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1977-10-06 第82回国会 参議院 災害対策特別委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十二年十月六日(木曜日)    午前十時七分開会     —————————————    委員異動  十月五日    辞任          補欠選任     古賀雷四郎君      田原 武雄君     松本 英一君      宮之原貞光君     原田  立君      和泉 照雄君  十月六日    辞任          補欠選任     小巻 敏雄君      渡辺  武君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         村田 秀三君     理 事                 遠藤  要君                 上條 勝久君                 太田 淳夫君                 小巻 敏雄君     委 員                 青井 政美君                 坂野 重信君                 田原 武雄君                 戸塚 進也君                 桧垣徳太郎君                 宮之原貞光君                 和泉 照雄君                 渡辺  武君                 柳澤 錬造君                 山田  勇君    国務大臣        国 務 大 臣        (国土庁長官)  田澤 吉郎君    政府委員        国土政務次官   佐藤 守良君        国土庁地方振興        局長       土屋 佳照君        気象庁長官    有住 直介君    事務局側        常任委員会専門        員        森  一衞君    説明員        防衛庁防衛局運        用課長      児玉 良雄君        国土庁長官官房        審議官      四柳  修君        国税庁直税部所        得税課長     小野 博義君        文部省管理局指        導課長      大井 久弘君        厚生省環境衛生        局水道整備課長  山村 勝美君        厚生省社会局施        設課長      山内 豊徳君        農林大臣官房審        議官       犬伏 孝治君        農林省農林経済        局保険管理課長  船曳 哲郎君        農林省農蚕園芸        局畑作振興課長  伊藤 律男君        運輸省航空局監        督課長      松村 義弘君        運輸省航空局計        画課長      佐野 豪一君        気象庁予報部予        報課長      内田 英治君        郵政省電波監理        局技術課長    大竹 利男君        建設省住宅局住        宅総務課長    京須  実君        建設省住宅局建        築指導課長    大田 敏彦君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○小委員会設置に関する件 ○災害対策樹立に関する調査  (派遣委員報告)  (沖永良部台風被害等に関する件)     —————————————
  2. 村田秀三

    委員長村田秀三君) ただいまから災害対策特別委員会を開会いたします。  まず、委員異動について御報告いたします。  昨日、松本英一君、原田立君、古賀雷四郎君が委員辞任され、その補欠として宮之原貞光君、和泉照雄君、田原武雄君が選任されました。     —————————————
  3. 村田秀三

    委員長村田秀三君) 小委員会設置に関する件を議題といたします。  災害対策樹立に関する調査の一環として、小委員十一名からなる個人災害対策小委員会設置いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 村田秀三

    委員長村田秀三君) 御異議ないと認めます。  それでは、小委員青井政美君、遠藤要君、上條勝久君、坂野重信君、戸塚進也君、青木薪次君、村田秀三太田淳夫君、小巻敏雄君、柳澤錬造君、山田勇君を指名いたします。  また、小委員長上條勝久君を指名いたします。  なお、小委員及び小委員長辞任の許可及びその補欠選任、並びに小委員会から参考人出席要求がありました場合の取り扱いにつきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 村田秀三

    委員長村田秀三君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。     —————————————
  6. 村田秀三

    委員長村田秀三君) 災害対策樹立に関する調査議題といたします。  まず、先般当委員会が行いました鹿児島沖永良部における台風第九号による被害実情調査のための委員派遣につきまして、派遣委員報告を聴取いたします。上條勝久君。
  7. 上條勝久

