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政府委員(
杉山克巳君) これから一連の農産物の
価格決定を行うわけでありますが、そのおおむねの
日程について申し上げたいと思います。
決定すべき事柄は、まず第一に、
てん菜の
最低生産者価格であります。それから第二に、
てん菜糖の
糖価安定事業団の
買い入れ価格であります。第三に、
カンショの
原料基準価格と、これに関連いたしまして、これは正規の法定のものではございませんが、
取引指導価格でございます。それから第四に、
カンショでん粉と
カンショ平切り干しの
政府の
買い入れ基準価格でございます。第五に、
バレイショの
原料基準価格と
バレイショでん粉の
政府買い入れ基準価格であります。これらにつきまして、すでに
カンショは出回りが始まっておりますし、
てん菜糖も近く出回りが予定されますので、できるだけ早く決めることにいたしたいということで、事務的な見込みとしては、この七日ごろ
決定の取り運びにいたしたいと考えております。
〔
委員長退席、
理事山内一郎君着席〕
それから、関連いたしまして、
沖繩の奄美諸島のサトイウキビ及びそれによる
甘蔗糖の
価格決定があるわけでございますが、これは
資料の
関係等もありまして、できれば本月末くらいに決めたいというふうに考えております。おおむね昨年の
日程と同様の
スケジュールで考えておるわけでございます。
それでは、お手元にお配りしてあります
資料に基づきまして、
てん菜及び
てん菜糖関係の
事情について御
説明申し上げます。
この
資料の一ページをお開きいただきたいと存じます。「
砂糖の
需給総括表」ということで、一番左側に総
需要量が示してございます。四十八年までずっと年々ふえてまいりまして、この年は三百十八万六千トンの
需要になっております。その後、四十九年以降低下いたしまして、ほぼ
横ばいの停滞した
状況にございます。これを
国内産糖と
輸入糖でどういうふうに受け持っているかといいますと、
てん菜糖が三十一万二千トン、それから
甘蔗糖が二十一万一千トン、これはいま申し上げている
数字は五十一年の
数字でございます。それからこれを精糖換算いたしまして、計で五十二万三千トン、それから含みつ糖が一万一千トン、
合計で
国内産糖は、五十三万四千トンということになります。率でいたしますと、
自給率約一九%ということになるわけでございます。それから、一番右に一人
当たりの
消費量が示してございます。四十八年が
ピークで二十九・〇二キロ、これがその後低下いたしまして
横ばい状況にあるわけでございます。欧米の
消費水準に比べますとおおむね半分
程度でございますが、総合的な食生活の変化から、今後なかなか
砂糖の
消費量の拡大、増大ということは期待しがたいのではないかというふうに考えられます。
二ページは「
国際糖価の
推移」でございます。四十六年は四十ポンド
程度、四十七年は六、七十ポンド、四十八年は九十ポンド台ということで、逐年上がってはまいりましたが、じりじりした歩みでございました。それが四十八年の十月ごろから、例の
石油パニックが騒がれたころでございますが、百ポンド台に上がり、その後は直線的にずうっと上がり続けまして、翌四十九年の十一月、この月が
ピークでございます。月の
価格で五百六十六ポンド、月中の
最高時は六百五十ポンドにも達したという
価格の
変動を示しております。その後、ずうっと
需給事情が緩和いたしまして、逆に低落を続けております。最近では五十二年の九月、百四ポンド、一番高かった時期に比べましてこの表に出た
数字でも五・五分の一、実際にはポンドの下落あるいは円の
上昇という
為替相場の
変動がございまして、
実質的には七分の一から八分の一にも下がっているという
状況にあるわけでございます。このようなことから、例の
豪州糖の
長期契約の
価格改定の問題でも種々新しい問題を生じているということになるわけでございます。
次に、三ページは「
国内糖価の
推移」でございます。
卸売価格と
小売価格が並べてございます。国際的に
需給が逼迫しました四十八年の十月ごろから、これは
