○井上計君 千島列島は別といたしましても、北方四島については、ソ連が現在占拠していることは違法である、これは明確な
お答え、よくわかりました。これ以上実はこの問題等について
外務省に
お尋ねをすることは差し控えをいたします。
ただ、私はそこで申し上げたいのは、日ソ中立条約のいま
お答えがありましたような
経過、結果といいますか、一方的なソ連の不法な態度、あるいは不当な宣戦布告、さらには北方領土の不法占拠、こういうふうな事実を、実は現在
日本国民、案外知らないんですね。知っている人が非常に少なくなりました。私はこのことについていろんな理由があると思います。特に、戦後三十数年間たちましたが、このような問題等について
国民に知らすということについて、何か大変憶病な、
外務省も、あるいは最初から
防衛庁あったわけじゃありませんけれ
ども、
政府も大変憶病になってこういうことを余り知らさなかった。マスコミも、残念ですけれ
どもつい最近まではこういうことは余り多く取り上げる機会がなかったというふうなことから、
国民の間にこういうふうな事実を知らない人が非常に多いと思うんです。
先ほどからいろいろと
お話出ておりますけれ
ども、
防衛思想というふうなことだけでなくて、
わが国のやっぱり歴史というふうなもの等から考えましても、こういうやっぱり事実、真実を
国民に知らすということが、私は今後のやはり
日本のお互いが考えておりますところの平和な、あるいは民主的な国家の建設のためにぜひ必要だと、こういう考えを持っておりますので、せひひとつ
外務省も勇気を持って、こういうことについては事実を、これは何も
外務省の見解とか政治的な配慮ということじゃありませんで、要するに事実でありますから、真実をもっともっとやはり簡明に
国民に知らすというふうなことをひとつお考えをいただきたいというふうに思います。
外務省の方にはもうこれ以上
お尋ねありません。
そこで、私は
防衛庁にまたお伺いしたいのでありますけれ
ども、まあそれらの点を考えますと、現在の
防衛体制あるいは国防
会議のあり方等まだまだ十分でないと、こういう
考え方、感じを持っております。
そこで、各国のGNPに対する国防予算の比率であります。時間が何ですから、短縮する意味で私が持っておる
資料で、もう御
説明いただかぬでも
資料持っておりますので結構です。
そこで、これを児ますと、
アメリカはGNPに対する国防予算の比率は六%である。西ドイツが三・六、フランスが三・七、イタリアが二・六、スイスにおいてさえが二・三である、ソ連は一一ないし十三%だと。中国は不明でありますけれ
ども、推定されるところ七・四%から九%程度を占めておるようだと、韓国は五・一、パキスタンが六・二、フィリピンでも二・四だということであります。ところが
わが国は、先般来総理も
三原長官もしばしば言明をしておられますけれ
ども、一%以内ということを非常に強く言明をしておられます。一%というのが、現在の
わが国のGNPに対する
防衛予算のいわば許された限界だというふうなことであります。これはこれで私は理解しております。しかし、
アメリカの庇護のもと、あるいは安保のかさのもとで戦後三十年間
わが国が異常な経済発展を遂げたということ、これは各方面、特に
アメリカあたりから非常にこれが最近非難の対象になっておるわけでありますが、これがひいては最近の円高、
アメリカのこれはひとつのやっぱり謀略だということもうわさされておりますけれ
ども、謀略とは思いませんけれ
ども、私はこの円高戦略の
一つに、
わが国がこの安保のかさのもとでぬくぬくと、いわば甘えておって、GNPの一%以内しか
防衛予算を計上しなかったということも原因なしとしないというふうに感じております。
そこで、
防衛予算をふやすということ等についてお伺いしたいと思いますが、必ずしも、私は
防衛予算をふやすということが、言われておりますように
国民生活を圧迫するということとは違うというふうな感じを持っております。というのは、現在非常に深刻な不況であります。雇用不安はますます増大をいたしておりますけれ
ども、
防衛予算をふやすことは、私は不況克服の一助になるんではなかろうか、あるいは雇用不安の解消の一助になるんではなかろうかというふうに考えておりますが、これについての
長官のひとつ御所見、さらには、まあ一%というふうな、いま一応限られた形の中での
防衛予算でありますけれ
ども、一%の枠を当面守るとしても、五十二年度の予算はまだ〇・八八%にしかすぎないと、としますと〇・一二%まだ、まあ余裕というとおかしいですけれ
ども、枠が余っておるという
考え方もできようかと思いますが、〇・一二余っておるとすると、明年のGNP、まだ数字出ていないようでありますが、大体二千億円程度はまだ回せる枠があるんではなかろうか、こんなふうに考えますが、
長官いかがでございましょう。