは細かい問題を四つばかりお伺いをいたしますが、その前にせっかくの機会ですから、大臣一つだけ先にお伺いをしたいと思うのです。現在郵政省労働組合三つ、ある意味では二つあるわけですが、本来組合というものはやはり統一されている方が、実際の管理なりあるいは運用の上から言って望ましい姿だと私は思うのです。就任されまして年末繁忙期を迎えて、幸いに事なく年末がいけそうな状況にいまなっていると思いますが、大臣として、あるべき姿としては現在のままでよろしいのか、できるなら一つになる方がいいのか、その見解だけ先にお伺いをしておきます。
  9. 服部安司

    服部国務大臣 お答えいたします。  組合現況についての御指摘でございますが、何分にも私もまだ就任日が浅く、なかなか実態把握の勉強もする時間がないわけでありまするが、ただ一般論的に申し上げて、組合の現在の姿、私は、その人々また一つ集団集団主義主張もあることでありましょうし、われわれはどのような形であろうともきわめて公平に話し合いの場を持って、今後の行政やら、また組合との関係話し合いを保ってまいりたい、御質問趣旨に沿わない答弁になったかもしれませんが、現在私はそういう心境で処したいと考えておりますので、御理解を賜りたいと存じます。
  10. 原茂

    ○原(茂)委員 お聞きすると、大臣は何か大分音楽に趣味をお持ちで、タクトをおとりになるようですが、まさに三十何万の人間大臣タクト一つで整々と国民に奉仕するように動かさなければいけないわけです。どうぞがんばって、ひとつしっかりタクトをとってもらいたい。  きょうの最初に、下伊那大鹿村の郵便局に勤めている二人、潜在的な患者と言われる二人、振動病認定といいますか、医者検診を受けました。この問題に関して、今後どうしていただけるか、まず第一にお伺いをしたいと思います。細かい問題に入りますので、必要がありましたら大臣から指名をしていただいて、担当局長答弁をさせていただいて結構であります。  まず、この状況御存じだろうと思いますが、バイク振動原因でいわゆる振動病にかかったとして、国家公務員災害補償法による療養補償労災認定当局申請をいまいたしております。ほかにも軽い振動病患者が二人いることがこの十一月二十二日の下伊那郡鼎町の和田病院での検診でわかりまして、大鹿村以外の他の地域でも状況の似た潜在的なかなりの患者がいるおそれがある、こう職場においては相当の関心事になったわけであります。  この二人は下沢幹夫さん四十八歳、浜中愛之助さん四十三歳、戦後すぐから郵便集配業務につきまして、三十九年にバイクが導入されて以来、四十六年ころから手がしびれたり腕がだるくなったり、秋や春先には左右の手に白ろう現象が出てくるようになりました。このため、今年八月十七日から十九日の三日間、名古屋大学の医学部の衛生学教室松本忠雄講師下伊那鼎町のさきに申し上げた和田病院振動病グループ北原明倫医師らがチェーンソーを扱う山林労働者検診を行った際に、自主的に検診申し出て受けたわけであります。その結果この二人が振動病三度、白ろう現象が見られて入院の必要があるという三度の診断をされたわけであります。  浜中さんは、三十九年からバイクオートバイで一日三時間、約三十キロの道のりをずっと配達をしてまいりました。四十七年ころから両手の四本指に一月に約数回白ろう現象が自覚的にわかるようになり、食事の際ははしがうまく使えなくなる、指の動きに自覚症状が、そういった意味自覚症状が出始めました。いまではかいろなどをハンドルカバーの中に入れて手を暖めない限り満足に運転できないという状態になりました。  下沢さんも、三十九年から同じく、ハイク、オートバイの運転を一日約五時間配達勤務をいたしまして、昨年から白ろう病状が出てまいりました。特に冬場にひどい状態になってまいりました。  この診断の結果では、二人とも、指でつまむ力が弱くなりまして、指の痛覚も鈍くなりまして、労働基準局で定める四段階の基準のうちの、しびれ、痛みなどがほとんど回復しない、入院を要する、さきに申し上げましたような三度の振動障害だ、こう検診をされたわけであります。  そこで、順を追って、この状況をまず、申請が出されていますから、御存じかどうかを先にお答えをいただきたい。次いで質問をしてまいります。
  11. 守住有信

    守住政府委員 お答えいたします。  先生の御指摘長野県下の三名のことにつきまして、私どもとしては承知いたしております。
  12. 原茂

    ○原(茂)委員 そこで、必要がありましたので、いま資料を皆さんからちょうだいしました。医師から振動障害診断を受けている者は全国で約三十人、長野県の二人は大鹿村の下沢さん、浜中さんだと思うのですが、この中に入っている長野県の二人というのは、いま私が問題にしている下沢浜中両君かどうか。
  13. 守住有信

    守住政府委員 私どもで把握いたしております十八名の中の、長野県下の大鹿局におきましての下沢さん、浜中さん、お二人でございます。
  14. 原茂

    ○原(茂)委員 五十二年十月の十八人の中の二人ですね。  長野県の場合、山間部も多くて、道路も非常に悪いし、長時間バイクを飛ばす必要があるわけです。その距離も非常に長い。したがって、大鹿以外のほかの地域、特に大鹿と似たような条件にある地域検診も必要ではないかと思いますが、これをいつかおやりになりますか。長野県の他の地域に、大鹿に似たような条件地域がたくさんあります。そこからはまだこういう声が上がっていませんが、大至急検診をする必要があると思いますが、いかがです。いつごろおやりになりますか。
  15. 守住有信

    守住政府委員 他の管内でも、大体山地の寒冷の地域というふうに私ども全体として理解しておりますけれども、そういう中から、モーターバイクによる振動障害訴えと申しますか、そういう現象が最近になって出てまいりました。  したがいまして、まず第一段階といたしましては、そういう場合に、直ちに地元の主治医と申しますか、お医者さん、病院診療所等でまず見ていただきます。そういたしまして、その診断所見によりまして、作業の内容だとか、方法だとか、特にバイク使用の問題でございますので、そういう方法をとりあえずまた変える、あるいはまた治療につきまして、入院だとかあるいは通院だとか、いろいろな治療方法があるようでございますが、そういうものをやっていただきます。  それからさらに、これはいささか先の話になろうかと思いますけれども公務災害認定労災病院に入って検査をしていただくだとか、そういう手を現在打ちつつある段階でございます。
  16. 原茂

    ○原(茂)委員 いま、他の地域にもあるので現地医師診断を受けさせるように指導をしているというお話がありました。それは長野県の場合ですか。
  17. 守住有信

    守住政府委員 お答えいたします。  現在把握しておるものといたしまして全国で十八名でございます。
  18. 原茂

    ○原(茂)委員 それはリストをいただいているからわかっているのですが、いただいたリストの十八名ですね。そのほかに、私の申し上げているのは、この種の問題が顕在的に出てくる以上は他の地域にも——長野県はとにかく山岳部で非常に道は悪いし、長時間バイクを飛ばさなければいけない。バイクを使っている者はたくさんあるわけですが、しかも三十九年以来配付されたバイクによって仕事をしている者はたくさんあります。いまは顕在的になっておりませんが、それがやがてそういう状態になるかもしれない。常識的にはあると思わなきゃいけませんが、一日も早くその前に手当てをすべきものは手当てをした方が本人のために非常にいいと思います。  その意味では、大鹿村以外の他の地域における、大鹿村に似たような条件下に働く諸君の検診というものを、やはり相当急いでおやりになる必要があると思いますし、そうしていただかなきゃいかぬと私は思うのですが、それをおやりになる気持ちがありますか。現に指導をしていますかどうか。
  19. 服部安司

    服部国務大臣 御指摘バイク振動病の件でありますが、昨日も事務次官以下関係者を集めまして、この対策について実はいろいろ協議をいたしております。正直に申し上げて、まだこの実態はつまびらかではございませんけれども、私はかなり重要視しております。  ということは、郵便業務に大きな支障を来すことをまず憂慮するとともに、やはり職員の健康問題でありまするから、できるだけ早く手を打って、治療する者は治療し、また入院させる者は入院させねばならない。しかし、そういう措置をするためにも、御指摘どおりに、私は、できれば巡回診療車もございますので、重点的にそういった地域にこれを配車いたしまして、民間医療機関協力も要請いたしまして、万全の措置を講じたい。いまその措置を講ずる方法、手段について、まことに申しわけありませんが、検討を進めるとともに、さらに部内にこの対策委員会を設置いたしまして、さらにこの検討を続けて、手際よい、てきぱきとした措置をしたいと考えております。  御指摘どおりに、この病気は、気候の高低にもかなり影響があるやに聞いておりまするし、先ほどの原先生お話内容にも、質問内容にもありましたが、現在防寒服防寒手袋というものもいま手当てをいたしまして、関係機関が挙げてこの問題に取り組む体制を整えつつありますので、この点御了承賜りたいと存じます。
  20. 原茂

    ○原(茂)委員 現在は病人と言われていない者が、やはりこの大鹿の二人と同じ条件下に働いているような地域あるいはその職員に対しては、どんな方法かを検討して、大至急検診その他の検討をするといういま大臣お話でございますが、結構でございますし、ぜひそれを急いでやる必要が私はあるだろうと思う。  林野の労働者あるいは民間でも、山林に働く労働者にこれは多発してしまって、ちょっとした段階を過ぎてこれが重度になってまいりますと、一生治る見込みがない状態にもなります。相当の手当てをして、なおかつ完全回復が困難な状態になるのが白ろう病の特徴でございます。したがって、実際に検診を受けたら三度でございます。二度でございますという診断を受ける前に、いまこそ手を打って事前にピックアップする、これに適切な治療を加えていくということが、私、大臣としての当然の義務だと思いますから、ぜひひとつこれは急速に進めていただくように。  そこで、局長にお伺いしますが、全国バイクを実際に使っている人間はどのくらいいるのでしょう。三十何万の職員のうちに全国でどのくらいいるのですか。
  21. 守住有信

    守住政府委員 郵便局におきます外務員の総数は、貯金保険も含めまして約十一万三千五百人でございますが、その中で、いわゆるバイク、大都会地等では自転車あるいは軽四輪等も小包関係等で使っておりますので、いわゆるバイクというものはちょっと手元にないわけでございますが、いずれにいたしましても十一万三千五百のはるかに以下であるということが言えようかと思います。
  22. 原茂

    ○原(茂)委員 信越郵政局管内では何人ぐらいいますか、バイクオートバイを使っている者。
  23. 守住有信

    守住政府委員 ちょっと手元資料がございませんので、後でまた御説明、御報告いたしたいと思います。
  24. 原茂

    ○原(茂)委員 これは委員会の持つ悪い習慣でこうなってしまったんでしょうけれども事前質問内容を通告するように協力意味でやっていますけれども、この種の質問は、やはり答弁を聞いているうちに、派生して基本的な問題の質問をすることはあり得るわけですから、もうちょっと適確な準備が——いかにも質問内容を全部事前に通告しないと、いま用意がございません、いまはわかりません、これじゃ国会の、特に決算委員会の審議にはなりませんから、したがって、もうちょっとそういった類推的な質問にも答え得るように、しかも基本的な問題に入っていくわけですから、今後気をつけていただくようにお願いをしておきたいと思います。後でその点は知らしていただきます。  そこで、信越郵政局人事部から、とりあえずこの二人は入院させようということにしているようですが、いまどこかに入院して手当てをしているのですか、この下沢浜中……。
  25. 芳賀貢

    芳賀委員長 この際、委員長から郵政大臣に申し上げますが、本委員会決算委員会であるという趣旨にかんがみて、毎年度の郵政省決算に当たって、その財産及び備品については決算の対象になっておるわけですから、どのような委員諸公からの質問があっても、それに答え得るだけの資料等を全部準備して、きょうはわかりませんから後刻なんということのないように、これは厳重に大臣から各郵政、電電の政府委員等に対して指示を与えて、本日中に原委員の発言された資料については委員会で明快にしてもらいたい。いかがですか。
  26. 服部安司

    服部国務大臣 振動病質問という御通告をいただいておりますから、振動病バイク原因でありますから、その使用台数の御指摘は当然考えておかねばならなかった問題である、御指摘どおりだと考えます。まことに不手際申しわけないことでございまして、今後は十二分に郵政省はもちろん関係機関にも留意を促し、御期待に沿うようにいたしたい、御了承を賜りたいと思います。
  27. 守住有信

    守住政府委員 お答えいたします。  大鹿郵便局のお二人につきましては、大鹿診療所入院加療中でございます。
  28. 原茂

    ○原(茂)委員 いま答弁を聞いておりますと、恐らく信越管内ではこのケースが初めて、こういうことになると思うのですね。そのために郵政当局としては、郵政本省相談をして十分に検討をするということを、組合に対しても本人に対しても約束をしているのですが、これは相談を受けていますか。入院をさせておいて後どうするかの相談を受けていると思いますが、どんな相談を受けて、いつごろまでにその相談の答え、結論をお出しになる予定か。
  29. 守住有信

    守住政府委員 信越郵政局から報告並びに相談を受けておりまして、現在、信越郵政局から公務災害申請書類を御本人の方へ当該局を通じてお送りするということで、さらにその申請手続に対処していく、こういうふうな構えでおるわけでございます。
  30. 原茂

    ○原(茂)委員 振動病障害訴えというのは、四十九年秋ごろすでに出始めているわけです。今回初めて出たんではない。去年の六月に、このリストを見ますと四名が公務災害認定、いわゆる職業病の認定を受けたということになっていますが、そのうち一名はすでに退職をされている。あと残りは三名。これはどこのどういう人ですか。
  31. 守住有信

    守住政府委員 お答えいたします。  三名の方のお一人は奈良県の上野地郵便局の方でございます。それからもう一人は島根県の窪田の郵便局、もう一人は大分県の三重郵便局の方でございます。
  32. 原茂

    ○原(茂)委員 現職ではこの三名だけが認定されて、あとたとえば五十二年十月までのこの調査による十八名のうち残った十四名になりますか、これはどうして認定できないのですか。
  33. 守住有信

    守住政府委員 四名認定いたしまして、そのうち時間の経過でお一人は退職されましたことは先生おっしゃるとおりでございますが、そのほかは公務外認定したものが五名、現在審査中で進行中のものが三名、現在申請手続中のものが四名、それからなお未申請が三名、こう相なっております。
  34. 原茂

    ○原(茂)委員 そうすると、長野県の浜中下沢はどれに該当しますか。
  35. 守住有信

    守住政府委員 現在申し上げました未申請三名の中に入っております。
  36. 原茂

    ○原(茂)委員 いただいた資料に未申請ってないのですが、この申請なしというやつですか。申請なし三名の中に入っているんですね。
  37. 守住有信

    守住政府委員 現在書類当該局を通じて本人にお渡しする段階でございますので、先生のお手元資料では、申請なし、私が先ほど申し上げました未申請の中へ入っております。
  38. 原茂

    ○原(茂)委員 この申請なしという、これはちょっとひっかかるわけですが、いま手続中で、手続をさせているから申請が届いていないんで申請なしだということになりますが、これに対してどういう順序でこれから認定がされるのですか。  たとえば公務外の人はこれから認定をなさるのか。審査中の三名はどういう順序認定がこれからされるのか。その期間がどのくらいかかるか。申請手続中の四名というのは、これから何をするのか。いまの申請なしという長野大鹿村の二人を含めた三名は早くこの書類申請をしなさいといま言っている最中だ。ですから、いま私が三つに分けてお伺いしたのを聞くと、この申請なしの三名が今後どうなるかわかるのですが、そういう順序で答えてください。
  39. 守住有信

    守住政府委員 申請書類郵政局を通じて上がってまいりまして、それから各地方労災病院検査をする、こういうことに相なっておるわけでございますので、各地方——長野の場合は恐らく長野にございませんので、東京労災病院あたりかと思うわけでございますが、東京労災病院に入っていただきまして、医学的検査あるいはまた業務起因性その他の面も含めまして、いろいろな角度での検査をやっていただいて認定をする、こういう手続に相なるわけでございます。
  40. 原茂

