○
政府委員(
岡安誠君) まず第一点の、原料
転換を促進するわけだけれ
ども不安はないか、それから研究予算
措置はどうかという点でございます。この点につきましては、もちろん従来のスケトウダラ
製品を
イワシ、
サバ製品に
転換をするわけでございますので、利害、現状におきましては一応一利一害がございます。たとえて申し上げれば、
イワシ、
サバにつきましてはスケトウダラに比べて原料魚の価格が非常に安いという利点、それから
製品の歩どまりが非常にいいという利点等がありますが、また反面、加工に際しましては人手を非常に食うというような点、それから
製品の価格等について、色が悪いというようなことについてスケトウダラ原料による
製品よりも割り安になりはしないかというような不利な点等がございます。
そこで、いろいろ問題がございますが、不利と思われますような点につきましては、たとえば高能率の機械を開発して導入をする。それから、色合い等の点につきましては血合い肉の処理、脂肪の処理等をさらに進めるということによりまして、その不利を除去することが可能であろうというふうに考えておりますので、私
どもは将来きわめて有望であるというふうに考えております。そのためには、いま御指摘のとおりの問題点につきましての研究開発、これを早急に進めなければならないわけでございまして、これも累次申し上げましたとおり血合い肉、それから脂肪の除去等の処理につきましてはすでにその研究に着手いたしておりまして、きわめて短
期間に成果を上げるように考えておりますし、また人手を多く食うという点の省力化につきましては、来年度からこれを大規模に機械化の可能性を探るというような予算
措置も現在検討をいたしておりまして、民間団体の知恵等を拝借しながら、高能率の大規模な機械を早急につくり上げるという努力をいたしたいというふうに思いまして、所要の予算
措置も要求をいたしておるわけでございます。
それから、積層フィーレーブロックを今後大いにつくり出していこうというふうに進める予定のように聞いているが、市場調査等は十分かという御
質問でございます。これらにつきましては、従来から輸出向けといたしましてはすでに生産をされてきた
経緯がございます。で、
昭和四十九年におきまして大体三万四千トン程度の
製品がつくられておりますが、これの大部分はアメリカに向けて輸出がされたのでございます。ところが、これは韓国
製品等との競合もございましたし、また品質上からクレーム等も相当ついたという
経緯がございまして、
昭和五十一年ではその輸出量約一万トンということにとどまっております。一方、国内の需要につきましては、ここ数年にわたりまして、北海道漁連等が中心になりまして消費の拡大努力をいたしておりまして、最近では都内のスナック店などで、フライドチキンと一緒にこれが売られるというようなところまで来ております。
そこで、私
ども先ほど申し上げましたとおり、積層フィーレーブロックにつきましても多少問題が残っております。たとえばフィーレーとすり身とをこう重ねるわけでございますけれ
ども、その接着についてどういうような接着剤といいますか、加工したらよろしいかというような点がございまして、そういうような
製品の
改良を急速に進めるということによりまして、さらにこの商品の販路は拡大をされていくものというふうに考えておりますし、また若い人の需要も期待できるのではあるまいかというふうに考えておる次第でございます。
それから最後に、共同モデル事業についての考え方いかんということでございますが、これは実は、来年度並びに五十四年度の二ヵ年間にわたる事業といたしまして現在私
ども検討をいたしておるわけでございます。現在考えておりますのは、やはり
北洋魚種の漁獲が大幅に減る、それに伴いまして新しい共同モデル事業をつくって高能率な
工場を建設するという関連につきましては、北海道、青森、岩手、宮城等の諸県、これを
対象にして
モデル工場をつくりたいと思っておりますし、また多獲
性魚を新たに非
食用から
食用部門に
転換をして、すり身をつくり処理をするというようなことが期待をされておる地域、これは大体関東より西の方だと思っておりますけれ
ども、そういう地域を
対象といたしましてこの
モデル工場を建設するということを考えております。現在、五十三年度におきましては大体六ヵ所から八ヵ所ぐらいの程度の
工場をつくりたいというふうに考えまして、現在大蔵省と予算の折衝をいたしておる段階でございます。