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渡辺武君 それでは、もう大体頭へは入っていると思うんですが、お手元に差し上げた資料の一番左の方ですね、標準額というのがあります。これは
値上げ直前の重油の価格とその内容であるコストの各中身を書いてあるわけですが、当時一バレル当たり十二ドル五十八セントという値段で、円レートは三百二円、一ドル三百二円というレートでありました。その右にAという欄がありますね、これは出光が二月の十日に
値上げ案を発表した、その説明の
数字です。
それで原油払出価格というのがあります。これは出光が
石油を
輸入して、実際支払った価格です。これはキロリットル当たりで標準額が二万三千五百六十円のところをOPECが二本立て
値上げで七・二%のアップがあった。ところが、その反面で円レートは二百九十五円に上がったということで、その
値上げ分と、それから円レートの値上がり分、これを勘案して払出価格は二万五千百二十円だという計算を出光はしております。
それから関税、これは
値上げ前と、それからその発表当時とやはり同じく一キロリットル当たり五百三十円という価格で表示しております。
それから自家燃料費調整というのがあります。これは
石油を精製しますというと、
目減りがある、五・三%ロスがある。この五・三%のロス分を自家燃料費調整分としてここに計上しているわけであります。これが千二百七十円が千三百五十円にコストアップする。
それから次が精製費、この精製費の計算
方法が非常におもしろい方式でやられているわけで、これは精製費の中で変動する
部分が約六五%ある。これは人件費等だというんですね。それに五十一年度と五十二年度の
卸売物価指数を掛け合わして、そして算出するという
方法をとっております。つまり標準額というのは
昭和五十年度の価格とほぼ匹敵しているものですから、そこでそのうちの六五%分について
卸売物価指数を二年度分掛け合わして、そして算出した。で、精製費標準額千八百円のところが
値上げ発表時には千九百四十円になっておる、こういう計算です。
それから
輸入石油製品分調整、これは標準時と
値上げ発表時が同じく五十円ずつ。
それから販売管理費、これも精製費と同じような計算
方法ですけれども、
国内運賃とか人件費等、販売管理費の中の九五%が変動するとして、五十一年度、五十二年度の
卸売物価指数の
上昇率を掛けて販売管理費の
上昇分を出しているわけですが、標準額二千三百五十円のところを
値上げ発表時には二千六百十円という計算をしております。
それから金利、これは大体八%という計算で計算しておりますし、それから
石油の備蓄費用ですね、これは先ほど御答弁がありましたけれども、
昭和五十二年度中に八十日分の備蓄をする、そして九十日分を目指すということでどのくらいのコストがかかるかということで計算しているわけで、キロリットル当たり百九十円、これは
値上げ時も同じ。それから防災、先ほど
お話のありました、これは百三十円ということで、それから利潤は
値上げ前も
値上げ後もともにキロリットル当たり百八十円という計算で出しているわけであります。
それで、一番下の欄に三万一千円の販売価格、これが三万三千四百円にならないとならぬということでメーカーに説明したわけですね。
もしこの計算方式、これをもう会社の計算どおりに使って、そうして為替レートが二百六十円になった場合、しかも、先ほどおっしゃったように、OPECの
値上げ、七月から一〇%上がりましたから、その一〇%上がったということを考慮して計算するとどうなるのか。原油の払出価格はこれは二万二千六百円に下がります。標準額は、先ほど申しましたように、二万三千五百六十円ですから、九百六十円キロリットル当たり下からなきゃならぬ、こういう計算になります。関税は、先ほど
お話もありましたが、若干今年度から引き上げられておる。これを正確に計算しますと、
値上げ前五百三十円のところ、今回は六百五十円に計算しなきゃならぬ、キロリットル当たり。百二十円のコストアップということになります。それから自家燃料調整費これも出光の計算方式で計算しますと、五十一円のコストの低下、千二百十九円のコストということになります。精製費も出光の計算どおりで計算しますと千九百四十円になります。それから
輸入石油製品分調整、これは出光の
値上げ案と同じように一キロリットル五十円というふうに算定して計算しました。販売管理費、金利その他すべて出光の計算どおりに計算する。そうすると、どういうことになりますかといいますと、販売価格は三万八百六円です。だから、標準時に比べて一キロリットル当たり百九十四円値下げすることができる、こういう計算が出てまいります。
なお、念のため一ドル二百五十円レートになった場合はどうなるのか。同じような計算で販売価格は二万九千八百七十円に引き下げることができる。標準時に比べて千百三十円の値下げができる、こういう計算が出てまいります。私どもは、出光の計算
方法、これをそのままのみ込んで、そして為替レートが下がり、OPECが一〇%の
値上げをしたということを織り込んでこういう算出をしたわけです。
これを見てもわかるように十分値下げの余地はある、この点をどうお
考えになりますか。