    ○原(茂)委員 私が質問したときによく聞いておいてもらいたいと思う。どういう手続で、たとえばいま局長は、これから各地方労災病院入院させると言ったんですね。入院してきっといろいろな検査をするのでしょう。それが終わったらその後何をやるのか。いいですか、どういう手続が要るのかというのはそういうことですね。で、何と何の手続をした後に、認定がされるというまでに一体どんな手続が必要なのかを具体的に、段階的に教えていただく。そしてその全体の期間はどのぐらいか。たとえばいま承認をされました三名、すでにいつからそれが始まって、いつ認定をしたのかの期間があるわけです。その期間。これからの人間のその予定期間、時間、それもあわせて……。
  41. 守住有信

    守住政府委員 手続段階につきましては、先ほど申し上げましたような段階でございますが、特にモーターバイクによる振動病というのが、従来の振動工具による振動障害、いわゆるチェーンソー等でございますけれども、それの場合と——これが初めてのケースでございますので、一般の公務災害の時間よりもどうしても長くかかる、こういう感じを私としては聞いておるわけでございますが、なおその場合でも大体早目で六カ月ぐらい、こういうふうに聞いておるわけでございます。
  42. 原茂

    ○原(茂)委員 だからお伺いしているのですがね。局長もし細かいことがおわかりにならなければ、その補佐をしている課長さん、だれでも、細かい、わかる人に答えていただいた方が時間の節約になりますね、無理かもしれませんから。どうぞどなたでもいいですから、局長から指名していただいて結構です。  いま私が質問したのは、三名はすでに認定されました。認定されるのに、いま言ったように申請書を出しなさいと言ってからどういうことをやって、どこの病院入院をして、どこでもいいですが入院をして、十分な検査をやって、その検査の結果、またどういう手続をやって、どのくらいの期間でこの三名が認定をされたかということを、一つ前例を聞きますと、あとわかりますからね。類推できるように答えていただきたい。
  43. 石原敏宏

    ○石原説明員 お答えいたします。  郵便局振動病障害という判断が出ました場合、これはおおむね本人もしくは郵便局のいろいろなそういう健康管理政策上出ました場合が多いわけでございますが、まず郵便局長が国家公務員災害補償報告書という書類を使いまして郵政局に上申をいたします。  上申を受けました郵政局では、その内容、いわゆる書面審査でございますが、慎重に内容審査いたします。その時点におきまして、振動病につきましては、先ほど御答弁がありましたように、郵政省といたしましてもいままでのところ余り例がございませんので、したがいまして、全般的に本省へ全部吸い上げまして、本省で判断の指示をするという制度をとっております関係で、まず郵政局段階で、全国にありますところの各地の労災病院、ここで検査をいたします。  その内容は、いわゆる労働省の指導によりますところの基準がございまして、主としまして、末梢神経、末梢循環障害、運動機能障害、こういったような問題に加えまして、さらにはレイノー現象が出ておるかどうか、こういった検査をするわけでございまして、この時点におきまして、御本人それから郵便局長それから郵政局三者で、どこの労災病院がよろしいか、あるいはまたいつ実施したらよろしいか、こういう点を煮詰めます。  それで、その段階におきまして労災病院の受け入れ体制、これもございます。したがいまして、いままでのところまだ余り例はございませんが、大体そういう意味合いの経過を踏まえますと、二、三カ月は必要ではなかろうかというふうに思うわけです。つまり、労災病院で受け入れ体制が整うまででございます。  その結果、労災病院から所見書が上がってまいりますが、この所見書をつけまして、今度郵政局から本省へ上がってまいります。本省の段階で今度はいわゆる書面審査でございますが、その書類審査いたします。内容的にその妥当性、公務上とするか公務外とするか、そういう判断をいたしまして、その返事、つまり、本省としてはこのような考え方でよろしかろうという結論に達しましたら、その結論に従いまして郵政局に指示をいたします。最終的には郵政局で公務上あるいは公務外という結論をいたしまして、郵便局長とそれからさらには御本人に通知をいたします。  先ほど人事局長答弁いたしました六カ月と申しますのは、いわゆる労災病院の受け入れ体制が整って、それ以後の問題でございます。つまり、判断の最終結論までですね。一番妥当でしかも早くできるという時期といたしましては六カ月くらいということでございます。  以上でございます。
  44. 原茂

    ○原(茂)委員 わかりました。  そうすると、認定された三名は、奈良、島根県、大分県、これ現職ですが、この人は労災病院へ入ったときから六カ月で、本省から当該郵政局へ返って、郵政局から公務外とか公務内とかいろいろな認定をしましたという判断が示される、それまでが六カ月。そうですね。  では、この奈良、島根、大分の場合、実際に労災病院へ入った月、認定が行われた月、六カ月かどうか。
  45. 石原敏宏

    ○石原説明員 お答えいたします。  さきに公務上という判断が出ました三名につきましては、これは郵政省といたしましては初めてのケースでございまして、全部東京労災病院に来ていただきまして検査をいたしました。その期間は五十年の十月から五十一年の五月まででございますが、これは非常に長い期間でございますが、三回に分けまして内容検査してございます。したがいまして、先ほどお答え申し上げました六カ月はこれからの問題でございますので、この三件につきましては現在から見ますと非常に長い期間をかけて判断をしております。
  46. 原茂

    ○原(茂)委員 なるほど、この三名は最初だから労災病院だけで半年以上かかっちゃったということになりますね。十月から五月ですから七カ月かかったわけですね。後、本省へ回り判断をし、郵政局へ回して郵政局がまた最後の決定を通知する。その期間は最初の三名だけはまたプラスになったわけですね。後の人間はもうその経験があるから、労災病院へ入ったときから半年以内にきちっと認定する者しない者の決定が下せる、こういう御説明ですね、もう一遍答えてください。
  47. 石原敏宏

    ○石原説明員 実はこの三名は、公務上と認めたのが三名でございまして、そのほかに先ほど人事局長答弁にありました公務外、これを含めまして同じグループで判断をしてございます。  以上でございます。
  48. 原茂

    ○原(茂)委員 ぼくの答えてもらいたいことに答えてもらわなければだめなんです。大臣の方がよく聞いていたらしい。
  49. 石原敏宏

    ○石原説明員 そのとおりでございます。
  50. 原茂

    ○原(茂)委員 そこで、これは相談なんですが、いまは大鹿病院にこの二人を入院させているのですね。さっきの局長だったかの説明ではそうでしたね。地元の病院入院させているのですね。もう入院してから日にちはどのくらいになりますか。
  51. 守住有信

    守住政府委員 十一月二十八日に入院いたしております。
  52. 原茂

    ○原(茂)委員 それでこの大鹿病院にどのくらい入院させておく予定ですか。いきなり労災病院に持っていけば一番いいのじゃないですか。労災病院のあきがあるかないかは別ですが、もう東京まで持ってこなくともいいのだということになれば、地方の最も近い労災病院へ早く入れたらいい。地元の病院へなぜ入れておく。病気になった者を一日も早く救ってやる、健康体に戻してやろうという本当の親心、愛情があれば、何も田舎のこんな病院、こんなと言っては怒られてしまいますが、認定をするために必須の条件としては労災病院に入れなければいけないということをはっきりおっしゃっておるのですから、その労災病院へなるべく早く入れるということがまず本当の治してやろうという親心じゃないですか。大臣の言った温かい心でやるということになるのじゃないですか。十一月二十八日から入れていつまで入れておくつもりなのか。何のために入れておくのか。労災病院へなぜ早くストレートに直行させないのか。
  53. 守住有信

    守住政府委員 そういう症状の訴えがございました場合、やはりその地元の一番のところにまずとりあえず入っていただきまして、労災関係公務災害認定検査、こういうふうな角度でございますので、まず地元の一番のところに入っていただく。  それからもう一つ、実は今後の問題と絡むと思うわけでございますが、私ども十六の逓信病院を持っておるわけでございます。ただしこのレイノー氏現象振動障害、特にバイクによる問題は初めてのケースでございますので、東京逓信病院を中心といたしましてこの振動障害の部外の専門家の方々のお医者さんと一緒にプロジェクトチームをつくっていただきまして、これについての医学的、生理学的あるいは振動工具と違うバイクというもののそれに与える影響と申しますか、そういう面の総合的な角度のものをひとつプロジェクトで研究、検討していただくということを最近になって始めまして、今後に向かいましては、来年度の予算、要求とも絡むわけでございますが、各逓信病院の中にこういう問題についての専門のお医者さんあるいはその予防対策あるいは健康診断等におきましての問診で、先生おっしゃいましたような早目にこれを発見していくというふうな施策等も取り入れていきたい、このように考えておる次第でございます。
  54. 原茂

    ○原(茂)委員 そうすると、三名の認定はすでに終わったんだけれども、それは前例にはならないで、新たにプロジェクトチームをつくって、そのチームによってまた診断がされない限り、この認定というものは進まないということですか。  いままでも一度前例があるんだから、そうでしょう。この点は時間がかかりましたという答弁がさっき課長からあった。また新しくチームをつくって認定をする予算を来年度とって、その予算がとれたらチームができて、そのチームで診断しなければ認定が進んでいかないということになるじゃないですか、いまの説明は。
  55. 守住有信

    守住政府委員 それは私混同いたしまして、労災病院関係公務災害認定の方でございますので、これは前例もございます。経験もございますので進んでまいります。  ただ、先生前段でおっしゃいましたような非常に総合的な予防的な対策という意味を含めまして、私どもはそのようなプロジェクトをつくり、かつ来年度予算にもいろいろ要求して対策を強力にとっていきたい、このように考えておる次第でございます。
  56. 原茂

    ○原(茂)委員 結構です。なるほど、分けて説明していただければよかったのですが、非常にいいことをおやりになるのですね。やはり予防衛生的見地から先に先に手を打っていくという意味のチームがつくられるということは非常に大事ですから、これは大臣も予算を思い切って外さないようにひとつやっていただきたい。  私のきょう聞いております問題については、労災病院になるべく早く入れて、労災病院である程度の入院、それから検討期間が過ぎるとまた具体的な認定の第二、第三段階へ入っていくということになるわけですから、したがって、大鹿病院がどうしても通らなければいけない労災病院でない限り、労災病院へ早く入れたらいいだろうと私質問申し上げたわけですが、そうしたら労災病院に行く前にやはり病気だから地元の病院に一応入れて、そうして何かをするんだという御答弁なんですね。何をするのですか。皆さんの参考に何がなるのですか。労災病院に行かない限り、そこの診断が出ない限り——認定をしてくれ、郵政局からも認定申請か出ているのに、相談を受けているのに、地元の、どうしても通らなければいけない労災病院では全然ない。そこが入院の結果どんなふうに診断をしようと、それは何ら認定に対しては条件になっていない。そのところになぜほっておくのですか。労災病院へ直行するのが常識じゃないですか。  もし、強いてワンステップ治療してやりたいというのなら、名古屋大学の医学部の検診をしたところで、しかもチームがあるそうですからそのチームに任せるとか、あるいは地元の和田病院、そこにもまたこの振動病のチームがあるそうですから、和田病院入院してなお精細な検討をするとかいうならまだ話はわかるのですよ。それを地元の普通の医院へ——大鹿村というのは恐らく局長は行ったことないでしょう。私は始終行っている、これは選挙区だから。大変なところですよ、りっぱなお医者さんおいでになりますけれどもね。とにかく振動病を初めて手がけるような先生方に、しかも労災病院を通らなければ認定への一段階が進まないという状況の中で、そこに入院さしたからいいんだと言わんばかりに時をかせいでいるような感じがしてならないのですね。そうじゃなくて、本当に親切な本当に本人の病気を治してやろう、早く認定できるものは認定して十分な療養をしてもらおうという親心があるなら、私はいまの大鹿の医院に入院さしておくことはまずいと思う。現実に合わない。何のために入れておるのか、労災病院へどうして直行させないのか、もう一度質問に返りますが、答えてください。
  57. 守住有信

    守住政府委員 地元の病院の場合は、あえてどこの診療所ということではございませんけれども、御本人の御希望その他で、まず治療の点でございます。それから労災病院の方は、公務災害としての認定という角度のものでございまして、本件の先例等見ておりますと、最初まず入院される、あとは通院加療というふうな問題もございまして、なるべく地元がとりあえずは多い、こういうふうに見ておるわけでございますが、要するにとりあえずのまず治療、あるいはまたいろいろな所見によりまして仕事上の負担、最初申し上げましたように作業方法や作業内容等変えていくという面もございますので、治療とかそういう点でまず近くの病院、それから公務災害認定上の検査ということでは労災病院、このような機能的な考え方で私どもとしては見ておるわけでございます。
  58. 原茂

    ○原(茂)委員 非常にデリケートな問題なんですけれども、この患者はすでに振動病三度という診断を下されたんですよ、名古屋大学の医師によって。あるいは下伊那の有名な、まあまあ大きな和田病院のチーム、振動病専門のチームがあって、それが山林労働者診断をずっとやっているんですよ。そのチームの医師、わざわざ出張してきた名古屋大学の専門家の松本という医師等が、振動病三度だという診断を下したんです。それを地元の病院入院さしておくのは、労災あるいは逓信病院の十六あるどこかに行って認定をするその前に、労災病院に入る前に、少しでもよくしてやろう、少しでもその病気が軽くなるように、三度が軽症になるようにというような何か考え方、何かそういった決まりがあって入院させるんでしょうか。私はおかしいと思うんですよ、ここへ入院さしておくのは。  しかも片方からは、公務災害補償の認定をしてください、こう言って申請があなたの方の局から出ているんですよ。その相談を受けておるのに——その認定をしてくださいと言っている。とりあえず少しでも楽になるように、軽くなるように、どこでもいいから入院さしてください、こう言っているんじゃないんだ。あなたの方の正式の機関から、とにかく認定をするための申請をしてきている。その申請がされているのに、なおかつ本省のあなた方の勝手な考えで、とんでもないと言っちゃ怒られますけれども、そんじょそこらのお医者様に、振動病に何の経験もないような——振動病治療というものは、認定がむずかしいほどにやはり治療だってむずかしい。それをそこへとりあえず入院させる意味は一体どこにあるのですか。私の不思議を明快に解いてください。何のためにその病院入院させるのですか。すでにあなたの方の機関から申請がされているのです。そうしたら、認定をするための労災病院へ直行というのが一番やるべき手段じゃないでしょうか、どうでしょうか。
  59. 服部安司

    服部国務大臣 御指摘措置の問題でありますが、原先生のただいまの内容について私はここで聞いておりましたが、ひとつ急ぎ調査をさせてもらいたい。と申しますのは、これはぼくの思いですから御理解願いたいのですが、その患者の希望もあったかもしれない、やはり自分の地元で家族との連絡その他で。しかし、認定を急いでおられるというただいま御質問のことであれば、われわれも当然認定させるための労災病院入院手続に便宜を与えなければならない。一刻も早く認定手続をすることもさることながら、当然のことながら、やはりその間の治療もゆるがせにできない。そういった問題について私の権限で早急にひとつ調べて、何かの方法で適切な措置、必要に応じた措置を講ずる。その結果、てんまつを御報告申し上げるという点でひとつ御了承願いたいと思います。
  60. 原茂

    ○原(茂)委員 大臣が明快に言われたので了解します。  くどいようですが、念を押しておきます。いまの大鹿病院入院させていることが、労災病院へ入れる、ストレートに診断を受けさせたい、だが、あいていない、入れない、その期間とりあえず地元の病院入院をさせている、治療を及ばずながらしているんだというのならいいんです。そういう趣旨でない限り筋が通りません。  それから、本人が地元の病院入院を希望していることはありません。一日も早く認定をしてもらいたい。ために、労災病院へ行けと言ったらいまにも行きます。本人がとりあえず地元の病院入院してゆっくり静養したいなんていうことは全然ありませんから、これもお断りしておきます。  したがって、早く労災病院へ入れることです。入れたら半年以内には認定ができるできないは決まるわけですから、非常にこれ大事なところですから、大臣の言われたようにぜひ至急調査をして進めていただくようにお願いをしたい。  それから、潜在的にあと二人がどうも臭いという診断をいま受けている。そこで前段にお願いしたように、早く、似通った地域におけるこうした外務員に対しては検診をしてもらいたい、こう私は申し上げたわけですが、この二人に対しても出ていますから、この人も早く——さっきのプロジェクトチームができて、来年度予算ができてからということもあるでしょうけれども、いま民間にも大学あるいはその他にも、この振動病を専門に検討をしている医者のチームはたくさんあります。したがって、とりあえずそこらにでもやはり正式な検診をさせるというようなことを、これもきびすを接しておやりいただくように、これは大臣恐らくよろしいと言うに決まっておると思いますが、お答えを願います。
  61. 服部安司

