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和泉照雄君
気象庁の方は大分遅い
情報を基礎にしていろいろおっしゃっているようでありますけれども、
沖永良部の
住民の方々は、もう電灯が切れたのが、停電したのがちょうど二十一時三十分でございますが、その前に聞いた
情報はちょうど六時ごろの
情報であった。そういうふうに非常にギャップが多いものですから、それでゆっくりしておった。そして停電になってテレビも放送されない。中波はほとんど聞こえない。あそこは難聴の地区になっておるようでございますのでこれは午後またいろいろ聞いてみたいと思いますが。そういうことで、その時間の、調べた
気象状況をすぐ、なるたけ早く、しかも回数を余計、しかも精度がよく
——東シナ海の場合はいろいろ皆さんがおっしゃったとおり事情があると思いますが、那覇のレーダー、名瀬のレーダー、種子島のレーダーというのはあるわけでございますから、そういうところできちっと把握ができないということに、私は機材の精度が少し落ちているのではないか、人員が足らないのじゃないか、こういうような考え方を持つわけです。で、ちょうど向こうに行った明くる日、おたくの風速計が曲がっておりました、あのてっぺんまで上がってみましたら。ときどきは行ってみてだれか係をやって機材の
整備の
状態等も点検をされるくらいの
——潮風が、島でございますから、もう鉄の部分はほとんどぼろぼろになっているような
観測機材がそのまま使われておるような
状態でございましたので、こういう点もひとつ是正をしていただきたいということを、これは要望いたしておきます。
時間がありませんので、最後に
国土庁長官にお尋ねしたいのは、例の桜島の問題でございます。
私は、
鹿児島市に住んでおりますので、しばらく長官もこの非常に爆発しておるときに、一週間ぐらいでも
鹿児島に住まっていただいたらあの惨状がよくわかるのではないか、こう思われる
状態でございますので、この降灰
対策についてひとつ御質問をいたします。
大体、火山というのは数年に一回とか、あるいは十数年に一回爆発をするというのがこれは常識でございますけれども、
鹿児島の桜島というのは、
昭和三十年から現在二十二年間爆発し続けている、世界でただ一つの超
大型の火山でございます。こういうような桜島の爆発が始まったときに誕生された方々は、もう成人になって、二十二歳になっております。こういうようなことで、
鹿児島気象台がことしになっていろいろと精密に
観測したところでは、ことしは非常に爆発が激しゅうございまして、百三十九回爆発を起こして、八月だけでも三十五回、過去二年間のうちで一番月間の回数が多かったそうでございますが、多い日には一日に四ないし五回の降灰がありまして、八月だけでも
鹿児島市内で一平方メートル当たり六百四十八・三グラムも降っているということで、これを全市の面積で換算をするということになりますと、約七十八万トンになります。市の
中心部だけでも約四万トン、四トン積みのトラックにしますと一万台に相当する、そういう降灰があったわけでございまして、ですから、ふもとの桜島町の惨状は、さらにこれを上回る量が降っていることは当然でございます。鹿大のある教授の推定では、大体
昭和四十九年まで有珠山の半分ぐらい、約一億トン降っているんじゃないか、こういうような発表もなされておるようであります。桜島というところは、行ってごらんになるとおわかりと思いますが、川というのは底なし川で、水がありません。そこにこういう降灰と岩石が累積をしておりまして、いままで何人も犠牲者が出たような、鉄砲水とか、そういう
災害を起こしておるところでございますけれども、桜島周辺の
鹿児島市とかあるいは垂水市、こういうところはこの降灰で大変な
被害を受けているわけでございます。また、
農作物、桜島のミカン等は年間約九億円に当たる
被害を受けておるとも言われておりますが、最近はミカンの栽培農家の方々が経営不振で一家五人心中をするという痛ましい事件も起こっておるようであります。幸いに四十八年に活火山法というのが制定をされまして、避難
施設とかあるいは
防災営農
施設の
整備、一避難港の
整備と、こういうことは充実を図られておるわけでございますけれども、地域が桜島と阿蘇山というふうに限定をされております。そういう意味合いから、私が申し上げたいことは、ぜひともこの活火山法を改正をして、その対象地域を拡大をしていただく、こういう問題とか、あるいは
防災営農の時限がことしいっぱいでございますので、灰はいつまでも降り続くわけでございまして、予測はできませんので、これを延長をしていただきたい。このためには農林省の方にもひとつ積極果敢に交渉をしていただきたいものだと、こういうふうに思うわけでございます。
そしてまた、厚生省の方には、灰が降りますと、ほとんど小学校の生徒はもう目医者に走り込む。ほとんど目の眼瞼を
ガラス状の降灰で切っている、そういう人が多くなった。お薬屋さんには目薬を買いに走る人が多くなったということも言われておるくらい。それに反して、私は、余り吸い込む量のことは対象になっておらないようでありますけれども、五十年に西ドイツの大学教授が来たときには、これは将来けい肺を起こすおそれがあると。それよりはまた、硼酸というのですか、これが肺房の中の水と化学反応を起こしたときには大変な障害を起こすと、こういうようなことの
指摘もなされておるわけでございます。そういうようなことで健康診断、こういうこともひとつその中に繰り入れていただきたいし、また、
鹿児島と垂水が非常に困っております降灰
対策ですね、除去の事業というものを組み入れていただきたいのです。ほとんど、灰が降りますと、比重が重いものですから、大概の雨ではなかなか流れ切れない。集中豪雨がありますとそれがみぞとか水路に入りまして、
鹿児島市内は大雨が降りますとほとんど
道路は水浸しになってしまう。こういうようなことで、灰がその日に降ったときにはその日のうちに除去するような、灰の高圧集じん装置の自動車とか、そういうようなこともひとつ予算
措置が、
助成ができるような、そういう
措置をしていただきたいものだと、こういうふうに思うのでございますけれども、最近、私たちが市民の方々にアンケートを、署名を
お願いしたところが、十万名の方々が、本当に困っておりますので、本当にすぐ集まりました。で、近く長官のところに陳情しようと思っておりますけれども、そういうことも含めて、ひとつこの活火山法の拡大、改正ということに積極的に取り組んでいただきたいと思うのでございますが、長官はどういう御所見であるか、お聞かせ願いたいと思います。