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政府委員(
杉山克己君)
砂糖の
生産目標達成のための具体策ということになりますと、実は
農林省全般にもわたるような大きな問題といいますか、数多くの項目になってまいるわけでございます。私から実は他局の所管にまたがるようなことを申し上げさしていただきますが、項目として基盤整備でありますとか、それから品種改良でありますとか、広く言えば基盤整備の中に入ることでございますが、水資源問題でありますとか、それから土壌改良、それから機械化の問題、構造改善事業、こういった各般の事項がございます。
基盤整備一般についてまず申し上げますというと、サトウキビの
生産を振興するということには、特に農業基盤の整備を促進する必要が大事なことは言うまでもございません。そのため農業用水源の開発、それから灌漑排水言施設の整備、農道、圃場の整備、これらを積極的に実施してまいっているととろでございます。特に沖繩につきましては、圃場整備、農道整備事業等につきまして補助率それから採択基準、こういった面で内地に比べて特別の優遇
措置を講じております。同時に、そういう制度的なことだけでなく、予算の面でも特段の配慮をして増枠に努めてまいっているところでございます。今後ともその振興に努めてまいりたいと
考えております。
それから、沖繩の場合特に水の問題が深刻でございます。サトウキビの
生産を高めるためには、畑地灌漑とこれに適した品種の栽培ということがきわめて重要でございます。しかし、畑地灌漑の水源が乏しいということで、特に地下水の開発利用ということを進めてまいっておるわけでございます。これだけでも十分ではないということで、地下水を地下に貯留する技術開発を特に四十九年以来進めているところでございます。目下、小規模な実験地下ダムをつくりながら水脈の
状況等の変化あるいは実用化のための調査といったことについて、もろもろの
措置を講じてまいったところでございます。
それから、土壌改良でございます。このため、これは
甘味資源特別
措置法に基づいて北海道のてん菜
生産振興地域と並んで鹿児島県、南西諸島、それから——構造改善
局長見えておりますけれ
ども、私言いかけた話でもございますので申し上げたいと思います。いまのてん菜
生産振興地域、そのほか鹿児島県、南西諸島等沖繩県のサトウキビ
生産振興地域、これらをいま申し上げましたように、
甘味資源特別
措置法に基づいて地域指定いたしております。それとともに、従来からの土地基盤の整備を初めとして
生産の振興と合理化について、これは個々に項目を挙げますと実に数多くあるのでございますが、もろもろの施策を講じております。
特にサトウキビの
生産地域につきましては、サンゴ石灰岩等を土台としておりますところのやせた土壌が多いという上に、大変気候的にも湿潤多雨であると、いわゆる亜熱帯気象
条件で、土壌の浸食が進みやすいというような事情がありますので、ほかの地域にも増して土壌改良が必要であると
考えております。このため、従来から土壌改良用機械の導入事業、それからサトウキビ
生産合理化緊急対策事業、こういった事業を実施してサンゴ礁を排除する。それから深耕、土壌改良資材、堆肥の投入、それらの面での土壌改良の
措置を講じてまいっているところでございます。五十三年度予算におきましても、そのほか新しく心土肥培でありますとか、簡易な土地基盤整備でありますとか、これに関連した機械化を推進するというような対策を種々要求しているところでございまして、今後ともそれらの対策の樹立を期してまいりたいと
考えております。
それから、機械化の問題について申し上げたいと思います。
甘味資源作物については、土地基盤整備と並んで
生産振興合理化のための機械化ということも重点に取り上げてまいっておるわけでございます。てん菜の方から申し上げますというと、これは育苗
段階での機械化を図る。それからてん菜を基幹といたしましたところの合理的な輪作の推進、てん菜
生産の機械化、それらを図るためにてん菜輪作作業の輪作営農団地、その育成特別事業でありますとか、てん菜
生産安定拡大対策事業といったような機械化の事業を実施いたしております。
それから、サトウキビにつきましては、これは御承知のとおり大変単位当たりの労働時間が多い。十アール当たり百六十四時間ぐらいをまだ費やしているような
状況でございます。特に収穫作業が多労かつ過重であるというような
状況でございますので、このため中型の刈り取り機、それから集中脱葉機、これらの施設の開発を図るということを重点に
考えております。
それから、サトウキビの収穫機械化の、これは機械だけでは物事は完結しませんで、それをどう運転するか、使っていくかという人間の問題もありますので、その研修事業、そういった事業も行っている。それから
生産改善推進事業によって栽培とか収穫機械を実際に現地に導入を図る、それから普及を進めるというようなことも
考えております。今後ともこの機械化の問題についても、一層積極的に推進してまいりたいと
考えております。
そのほかの事項もございますが、それぞれ関係
局長も見えておりますので、私から概括的に以上申し上げました。