    服部国務大臣 端的に申し上げて、こういう病気、病人がふえることはわが郵務行政に大きな支障を来すわけであります。幸い郵政省には十六の逓信病院全国各地に開設いたしております。先ほども申し上げたとおりに、民間の権威者の協力も得てこの対策に真剣に取り組んでいく決意をいたしておりますから、御指摘の問題は十二分にわれわれも認識いたしまして、御期待にこたえるような措置を講じたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
  62. 原茂

    ○原(茂)委員 そこで、電電からも総裁以下おいでになっていますが、ついでにお聞きしますが、電電の場合にはこの種の病気、患者はいないのか、あるいはそのおそれがないのか、バイクを使って電報の配達その他をおやりになっている職員がこの心配はない、あるいは出たことがあるとかないとか、いままで聞いていた範囲で電電の場合では前例はどうなっていますかをひとつ答えていただく。
  63. 秋草篤二

    ○秋草説明員 先ほど来、原先生の御質問なり応答なりを拝聴しておりまして、私どもにも電報配達というバイクを使う職員がおります。数は非常に少のうございますが。うちにもこういう問題があるのかなということをさっきから考えておったんですが、私はいままで、電電公社の特殊な職業病というか、ここ数年来国会でも非常に論議されました電話交換手の頸肩腕症候群という大きな病気につきましては、いろいろの対策を積極的に打って、どうやら山を越えておりますが、このバイクを利用する従業員の問題については、私の範囲では余り耳にしたことはございません。しかし、あるいは担当の局長などはもう少し詳細に知っておるかもしれませんから後で答弁させます。
  64. 山本正司

    ○山本説明員 ただいま総裁がお答え申し上げましたとおり、電報配達につきましてはバイクを使用している例もございますが、郵便の配達と違いまして、ずっと巡回して長時間外勤をやるということではなくて、何通かまとめて持っていって、配達が終われば局へ帰ってくる、こういう勤務の実態等もございます。また長遠な距離にわたるような場合にはできるだけ小型の軽四輪なども使用しておりまして、いままでただいま御指摘のような振動病のような事例は発生いたしておりません。
  65. 原茂

    ○原(茂)委員 発生していない業務状態だと思いますが、やはり長くやっているとあるかもしれません。十分注意をして、事前事前にひとつ手を打つように職員のために考えてやっていただきたいと思います。振動病関係はこれで終わりますから、関係者どうぞお下がりいただく。  あと、防災無線のことに関してお伺いいたしたいのですが、防災無線、すでに相当広範囲の都道府県で設置がされているわけですが、まだ計画中あるいは未計画のものもあります。二十四都道府県にはすでに設置がされているわけでありますか、計画中のものも相当まだございます。後から訂正をしていただきまして、大体十五都県というものが計画中。計画の性質の中に三つあるという説明もいただきましたからいまは要りませんが、特に長野県の場合きょうお伺いしておきたいのですが、長野県も目下計画中でございますが、その長野県の計画している、それが皆さんの計画中には入っておりませんが、これから県会で議決をした後に、恐らくこの十二月県会で知事の決裁で設置が決まると思います。相談に来ていると思いますが、その申請の個所数と概略的なものを御存じだったらまず教えていただく。
  66. 平野正雄

    ○平野政府委員 お答えを申し上げます。  従来、各地方電波監理局におきまして、たとえば地方行政懇談会のような場合、あるいは長野県につきましても、すでに防災行政無線ではございませんけれども、防災関係の無線局がございます。したがいまして、検査に参りますとか、あるいは申請にお見えになるとか、そういったときにいろいろお話を申し上げる、あるいは全国的にあるいは地方的に県単位でも非常無線通信協議会というのを組織をいたしておりまして、これは昭和二十六年以来組織をいたしております。そういった中で電波法の七十四条の二に基づきますもろもろの御相談協力の仕方あるいは非常通信訓練の実施というようなお打ち合わせをいたします。そういった中でいろいろと御相談を進めておるわけでございますけれども、ただいま先生おっしゃいました今回の長野県におきます実施方針と申しますかにつきましては、まだ地方電波監理局の方と個々に話がある程度でございまして、本省の方には正式には上がってきておらないという状況でございます。
  67. 原茂

    ○原(茂)委員 大体百三十ヵ所前後、全体の計画費用というものは約二十七億円というものを積算をして県会で審議を始めているわけです。結論的にお伺いしますが、この場合に、たとえば二十七億の総予算でこの防災行政無線というものを実施しようとしたときに、国からの補助はどのくらい出るのでしょうか。
  68. 平野正雄

    ○平野政府委員 お答え申し上げます。  無線局の設置費につきましては、県の面積、地形、ただいま先生申されました市町村の数、連絡先、そういったもろもろの要素によりまして無線局の設置の数に差異がございまして、規模も実はいろいろでございます。大体われわれが把握しておりますところでは約十億円ないし二十億円というのが主だった状況でございますけれども、もちろんその例外がいろいろあるわけでございまして、たとえば北海道等では総経費が約六十億円ぐらい必要とするということでございます。  それで、国の補助につきましては、先生御承知のように消防庁が補助を数年前から行っておりまして、一件当たり昭和四十八年度から昭和五十年度までは約一億円の補助を行うということになっておりましたけれども、御努力によりまして昭和五十一年度からは約四億円の補助ということでございます。これも実は約というのがついておりまして、これは消防庁の方からお答えいただく方がいいかと思いますけれども、私どもといたしましては、長野県につきましては約四億五千万円ぐらいのお話が行われつつあると申しますか、ある程度内定しつつあると申しますか、そのようなことを伺っておるわけでございます。
  69. 原茂

    ○原(茂)委員 いまお話のあったように、五十一年度から一件約四億円、平均ですが、という消防庁からの補助、大体これが常識だという線なんでしょう。ところが、前段にいまお話のあったように、やはり一件十億から二十億程度というふうに大体いままでの例からいって考えられているようですね。二十七億から三十億かかるという場合に、一体四億円五十一年度からというのは、四億五千万円どまりなのか、もう少し出してもらえるのか。消防庁、おいでになっていますから、必要があれば消防庁からもお答えをいただきたいと思いますが……。
  70. 持永堯民

    ○持永説明員 お答え申し上げます。  先ほど郵政省の方からもお答えがございましたけれども、現在の予算では一件当たり定額で四億ということになっておるわけでございまして、ただ、定額四億でございますけれども、確かにお話もございましたように、県の規模等によりましてかなり事業費に差がございますので、定額ではございますけれども五千万程度の幅を持たして実際の運用をしておるということでございまして、長野県の場合には四億五千万を予定しておる次第でございます。
  71. 原茂

    ○原(茂)委員 あなた方のきげんのいいときだと二、三千万はふえて、きげんの悪いときだと二、三千万減っちゃうような感じがするんですね。どういう積算で、何ヵ所で、どのくらいの規模でやるからというので四億円平均というのを出して、何かそこに基礎があるとすれば、十億の場合と二十億の場合が大体常識だというのに、二十七億から三十億かかるときには四億平均のところをただの五千万円だけしか余分に出さない。しかも聞くと、まだ正式な申請は出ていない、内容はよく知っていないのに、暫定的に四億五千万円長野県の場合には出す予定でございますと、どこからそんな五千万円が出てきたのですか、積算の基礎を知らしてください。
  72. 持永堯民

    ○持永説明員 この補助の性格と申しますか性質から言いますと、定額補助ということでございまして、必ずしも考え方としては事業費の多寡によって差がっくものではない性格でございますけれども、しかし、かなり事業量に差がございますので、考え方といたしましては市町村数、面積等を基礎にいたしまして五千万の幅で調整をするということにいたしておりまして、長野県の場合には四億五千万、これは五千万を限度として調整するということをいたしておりまして、結局、現行の予算からいきますと最高の五千万を付加できる、長野は市町村数あるいは面積等かなり大きいわけでございまして、そういったところから計算いたしまして、そういう数字を使っておるわけでございます。
  73. 原茂

    ○原(茂)委員 まあまあずいぶんおかしな五千万円だと思いますけれども、それにしても平均は一件四億だ、したがって五千万出すというのは最高なんだ、こう言われればそれまでですが、もうちょっとわれわれの納得できる具体的な根拠の数字に基づいてないと、何かちょっとこの五千万円足したということだけで最高なんだと言われても、納得しがたいような感じがいたします。しかし、それはもう自治省の方針としてそうならやむを得ないですからそれ以上言いませんが、私の言っていることもよく加味して、長野県の場合非常に大きな事業になりますので、できる限りまだまだ、いま言った、どこで決めたか知らぬ最高五千万円を乗っけてやるのだといったやつを、一億円乗っけるなり一億五千万円乗っけるなり、ひとつ検討してもらうようにお願いしておきたいと思うのです。これはあなたが決めるのじゃないでしょうから、私の意向も伝えて検討していただくということをお願いしておきます。いいですか。  それでは、防災無線の件に関してはこれで終わりまして、最後に有線放送の問題をちょっとお伺いしたいのです。  同じく下伊那郡の喬木村という村がございますが、ここに有線放送施設が二つあります。一つは農協経営の有線放送なんです。一つ地域集団電話組合の有線放送があるのです。この二つあるのには歴史がありまして、それなりにやむなくこういった二つになった経緯はあります。あえて細かく申し上げませんが。しかしながら、この二系統の放送施設ができたことによって、村役場、公民館を初めあらゆる団体、事業所では原稿を二部作成して両方の施設に届けなければ全村に伝わらないという弊害が起きてまいりました。もう一つは、農協の経営する有線放送の経営がだんだん苦しくなりまして、夜間のいわゆる公社電話への接続などは農協の宿直をしている者、これが当たっているわけですが、非常に困難を感じている上に、もう一つはやはり秘密保持という点からいって問題が出てきております。三つ目に、営利団体と言っていいかどうか知りません、営利団体でしょう、農協が有線放送を運営していくことによって、各商店などの広告放送のような農協に不利と思われるものば放送を受け付けてないという弊害も実は起きているわけです。農協は非常に多角経営していますから、したがって、各個別の商店から宣伝放送をやってくれと頼まれましても、農協の業務にマイナス、デメリット、こう感じたときにはそれを受け付けないという露骨な弊害も実は出てきている。こういうような問題点も起きてまいりましたので、一つには、農村における有線放送は地方自治体が運営するようにすべきではないか。これはこの喬木村の二つの放送だけじゃないのです。ほかにもありますので、やはり農村における有線放送というのは地方自治体が運営するようにしたらどうだろうというのが提案でございますが、これに対するお考えをひとつ……。  もう一つは、有線放送電話の公社接続というものは、秘密保持の点が重要ですから、これはやはり取りやめるというようなことができるかできないか。いまこれだけ広く使われておりますので、それができるのかどうか知りませんが、この問題だけに限って考えてみますと、やはり公社接続というものに問題があるのじゃないかというふうに検討してみたらどうかという考えが出てまいります。  三つ目に、公社電話の普及に伴って、有線放送電話を順次廃止していって本来の放送のみ行うようにする、こういう考え方が基本的にあっていいのじゃないか、こういうふうに考えますが、この三つに対して一括して今後の方針、あるいは私に説明をいただくようなことがありましたら、その御説明をちょうだいしたい。
  74. 秋草篤二

    ○秋草説明員 ただいまの原先生の御質問は、私が答弁するのは潜越なものがあろうと思います。まず、いまの有線放送は電電公社の管轄ではございません。郵政省電波監理局の管轄です。  私の所見だけは申し上げますが、これを自治体に移したらどうか、これはなかなか判断のむずかしい問題でございます。自治体に移すという声がかかるならば、一切挙げて電電公社に移管するという問題になろうかと思いますが、これは私の所管外でございます。  ただ直接関係します接続の問題ですが、これは機密保護という意味から電電公社の接続がまずいというふうに私は拝聴したのでございますが、そういうことは重大なる問題でありまして、もしそういう事故があれば、これは職員の法律上の問題でございまして、ただいまのところ私どもは、有線放送の接続で電電公社職員が機密保護を破るということは聞いておりません。これはまた、そういうことのために非常に接続を要望されて今日まで来たわけでありますから、これをやめるということは非常に本末転倒している話だと思っています。
  75. 神保健二

    ○神保政府委員 お答えいたします。  最初の先生の御指摘でございますけれども地方自治体に全部やらしてはいかがであるかということでございますが、ただいま現在のところ、全国の有放の施設数、これは端末数でございますけれども、約二百十二万という端末数がございます。この内訳といたしまして、やはりこれも先生指摘のように、農協関係の団体で行っておりますのが百四十二万ということで、一番たくさんの数を農協団体が設置しておるということでございます。したがいまして、こういう現状を踏まえますと、今後の問題といたしましても、早急に地方公共団体だけにやらせるべきであるという御指摘につきましては多少無理があるのではないかと存ずる次第でございます。  それから二番目の御指摘でございますが、秘密保持のために有放との公社接続ということをやめるべきではないかという御指摘でございますが、これは先生御承知のように、有放設備側からこういうものにつきまして公社とぜひ接続さしてほしいということが従来からございましたいきさつから考えまして、やはりこの有放を使っております住民の方々の御利便のために、従来どおり続けさしていただきたいと思う次第でございます。  それから三番目の御指摘でございますけれども、有線放送を電話をやめて有放だけにすべきではないかという御指摘でございますが、これは有放というものが確かにここずっと減少しておりまして、たしかピーク時には三百二十万端末くらいあったと思いますけれども、現在では約三百十二万ということでだんだん減ってきておるわけでございます。これはやはり公社の電話が農山村地区へだんだんとふえてまいりましたのが最大の原因であろうとは思われますけれども地域によりましては、なお今日におきましても情報手段ということで利用されておるところであると考える次第でございます。御承知のとおり、申し上げるまでもございませんが、有線放送というのは通話機能と放送機能とあわせ持つ情報手段として利用されてきたわけでございますが、いま申し上げましたように、だんだんとその施設数が減ってきておることは、公社電話の普及ということを考えますと、今後は徐々に放送機能の面に重点が移っていくのではないか、これは確かに先生指摘のとおりと思われるわけでございますけれども、いまここでまだ二百十万という施設がある現状で、これを全面的に変更して放送だけにすべきであるということにつきましては、まだ多少無理があるのではないかと考える次第でございます。
  76. 原茂

    ○原(茂)委員 その答弁で結構です。現状そうだろうと思います。  これで終わります。
  77. 芳賀貢

  78. 馬場猪太郎

    ○馬場(猪)委員 前回十月二十八日に質問さしていただいたのですが、その後少し時間がたちましたし、大臣もおかわりになりましたので、残りの時間だけ再度質問を続けさしていただきたいと思います。  前回は、市中銀行については三回、郵便当局については二回の金利の引き下げが行われた、その影響についてお尋ねをいたしました。その際に、進学ローンの問題についてもお尋ねをいたしましたが、きょう冒頭大臣からも進学ローンについては意欲的にという御発言がございました。その間民間の市中銀行では、もうすでに進学ローンといいますか、教育ローンというのを設定いたしまして具体的に滑り出しております。意欲的にと言われることは、まだめどがついておらないのか、あるいはもうある程度のめどがついて事務的な面だけが残っているのか、その点についてひとつお伺いしたいと思います。
  79. 服部安司

    服部国務大臣 お答えいたします。  まず進学ローンの問題でございまするが、御承知のとおりに一般金融機関は自分の意図する考えでこれを実行に踏み切ることも可能であることは御承知のとおりであります。われわれが取り扱わんとする郵政省はすべて法律行為でございまして、間もなく開会される通常国会に先生方に御審議をお願い申し上げるわけでありますが、私が意欲的と言ったことは、端的に申し上げて何としてもこれを実現したい。その理由は、ほとんど個人の庶民大衆の預金というのは郵便貯金ということになっているわけですが、預かるだけで一向に国民大衆は報われていないと言っても言い過ぎじゃないと思うわけです。  そこで、あわせて最近の進学希望は年々上昇を続ける現状でありますし、また私たちも、向学に燃える青少年にはその機会を与えたい、しかし入学時にはかなりの出費を要するわけでありますから、いわゆるわれわれの対象である庶民大衆の生活にもかなり大きな影響力を持つわけでありまするから、できれば御協力いただいている国民に国がそういった態度で少しでも経済的苦しみ、苦痛、苦悩を軽減することができたならば善政である、したがって大蔵当局と、正直申し上げていま盛んにこの折衝を持っておりますが、なかなかそう安易な現実ではございません。しかし私は、皆様方理解協力を得て、何としてもこの制度の実現を期する決意をいたしております。  この機会にちょっと触れておきたいと思うのでありますが、一般市中銀行の行き方と少し内容の違っていることも御理解いただけると思います。  なお金利の問題についても、われわれは庶民大衆の家庭的経済の重圧を少しでも考えますと、できるだけ期待にこたえられるような制度に持っていきたいと考えていることもあわせて申し上げて御理解を得たいと存じます。
  80. 馬場猪太郎