キログラム当たりでございますが上がりまして、百三十七円、百六十七円、百七十五円というふうにずうっと上がってまいりました。そして、五十年の五、六月が
ピークで、このころ二百八十七円という
水準に到達しております。現在では、五十二年九月
平均で百八十五円、ごく最近時点の
単日、一日をとりますというと、百七十円台に落ち込んでおりまして、大きくコストを割って
製品が売られているという
状況にあるわけでございます。
小売価格については省略いたします。
次の四ページは「
てん菜及び
てん菜糖の
生産実績」でございます。四十八年、この年が
作付面積最大でございまして六万一千ヘクタール。千ヘクタール以下は省略いたします。その翌年は大幅に落ち込んでおります。
輪作体系そのほかの
観点からして、四十八年の六万一千ヘクタールはやや大き過ぎたのであろうかと存じますが、その後停滞して、五十一年には四万二千ヘクタールに落ち込んでおります。ところが、五十二年はこれは
増反奨励金が出されているとか、その右にありますように、その年の
生産がきわめて反当
収量がよかったというようなことなどが重なりまして、五十二年は四万九千ヘクタールということで、七千ヘクタール近く
作付面積が増加いたしております。
収量は、いま申し上げましたように五十一・三トンということで、五十一年は
史上最高でございました。
歩どまりも比較的よろしゅうございました。それらのことから、
産糖量は三十一万二千トンと若干回復を見せたわけでございます。
それから、五ページは「
てん菜の
最低生産者価格及び
てん菜糖の
事業団買入
価格」でございます。毎年、
最低生産者価格自体は、
パリティを
基準として決められてまいっております。四十九年の欄のところに
括弧書きがございますが、これは
精糖企業から支払われた
奨励金、これを加算して
実質農家手取りということで
合計した
数字を出しているわけでございます。
本体価格、
最低生産者価格は一万一千百十円で、これに三千八百九十円の
奨励金が加えられて一万五千円の
手取りということになるわけでございます。それから
事業団の
てん菜糖の
買い入れ価格は、右にありますように、現在は二十万円を超しております。
六ページは、
てん菜対策の
関係各種予算でございます。
糖価安定事業団に対する
交付金が二百四十九億、それから後で
奨励金について
予備費措置をしたものが百三十九億ということで、合わせて三百八十九億というような巨額に上っているわけでございます。
それから、次の七ページは「
てん菜生産費の
推移」でございます。これをごらんいただきますというと、五十一年は、先ほども申し上げましたように、十アール
当たりの
収量がきわめてよかったというようなことから、五十年に比べてむしろ
生産費としては、これは
労賃の
評価がえもありましたが、絶対額でむしろ前年を下回っているというような
状況にあります。
それから、八ページは「
パリティ指数の
推移」でございます。
次に「
いも、
でん粉関係資料」について御
説明申し上げます。
一ページは、
カンショ、
バレイショの
年次別の
生産事情でございます。これをごらんいただきますと、四十年から四十九年までは毎年直線的に
作付面積が下がってまいっております。四十九年六万七千五百ヘクタール、この
面積になりましてからはほぼ
横ばい、まあ若干微減ではありますが、それほど減ったということを意識しないでも済む
横ばい程度の
面積でございます。
それから
バレイショの方では、左が
全国で右が
北海道ということで分けておりますが、
北海道の
作付面積が五十一年から五十二年にかけて五千ヘクタールほど減っております。これは五十一年が
バレイショ、それから
バレイショでん粉が過剰であったということも反映いたしまして、
生産を抑制したという効果があらわれているものと考えられます。
それから、二ページ以下は、いまごらんいただきました表の内訳の
説明でございますので、これは省略いたしまして、ずっと後の十ページまで参ります。
十ページは、
でん粉の
状況でございます。甘でん、馬でん、
小麦でん粉、
コーンスターチに分けまして、それぞれの
年次別の