    上條勝久君 村田委員長宮之原委員内田委員渡辺委員柳澤委員及び私上條は、去る九月二十日、二十一日の二日間、台風九号により激甚な被害を受けました鹿児島県大島郡沖永良部実情調査してまいりました。  以下、その概要と問題点について簡潔に御報告を申し上げます。  まず、気象状況並びに被害対策概況についてであります。  近年来例を見ない勢力に発達した台風九号は、昭和五十二年九月九日夜半、沖繩東方海上を経て奄美群島を直撃、その後も秋口台風として例のない北西のコースをたどり、中国大陸に去ったのであります。台風が通過した沖永良部気象庁測候所では、わが国観測史上最低の九百七・三ミリバールを観測、また、最大瞬間風速も六十・四メートルを記録しましたが、強烈な風のため計器が破損する事態となり、実際には七十メートル以上の猛威があったと予測されております。また、降雨量沖永良部で百七十九ミリに達し、台風通過の際の一時間は五十五ミリの強い雨となり、異常な風雨の中で沖永良部を初め与論徳之島等で多大の被害が発生したのであります。  こうした台風第九号の気象上の特異性沖永良部における被害甚大性にかんがみ、気象庁はこの台風沖永良部台風と命名するに至ったのであります。  鹿児島県がまとめた九月十二日現在の奄美群島における台風被害概況は、百三十四名に上る重軽傷者を初め、住宅等被害五千七百九十八棟百四億円、農作物被害十五ヘクタール十二億六千万円、土木関係被害三十九カ所三億六千万円、その他耕地、畜産、商工等で総額百三十一億円に達しているのであります。中でも住宅被害の激甚さが特徴的であり、特に沖永良部においては、全島五千三百十戸の約八〇%に当たる四千百戸が全壊半壊、一部破損被災住民が看板、屋根の飛び交う暗やみに避難するという、まことにすさまじい状況にあったのでございます。  こうした中で、鹿児島県は直ちに災害対策本部設置し、沖永良部与論徳之島の六町に災害救助法を発動するとともに、港湾施設の不備で救援物資人員陸揚げが不能のため、自衛隊に対し応急復旧物資輸送等のため災害出動を要請したのであります。  調査いたしました災害現場は、沖永良部和泊町、知名町でありましたが、被害から十日を過ぎてようやく一筋の安堵感を取り戻しており、住民の立ち上がりの中で応急作業は積極的に進められております。倒れた樹木や電柱により交通不能となっていた道路もほとんどが復旧し、またずたずたに切断された電線、電話線も八〇%以上が回復をいたしておりました。  住宅復旧状況は、まず全壊半壊と言われる住宅は、建築技術者不足のため手もつけられないまま放置されており、当時のすさまじさをいまに残しております。また、一部破損住宅は、破れた個所にテントやビニールを張り、辛うじて夜露をしのいでおるのが大半であり、いずれもなお続く台風期のさなかにあって深刻な状況下にありました。しかし、島内の青年諸君は、数少ない大工職中心にグループを編成し、老人世帯住宅等復旧作業に取り組んでいること、品不足になっている復旧資材について商工業者の自粛のもとに一切の値上がりが抑えられていること等は、離島風土に培われた連帯感のあらわれであり、感銘を覚えた次第であります。  なお、住宅被害に対する相談所二カ所が開設されており、また応急仮設住宅も、和泊町二百戸、知名町百六十五戸と決まり、早期建設が待たれております。  また、農業被害状況は、基幹作物であるサトウキビの倒伏、折損が被害額の九〇%を占め、次いで共同施設で貯蔵中のたばこの葉の冠水、エラブユリ、フリージアの球根の冠水等でありましたが、特にサトウキビは昨年に続き連年災害を受けており、共済事業の対象としての制度化が望まれております。  そのほか、上水道水源地の飲料水くみ上げポンプが停電のため作動せず、給水不能となった事態を重視し、緊急時に備え自家発電機整備する必要が主張されておりましたが、離島特有の問題でもあり、国の助成が不可欠であることを痛感した次第であります。  次に、今次災害問題点及び今後の課題について申し上げます。  第一は、台風襲地帯における住宅建設についてであります。  沖永良部は黄から台風に苦しめられた地帯であり、かつては台風に対する生活の知恵があらゆる面で生かされていたと言われております。しかし、近年では世代の交代、生活様式の変化の中でだんだんそういうことが失われ、屋根トタン張りとなり、窓もサッシ枠ガラスとかわり、強度を過信して雨戸もない住宅がその大半を占めております。ために、罹災した住宅の多くは窓ガラスの破れから突風が家の中に入り、内側から天井を吹き上げて屋根がもぎ取られた状況であります。台風地帯という厳しい立地条件を無視し、内地風住宅建設を進めてきたところに問題があり、このことは今次経験を機に大きく反省されなければならない点であると思うのであります。  鹿児島県は、被災住宅復旧に当たり、防災モデル住宅を設計し行政指導を図りたいとしておりますが、国においても特殊地帯土地利用住宅の構造、建築資材等について規制を強化するとともに、防風林等整備を含む建築協定環境条例等についても検討し、防災体制確立を期することが必要であると痛感する次第であります。  