    ○馬場(猪)委員 大臣としても非常に意欲的に取り組んでいらっしゃいますし、私どもも極力御声援を申し上げたい気持ちでいっぱいですが、二カ月間に少しくらいは進展しておるのかと思って先ほど重ねてお聞きしたのですが、意外とまだ大蔵省との折衝が進んでおらないような状態ですが、いまの大臣の御答弁を、努力を一生懸命なさっているというふうに受け取りまして、今後ともひとつこの実現を強く重ねて御要望申し上げたいと思います。  先ほども申し上げましたように、金利が上がったり下がったりする、公定歩合の上下に伴って産業界では早く下げろ、いや早く下げては困るのだということで、預金者の立場とあるいは利用者の立場とで違った立場でしょっちゅう問題が起こっております。公定歩合の上下というのは、今後ともまた景気の動向とにらみ合わせてそういうこともたびたび予想されますし、そのたびに問題になるわけですが、もう少しスムーズにいける方法というものはないのでしょうか。その点についての大臣のお考え方をお伺いしたいと思います。
  81. 服部安司

    服部国務大臣 ちょっと専門的にわたりますので貯金局長から的確に答えさせたいと思いますので、ひとつ御了承願いたいと思います。
  82. 高仲優

    ○高仲政府委員 お答え申し上げます。  公定歩合と郵便貯金金利との直接的な関係があるかという御質問であろうかと思いますが、郵便貯金の金利につきましては、その決め方といたしまして郵便貯金法第十二条の第二項に規定がございます。要旨を申し上げますと、郵便貯金が簡易で確実な少額貯蓄の手段として国民の経済生活の安定と福祉の増進のために供される制度であることを留意して決めろということと、それから後段におきまして「あわせて一般の金融機関の預金の利率についても配意しなければならない。」、二つの原則が決められております。この場合、ここから考えられますことは、公定歩合が動いたからといって当然直接に連動するものではない、しかしながら、一般の金融機関の預金の利率の変動については配意をせよ、こういう法律の趣旨であると解釈いたしております。
  83. 馬場猪太郎

    ○馬場(猪)委員 法律的な解釈だけではなしに、どちらでもとれるわけでしょう、だから、どういうふうに考えていらっしゃるのですか。当然消費者保護といいますか、預金者保護の立場に立って郵政省はお考えになっていると思いますけれども、三回のうち事実上二回連動しておりますね。郵政大臣としてはどういうふうなお考えを持っていらっしゃるかということをお伺いしたいのです。
  84. 服部安司

    服部国務大臣 お答えいたします。  御指摘のとおり庶民大衆の預金でありまするから、われわれは公定歩合に右へならえの金利引き下げという問題については、本当に涙が出るほど苦しみ、悲しむわけでありますが、特にわが国の経済実情からいって、金融体系の中で占める度合いも、財政投融資などは御承知のとおりに莫大な、累積三十四兆という資金も預かっているわけでありますから、われわれは安易に金利引き下げには、庶民大衆を守るためにこれは絶対応じてはならないという大原則を持っているわけですが、金融体系の中でこれまた微妙な問題が派生いたしまして、御指摘どおりにやってはならないことをやらねばならない立場に追いやられました。しかし、これ以上強いられても、何とか万全の措置を講じて守りたい基本的な考えであることをはっきり私は表明いたしておきたいと存じます。
  85. 馬場猪太郎

    ○馬場(猪)委員 とはいうものの、日銀の総裁も弾力的な運用を考えなければならぬというような発言もさきの国会でもなさっていますし、大蔵省銀行局あたりは、銀行との関係もあって、非常に強い力があると思いますが、大臣がいまお示しになった意気込みといいますか、これを本当に郵政で貫けるような状態にあるのかどうか。今後また金融の自由化の問題であるとか、いま指摘しましたように、日銀総裁の弾力的運用というような言葉などもありますし、重ねて本当にそういうことが貫けるのかどうか。そのたびに庶民は怒りをもって抗議の意思を表しているわけですから、もう一度お考えをお聞きしたいと思います。
  86. 服部安司

    服部国務大臣 お答えいたします。  私は、ただいまの質問実態が、すでに本年度二回下げているわけでありまするから、これ以上とうてい応じられない。応ずることは庶民大衆に大きな被害をかけることでありますし、先ほど何か法律のむずかしい個条を読んでいましたが、あの中にも庶民金融の安定を図るというくだりがありました。そのためにもがんばりたいと思います。これは私の基本姿勢です。  しかし、ただいま馬場先生の御指摘どおりに、金融の流れの中で大変苦しい状態に立場的に追いやられることは過去にもはっきりその事例がございますが、私は、もう二回もやったのだから、今度はひとつ守り通したいという考えを堅持し、最善の努力を払うことをお誓いいたします。
  87. 馬場猪太郎

    ○馬場(猪)委員 大臣の決意を了といたしますが、ただしというのは、後はまあない、最後のまた決意を述べられたということでひとつ受け取っておきたいと思います。  次に、郵政省も早くから事務の能率化などを考えてオンラインについて取り組んでいらっしゃると思いますが、その概要についてひとつお教えをいただきたいと思います。
  88. 服部安司

    服部国務大臣 これも技術的な問題を多分に含んで専門的なものになりますので、私がお答えすることはかえって御迷惑かと思いますので、担当局長からお答えさせます。
  89. 高仲優

    ○高仲政府委員 お答え申し上げます。  郵便貯金業務のオンライン化につきましては、現在、プログラム作成等、計画の具体的な推進を図っておるところでございます。一部、機械、メーンの機器の搬入を行っておるところもあるのでございますが、この計画の概要を申し上げますと、全国九カ所に計算センターを置く。ここに大型の電子計算機を設置いたしまして、郵便局の端末機械とデータ通信回線で接続いたしまして事務の迅速化を図りたいと考えておるものでございます。  なお、具体的にどういうところになっておるかと申し上げますと、郵便局に対する端末機器の配備につきましては、来年の夏を目途といたしまして神奈川県の一部地域から開始をしていきたいと考えております。  なお、これは非常に大きなプロジェクトでございますので、サービス地域は逐次拡大していくことといたしまして、おおむね七カ年の計画で全国網を完成させる予定でございます。  ごく概略を申し上げますと以上のとおりでございます。
  90. 馬場猪太郎

    ○馬場(猪)委員 七カ年で大体どの地域とどの地域まで及ぶわけですか。
  91. 高仲優

    ○高仲政府委員 七カ年をかけまして全国すべての郵便局をオンライン回線でつなぎたいと考えておる次第でございます。
  92. 馬場猪太郎

    ○馬場(猪)委員 七カ年で全国的に完成するということなんですね。予算規模は全部でどれぐらいになるのですか。
  93. 高仲優

    ○高仲政府委員 何分長年月を要するものでございまして、現在価格において評価したものが必ずしも当たるかどうかという点について疑問があるのでございますが、ハードの部分を考えまして、千億から二千億円の間でおさまると概括的には考えております。個々の年度計画につきましては、その都度予算化いたしていくことに相なります。
  94. 馬場猪太郎

    ○馬場(猪)委員 一千億から二千億といったら倍になるわけですから、そんな大ざっぱな計画じゃ全くわからないのですが、もう少し素人でもわかるような答弁をしていただきたいですね。  あわせて、それによってどれだけ貯蓄者に対する利益があるのか、影響その他についてもお話しいただきたいと思います。
  95. 高仲優

    ○高仲政府委員 お答え申し上げます。  まことに概括的なお話を申し上げて恐縮なのでございますが、現在時点におきます関係経費といたしましては、調査研究に取りかかりましたのは四十八年からでございまして、その段階以降、現在五十二年度歳出分まで合わせまして六十二億五千八百万円という予算を計上いたしておるのでございますが、この機器類につきましても、何分現在市販しているものを直ちに使うということではございません。たとえば端末機器につきましても、現在開発中と申しますか、試作機の実用試験を行っておる段階でございまして、そういった意味合いからいたしまして、全部の数字を現在詰めてはおらないのでございます。まことに申しわけございません。しかしながら、金額的に見ておおよそどのくらいかということでございますと、先ほどの答弁はいささか広きに失しておりましたが、私の感じといたしましては二千億円程度の金額がかかるのではないかと考えておるのでございます。  しからば第二番目のお尋ねでございますどういうサービスが予定されるかということでございますが、これは非常に数多くのサービス向上が行えるわけでございますが、三、三例示を申し上げますと、現行サービスの向上という面から申し上げますと、現在は利子は通帳にいつも記入してあるわけではございません。全払いをしたいというお客様が見えたといたしましても、利子の方は後払いといったような形になるわけでございますが、オンラインサービスができますれば、通帳未記入利子に至るまで即時に支払いをすることができるということ、たとえばまた、利子が幾ばくついておるかということはお客様の方ではおわかりにならないわけでございますが、この制度ができますれば、常に預払い等の都度、発生している利子を記入して差し上げることができるということも考えられます。  また、これは少しく将来の問題になりますが、送金決済業務につきまして、為替振替等、従来の手作業でございますと大変時間がかかっておるのでございますが、これは即時処理ということが可能になって、送金決済の迅速化を図ることができようかと存じます。  それから通帳とか証書の盗難等による詐取の防止につきましては、この制度ができれば完璧に防げるのではなかろうかと考えております。  現行サービスの向上で二、三申し上げますと、こういうことが考えられます。  また、新種のサービスの可能性ということでございますが、たとえば民間金融機関で現在行っております総合口座に相当するサービスというものが可能に相なります。  また、自動振替につきましては、現在の手作業のやり方では全く手が出ないのでございますが、この点につきましても、公共料金を初めとする各種の支払いを自動振替の対象として業務を開始することができる。これは郵便局全国ネットで山間部に至るまで広がっておるという点からいたしまして、国民の利便を非常に増進するものではないかと思われます。  また、給与の振り込み制度の効果的な実施という点から見ましても、大変プラスになる面が多いと考えております。  どういうメリットがあるかというお尋ねにつきまして申し上げますと、以上のようなことを考えております。
  96. 馬場猪太郎

    ○馬場(猪)委員 いま銀行がやっているようなオンラインと同じようなことがほぼできるということで、利用者側としては非常に喜ばしいことなんですが、いろいろ影響が出てきますね。省力化ということに伴って、たとえば人員をどうするのかという労働の問題も出てきましょう。あるいはまた市中銀行との競争上のいろいろの問題点が出てきましょうが、そういう予想されるデメリットの側の対策というものも進んでおるのでしょうか。
  97. 高仲優

    ○高仲政府委員 大変むずかしい御質問でございますが、まず、それでは雇用の問題に対する影響をどう受けとめておるかという点について申し上げます。  現在の時点におきまして仮に全国オンライン化ができるといたしますと、現在の人員は確かに過剰になります。これはまさに間違いないと思います。しかしながら、先生も御承知のとおり郵便貯金業務は年々業務量が伸びております。また、郵便貯金関係業務と申しますのは、単に郵便貯金だけの問題ではなくて、為替振替の問題もございますし、各種年金、恩給等の支払い業務もやっております。各種公金の受け払いもやっております。これら全面にわたる業務が傾向といたしましては相当伸びておるのでございます。また先ほど申し上げましたような国民の利便に役立つ業務が開始できる、あるいは現行サービスでも向上を見ることができるということになりますと、さらに利用の増加というのは著しくなるものと考えられます。何分にも七カ年に及ぶ計画でございますので、現時点で直ちに実施すれば人間が浮くということは間違いございませんが、七年後においてどうなるかという点につきますと、たとえば自動振替のシステム一つ考えましても非常に予測がむずかしいのが実情でございます。  たとえば例を挙げますと、現在通常貯金の年間の受け払い回数は全国で約三億件ぐらいであろうかと思います。大変雑な計算でございますが、自動振替制度を始めたといたしました場合、全国で三千四百万世帯ぐらいの世帯数だろうと思いますが、計算の便宜のためにラウンドで申し上げますが、仮に一千万世帯が郵便局の自動振替制度に入っていただけたといたしますと、恐らく最低毎月一回は金を振り込んでいただくことになろう。各種支払いが仮に五回だとしますと、五回の取引が行われるということば年間六十回。一千万世帯と見ましても、これは六億でございまして、いまの通常貯金の受け払い総件数三億件に比べても、これはあくまでも仮の数字でございますけれども、それだけとっても画期的にふえるといったようなことが考えられます。この辺の需要予測につきましては、率直に申し上げまして、いまは決め手になる材料を手元に持っておらないのでございまして、一部地域から実施し、その実施の態様を見ながら逐次計画的にオンライン化を進めていくという方法をとらざるを得ないと考えております。  なお、民間との競合のお話でございますが、私どもも、当然のことでございますが、特にいわゆるダンピング的な行為をやろうとかなんとかいうことをこの問題で考えているのではございません。あえて私の感じを申し上げますならば、銀行の分布というものは都市に限られておるが、郵便局の分布というのは農山漁村に至るまですべてに分布しております。これは郵便の集配業務をやっておる点から、全部面で覆ってあるわけでございます。したがいまして、現在では銀行の自動振替の便利さを享受できない部分について広く利便を供することができるという意味で、大きなメリットがあるのではないかと考えておる次第でございます。
  98. 馬場猪太郎

    ○馬場(猪)委員 もう少しお聞きしたいのですが、いまの福田内閣の政策の目玉の一つの中に、行政改革ということもございます。当然郵政省としても、それぞれ不能率のところをどういうふうに直すかということについていろいろお考えになっていらっしゃると思います。いまのオンラインに関連して、ただでも過剰であるにかかわらず、またオンライン化することによって、業務もふえるけれどもなお過剰だということ、これは人数とかそういう点はいまここでは申し上げません。しかし実際に合理化をやる、やらないという段階じゃなしに、数字的にどれくらい人数が余るということについての資料をまた後ほどいただきたいと思いますが、大臣のこの行政改革についての考え方についてお伺いいたしたいと思います。
  99. 服部安司

    服部国務大臣 お答えいたします。  御承知のとおりに、いま政府では行政改革を強力に推し進めるということで着々とその作業を進めておるようでありまするが、国民のサイドに立って考えるときに、行政改革をやるためにはそれなりの効果の上がる行政改革でなくてはならない。しかし大きな波乱を起こすようなやり方にも十分留意をせねばならない問題もある。わが郵政省行政改革についてのいろいろな御意見もありまするが、実はいま私なりに個々に問題を検討させてもらっている状況でございます。しかし行政改革断行ということについては、決して私はこれに対する反対はいたしませんが、先ほど申し上げたとおりに、実のある行政改革をやるべきである。また重ねて申し上げまするが、大きな波乱を起こすようなことはなるべく避けて、より一層の効果を上げる方向で進んでいきたいという考えでございます。
  100. 馬場猪太郎

    ○馬場(猪)委員 内閣全体としては取り上げるけれども郵政省ではそんなにいま直ちに断行しなければならぬような大きな問題はないというふうな内容になりますね。
  101. 服部安司

    服部国務大臣 私の役所は現業省であります。一般行政官庁と同じような扱いをされると、結果的に国民生活と密着したサービス業務を預かっている省でありまするから、私は、そうは扱われては困るというのが、先ほども申し上げた内容の基本的な姿勢、考え方だ、このように御理解をいただきたいと思う次第であります。
  102. 馬場猪太郎

    ○馬場(猪)委員 わざわざオンラインとの関係においてと申し上げたとおり、ですから将来、過剰人員になってもそんなにショック療法をやる、人減らしをやらなければならぬというような事態は起こらない、ある程度そういったことも予想して考えていらっしゃるのだと思いますが、そういうふうに解釈していいんですね。
  103. 服部安司