生産量が出ております。
甘でんは、ずっとこのところ減ってまいっております。四十年五十五万トンであったものが、五十一年では七万四千トン。もっともこの年は災害の
関係もありまして
収量が悪かったということで、
カンショの
生産が
落ち込み、その影響を受けて甘でんも落ち込んだということになっておりますが、五十二年、ことしはこれがまた若干回復する、大体八万五千トンか九万トン
程度になるのではないかというふうに見込まれております。
馬でんは、五十年もですが、特に五十一年は大豊作ということで、
でん粉の
生産量は三十一万四千トンという高い
水準になっております。
小麦でん粉は、ほぼ終始
横ばいでございます。
コーンスターチは、年々
生産量がふえてまいっております。特に五十一年の
生産量は大幅にふえておりますが、これはいろいろ無理な抱き合わせ等を行っております
関係から、安いコンスに
相当消費が傾いたというようなこともあって、全体として実際の
需要がそれだけふえたということではなく、
市場のどこかに、メーカーの手にか、あるいは
流通段階にか、
在庫となってとまっている分が相当あるというふうに考えられます。その一部として、
政府在庫が十二万五千トン現在あるわけでございます。
それから、次の十一ページは「
でん粉総合需給」でございます。「
需給」と書いてございますが、
実質はこれは
用途別の
仕向け先数量といったようなものでございまして、出回り量として出た
数量が、下の欄の「
需要」というところでどういう
用途に向けられているかということが示されております。そこにありますような
各種の
用途に向けられる。そして
市場から純粋に過剰となったものについて、五十年は
政府が五万トンを
買い入れ、五十一年は七万五千トンを
買い入れたということが出ておるわけでございます。
それから、十二ページは「
いもの
原料基準価格及び
でん粉、甘しよ平切干の
政府買入
基準価格」の
推移でございます。
バレイショは、いま申し上げましたように、実際に五十年、五十一年
買い入れも行っておりますが、
カンショの場合は、
価格だけを決めて
買い入れは行っていない
状況でございます。これがいろいろ
取引のベースになるというようなことになるわけでございますが、実際には、先ほど
日程のところでも一言申し上げましたように、この
基準価格とは別に、
流通の実態を考えまして、
政府は
指導価格というものを示しております。
それから次の十三ページ、これは「
でん粉価格の
推移」でございます。これをごらんいただきますと、かつては甘でん、馬でんとも
コーンスターチと
価格差はそれほど大きくございませんでしたが、最近では大きく開いてきている。しかも、この甘でん、馬でんの
価格は、抱き合わせによって維持し得ているという
価格でございます。
それから次、十四ページへ参りまして「ぶどう糖、
水あめの
価格の
推移」でございます。特に最近数カ月、五十一年の欄で、これは
ブドウ糖にいたしましても、
水あめにいたしましても、
価格が落ち込んでおります。百三十六円、百三十一円、百二十四円というふうに、
ブドウ糖の精製のものの
価格がここのところ数カ月顕著な
落ち込みを見せております。同じように、
水あめについても
落ち込みが見られる。これは一般的に
でん粉が過剰である、
原料が過剰で
値下がりをしている、そのことから、
製品である
ブドウ糖、
水あめもやはり同様、過剰のため競争も激しく
値下がりを示しているということでございます。
なお、
イモにつきましても、
でん粉につきましても、またその
製品であるこれらのものにつきましても、過剰という問題が常につきまとって、
価格に悪影響を及ぼしているということが見られるわけでございます。
それから、十五ページは「
生産費の
推移」を
カンショと
バレイショに分けてお示ししてございます。それから、この五十一年の
生産費は、いずれも
労賃についての新しい
統計情報部の
調査の仕方、従来とは
評価をかえました
やり方に基づいて算定して、従来の方式よりはかなり高く出ている
調査でございます。
それから十六ページは、
パリティ指数の
推移でございます。
以上で
説明を終わります。