第二は、離島災害地に対する財政措置融資措置条件緩和についてであります。強風に加え豪雨も重なったため道路港湾学校等公共施設被害も頻発しており、特に被害物件のほとんどが町の施設であることから、復旧のための支出負担が大きな課題となっております。離島であり、過疎であるこれらの町の財政を補完し、同時に、施設防災面における改良措置を講じていくために、災害の範囲は狭くとも激甚災害扱いにして前向きに対処し、国の大幅な財政援助の道を開くことが必要であります。  また、住宅被害はすべてが個人災害であり、現行災害援護資金の貸し付けのみでは住宅復興費の充足は全く不可能であります。住宅関係激甚指定により、災害公営住宅大量建設公庫災害復興資金特別融資を図るとともに、離島のゆえに建築単価がかさむこと、台風地帯のために防災上の配慮が必要であること等にかんがみ、標準建築費貸付限度額引き上げ等融資条件緩和を検討する必要があると感じた次第であります。  さらに、中小企業に対する助成につきましても、商工水産関係で三億四千万円の被害額となっております。激甚指定の中で政府関係金融機関等低利融資特別措置を開くべきであると痛感いたした次第であります。  第三は、建築技術者不足とその対策についてであります。沖永良部建設業者は三十五名、大工職は百七十名とのことでありますが、四千戸を超える被害住宅復旧に当たっては、なお多数の技術者協力が必要であることは申すまでもありません。いまだ多くの被災住宅が放置されておりますことは前に述べたとおりでありますが、技術者不足により復旧作業がいつまでも手間取ることは、被災住民復旧意欲を阻害する要因ともなりかねないと恐れるものであります。しかし、安易な方法で技術者内地から求むれば、建築費のほかに技術者の旅費、滞在費復興費に加算され、被災住民負担は大きくかさむこととなり、これも問題があります。鹿児島県は、とりあえず職業訓練所訓練生建設省建設大学校中央訓練所訓練生協力を求めたいとの意向でありましたが、多数の建築技術者を早急に確保し送り込むためには、国の積極的な協力と強力な行政指導が不可欠であると痛感いたしたのであります。  第四は、離島港湾整備についてであります。沖永良部には地方港三港と漁港一港がありますが、五千トン級の大型船が接岸できるのは和泊港のみであります。しかし和泊港も係留施設のみが先行し、水域施設が未整備状態のため、わずかなしけの影響もまともにこれを受けて、すぐに接岸不能となるのが異常時の現状であります。緊急物資を満載した大型船が二、三メートルのうねりのため接岸できず、はしけ輸送により若干の食料品を荷揚げしたのみで引き返す事態に直面し、被災住民は断腸の思いに駆られたとのことであります。離島災害復旧は、資材陸揚げの成否がまさにかぎでありますが、今回も十日間にわたる接岸不能の状態が続き、復旧作業は大きく滞ったのであります。台風地帯離島にあっては、安全に接岸し得る主要港湾整備促進とともに、異常気象時でも接岸を補完し得る裏港湾整備も必要であり、財政面等で国の特段配慮が強く期待されております。  第五は、気象観測台風情報についてであります。的確な台風観測とその情報は、災害の防止と予防に重大な役割りを占めておりますが、今次の沖永良部における気象庁台風情報は、速度、位置ともに大きな誤差があったと指摘されているのであります。台風はまだ来ないとの住民先入感は覆され、突如として暴風圏にさらされることとなり、戸惑い動揺する中で飛び交う屋根ガラス破片等で負傷したケースがきわめて多かったのであります。また、沖永良部を通過した後の台風進路情報もことごとくが大きく外れることとなり、安全海域に避難したはずの漁船、船舶が、逆に台風中心に突入するという危険な事態も現実にあったのであります。これらの事実は、現行観測予報体制の上で、なお十分検討すべき弱点のあることを示すものであり、離島、海洋における観測機能整備とともに、迅速、的確な台風情報の提供が図られまするよう、気象観測体制早期拡充が望まれるところであります。  以上が調査いたしました主要な問題点でありますが、この過程で特に印象に残りました点は、激烈な災害地でありながら被災者一致協力、明るい雰囲気で復旧作業にいそしんでいたことであり、また、被災二町の町長が、力の限り自力での復旧に全力を尽くすが、どうしてもできないことは国にお願いをしたいと、決意を込めて訴えていたことであります。今次災害を契機として、沖永良部の新しい地域づくりが進められまするよう、政府離島特殊性を十分に認識され、必要な行財政措置を早急にとられるよう、強く要望するものであります。  最後に、この調査に御協力をいただいた鹿児島県並びに沖永良部関係者各位に感謝いたしますとともに、災害地の一日も早い復旧を心からお祈り申し上げて報告を終わります。
  8. 村田秀三