    服部国務大臣 先ほど局長からも答弁いたしましたが、オンラインという問題を中心に考えてまずお答えしたのであります。  これで合理化が図られると何万という人間が余るじゃないかということに一応の計数上の整理はできるわけですが、七年間にわたってのオンラインシステムの整備でありまするし、御承知のとおり年々貯金扱い件数が大変な勢いで上昇いたしております。本年度目標の六兆二千億が、もうすでに六兆五、六千億までに来ていることは御承知のとおりであります。仕事量がふえれば当然人間もふえるわけですから、仕事量とオンラインとうまくかみ合わせていきたい。だから私の方は、人員整理の必要はないのだということはちょっと言えませんけれども、それどころか仕事量がふえて、という考えを持っておりますので、余り波乱を起こしたくありませんという意味であると御理解いただきたい。
  104. 馬場猪太郎

    ○馬場(猪)委員 大体の御意思はわかりました。  時間が来ましたのでこれで終わりたいと思いますが、いまちょっと私、思いつきなんですが、一つだけお伺いしておきたいのですが、郵政省関係でも十六の病院を持っていらっしゃいますね。そして、そこでもし一たん緩急あったときに、救急の業務なんかはやっていただいておるのでしょうか。
  105. 守住有信

    守住政府委員 お答えいたします。  郵政省病院は、電電公社と同じように、それぞれの職員、家族の職域病院でございます。あるいはまた、共済組合の給付と組合員という関係に相なっておりますので、一般の健康保険などとは手続面におきましても違いますし、また実態面におきましても、職域病院ということでございますので、職域病院の方での対応をやっておるということでございます。救急ということに相なりますと、それなりの保険の違いだとかあるいはまたその実態面の対応だとかということで、非常にむずかしい面が出てまいりますので、一応現在では職域オンリーでやっておる、こういうことでございます。
  106. 馬場猪太郎

    ○馬場(猪)委員 制度的にやっているかやっていないのかを聞いているのじゃないのです。ただ、地域に大きな病院がない、まあ大阪や東京のようなところだったらどこでもあるでしょうけれども、それでも足りないわけですね。たまたまそのそばで事故が発生した、そのときに逓信関係の所管の病院でも、突然飛び込まれたような場合には応じていただいておる、そういう実績があるかどうか、そういうことも一切しないというのかどうかということを伺っているのです。
  107. 守住有信

    守住政府委員 ごく近所の方々で急な病気が起こったという場合、やっております。
  108. 馬場猪太郎

    ○馬場(猪)委員 厚生省の方は、厚生省所管はもちろん、各所管の病院に対しても、ある程度そういうことを要請しておるのだということを言っておりますが、制度的にそういうことをやるということについて、いままで厚生省とのお話し合いなどはございましたか。
  109. 守住有信

    守住政府委員 厚生省の方からもそういう御要請、お話がございまして、私の方もいろいろ問題点を挙げまして、双方で詰めておる、あるいは御相談をしておる、こういう段階でございます。
  110. 馬場猪太郎

    ○馬場(猪)委員 もう時間が過ぎましたから申し上げませんが、医療の需要と供給との関係はまだまだアンバランスだということですから、郵政省としても積極的にこういう問題もひとつ取り上げていただきたいという御要望を申し上げて、終わりたいと思います。
  111. 芳賀貢

    芳賀委員長 午後一時十分再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時三十四分休憩      ————◇—————     午後一時十四分開議
  112. 芳賀貢

    芳賀委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。春田重昭君。
  113. 春田重昭

    ○春田委員 最初に、教育ローン、進学ローンについて若干お尋ねをしていきたいと思います。  この問題につきましては、前大臣がことしの十月に閣議後記者会見で初めて発表されて以来、賛否両論いろいろ話題をまいたわけでございますけれども、その後の経過とその内容につきまして、そしてその実現の見通しといいますか、その辺のことにつきまして大臣の方から御答弁願いたいと思います。
  114. 服部安司

    服部国務大臣 お答えいたします。  御指摘の進学資金の貸付制度、すなわち進学ローンの現状について、また見通しについて答えろという御趣旨でございまするが、現況は、連日私が大蔵大臣と会って、国民の反響も大変大きいのでぜひこの制度の実現に協力をしてくれるように申し入れるとともに、いろいろと話し合いの機会を持っているのが現実の姿でありまするが、端的に申し上げて大蔵官僚は余り望んでおりません。むしろ、何とかこれをやめさすべくいろいろな手を打っていることと私は拝察をいたしております。  しかしながら、何といたしましても、庶民大衆の強い要望にこたえるためにも、また庶民のいわゆる預貯金を預っているわれわれといたしましても、これを実現し、また向学心に燃える青少年にその機会を与えることは言うまでもなくやらねばならないことでありまするが、しかし、最近のいわゆる入学時の必要経費はなかなか莫大なものでございます。家計に及ぼす影響もかなり深刻にわれわれは受けとめておりますので、こういった点で御協力する制度ができたならばこれは最良の喜びであるわけでありまして、皆様、先生方の御理解と御協力を得て、近く開会される通常国会にイの一番に御提案申し上げ、御審議を願いたい。  最近民間市中銀行はとんとん——二、三日前も第一勧銀から教育ローンという名のもとにいろいろ構想が発表されました。それはそれなりに、また国民の立場に立ってやるんだから結構で、私は決して批判する考えはありませんが、ただ、こういう機関は独自の判断で即座に実行に移せるという立場に置かれておりまするが、われわれがいまお願いし、またどんどん実現を期して努力しているこの進学ローンは法律に基づく行為でありますので、先生方には、また一般国民には歯がゆい思いをさせているということは万々承知いたしておりまするが、法治国家である以上はもういかんともいたしがたい、われわれの手の届かない問題でありまするが、そういう立場を踏まえて、今度は見通しでありまするが、もちろん民間金融機関は結構でありまするが、われわれがやる以上はやはりもっと利点のある制度でなくてはならないと考えて、いま、金利はこのようにしたいのですとか、また制度の内容はこのようにしたいのですということは、ちょっと御理解を得て差し控えさせてもらいたいと思いまするが、皆様方のお知恵を拝借いたしまして、なるほどという進学ローン制度に持っていきたい、かように考えている次第でございます。
  115. 春田重昭

    ○春田委員 ただいま大臣からもお話があったように、この問題につきましては大蔵省やまた文部省としてもかなりいろいろ意見があるみたいでございまして、大蔵省は、何か予算の運用というものが二元化されるとか、そういう能力が郵政省にはないんじゃないかとか、文部省に至っては、そういう学費の軽減の問題については私たちの分野であるとか、こういう形でいろいろ主張なさっているわけでございまして、非常にむずかしく今日まで来ていたわけでございますが、ただいまの大臣の決意で、必ず予算化されると私も期待しておるわけでございます。臨時国会が終わればいよいよ大蔵省を軸にして予算の折衝が行われますので、そういう点におきましては、どうか最初の見通しどおり実現するようにがんばっていただきたいと思います。  きょうはせっかく大蔵省と文部省の方がお見えになっておりますので、大蔵省の担当の方に、この教育ローンにつきましてどういう所感を持っているかという点をお尋ねしていきたいと思います。それから文部省の方も同じく答えてください。
  116. 石川周

    ○石川説明員 お答え申し上げます。  郵貯特会におきます進学資金ローンにつきましては、かねてから郵政省からいろいろと承っております。予算要求の一環として御提案があり、私どももいろいろと議論させていただいておりますが、そういう意味では、来年度予算編成の中身にわたる問題でございますので、いまここで私が断定的なお答えをするのは差し控えるのが至当かと存じまするけれども、見解をということでございますので、あえて申し上げれば、基本的にいろいろな多くの問題がございます。  いまの民間の金融あるいは金融への秩序それ自身、全体として考えました場合には決してプラスにはならない、混乱が起きる大きな基本的な問題を含んでいると思います。特にいろいろなアイデア、お気持ちはわかりますけれども、結果として、とにかく歩積み両建てという形をとらざるを得ないこの仕組みにつきましては、私ども国会で——あるいは私ども自身も厳しく指導しておりますその方向と全く相反する方向であるだけに、はなはだ困惑した感じを持たざるを得ないというのが正直な感じでございます。  ほかにもいろいろな問題がございますけれども、全体の姿、位置づけというところからひとつ御判断いただければありがたいと思っております。
  117. 浪貝一良

    浪貝説明員 高等教育に対する国民の需要と進学機会の均等を考えた場合、育英奨学の事業というものは今後ますます多岐にわたり、整備されなければならぬと考えております。  現在、文部省では、日本育英会を通じまして、優秀な資質を持っている者、そして経済的な困難を有している者に対して学資を貸与し、就学を援助しているわけでございます。現在、その人数は、五十一年度の実績で三十三万五千人、金額にして四百五十億という事業を行っているわけでございますけれども、また、そのほかに、私立大学が学校独自で行う奨学事業等につきまして援助をしているということでございます。  また、そのほかにも、地方公共団体あるいは民間団体等でそれぞれ独自の育英奨学事業を実施され、それぞれ機能を果たしているわけでございますけれども、現在銀行あるいは信用金庫等でいろいろな教育ローンを御計画なされているということを聞いております。  また、郵政省におきましても御計画を持っているということも伺っているわけでございますけれども、このようなさまざまなローンが実現すれば、それが父兄の学資負担の軽減に資するということになりまして、教育の機会均等の実現、ひいては研究教育の振興という面で非常に結構なことだと考えているのでございます。
  118. 春田重昭

    ○春田委員 文部省としては結構であるということでございますが、お金を出す方の大蔵省としては非常に難色を示しておるわけでございまして、大臣の目の前であのように担当課長が御答弁なさったわけでございますが、この問題につきましては、今年度公定歩合が三回下がって、郵貯利子も二回下がったという背景があるわけでございまして、庶民のそういう郵便貯金に対する非常に大きなマイナス面が出ているという点の制度化でございますから、どうかトップ交渉において必ず初志を貫徹するようにがんばっていただきたい、このように大臣に要望しておきます。  それから、もう一点、若干お聞きしたい点がございます。これは前大臣でありました小宮山郵政相が構想という形で発表なさったわけでございますが、いわゆる発展途上国に対する放送、電気通信分野での技術援助のために仮称放送通信業コンサルタント協会ですか、そういうものを設立したいということでその構想をぶち上げられたわけでございます。その後役員会を、先月ですか、おやりになったように聞いておりますが、その経過を若干御説明願いたいと思います。
  119. 河野弘

    ○河野(弘)政府委員 お答えいたします。  ただいま先生お話にございましたとおり、通信放送コンサルタントの法人を至急に設立いたしたいということを考えておるところでございます。近年、開発途上国から通信、放送施設の整備拡充計画の策定あるいは実行に当たっての技術面での大規模な協力要請が増加しておるところでございます。しかしながら、わが国の現在の体制といたしましては、この要請に十分こたえられないという実情にあったわけでございます。一方、欧米におきましては、政府あるいは政府関係機関等の技術力を動員できますコンサルタント体制がすでにできておりますが、わが国はこの面で著しく立ちおくれているという状況でございます。  そこで、わが国におきましても、政府——郵政省でございますが、政府及び政府関係機関——これは電電公社、KDD、NHK等でございますが、そこに現在集積されております技術力を活用いたしまして、開発途上国の協力要請に応じられる体制を整備する必要があるということで考えたわけでございます。したがいまして、郵便、電気通信、放送の各分野にわたりまして、技術面での協力を提供できる総合的なコンサルタントをつくりたい、そして通信、放送の分野におきます国際協力を積極的に推進したいと考えまして、去る十一月二十一日に法人設立のための発起人の世話人会が開かれたわけでございます。  ようやくこの設立の具体的な第一歩が踏み出されたところでございますが、明年一月末あるいは二月早々にこれの設立を完了いたしますように、現在関係者の間で検討し、努力いたしている段階でございます。
  120. 春田重昭

    ○春田委員 私も、この設立の趣旨理解できないわけでもないわけです。その言葉をかりれば、資源有限の国である、しかしわが国は技術が非常に優秀であるという点で、確かに技術や経済面の協力、援助というのは必要だと思います。  そこで、大臣、これは小宮山前大臣が発表なさったのですが、就任されて大臣は引き継ぎをなさったと思いますが、服部大臣としてはどのように思っておられますか。
  121. 服部安司

    服部国務大臣 お答えいたします。  私も、ただいま官房長が御答弁申し上げたように、ぜひ必要であるという立場をとりたいと思います。と申しますのは、実は、昨日もスーダンから通信大臣が来日いたしまして、スーダン国の通信、電波、放送について強い協力方の要請がございましたが、われわれも当然、開発途上国でありまするからこれにおこたえしたいと考えて、現段階ではいろいろな施設の案内とかまた技術の討議などをやっているわけでありまするが、さてしからばいよいよ実現の段階になって日本の全面的協力を得たいという要望があっても、正直申し上げて、現時点ではこれに対応できる状態ではございません。  そういう意味からいたしまして、わが国の通信、放送技術は世界最高のものでありまするし、どうせ各国から今後もかなりの協力要請があると思いますので、ぜひ皆様方の御協力を得て実現いたしたい、かように考えておりますので、よろしくお願いを申し上げます。
  122. 春田重昭

    ○春田委員 そこで、この内容を拝見いたしますと、まだ煮詰まっていない点がかなりあります。出損金ですか、これは電電や国際電電、日本放送協会、金融機関等から総額約五億円を予定していると書いてありますし、関係諸団体等から賛助金を求めるというように書かれておりますけれども関係団体というのは、この一枚目にある通信機械とか電子機械、この辺の会じゃないかと思うのですが、大よそどれくらいの賛助金を年間にお集めになる予定なんですか。
  123. 河野弘

    ○河野(弘)政府委員 お答えいたします。  いま先生お話の賛助金の問題でございますが、実は、この世話人会のメンバーの、ここにございますとおり、通信機械工業会あるいは電子機械工業会、電信電話工事協会等それぞれのメーカーの団体の代表者に、招請といいますか、お話をいたしまして、そして御相談いただいたわけでございまして、これからこの細目につきまして、そのお金を、できるだけ活発に活動できるような必要な経費を充当できるように、現在からお話を進めていきたい。これはお金なくしてなかなか動きませんので、さらに私どもは電電公社を中心にいたしまして進めてまいりたい。  いまのところは賛助金の総額について明確にお答えできる材料を持ち合わせてございませんが、よろしくお願いいたします。
  124. 春田重昭

    ○春田委員 職員は、一応専門職員が数名、一般職員数名という形で書かれておりますけれども、この数名というのは大体何名ぐらいになるのですか。
  125. 河野弘

    ○河野(弘)政府委員 お答えいたします。  いまのところは約十名ぐらい常在員といたしまして、この財団法人の中の常在職員として予定いたしております。  なお、このほかに、各電電公社あるいは郵政省あるいはKDDからの応援を得まして、実際に仕事をするのはその関係機関職員がすることになるわけでございます。
  126. 春田重昭

    ○春田委員 したがって、十名ぐらいでございますという答弁がございましたけれども、大体十名の方たちの年間のいわゆる経常費特に給料等を計算した場合、年間四百万としても四千万ですね。それから理事長と理事二十五名のうち五名を常任として、この方たちは有給という形になっていますね。さらにこの方たちの給料を加えれば、そのほか事務費等を加えれば、大体年間七千万ないし八千万くらいかかっていくのじゃないかと思うのですよね。そうなれば、たとえ仕事がなくとも、このように費用は消えでいくわけですよ。出資金等に当たるものが一応五億円出ておりますけれども職員を抱えた以上そういうお金は出ていくわけですからね。  そういう面で、まず本当に引き合いがあるかどうかという問題が出てくるわけでございまして、その運営が、確かに趣旨は結構でございますけれども、果たしてうまくいくかどうかという点もまだ不安な面があるわけでしょう。そういう点のいわゆる運営というのは間違いなく——たとえば海外からもすでにそういう引き合いがあるとか、話が出ているとか、間違いなく運営できるという確信はおありなんですか。
  127. 河野弘

