○
政府委員(
三井脩君) 赤軍支援組織の
メンバーの数についての根拠というお尋ねでございますが、ちょっとその前に申し上げたいのは、日本赤軍と言いますのは、私
たちが治安上重視しております極左暴力集団、中核を初め革マル云々というようにたくさんおるわけですが、その中の
一つということになるわけでございます。極左暴力集団全体では、ただいま私
たちは全国で三万五千五百という数を一応推定しておるわけでございます。その中における百名という程度でございますから、人数からだけ言いますと、格別大きい数ではないという、全体の中におけるウエートと、質はまた別でございますけれ
ども、そういう点がまずございます。たとえば極左暴力集団の中で一番数が多いのは中核派でございまして、これは五千八百、その次は革マル派ということでこれまた四千五百というような数を、一応の丸い数字でございますけれ
ども、私
たちは判断の基礎にしておるわけでございます。という
意味で日本赤軍はそういう数でございますが、問題はその本体であります日本赤軍自体が国外におる。それで日本
国内におきましては格別の動きは彼ら
自身できないわけでございますけれ
ども、海外の日本赤軍と連携をとりながらわが
国内において日本赤軍に役に立つような広い
意味での支援活動をしておる、こういう者が人数において約百名程度でございますが、どういうふうな形であらわれておるかと申しますと、今回
事件が九月二十八日に発生いたしまして、その翌々日の九月三十日に京都大学で立て看板を出して、この
ハイジャックを支援するということをはっきり公然と言いました。その立て看板を出した組織の名前は変な名前ですけれ
ども、一九八〇行動
委員会と書いておるわけでございます。これは、この一九八〇行動
委員会の実態そのものがどういうものであるかということについては、その解明の程度、わかり方の程度に問題があるといたしましても、日本赤軍のああいうような
ハイジャックテロ行為を公然と支持をすると、こういうことでありますので、これはまず支持団体の有力なものであると、こういうふうに見るわけでございますが、このほかに昨年の十月に日本赤軍
メンバーの奥平純三がヨルダンから送還されてまいったわけでありますが、その直後に同じく京都大学校内に立て看板を出して、奥平の逮捕を弾劾すると、同志を奪還せよというような立て看板が出ました。そのときそれを出した組織は五・三〇Fとこれまた妙な名前を書いておるわけでございます。したがいまして、ただいまのような海外におる日本赤軍のテロ行為に直結してこれを支持すると明確に言いましたのは、まずこの二つ、こういうことになるわけでございます。
この組織がどういうものであるかということについては、この名前からだけでは必ずしもわからないわけでございますけれ
ども、私
たちが見ておりますところでは、たとえばさきに申し上げました一九八〇行動
委員会というのはその名前で立て看板を出したほかに、たとえば京都大学の元助手でありました竹本信弘が分限処分を受ける、極左の
事件に関連したために分限処分を受ける。これに対する反対ということで、同じその名前によって集会を開く、京都大学でビラをまくと、こういうような行動をしておりますので、そういう行動の中からこれの活動家は京都大学に根拠を持っておる者であるということで、若干の者はわかっておりますが、全部は必ずしもわかりませんけれ
ども、そういう活動をしておる人物であり組織であるということが判明をいたしておるわけでございます。同様に五・三〇Fというのは、五・三〇フラクションということでございますが、これまた極左系の組織の中から分離したといいますか、脱落したといいますか、分かれてこういう組織をつくっておるものであるということが判明してきておるわけでございます。こういう式にこの二つははっきりとああいうテロ行為を、日本赤軍のテロ行為を公然と支持をしておる。そうすると、そこまでいかなくても日本赤軍が意外に
国内の
状況をよく知っておるじゃないかというようなことも声明等でも見受けられるわけでありますが、これは
国内ともいろいろ連絡をしておるのであろう、そういう連絡のこちら側の拠点になっておるものとか、日本赤軍にそういう連絡上の便宜
情報提供しておる、あるいは日本赤軍からの、たとえば先般も話が出ましたけれ
ども、大阪に新聞社がございまして、これが日本赤軍から送られてきた声明をその機関紙に載せると、こういうようなこともありますし、声明のみならず日本赤軍の
メンバーという名前で、名前載っておりませんけれ
ども、個人名出ておりませんけれ
ども、日本赤軍、海外の日本赤軍からの便り、通信ということで載せておるというようなことをやっておるところがございます。
で、この極左系の新聞社でございますけれ
ども、これは何も日本赤軍だけやっておるわけではありませんけれ
ども、ほかの極左系のいろんなものを扱っておる、それぞれの集会あるいは活動を支援しておるというようなことがその機関紙、新聞等に出ておるわけでありますが、とりわけ日本赤軍との
関係で言いますと、日本赤軍はほかに似たような発表手段を持っておりませんが、ここだけは日本赤軍のものが出てくる、こういうことでありまして、日本赤軍に対する支援の程度には差がありますけれ
ども、
先ほどのように公然とテロ行為を支持するという確たるものと、いま言うように、そこまでいかぬけれ
ども大変彼らの
国内宣伝活動の場を提供しておる、こういうものがあるということで、ニュアンスにいろいろ差がございまして、もっと下がっていきますと、日本赤軍の
関係者でわが国に送還されて帰ってくると、これはそれぞれ犯罪になりまして、いま身柄拘束されておるのもありますが、すでに刑が終わりまして、罰金その他刑が終わって自由になっておるというのもあります。そういうときにその弁護を買って出る。単に弁護を買って——弁護をすることはもちろんそれなりのことで、これは批判すべきことではありませんけれ
ども、その弁護を通じて日本赤軍の活動を支援をしておるというように見受けられるいわゆる救援組織の人物もおる。救援組織もある。その救援組織
自身はといいますと、何も日本赤軍の救援だけ、救援弁護活動だけやっておるわけではない。しかし、たくさんある、相当数ある極左系の救援弁護組織の中で、その組織だけは日本赤軍の救援活動を特に買って出ておる、こういうようなものがありますので、私
たちはこううものを日本赤軍に対する
国内における支援組織、その
メンバーは支援組織の
メンバーと、こういうふうにとらえまして、彼らを十分治安維持の観点から彼らに対して関心を払わなければいかぬ、こういう発想で、百名ちょっと超えておりますけれ
ども、このぐらいの数を私
たちは関心を持つ対象として考えておる、こういうことを申し上げた次第でございます。
〔
理事望月邦夫君退席、
委員長着席〕