    委員長村田秀三君) 以上で派遣委員報告を終わります。     —————————————
  9. 村田秀三

    委員長村田秀三君) 委員異動について報告をいたします。  ただいま、小巻敏雄君が委員辞任され、その補欠として渡辺武君が選任されました。     —————————————
  10. 村田秀三

    委員長村田秀三君) この際、政府から、台風第九号によるその後の被害状況について報告を聴取いたします。田澤国土庁長官
  11. 田澤吉郎

    国務大臣田澤吉郎君) 台風第九号による被害について御報告いたします。  九月九日から十日にかけて、大型で強い台風第九号により、鹿児島奄美群島地方沖永良部島中心に甚大な被害をこうむりました。  鹿児島県下の被害状況は、現在までの報告によりますと、負傷者百三十八人、建物の全半壊二千八百八十九棟、罹災者数約九千五百人となっております。  また、家屋被害を除いた施設関係等被害額は、公共土木施設関係約九億円、農林水産関係約三十六億円、中小企業関係約三十三億円その他八億円を合わせ合計八十六億円となっております。  この災害に際し、鹿児島県においては災害対策本部設置するとともに、特に被害の著しい知名町、和泊町等六町に災害救助法を発動し、応急の救護、救助活動を行うとともに、政府においては佐藤国土政務次官沖永良部島派遣し、被害実情調査に当たらせました。  また、復旧については、離島という悪条件でありましたが、関係機関努力のもとに電気、水道電話等生活に直結した施設復旧はほぼ完了し、被害住宅復旧も順調に進んでおりますが、今後なお一層早期復旧を目指し、激甚災害指定金融面措置等万全の対策を講じてまいる所存であります。
  12. 村田秀三

    委員長村田秀三君) 以上をもちまして政府からの報告を終わります。     —————————————
  13. 村田秀三

    委員長村田秀三君) 次に、沖永良部台風被害等に関する件について質疑を行います。
  14. 上條勝久

    上條勝久君 持ち時間の関係がありますので簡潔にお尋ねいたしますが、沖永良部沖繩に隣りする小さい離島であること、気温、そして土壌等立地条件から生産に限界があって、個人や町の財政事情もきわめて厳しいということをひとつ念頭に置いて、これまた簡潔にお答えをいただきたいと思います。  第一は、全体的にはただいまの調査報告のとおりでありますが、政府は十分ひとつ復旧復興に対処していただかなきゃなりませんけれども、特に住宅等個人災害が、近年その類例を見ないような甚大な被害でございます。しかも町民各位は、苦しい財政事情のもとにありながら、防災住宅建設を希望されております。災害復旧作業中にかかわらず、住宅金融公庫現地説明会に千人もの方々が熱心に参加されておったということからもこのことは明らかであると思います。住金の融資条件が他の政府制度資金に比して利用者尊重立場で仕組まれておるということは、私も十分理解いたしておりまするが、政府は、この際、少なくとも融資限度額の思い切った引き上げ等を実施して、個人防災住宅建設を容易ならしめるように特段配慮が緊要であると考えます。この点についてお答えをいただきます。  なお、住宅激甚指定を一日も速やかに施行していただきたい。お答えをいただきます。
  15. 京須実