    ○河野(弘)政府委員 お答えいたします。  いまおっしゃいました先生お話のとおり、その程度の金は必要だと思います。五、六億の基本金といいますか、これが基礎になりまして、そしてその金利もございますし、なお、当初一、二年はやはり赤字ということにならざるを得ないだろうと思いますけれども、現在、とにかくこれを設立するということが必要であるという観点からいたしまして、私どもも試算はいたしておりますけれども、三年目ぐらいからは黒字に転じたいというように考えているところでございます。  なお、もうすでに相当諸外国から、特に開発途上国が主体でございますが、資金力の豊富な産油国等からいろいろなお話もございますので、順次この財団法人の存在が明確になり、あるいはまた技術的な信用を得ましたら相当仕事もできてまいるだろうと思います。楽観ということではございませんけれども、なおその点についてさらに詰めてまいりますけれども、大丈夫やっていけるというように感じているところでございます。
  128. 春田重昭

    ○春田委員 間違いなくいけるということで官房長はおっしゃいましたけれども、先ほどのお話の中にもあったように、欧米諸国はこういう面では非常に諸外国に食い込んでいるわけでしょう。その中へ初めて日本が食い込んでいくわけでございますけれども、技術面においては日本はすぐれておると言っても、シェアというのは欧米諸国がもうすでに占めているわけですよ。そういう点では大変むずかしい仕事ではなかろうかと思うのです。そういう面ではひとつ鋭意努力をやってもらいたいと思うのです。  さらに、たとえば海外から引き合いがあった場合、この十名の職員の方たちは事務、技術の方も入っておりますけれども、あくまでもこの十名ですべて仕事ができるというわけではなくして、現地の仕事は恐らく電電公社とか、また、放送関係においてはNHK等でやはり職員を何名か編成して現地に行くわけでしょう。そういう編成というのは大体何名ぐらいを、まあプロジェクトですかね、考えているわけですか。
  129. 河野弘

    ○河野(弘)政府委員 お答えいたします。  これはプロジェクトの規模の大小によりまして、時には十人ぐらいのこともございますし、あるいは二十人、三十人になる場合もあるかと思いますが、そのときの規模によることになると思います。  なお、いままでもそういう形のプロジェクトを組みまして調査なりあるいは調査団を派遣したりいたしておりますので、相当経験はある。実際にこの財団法人の行うイコールの仕事ではございませんけれども、国際電電あるいはNHK、NTT、それぞれ相協力しながら進めてまいっておりますので、だんだんにできていくというように考えております。
  130. 春田重昭

    ○春田委員 その場合、電電公社法に、海外での活動というものは国内業務に支障があった場合はできないようになっているでしょう。だから、大型プロジェクトを請負った場合、電電公社職員の方が、大型のときはもう五十名ないし百名の方が行くことになった場合、この公社法の規定に触れませんか。一応財団法人になっておりますけれども、現実に行くのは電電公社職員の方が行くわけですからね。
  131. 神保健二

    ○神保政府委員 お答えいたします。  確かに、先生から御指摘がございましたように、公社法に海外の協力をやってもよいということは明確には書いてないわけでございますけれども、いままでいろいろ先生から御指摘あるいは御激励がございましたように、電気通信の分野におきます国際協力というのは、そのグローバルな性格から申しまして特に重要でございますし、また、電電公社の技術力というのは国際的に高く評価されておるということで、従来から可能な限りこれに協力してきたところでございまして、現在程度の協力をやるということにつきましては、公社法上格別支障はないものというふうに考えておる次第でございます。
  132. 春田重昭

    ○春田委員 それとともに、それだけの大型のいわゆるプロジェクトを編成した場合、果たして電電やまたNHK等に余力があるかという問題ですね。この点もあると思うのですけれども、その辺のいわゆる煮詰めというものはきちっと相手側にされているのですか。
  133. 河野弘

    ○河野(弘)政府委員 お答えいたします。  ただいま監理官からお話もありましたとおり、その本来の業務はそれぞれの団体にありまして厳然としてあるわけでございまして、これを侵してまで新しい法人の業務の執行ということは考えられないわけでございます。  なお、今後の協力体制につきましては、この法人をつくるに当たりましても、なおまた今後とも法人が設立できるまでの間さらに話を詰めてまいりまして、それぞれの団体から適切な人員を協力をお願いするというように現在話を詰めている段階でございます。基本的には一応了解を得ておるところと思われます。
  134. 春田重昭

    ○春田委員 それから、もう一点だけ心配な面があるわけでございますが、これは技術援助をやるわけでございまして、それとともに、新聞等を読めば、機材の売り込みもやりたい、国内はもう行き詰まっている、そういう点では海外に販路を求めたいということで書かれておりますけれども、こうした場合に、いまでも問題になっているいわゆる円高の問題ですね。洪水のような輸出をやっていくということで、特にアメリカ、ECから非常に苦情が出ております。こういう面にさらに拍車をかけていくのではないかという心配があるわけですけれども大臣、どうお思いですか。
  135. 服部安司

    服部国務大臣 お答えいたします。  確かに、現時点の状態から見ればそういう御意見も成り立つと思うのでありますが、円高ということはやはり日本の力という裏づけがあるわけで、アンバランスが大きな問題になっていろいろ批判を受けておりますが、これが永久に続くという保障もございません。ただ、私たちは、今後の日本の通信、放送、技術の向上を図っていく上においてもどんどんと開発をやっていかねばならないわけであります。しかし、現在日本の需要は十二分に満たされておりまして、たとえば電信電話でも四十数万個が売れないというような事態を招いております。こういうことも加味いたしまして、やはり開発途上国から日本のすぐれた技術を認めて協力要請されると、断わる手がないと思うのであります。だから、現在でいいというのではなくて、この通信、放送という技術は各国とも大変開発を進めておりますから、現在の水準を維持しつつそういった国々の協力要請に応じることができたならば最良ではなかろうかと思いますが、ただし、現実の姿では、これに応じることは先ほど申し上げておりますとおりなかなか困難な状態であります。  昨日もスーダンの通信大臣が見えて、いろいろと、正直申し上げて、できればひとつ両大臣の調印まで滞日中にこぎつけられないかというほどの熱望なんですね。われわれといたしましては、その御要望にこたえてあげたいけれどもなかなかそうはまいらない、いろいろな事情や手続の問題があるのでと言って一応きのうは保留いたしておりますが、御指摘のとおりに、現在は外貨の黒字がおびただしいものでいろいろと問題がありますが、やはり長い目で見ていく場合には、ぜひ御理解と御協力を仰ぎたいというのが偽らざる心境でございます。
  136. 春田重昭

    ○春田委員 こうした海外協力というか、援助というのは、えてしてどうしても黒い霧というものにつながるわけでありまして、前国会で問題になりました日韓の癒着の問題とか、インドネシアのLNGの問題とか、海外問題はそういう問題が毎年出てきますので、海外問題についてはどうかそういう点に十分配慮なされて所期の目的を達成するようにしていただきたい。  私もこの趣旨はよくわかりますのでそれなりに理解しているつもりでございますけれども、そういう若干心配される面がありますので、今後とも鋭意検討されて、国民の皆様が納得するような協会をつくっていただきたい、このように思っております。
  137. 服部安司

    服部国務大臣 先ほどのコンサルタント協会設立の趣旨の中にも、賛助金のくだりで先生から御指摘がありましたが、もちろん、この問題もさることながら、今後経済協力、経済援助の分野にわたってもゆめゆめ誤解を受けることのないように厳重な措置を講じてまいりたいと考えておりますので、どうぞ御安心願いたいと存じます。
  138. 春田重昭

    ○春田委員 それから、「郵便事業の運営に関する行政監察」の結果が出ております。郵政省としてもその回答を先月に出しておるところでございますけれども、この勧告の中で遅配の原因が示されております。  原因として、大きく分けたら三つということで挙げられておりますが、一つが班の設置の件、二番目が業務運行記録表作成の件、三番目に職員の代替の件ということが指摘されておりますけれども、その対応策につきましてはどのように郵政省としては今後やっていくのか、御説明願いたいと思うのです。
  139. 神山文男

    ○神山政府委員 お答えいたします。  行政管理庁の勧告に、遅配をなくすための方策として、班制度、業務運行記録制度の活用、突発欠務対策等が指摘されておることは先生指摘のとおりでございます。  郵政省といたしましては、班制度、業務運行記録制度の活用あるいは突発欠務対策という事項につきましては努力はやってまいっておりますが、行管の勧告にもありますような、まだ至らぬ点もあることも確かでございますので、今後この趣旨に沿うように具体的な措置を講じてまいりたい、こういうふうに考えております。
  140. 春田重昭

    ○春田委員 具体的に措置をとっていきたいということでございますけれども、私から言えば、たとえば班制度の問題につきましては、すでに昭和三十八年十月三十一日付の公達で指摘されておるわけです。さらに、業務運行記録表の作成につきましても、昭和四十四年の六月十六日付の郵便業第二百五十四号で指摘されております。また、第三の原因である職員の年次休暇による代替の件でございますけれども、これも日ごろから強く訓練をやるようにということで指摘されておるわけですよ。  こういう点から考えたならば、これらの局員を指摘するよりも、いわゆる管理者としての責任がむしろ欠けていたのではなかろうか。私は、この勧告を読みながら、その回答を読みながら、いわゆる管理者の体制が不備でなかったのかという点を非常に疑問に思うわけでございますけれども、どうですか。
  141. 神山文男

    ○神山政府委員 まず、班制度でございますけれどもお話にありましたように、昭和三十八年に実施して以来、本年の九月現在でございますが、集配普通局千九十七局のうち二百九十一局について実施しております。この制度が非常に有効に機能している局は局務の運行状態も非常にいいという状態でございます。  それで、この班制度を実施するためには、先生の御指摘のように管理者の体制も重要でございますし、またそこの職員にもその必要性を十分認識していただくということが大切であろうかと思います。また、管理者も職員も含めた班制度に対する認識というものも重要なことでありますが、要員措置というような面もございまして、これは私ども本省の施策に属することでありますが、そういう点についても今後とも努力をしていきたい、こういうふうに考えております。  また業務運行記録表、こういうものにつきましても、先生指摘のような、管理者がまず十分その必要性、重要性を認識して活用していくという心構えが大切であるということであります。ただ、これは管理者だけでやろうとしても、毎日の各区ごとの記録でございますから相当の事務量になります。したがって、管理者を、補佐する段階の役職者あるいは職員等の十分な理解も得ていかなければいけない、こういうことでございますので、今後一層努力をしてまいりたいと考えております。
  142. 春田重昭

    ○春田委員 いまの答弁で、職員理解を得なければならないということでございますけれども、郵便事業が、人力といいますか、それに依存する度合いが非常に高いだけに、職員の待遇改善等も毎回出ておりますけれども、これは郵政審議会が七月二十日に答申なさっておりますが、この郵政審議会の答申の中でも、やはり手当の増額とか職員の待遇改善という問題は出ております。そういう点については配慮はなさっているのですか。
  143. 神山文男

    ○神山政府委員 郵政事業職員の処遇改善でございますが、郵政省といたしましても、財政状況の厳しい中にはありますけれども、従来から配意をしてまいっているところであります。現在も、勤務成績の良好な職員等に対する特別昇給制度とか、あるいは郵便外務作業に従事する職員の通区能力に応じた手当をつくりたいということで、関係労働組合に提案をしてまいっているところでありまして、残念ながらまた結論が出ておりませんけれども、今後とも交渉を進め、こういった新しい制度をつくるとともに現行制度の充実改善等も考えていきたい、こういうふうに考えております。  そのほか役職制度をどうするかというような問題も提起されているところでありますが、業務推進を図る上にこういう役職制度が適切なものであるということは必要でありますので、今後も検討を加えて、答申の趣旨に沿って何とかよりよいものをつくるようにしていきたい、こういうふうに考えております。
  144. 春田重昭

    ○春田委員 いずれにしても、職員がやる気を出すような、そういう制度改善をやるべきである、このように要望しておきます。  さらに郵便区と速達区の区域の問題でございますけれども、規則によれば速達配達区等は集配局から四キロ以内がその配達区域となっていますね。ところが、道路が新しくできたり、また大きな団地がごそっとできたりした場合に、そういう面で非常に規則どおりにいかない面があると思うのです。そういう点では、やはり規則は規則でごさいますけれども、弾力的に運用していく必要があるのではなかろうかと思いますが、この点は御配慮なさっていますか。
  145. 神山文男

    ○神山政府委員 この郵便区の調整でございますけれども、これまで地域が非常に発展してきた、あるいは道路の状態が舗装されたり拡張されたりして非常によくなってくるというような場合は、そういう状況に応じまして郵便区を統合いたしましたり、あるいは組みかえを行うということをしてまいりましたが、今後とも一層必要な地域につきましては同様の措置をとっていきたいというふうに考えております。  それから、そのほかに最近の地域の発展に応じまして、速達の配達地域につきましても逐次拡張に努力してまいっております。昭和四十七年度から五十一年度までの五年間について見ますと、約十二万世帯速達配達地域内に編入しております。その結果、現在では全世帯のうち約九〇%のところが速達配達地域になっております。  ただ、この速達配達地域を拡張しますためには、やはりそれなりの要員の問題等も解決してまいらなければいけないわけでありますので、最近の要員事情は非常に厳しい環境にありますが、そういう中で逐次解決できるところから対処してまいりたい、こういうふうに考えております。
  146. 春田重昭

    ○春田委員 この百一条では一応四キロ以内という形になっておりますけれども、例外措置がとられておりますね。たとえば住宅等が密集している場合とか、配達度数が非常に多い、たとえば工業団地とか、そういう場合には八キロ以内でもいいという形になっているでしょう。この住宅の密集地というのは、大体何世帯ぐらいを標準としているのか、それから配達度数、いわゆる配達部数ですか、これは一日当たり何通ぐらいを配達されたらこの例外措置としてとらえていくのか、この点明らかにしていただきたいと思います。
  147. 神山文男

    ○神山政府委員 速達配達区域の設定基準でごさいますが、これは郵便規則の百一条に規定してございまして、「配達を受け持つ郵便局から郵政省の定める路程による陸路四キロメートル以内の場所」、それから「前号以外の場所で、配達を受け持つ郵便局から郵政省の定める路程による陸路八キロメートル以内の住宅等が集中する場所のうち、郵政省において、必要と認める場所」、ここで八キロメートル以内の「郵政省において、必要と認める場所」、そういう場所という規定がございますが、これは現在郵便区市内、それから郵便区市外で次のいずれかに該当する場所、これに三つありまして、一つは三百世帯以上の住宅が集中する集落、それから工業団地等で一日の速達配達部数が十通程度以上見込まれる場所、それから前の一、二の指定により飛び地の速達配達区域が生ずる場合は、その地域に至る沿道を含むものとするというようなことで運用いたしております。
  148. 春田重昭

    ○春田委員 そういう例外措置としては、いわゆる世帯数が三百世帯集中しているというような部落は八キロ以内ならいいわけでしょう。配達部数が十通程度であればそういう工業団地は速達区域としていく、また市街地とつながっている場合も速達区域となるわけですね。  実は、卑近な例として私の住んでいる大阪府枚方市、ここに津田局というのがあるのですが、この津田局の管内に、大阪府が分譲して工業団地、いわゆる家具団地のできたところがあるのです。この家具団地は集配局から測定すれば四キロプラス三百メートル、四キロ三百あるのです。ボーダーラインからちょっと外れているわけです。世帯数は二百三十世帯です。ところが速達の一日の配達部数というのは平均三十部、大体これぐらい来ているわけです。現在この工業団地の方たちはその仕事の性質上どうしても速達が多いわけです。そういう点で数年前からかなり運動したり要望したりしているわけでございますけれども、先ほど局長がおっしゃったように、要員の問題でまだ速達区域になってないわけです。この点、地元の郵便局としても、もうこの地域は普通の団地と違うのだ、ぜひ速達の区域にしていただきたいということで、昨年の三月ですか、近畿郵政局の方にもそういう上申書を出しているわけです。ところが要員の問題で今日まで実現されておりません。ところが日増しにこの工業団地の方たちの声は高まる一方なんです。  そういう点で、四キロということでおっしゃいますけれども、わずか四キロと三百しかないわけです。ところが、その配達部数においてはかなり満足しているわけです。三十部行ってますからね。ですから、私は当然ここは速達区域に認定すべきだ、このように思うわけでございますけれども、今日まで速達区域になってない理由というのはどういう理由なんですか。
  149. 神山文男

