○
安恒良一君 いまの流通が健全でない、通常、メーカーから卸屋、卸屋から
医療機関というふうに行ってないと、こういう点についてはあなたも認められましたし、現実に私が調査いたしましたところによりますと、いわゆる換金のために、
医療機関が大量に購入をして逆に換金をするとか、卸屋がいわゆる換金のために大量の投げ売りをするとかいうことで、いわゆるこの
流通機構が非常に乱れていると思います。
ですから、このことについて、もう時間がありませんから細かく論争はしませんが、そこで私は、薬問題を解決する
一つの
方法としては、率直に言って薬を扱うことによって利潤が上がるということをやはりどうしてもなくしていくことを
考えなきゃならぬ。そこで、私は解決策について提案をしました。皆さん方も、その解決策はそうだろうということで。その中の
一つの問題として私は、薬をやはり
配給公社等をつくったらどうかと。薬の必要なものを国が買い上げて、そして
配給公社を通じて
医療現場におろしていく。各都道府県なり、さらにその単位まで
配給公社をつくる。そうすれば、薬を扱ったことによって利潤を——もちろんその場合に物と
技術を
分離して、
技術料を評価していく、これは当然のことですよ。これは当然のことなんです。しかし、そういう
方法を、何らかの
方法を——それはなぜかといいますと、わが国は自由主義経済であります。自由主義経済でありますが、
医療というものがすでに九兆円を超えている。そして、その中で薬が使われる部面は大ざっぱに計算しても三七、八%−四〇%。そうなりますと、健保
財政問題になりますが、この中で一〇%か二〇%節約したらどうなるか。そうしたら、
大臣はすかさず、それは
技術料に回るから、行って来いだと、こうほかの
審議会で答えられていますが、行って来いにはならないんです。なるほど、その面だけ見ると行って来いですが、それだけ
技術料に回して、
技術料が高くなれば薬を使うのが少なくなるわけですから、
大臣は行って来いだという
答弁されていますが、行って来いにはならないんですこれは、率直なこと言って。
ですから、私はやはりわが国の総
医療費の中で薬の占める
割合が非常に高過ぎる、それが
薬害を生み出しているというときには、私はやはり薬を
医療機関が扱うことによってマージンが出るというところをまず直していく。そのかわりに
技術料を、たとえば初診料を上げるものは上げていくとか、再診料を上げていくものは上げていくとか、手術料を上げるものは上げていくというふうに、きちっと物と
技術をやっぱり
分離をして薬を減らしていく
方法が一番いいんじゃないか、こういうふうに思います。
そして、それがために、いまのように薬を、自由主義経済でありますから、一般の商品と同じような複雑な
流通機構に任しておったんでは、またいま言ったように本来ずっと流れているルートが逆に流れている場合があるわけですから、こういうことをするためには、もうこれだけ総
医療費は九兆円、ことしの国家予算が二十八兆円——補正して幾らですから、その中で占める薬の
割合ということを
考えると、ただ単に野放しに薬というものを一般の自由主義経済のままに任しておっていいんだろうか、薬の流通について。こういう点について私は私なりの意見があります。
そこで、これらの点についてひとつ、まあこれも
抜本の問題だとも思いますけれども、
大臣の方で前向きにひとつぜひ薬問題の
改善について、
国民がいま
考えている、薬づけになってはいないか、
薬害が起きてはいないか、これを解決し、
医療財政の
赤字を解消するためにも、薬問題について
大臣は前向きに取り組んでいただきたいことを
お願いして、これは
答弁求めません。それはまた時間がたちますから。
そこで、私はこのほかに
質問通告をいたしておりました問題としては、いわゆる検査の
あり方の問題、機械の重複投資の問題、それから、
医療供給機関の
あり方の問題等々、たくさんの項目を通告しておりました。これはもう
大臣、私の項目は第一日目に申し上げておりますから、ここで重複して申し上げません。
これらの点については、きょうはまあ一回り方式ということで、わが党に割り当てられている時間が制限をされておりますから、私は
質問を保留をいたしまして、残っているということをこの席上で明確にし、最後に
一つだけお聞きをしておきたいことがあるわけです。というのは、私はやはり
医療供給体制の問題だと思います。
国民皆
保険になって、皆
保険という
制度は、私はりっぱな
制度だと思う。それに見合う
医療供給体制というものが
整備をされたのかどうか。それが余りにも今日おくれているんではないだろうか。これも詳しく言い出しますと、
医療機関の数から看護婦さんの数からお
医者さんの数になりますから、そういうことをいま言おうとしているのじゃありません。私は十分しか
あとありませんから。そこで、その中で特に私はお聞きしたい点は、どうしてわが国の場合において病院なり
医療機関の
機能分化ができないのかどうかということ。御承知のように
診療所があります。それから、有
床診療所、ベッド数二十までですね。
診療所はベッドがありません。それから、いわゆる
専門病院、それから
総合病院、それから
大学病院というのがあります。まだあるかもわかりませんが、大ざっぱに分けるとわが国の
医療機関は。
ところが、各
医療機関がどこも外来をとる。たとえば
一つの例を言いますと、腹が痛い、かぜをひいたといって
大学病院に行ってみたり、いきなり
総合病院に行ってみたりする、こういう問題がある。私は、わが国の
医療の欠けている点は予防、治療、リハビリ、この一貫性が欠けていることが
一つと、いま
一つは
機能分化がおくれていること。ここにわが国の皆
保険下における
医療供給体制の問題が非常にあると思いますが、こういうような問題についてどうお
考えになるか。
特にお聞きしたいのは、
老人医療問題が大きい問題になっています。
大臣も
抜本改正の中で、
老人保健医療制度の
あり方について
議論をしようと。そして、五十四年度にはと、こう言われてますね。ところが、私は七十歳以上のお年寄りの方々の
無料健康保険制度をつくったことはよかったと思います。しかし、それならば
老人専門の病院というものがそれに合わしてつくられたのかどうかと。お年寄りが一般の病院に殺到している。ベッドもいわゆるお年寄りがこれを
確保して一般の人が入院できないなどということを言って、逆に
老人健康保険を改悪しようとする。私はそんなことを言っているわけじゃない。それは間違いです。これは
あとで数字を見ればわかることです。そんなことを言おうとしているのじゃないが、少なくとも
老人無料健康保険制度ができたならば、お年寄りが安心をして入れるやはり
老人専門の病院というものが設定されてしかるべきじゃないか。ですから、
制度をつくるときには、その
制度に見合った
医療機関というものがつくられ、また
医療機関の任務というものが分担をされる中でやらないと、仏つくって魂を入れずということで
制度そのものにひずみが出てくると思います。
こういう点についてひとつ、私はこまかく入る時間がありませんから、
医療機関の
機能分化の問題、特に、
老人が安心して入れるような
老人専門病院、こういう問題について、これはどうしても
あとから
議論になると思いますが、いわゆる不採算の部面が出てくるんです。
老人専門病院。ですから、これはいわゆる公的援助がどうしても強化されないと、私はなかなか
老人専門病院はうまく立っていかないと思いますが、そういうことがなされないまま今日に至っているところにあると思いますから、一応
医療の
機能分化の問題、特に
老人専門の病院の問題等についてお尋ねをいたします。