    説明員京須実君) 住宅金融公庫災害復興住宅建設資金でございますが、建設省はこの融資限度額引き上げにつきまして、すでに財政当局と折衝に入っております。また、財政当局の方も前向きで検討を約しております。ただ、金融公庫法施行令の改正を伴いますので、いましばらく事務的な準備等をお待ち願いたいと思います。  それからまた、激甚災指定につきましても国土庁の方にお願いしているところでございます。
  16. 上條勝久

    上條勝久君 それはわかりましたが、どうかひとつその額、引き上げ額の問題が問題なんでありますから、その点十分ひとつ考えてもらいたい。  住宅激甚指定の問題、国土庁から……
  17. 田澤吉郎

    国務大臣田澤吉郎君) 住宅罹災者公営住宅関係激甚災指定につきましては、十月——今月の中旬には指定いたしたいと、こう考えております。
  18. 上條勝久

    上條勝久君 沖永良部は、立地条件上なかなかその農作物が限定されるわけでありまして、御承知のとおりサトウキビ特産地でございます。年産は二十億円と言われておりますが、ただいま生育の途上にあることも御承知のとおりであります。その約三〇%が事実上被害を受けておるわけでございます。これに対するいろんな手当てを十分やっていただくということは、これはもう当然のことでありますが、私がお願いしたいのは、そのほかに、近く本年度のキビ価格決定が行われることになろうかと思います。これ、もう間もなく行われるのじゃないかと、かように思うわけでありますが、その際にひとつ、田澤国土庁長官災害担当の有力な閣僚でもあられまするし、また、この価格の問題については非常に御造詣が深いわけでありまするから、どうかひとつそういうお立場から、この来年度のキビ価格決定について、災害手当てももとよりでありまするが、格段のひとつ御協力、御配慮お願いを申し上げたい。これは希望であります。  それから次に、和泊知名両町等被害地の自治体が、先ほど申し上げましたとおり、財政需要が非常に逼迫をいたしておる。したがって、これについては自治省が交付税をもって対処していただくことになろうと思いますが、さらに港の整備沖繩を含む名瀬の台風総合観測体制の、これは完璧を期してもらわなければいかぬと思うんです。この際、完璧な確立を図っていただかないと、まあ検討するとかどうするというようなことじゃこれはもうなかなかいかぬと思いまするので、これらの点についても運輸省が、またさらに中小企業対策については、激甚指定をぜひひとつ思い切って踏み切ってもらいたい。そして通産省で、早急かつ積極的にこれらの問題について各省庁が対処するように、田澤長官において各閣僚等に対しまして十分なひとつ御配慮を強く御要望申し上げておきたい、かように思う次第でございます。  以上の点はお答え要りませんが、田澤長官の御決意だけを一言だけ承りまして、私の質問を終わります。
  19. 田澤吉郎

    国務大臣田澤吉郎君) 実は奄美群島の視察を私も八月中に行いました。奄美本島沖永良部島調査したのでございますが、ただいま御指摘のありましたサトウキビの問題、あるいは港湾問題等沖永良部で最も重要な問題であろうと思いますので、今後、ただいま先生の御指摘になりました線に沿うて、私も最善を尽くしてまいりたいと考えております。
  20. 上條勝久

    上條勝久君 結構です。
  21. 宮之原貞光

    宮之原貞光君 先ほど報告をいただきましたところの沖永良部台風と呼ばれる台風九号は、きわめて甚大な被害を特に沖永良部両町に及ぼしておるわけでございますが、特に、被害の中でも住宅家屋あるいはまた商工関係者被害は、県の十月四日まとめたところの報告書を見ましても、実に百三十億円に達するところの被害を受けておるわけなんです。それだけに、離島であるという条件が重なりまして、このままでは復興に大変な努力を必要とすると判断をされるわけでございますが、それだけに激甚災害特別財政援助法の適用という問題は、きわめて私は緊急の課題だと思うのでございます。その点、国土庁の行ってこられたところの佐藤政務次官あたりも、前向きに検討しますなんていうことを現地でも言っておられるようですが、その後すでに一月を経過をするわけでございますが、具体的にどのような問題点中心にしてこの問題が検討されておるか、まずお聞かせいただきたいと思います。
  22. 田澤吉郎