    ○神山政府委員 私、先ほど設置基準について申し上げました。郵便規則百一条について申し上げましたが、陸路四キロメートル以内の場所は入ります。四キロ以上の場合、八キロメートル以内であれば、三つ申し上げた条件に該当すれば、一応基準に達するということでございます。郵便区市外で三つ条件を申し上げましたが、一つが三百世帯以上、これは三百に達しないということでございますが、二つ目の工業団地等で一日の速達配達部数が十通程度以上、ですから、一日三十通ということであれば、この基準には該当するということになろうかと思います。ただ、先ほど申し上げましたように、先生も御指摘がありましたが、最近の要員事情がなかなか厳しい状態にありますので、その範囲内で差し繰りができますれば、逐次実施していくということでやってまいっております。ただいまの家具団地でございますか、これも十分検討さしていただきたいと存じます。
  150. 春田重昭

    ○春田委員 そういうように地元の郵便局も、また地元の業者の方たち、住んでいる方たちも挙げて要請しているわけでございますから、どうかひとつよく検討していただきたいと思います。現在この津田局では八千世帯あるそうでございますけれども、一人の方が速達配達をやっているわけでありまして、速達は大体一日五回ですけれども、一人しかいないから結局一回は行けないという形になっているわけです。工業団地というのは仕事のやりとりで速達の回数等も非常に多くなってきておりますので、どうかそういう面で検討をよろしくお願いしたいと思います。  さらに配達の度数の問題でございますけれども、これは都市部では約四六%が一日二回配達をやっている。都市部以外では一日一回という配達になっておるわけでございますけれども、この配達の度数につきましては、人手不足とかいわゆる経費を節減するために配達度数を一日一回にすべきではないか、こういうことが出ているそうでございます。そういう点で、郵政省としてはいろいろ検討しているということを聞いておりますけれども、現在の見通し、このアンケートをとった結果では、一日一回でもよろしいというアンケートの答えが非常にたくさん出ておるということになっておりますけれども、現在の心境、現在の考え方、これはどうなんですか。
  151. 神山文男

    ○神山政府委員 郵便物の配達度数でございますが、まず現状を申し上げますと、現在全国の区数のうち四六%が二度配達でございまして、五四%が一度配達というような状態でございます。  それで、ただいま先生お話しの二度地を一度地に、あるいは三度地を一度地にする——東京都など大都市の一部では三度のところもございますが、大多数は二度でございます。この四六%、これを一度にするということにつきまして、郵政審議会の答申、去る七月にいただきましたが、この中でも、今日の郵便は「配達は一日一度としても差し支えない時期にきているものと思われる。」、それから行政管理庁からも「郵便業務運行の効率化を図る見地から配達度数の見直しにつき早急に検討を進める必要がある。」という勧告をいただいたわけであります。ただいまの一日の配達部数のうち八割から九割というものが、第一号便といいますか、最初の配達の際に配達されるというような状態で、ここ数年その一号便で配達される郵便物の率が多くなってきているというようなことも、この背景にあろうかと思います。そういうことで、一度を検討しなさいという勧告あるいは答申を得たわけであります。私どもとしては、今後の社会経済の動向等も勘案しながら真剣に検討をしていきたいということでございまして、まだ具体的な方策というものができているわけではございません。
  152. 春田重昭

    ○春田委員 この問題とともに、サービスの低下につながるのじゃなかろうかという問題で、窓口時間の短縮の問題がございますね。これにつきましても、審議会では短くしていったらいいのではないかという形で答申されておりますけれども、この問題についてはどのようにお考えになっていますか。
  153. 神山文男

    ○神山政府委員 窓口取扱時間、それから速達郵便物の配達時間の短縮等についても、審議会の答申で御提言をいただいております。これにつきましても、今後の社会経済の動向、利用される方々のそういう動向あるいは利用実態など勘案しながら答申の趣旨を踏まえて検討してまいりたい、こういうふうに考えております。
  154. 春田重昭

    ○春田委員 この問題につきましては、大臣の見解を聞きたいと思ったのですが、大臣いないので後で聞きます。  それから、外部の委託の問題がございますけれども現況どうなっておるのか、その対応策についてはどう考えておるのか、この問題についてもお答え願いたいと思います。
  155. 神山文男

    ○神山政府委員 外部委託の状況でございますが、取り集め業務の点についてお答え申し上げますと、昭和五十二年三月末現在でございますが、取り集め業務につきましては、局数にして二百三十五局、区数にして八百四十一区が委託されております。それから運送業務もございますが、運送業務は、局駅間の運送について百八十二線路が外部委託になっております。これらの業務の外部委託につきましては、今後とも業務を取り巻く情勢を考えながら、事業の効率的運営の見地に立って慎重に検討を進めてまいりたい、こういうふうに考えております。
  156. 春田重昭

    ○春田委員 大臣がお席に着きましたので、最後にまとめて聞きたいのですが、いわゆる配達度数を、二回を一回にしたらいいのではないかという郵政審議会の答申が出ております。さらに窓口時間の短縮の問題でございますけれども、こういう問題もやはり審議会で答申されているわけでございますが、こうした問題は、郵便事業の合理化という問題の陰にサービスの低下という問題が出てくるわけですね。そういう点におきましては、利用者に対してはかなり大きなマイナスになってまいりますけれども郵政審議会ではこういう答申を出しておるわけです。いまの局長答弁では、今後慎重に対処していきたい、検討していきたい、情勢を踏まえてやっていきたいということでございましたけれども大臣自身としてはどのようにお考えになっておりますか。
  157. 服部安司

    服部国務大臣 お答えいたします。  御指摘どおり郵政審議会の答申においては、配達は一日一度という答申がなされておりまするが、長年続いた一日二度配達という制度を一挙に一度にするという点については、国民の側からのいろいろな意見もあろうと思うのであります。しかし、われわれが若い時代には考えられないような週休二日という事態も起きているわけでありまするし、職員の考え方も十二分にひとつしんしゃくをいたしまして、最も適切な措置を講じたいと私は考えております。  もう一度、くどいようですが、申し上げますが、長年続いた制度であるだけに、この決着をつけるのに正直非常に苦慮いたしております。また現在、この郵便配達業務に従事していただいている郵政職員の意見も、法は、就任まだ日も浅いので十二分に知る機会を得ておりませんので、あれこれ情報を集めて、総合的な立場で判断をいたしまして結論を出したい、かように考えております。
  158. 春田重昭

    ○春田委員 それから郵便料金の値上げの問題でございますけれども、たしか大臣は就任早々、来年の郵便料金については値上げをしないということを早々と発表なさいましたけれども、審議会の答申の中では、たとえばはがきの価格がいま二十円、封書は五十円でございますが、取扱事務としては一緒じゃないかということで、はがきも一挙に五十円に並べろという意見も出ているわけでございますが、大臣はそれに水を差すように値上げをしないということでおっしゃったと思うのですが、それとともにもう一点、法定主義の問題があるわけですね。いわゆる法定主義を緩和すべきであるという問題が提案されていますけれども、この二点につきまして、料金の問題については確認になると思いますが、法定主義については大臣自身はどのようにお考えになっているか、お答え願いたいと思います。
  159. 服部安司

    服部国務大臣 お答えいたします。  まず、第一点の郵便料金値上げの問題でありまするが、私は就任早々、新聞記者会見で、値上げはいたしません、こういったことを確かに申し上げました。それで考え方、見方によっては、就任早々、内容もわからないのに軽々ではないかという御批判も出るかもしれないということは重々覚悟の上であったと申しますのは、昨年値上げしたところであります。少なくとも公共料金というものは、そう軽々しく扱うべき筋合いのものではありません。もしことし、どうでもこの値上げをやらねばならないという事態が来るとすれば、昨年度の値上げについて、その当時の郵政省幹部の物の考え方を私は批判をしたいと思う。そういう立場から私は、今年度は値上げはいたしません、ただし、国民サービスでありまするから、もう全知全能をしぼって企業努力も払って、サービス業務が低下せないような努力を払うことも強く訴えているところでございます。  さらに第二点は、法定制の問題でありまするが、これはなかなか微妙なんですね。私は、国会議員ですから、みずから自分の審議権放棄ということは夢々したくはありません、権利放棄はしたくありません。しかしながら、この問題も審議会からのせっかくの答申でもありまするし、国鉄運賃もああいう事態になりましたので、私は、いろいろな機会を通じて皆様方の意見を聞きながら、もう少し掘り下げて勉強、検討する時間をひとつ与えていただきたい、しかる後に大臣としての所信をはっきりいたしたいと考えておりますので、御了解を願いたいと思います。
  160. 春田重昭

    ○春田委員 値上げはしないということで、大臣は再度ここで確認されたわけでございます。五十年度値上げして、五十一年度は利用者が約八%減になっておりますし、国民というのはそういう点で非常に敏感でございますし、やはりあくまでも国民の立場に立った考え方をしていただきたい、このように要望をしておきます。  さらに法定主義の問題でございますけれどもさきの臨時国会で、国鉄の法定主義の緩和が一応本院を通ったわけでございます。これは私らの党としては反対しましたけれども、通った段階で言えば、国鉄の場合はまだまだ選択の自由というのがあるわけですよね。飛行機にしろ、バスにしろ、私鉄にしろ、たくさんあります。そういう点では、国鉄は確かに選択の自由というものが国民にあるわけでございます。ところが郵便事業については、これは独占企業であって、選択の自由はないわけでありますから、これの法定主義を緩和していった場合、それがもろにかぶさってくるわけですね。大臣は十分御理解なさっていると思いますけれども、どうかそういう点も踏まえて、この法定主義の緩和につきましては、本当に真剣に、さらにまた慎重に対処していただきたい、このように要望しておきます。  それでは、私の質問は以上で終わります。ありがとうございました。
  161. 芳賀貢

    芳賀委員長 安藤巖君。
  162. 安藤巖

    ○安藤委員 私は、郵政省それから大蔵省関係につきまして、まず収入印紙の作成、その管理についてお尋ねをしたいと思います。  その前に、この前、当決算委員会におきまして大蔵省の印刷局を見学させていただきました。その印刷局で収入印紙の印刷もしておるわけですけれども、図案の作成、そして、それを印刷するに当たってのいろいろな御苦労がなされているということをよく勉強してまいりました。それに基づいてこれからお尋ねをしたいというふうに思います。  収入印紙は郵政省が大蔵省から売りさばきの委託を受けて、そして売りさばきをしているわけですが、これは年度ごとに大蔵省と郵政省との間で協議をして、そして郵政省が委託を受ける印紙の種類とその枚数、これを決定するというふうに聞いておりますが、そのとおりかどうかということと、もう一つは、その際に実際に売りさばいている実績ですね、これが相当考慮されるものだというふうに思いますけれども、その点いかがでございましょうか。これは郵政省だけでも結構です。
  163. 浅川泰治

    ○浅川説明員 お答えいたします。  いま先生指摘のとおり、収入印紙につきましては大蔵省が調達を行っておるわけでございますが、郵政省といたしましては、この大蔵省の調達数の決定に当たりまして、その資料として過去の払い出し実績、在庫数、これらをもとにいたしまして必要見込み数量というものを算出いたしまして、その調書を大蔵省に提供をする、こういうことでございます。
  164. 安藤巖

    ○安藤委員 そういうような実績のほかに、ときどき印紙税法が改定をされて小額の印紙の使用がなくなるというようなこともあるわけですけれども、そういうような改定を見越しての受託の枚数あるいは種類、これなんかも考慮されるのかどうか。いかがでございましょうか。
  165. 浅川泰治

    ○浅川説明員 印紙税法の改正につきましては、大蔵省の所管事項でございますので、私ども連絡を受けますならば、その上に立ってそれらも算出の際に考慮しなければならぬというふうに考えております。
  166. 安藤巖

    ○安藤委員 これは印紙を作成する大蔵省の方に大きな関係がありますので、その点は大蔵省の考えをお尋ねしたいと思います。
  167. 村上哲朗

    村上説明員 お答えいたします。  印紙税法の改正あるいは手数料の改定、こういうことがございますと、それが予知できました段階で早速郵政省の方に御連絡をして御参考にしておる、こういうやり方をやっております。
  168. 安藤巖

    ○安藤委員 そこで、郵政省の方からいただいた印紙の在庫の資料によりますと、昭和五十二年の五月一日から施行になった改定された印紙税法、これによって印紙税法上用途がなくなった印紙の在庫、五十二年七月末現在で一円が四百二十七万一千枚、二円が四十五万三千枚、五円が千三百三十四万九千枚、十円が千四百七十六万七千枚、全部を申し上げるわけにはまいりませんけれども、二十円が三億七千六百九十九万二千枚、四十円も相当ありますけれども、五十円が三億三千三百四十三万六千枚、それから八十円。この八種類で合計七億六千八百三十五万四千枚という数になっております。これは八種類だけですが、全部で二十四種類ありますけれども、この全体の在庫の総計は十三億四千六百三十四万二千枚ということです。そうしますと、五十二年五月一日施行ということで、印紙税法上用途がなくなった印紙の在庫が、全体の在庫総数の五七・七%を占めるというような状態にもなっております。  それから、さらに四十九年の五月一日施行の改定された印紙税法上の用途のなくなった印紙の在庫がまた相当な数になっているわけですが、この当時はまだ五十円というのは用途があったわけですから、いまの八種類から除いて七種類になりますけれども、七種類の印紙が四十八年度末で四億七千九百五十七万枚、それから四十九年度末で四億四千六百六十四万二千枚、五十年度末で四億五千七百二十一万二千枚、五十一年度末で四億四千四百三十七万三千枚、五十二年の七月末で四億三千四百九十一万八千枚という数になっております。この四年間の在庫の減が四千四百六十五万二千枚で、年平均にいたしますと、千三百四十万枚消化されているという計算になります。だから、この年平均で割ってみますと、四億三千四百九十一万八千枚という五十二年七月末現在の在庫の数は、約三十年分の在庫があるという計算になります。こういうことになると、いまおっしゃったようないろいろな印紙税法の改定を見越して考えているというお話大分食い違っているのじゃないかと思うのですが、いかがでしょうか。
  169. 村上哲朗

    村上説明員 ちょっと具体的に事情を申し上げますと、現在、印紙の製造発注をいたしますのに大体六カ月前にやることにいたしております。と申しますのは、印刷局における製造、それから郵政局におきまして末端まで配給する期間、それが大体四カ月かかるわけでございます。それから郵政省において売りさばきをしていく上で約二カ月程度のランニングストックを常に用意をしておかぬと、スムーズに需要にこたえていけないということで、大体六カ月前に製造の発注をいたします。  そういたしますと、たとえば印紙税法の改正がございますと、これは新年度四月あるいは五月からやるということになりますと、それがはっきりいたしますのが大体年末になるのでございます。予算と一緒に、政府の税政調査会の答申が出ましてから政府として決定いたしまして、それから対処するということになりますと、施行されるまで三カ月ないし四カ月ということになります。通常のぺースで改正があるかないかがわからぬ状態でやっておるものでございますから、改正の時点でどうしても二カ月ないし三カ月の在庫がたまるというような状況になっておりまして、確かに制度が改正になりますと、その後の需要は激変いたしまして、先生指摘のように、現在の改正後の需要でいけば何十年分にも当たるということになりますけれども、それまでの需要、たとえば先ほど二十円券のお話がございましたけれども、その当時、四十八年度において二十円券につきましては約十五億枚ぐらい売りさばかれておったと思います。ですから、それが税法改正の時点で、先ほどのお話ですと四億枚ぐらい在庫があったわけですけれども、その程度は従来のやり方からいってやむを得ない食い違いというふうに考えておりますけれども、さらに今後におきましては、その辺きめ細かく対処をしていきたいとは考えております。
  170. 安藤巖

    ○安藤委員 もちろん私としましても、印紙税法をそう軽々しく改定、改定ということで金額を上乗せされては困るわけですけれども、一応そういうような見通しを立てて印紙の作製、発行、いま御答弁いただいたように、きめ細かくお考えいただきたいと思うのです。  それから、いま御答弁の中にも、六カ月以内の数カ月の余裕が必要だということでそういうずれが出てくるというお話があったのですが、具体的に典型的な事例として三十円の印紙、これを私は調べてみたのですが、これについてちょっと議論してみたいのですけれども、六十円の印紙が昭和五十年度の末ごろ、だから、昭和五十一年の三月ごろ新たに発行されたわけです。ところで、五十年度の三十円印紙の販売量は約二千万枚。それがこの六十円の印紙が販売されることによって、いままで三十円の印紙を二枚張って六十円ということにしておったのが不要になって、三十円の印紙の売り上げが相当減るということは、この段階で予見できたはずだと思うのです。ところが、五十一年度に三十円の印紙が二千百二万枚も発行されているわけです。で、五十一年度の三十円の印紙の売り上げは六百十八万七千枚に過ぎなかったわけです。そのため五十一年度末の三十円の印紙の在庫は二千六百四十七万八千枚というふうに大きく伸びたわけです。このときに三十円の印紙の五十一年度の発行について、六十円の印紙が五十年度の末に新たに発行されるわけですから、先ほど言いましたように、三十円二枚張るというような必要がなくなりますから大幅に減るという見通しは当然あってもよかったのではないかと思うのですが、いかがでしょう。
  171. 村上哲朗

