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下条進一郎君 過去の答えは全く必要ないと私は思います。十分皆さん御
承知です。
私は、いまの問題をこれからどうやって解決したらいいかということで、来年度の
予算に関連して、あるいはこれからの
産業構造のいろいろな問題を解決するために、ほかに解く道はないんじゃないかということで申し上げているのですから、私はいまのその
政府の
考えておられる問題意識というものに対してやや疑問を持ちますし、それから現在の六・七%がいいというお
考えについては、それを維持する限りにおいては
日本のあらゆる
経済問題は解決できないんじゃないかということを申し上げておきます。
そこで、これからの先行きの問題でありますけれ
ども、せっかく国内において
不況業界のいろいろな構造改善の問題あるいは産構審の答申というものがありますけれ
ども、現在これらを一生懸命おやりになっていらっしゃいましても、先行きの外貨事情、外為市場の問題のいろんなかき回し要因によって、またまたこれが足を引っ張られるというような、私は非常に困る
状態に現在ある、こういう
認識は、
通産当局あるいは企画庁当局もお持ちだと思います。
たとえば、きのうの最終終わり値が二百五十一円六十五銭ですか、しかも先物の三カ月のディスカウント幅が三・〇九九%ということでありますと、やはりどんな
円高の状況が続いておっても、またそのために
輸出がかなりカーブをかけられましても、先行きにおいてやはりまだ
円高基調が続くというふうに見るのは、私はこの
為替相場の先行きから見れば、当然の見方だと思うんですよ。これは
政府当局として、まだたとえば二百五十円を割るとかどうこうということは
発言できないことは重々
承知しておりますけれ
ども、やはり全体の
政策、
見通し、そういうものを立てるときには、こういう
為替市場の先行きを見るのは当然ですし、先ほど
お話も出ましたように、市場の中でやはりかなりのだぶつきがある、そういうことで、私はこの問題は先行きに対しては相当シビアな
考え方、厳格に物を
考えながら
対策をとっていかなければならない、このように思うわけでございます。したがいまして、いまの成長率の問題に余り触れておりますと、
産業問題に入れませんので、さらにカットしてまいりますけれ
ども、来年度の
予算については、私はかなり積極的な物の
考え方、国債の水準の問題その他を含めて
考えていただきたいということを要望する次第でございます。
そこで、私は外貨問題、
黒字問題が
日本のせっかくの
産業政策を足引っ張るような形になっていることは否めない事実でありますけれ
ども、その場合に、
黒字減らしというものを私は後向きにやることももちろん必要でありますけれ
ども、まずやはりいろんな
制度上で、手直しをしなければならない問題が私はあると思うんであります。——
大蔵省来ておられますね——たとえば、私は、現在いろいろ
黒字問題出ておりますのは、
貿易収支あるいは
経常収支という議論は多いんでありますけれ
ども、オーバーオールのBP問題というものはわりあい言われておらない。外為市場において外貨がよけい入ってくるというのは、オーバーオールの議論がやはりなければならないと私は思うんであります。
その
一つとして、私は幾つも問題があると思いますけれ
ども、早速手がけていただきたいと思うことを二点申し上げまして、
大蔵当局のお
考えをただしたいと思うんであります。
たくさんの問題ありますけれ
ども、特に目立った問題だけ申し上げますと、
一つは、いわゆる非常に、マーケットの中で外貨ポジションのいろんな問題がありますから、そのために円建て外債の発行、そしてまた同時に、海外投資を促進していただきたい。ロングタームのものの取り扱いをかなり積極的にやっていただきたい、こういうことでございます。これは
経常収支から離れて、全体のオーバーオールのポジションを見る場合には非常に必要なことだと思います。それが第一点であります。
それから第二点は、
為替管理法の扱いの中で私は問題がある。
日本が従来きわめてまだ
経済的に弱い時代においては、
輸入はすべて外貨建て、そしてしかも
輸入ユーザンスを借りて、それでやる。大体四カ月、そういうことでありますから、その積み上がった外貨が、現在借り入れとして相当大きく残っているわけであります。いまこの
日本の
経済情勢あるいは外貨の状況において、そういう外貨を借りなきゃならない状況は、私は余りない。金利の中で泳ぐという市場でございましょうけれ
ども、金利は
日本の方が
公定歩合が四・二五%、ニューヨークマーケットにいたしましてはもうずっと高くなっておる。だから、金利の
関係で外貨を借りなきゃならない、いわゆる
輸入業者あるいは
輸出の関連の方々の必要性もない、こういうことであるならば、このくらいのときには思い切って、いろんな問題があるかと思いますけれ
ども、いわゆるユーザンス
関係は円建てにする、円シフトができるようにするということが私は所要であり、その意味において外貨アタックが、受ける面が少なくなる、こう思うんでありますが、その点のお答えを願います。