    村上説明員 お答えいたします。  三十円につきましては、いま使われておりますのは物品切手、特に商品券なんかに張る場合、それから手数料関係と思っておりますけれども、確かに先生指摘のように、五十一年度を取り上げますと、五十一年度の売りさばき実績が約六百万枚、この間に製造いたしましたのが二千百万枚、これは食い違いがあるというお話でございますけれども、従来の需要の動向から見てこの製造と売りさばきの実績、単年度では食い違っておりますけれども、趨勢的に見て五十年度は大体二千二百万枚くらい売れておるわけでございまして、結果的に、確かに五十一年度の売りさばきの実績とは食い違いましたけれども、なお需要としては、三十円券につきましては印紙税法の関係、手数料の関係から需要もありますし、そういうことで製造したわけでございますけれども、年度末二千六百万枚になりましたけれども、本年度におきましては、この製造枚数を五十一年度の実績をにらんで約七百万枚に抑えてやっておるということで、事後的になりますけれども、若干ずれてその需要にこたえてきているということで御理解願いたいと存じます。
  172. 安藤巖

    ○安藤委員 そういうことをおっしゃるのであれば、私が先ほどから言っているのは、三十円の需要が全くないというわけではないのですが、六十円を発行することによって三十円の発行枚数を減らすべきではなかったかということを申し上げているわけなんです。いまおっしゃったように、五十一年度の三十円の発行枚数七百万枚程度ということですが、これは七百六十万枚のはずです。そこで、ことしの四月には、先ほど私が言いました五十一年度の販売量六百十八万枚を超える、いま言いました七百六十万枚を追加して三十円の印紙を発行しているわけですよ。だから、これは需要ということを相当勘案されて発行される、そして郵政省ともそれに基づいて協議をされて受託をされるというようなことではないんじゃないか。需要を相当超える枚数を追加しているわけですから、だから五十二年度の七月末現在では、在庫がさらに八百五十万枚ふえて、合計三千五百十四万七千枚にもなっているわけなんです。ということは、売れていく枚数、需要の枚数よりも在庫の数の方がどんどん上回っていく、こういうような結果になってきているわけなんです。これはやはり年度の初めに発行を見合わせる、そして状況を見てその上で発行すべきじゃないかというふうに思うのですが、その点、いかがですか。
  173. 村上哲朗

    村上説明員 全くそういう考え方で実はやっておるわけでございますけれども、結果として現在のところ三十円券について在庫が累増しておるということでございます。おっしゃる趣旨と同じ考え方で実はやっておるわけでございますけれども、要するに需要の方は、実際に売りさばきを担当しております郵政省の方において、本省から配給庁を通じて出ていくその足取り、それをつかんで、このぐらい今後は出ていくだろう、こういうものを想定して需要計画なるものをつくって私ども提供を受けるわけで、それがどうしても先行きの見込みになりますものですから、結果的に見通したこととその実績が食い違うという結果になったものというふうな説明以外には、ちょっとその点については御説明できない、こういうように思っております。
  174. 安藤巖

    ○安藤委員 結果においてはそうなった、私が言うておるとおりだというふうにおっしゃるのですが、やはり私がいま言いましたように、六十円を発行するときの三十円の枚数の制限を考えるべきであった。それから三十円につきましては、需要枚数よりもさらに上回る枚数を発行しておられる。これは計画的でもないし、それから需要の数を踏まえた上での発行の仕方でもない。これは相当むだな経費を使っているとしか言いようがないと思います。だからその点、十分これは反省をしていただいて、今後こういうようなことがないようにするということをはっきり答弁していただく必要があると思うのです。どうですか、それをまずそういうように言っていただく必要があると思います。  それから、会計検査院の方にも、この辺のところはきっちりと検査をしていただきたいと思うのですが、いかがでしょう。
  175. 松田賢一

    ○松田会計検査院説明員 私ども郵政省検査しております二局でございますが、郵政省検査におきましては、在庫管理の面で検査いたしております。  ただいまお話しの収入印紙の発行、この分につきましては、一局の所管と思いますが、もちろんいまお話のありましたような点は十分検査していかないといかぬと考えております。また、これは一局の方にも伝えておきます。
  176. 村上哲朗

    村上説明員 ただいまの点につきましては、郵政省とも十分相談をして、適正にやってまいりたい、こう考えています。
  177. 安藤巖

    ○安藤委員 検査院の方は郵政省担当だということで郵政省の方に云々とおっしゃったのですが、一番のもとの印紙を製造、発行する大蔵省の方に問題があるのではないかと思います。だから、その辺は厳重に検査もしていただきたいし、いま御答弁もいただいたように、大蔵省自身としてもきっちりとやっていただくことを強く要望しておきます。  そこで、用途のなくなった多量の印紙を郵政省が抱えているわけです。具体的に言いますと、それぞれの郵便局が抱えておるわけです。先ほど申し上げましたように、総額にして三十年分の消費量に当たるような在庫がある。各郵政局では、たとえば東海郵政局なんかでは、はがき入れのダンボール箱五百箱分も使われていない印紙をため込んでいる。これは四半期ごとにたな卸しをして、相当人手も時間もかけてめんどうなことで頭を悩ましているというのです。だから、これは大蔵省の方に引き取ってくれと再三要求をしているけれども、大蔵省の方は引き取ってくれないという苦情を聞いているのですが、そういうようなことは聞いておられますか。
  178. 村上哲朗

    村上説明員 そういう保管の状況について、支障があるので大蔵省で引き取ってくれという話は聞いておりません。
  179. 安藤巖

    ○安藤委員 そういう不要なのは大蔵省において早速引き取っていただきたいと思うのです。いつまでも在庫をたくさん抱えておって、たな卸しでも大変だということです。  そこで大蔵省に、いまあなたは聞いておらないとおっしゃったのですが、これは当然出てくる要求だと思うのです。要らないのだから引き取ってくれと。ところが、私が聞いているところでは、大蔵省の方がそういうものを引き取ったということになると、私が先ほどから指摘しておりますようなむだな印紙の印刷、発行をしたということで今度は会計検査院の方から相当鋭い追及を受けることになる。指摘も受けることになる。それではたまらないので大蔵省が引き取るわけにはいかないのだということを言っているという話も聞いているのです。どうなんでしょう。
  180. 村上哲朗

    村上説明員 ただいま御指摘のようなことは、私どもいままで考えておりません。と申しますのは、先ほどからお話がございましたけれども、需要の見通しは、実態は、実際の売りさばきに当たっておる郵政省ですべて決めておるわけでありますから、われわれの方はそれに基づいて発注をしておる、こういう形でございます。  それで、返ってきたら大蔵省がむだな経費を使ったということをこわがって引き取らぬというお話は、私どもいままでそういうことを考えたこともございませんし、そういうやりとりをやったこともございません。先生指摘のように、実際に郵政省の各売りさばき所において非常に支障があるというお話であれば、もちろん今後、郵政省の方からその実情などをお伺いして相談してまいりたい、こう考えております。
  181. 安藤巖

    ○安藤委員 いまの御答弁のように、引き取るべきものはしっかり引っ取っていただきたいことを強く要望いたしまして、時間がありませんので、ほかの点をお尋ねしたいと思います。  電電公社に電話機の在庫管理の問題についてお尋ねをしたいと思います。  この電話機の購入の問題につきましても、各年度の電話機の販売台数、これは正確には設置台数と言うべきなのかもしれませんが、これと在庫の台数、これは相当大切な資料になる。これはだれが考えてもそうだろうと思います。  そこで、在庫の台数について、素直な見方をいたしますと、公社が購入をするすべての受話器の台数から全部の販売台数、そして廃棄処分にする台数もあるでしょうから、その廃棄処分にした台数を引くと、その差し引いた数が在庫の台数になると思うのです。そこで私は、全部の受話器についてお尋ねする余裕がありませんので、プッシュホンの電話機についてお尋ねしたいと思います。  公社からいただいた資料によりますと、昭和四十四年から五十一年までの間に購入された台数は二百四万台。そしてそのほかに、プッシュホンの受話器を設置したけれども、後から黒電話でいいということで黒電話にかえてほしいという要望も出てきて黒電話にかえた、だからプッシュホンの電話を回収するわけですね、これの同じ年間の累計が三十二万一千台。修理に出したりいろいろあろうかと思うのですが、回収してきた台数はまた販売するということにもなると思いますので、購入台数にこの回収してきた台数三十二万一千台を加えると、二百四万台プラス三十二万一千台で二百三十六万一千台になります。もう一つ公社からいただいた資料で同じ四十四年から五十一年度の販売台数累計、これは二百八万二千台ということになります。この販売台数の中には交換をして引き揚げてきた台数も含まれると思います。そこで先ほど言いました二百三十六万一千台から販売台数の累計の二百八万二千台を引くと二十七万九千台という数が出てきます。最初に言いましたように素直な見方をすれば。ただ、廃棄数については公社の方の方が把握しておられないということですから、私も当然わかりっこありません。だから、それは除くより方法はないのですけれども、二十七万九千台、とにかく二十八万台近くの台数が在庫としてなければならぬはずだと思います。  ところが、公社からいただいた資料では、プッシュホンの昭和五十一年度末の在庫の台数は五万台というふうになっております。そうしますと、二十三万台近くの受話器が行方不明になっているという計算になるのですけれども、この点はどういう事情からこういうふうになっておるのか。二十三万台近くの台数が全部廃棄処分になっているとも思われませんので、その辺の説明をしていただきたいと思います。
  182. 長田武彦

    ○長田説明員 お答えいたします。  いまの先生の御質問も含めまして、もう一回復習しながらお答えを申し上げたいと思います。  四十四年度から五十一年度までプッシュホンの購入数は二百四万台でございます。ただここで、私ども購入すると申しておりますのは、プッシュホンといいますものも、一般のプッシュホンとあとホームテレホンとかビジネスホンというもので、これもプッシュ式ダイヤルのついたものがございます。実はお答えをいたしました二百四万個といいますプッシュホンは、一般のプッシュホンの数でございます。  それから次の、いままでのプッシュホンの販売数とプッシュホンからその他の電話機へ変更した数は幾らであるかという御質問でございますが、いままで販売いたしましたプッシュホンの加入回線数でございますが、これは単位は電話機の数でございませんで、加入回線数に相なるわけですが、加入回線数は二百八万加入でございまして、それから端数は省略いたしますが、このうちプッシュホンからほかのものへかえた加入数が三十二万ございますので、差し引きますと、五十一年度末でプッシュホンがついて生きております加入回線数は、百七十六万ということに相なります。実はこの百七十六万とお答え申し上げましたこの中には、一般のプッシュホンとそれからビジネスホン、ホームテレホンのプッシュ式というものと両方入っておりまして、それを分けて申し上げますと、この百七十六万の加入回線数のうち一般のプッシュホン加入者が百四十四万、それからビジネスホン、ホームテレホンのプッシュ式のものがついております加入者が三十二万ということに相なります。最初にお答え申し上げましたこの二百四万個との関連におきましては、いま申し上げますこの百四十四万加入回線というのが対応をするわけでございます。  この百四十四万加入には、実は親子電話のかっこうで子の電話をつけているお客さんがいらっしゃいます。したがいまして、これらに子の電話機も一緒に合わせまして電話機の数で幾らになるか申し上げますと、これが百四十四万に子の電話機が二十六万個ついておりまして、合計いたしまして百七十万個の電話機を使っております。したがいまして、現在実際に加入者の宅内についていないで公社が保有しております電話機は、この百七十万と二百四万個との差、三十四万個という数を実は保有をいたしておるわけでございます。  いま先生の御質問の中にございました公社の在庫は幾らかという御質問でございますが、私どもこの三十四万個の電話機の保有は、大別いたしますと三つの部門でそれぞれいろいろ動いているというかっこうになります。第一が、現場管理機関、私ども通信部と呼んでおりますが、大体県単位に現場管理機関がございまして、そこで倉庫を持っております。そこでは常に新品あるいは修理済の電話機というものが入っておりまして、ここで在庫を持っておりまして、現場の電話局からの要請に応じてすぐ出荷のできる体制をとっております。その数が五万個ございます。それから次に、今度は現場の電話局でつけました電話機の障害が起こった場合の取りかえ用の電話機あるいは新規販売のための手持ちの電話機というものが約十二万個ございます。それからもう一つは、電話機は障害になりますと大体修理に出すわけでございまして、修理のために現場から大体各地方の修理機関へ送り出す、その修理機関での修理が終わると、そこからまた現場まで配送する、あるいは倉庫に入れるというような一つの流通過程がございまして、こういう流通過程で持っている電話機が大体十七万個ほど持っております。そういうことで、大体トータル三十四万個という電話機を余裕として持っておりまして、それが新規の販売のための手持ち、それから障害用のための取りかえ用の電話機、それからこういう修理のための流通というような過程に分けられてそれぞれ動いているというのが実情でございます。
  183. 安藤巖

    ○安藤委員 いまいろいろ説明をお聞きしましたが、公社の方からいただいた資料の「電話機(修理済も含む)」の在庫数について、五十一年度プッシュホン五万個というのをいただいておるのですが、このときの説明によりますと、県単位の通信部ですね、いま十二万個とおっしゃったそれも入っているという説明を私は聞いたのですけれども、そうじゃないのですか。
  184. 長田武彦

    ○長田説明員 お答えいたします。  五万個は、要するに通信部単位に持っております倉庫で在庫を持っている分でございます。それから次に私、十二万と申し上げましたのは、これは現場、おのおのの一番末端の現場の電話局で、障害修理用とそれから新規に販売する引き当て分として持っている分でございます。したがいまして、通信部の倉庫で持っているものと、それから現場で持っているものと、それからもう一つは修理という過程で一つの動いているもの、この三つに分けていま私、御説明を申し上げたわけでございます。
  185. 安藤巖

    ○安藤委員 大体わかりましたけれども、そうすると、実際に流通段階に入っているのが先ほどのお話で十七万台ある、これが漏れている。それから現場というのか県単位のところですか、そこでの十三万個がこれには抜けているのだという説明ですね。だから、これからはそういうのはきちっと把握をしていただいて、きちっとこういう資料の中に載せていただきたいと思いますね。私、聞いたところによりますと、そういうところまで把握してないので数字としては上がってこないということでしたので、これではきちっとした在庫数の把握にならないのじゃないかというふうに思います。  もう一つ、これは要望ですが、プッシュホンはいま一台購入費一万一千円から一万二千円ぐらいかかるのですか、だから、これは相当な金額になるものですから、そういうような購入台数、やはり先ほどの印紙の話じゃないですけれども、相当きちっと——余分な手持ちを抱えておくと、それが必要なときにはすぐ電話を引くということでサービスすることは必要ですけれども、余分なものがないようにということを、きちっとやっていただきたいということを強く要望いたしまして、私の質問を終わります。
  186. 芳賀貢

    芳賀委員長 この際、午前中の原委員の質疑に関し、郵政省守住政府委員から発言を求められておりますので、これを許します。
  187. 守住有信

    守住政府委員 先ほどの原先生の御質問で、資料不足でまことに申しわけございませんでしたが、全国で見ました外務員総数は十一万三千五百十四人でございます。それからバイクの台数、これは御承知のとおり郵便だけでございませんで、貯金保険の担当の外務員あるいは公社からの委託電報配達用も含めましてすべての総配備台数でございますが、八万二千台。  それから、さらに信越郵政局管内での同じく外務職員総数は四千八百九十人、同じくバイク台数は四千百六十台。  信越管内長野県下で申し上げますと、外務職員数が二千三百五十人、バイク台数は二千百二十五台。  以上でございます。
  188. 芳賀貢

    芳賀委員長 本日は、これにて散会いたします。     午後二時五十九分散会