    国務大臣田澤吉郎君) 先ほど上條先生にもお答えいたしたのでございますが、罹災者公営住宅関係に関する激甚災指定につきましては、十月の中旬ごろ指定をいたしたいと、かように考えております。また、中小企業関係については歩調を同じゅうして指定しようと思いましたけれども、作業が少しおくれております関係から、これは今月の末ごろになろうと思いますが、できるだけ今月中に指定をいたしたいと、かように考えております。
  23. 宮之原貞光

    宮之原貞光君 そうすると、住宅関係あるいはこの商工業——といっても大体商業関係者ですね、向こうは。それはわかりましたが、その他の分野では、そういう問題について具体的に検討させておることはないのですかあるのですか。これはどうでしょう。
  24. 田澤吉郎

    国務大臣田澤吉郎君) 先ほど当委員会の、この奄美群島への派遣報告にもございましたのでございますが、そのほか、私たちは離島としての最悪の条件をやはりこの際排除していかなければならない。そのためには、やはり台風地帯住宅問題というものを再検討しなきゃいかぬだろうと。もちろんそのためには財政措置というものを、健全財政確立するためには、との離島振興というものはございますけれども、それをどういうような形で将来進めていったらよろしいのかという問題あるいはまた住宅は当然個人災害個人に大きな被害を与えておりますので、個人災害に対するあり方を一体どのようにいたしたらよろしいのかという問題、あるいは離島として、いま沖永良部で一番問題はやはり港湾の問題だと思うのでございまして、和泊港は確かにある程度整備されておりますが、他に裏港としての要望が非常に強いのです。あれは、たとえば和泊港が非常に被害の多いときには裏の海は非常に静かであるというようなこともございますので、地元ではもう一つ港湾をつくってほしいという要望もございますので、そういう点についても運輸省といろいろいま折衝し、また、鹿児島県ともその点については連絡をとって検討いたしているような状況でございます。  そのほか技術者が非常に不足しているという問題だとか、あるいは水資源に対しての対策をどうするかというような問題等も、私たちは具体的に地元と連絡をとりながら調査を進めておる、検討しているという状況でございます。
  25. 宮之原貞光

    宮之原貞光君 私がお聞きしたかったのは、激甚災の適用の問題について、長官としては、いわゆる商工関係それから住宅関係を対象に検討しておるというお話でした。それ以外の分野ですね、たとえば公共土木とかあるいは農林水産関係とか、そういう問題については検討されておるのかどうか。適用されないとするならばどうしようとされておるのかということを実はお聞きしたがったんです。しかし、これは私はこれから具体的に一つ一つお尋ねしますからお答えいただきたいと思うのですが、まず、この住宅等家屋の問題についての激甚災適用の問題については、私がいろいろ聞いておるところでは明日、中央防災会議の主任関係者の会合をやり、十七、八日ぐらいの閣議で政令として決めたいというふうにいろいろ聞いておるんですが、大体この日時的なめどというのは間違いないかどうか、まず、そのことをお聞かせ願いたい。
  26. 四柳修

    説明員(四柳修君) ただいま宮之原先生指摘の点、事務的にそういうめどで進めております。
  27. 宮之原貞光

    宮之原貞光君 それわかりましたが、その場合に、これは適用の法律はどういう条文になるわけでございますか。この二十二条の罹災者公営住宅建築事業ということだけにとどまっておるのか、さらに、二十三条の産業労働者住宅建設資金の条項の適用ということもその検討の対象になっておるのかどうかですね、どうも先ほどの長官の御答弁の中では公営住宅、公営住宅ということをしきりに強調されておったんですが、そこだけにとどめておられるのかどうか、もっとひとつ具体的にお聞かせ願いたい。
  28. 京須実

    説明員京須実君) 公営住宅につきましても、補助率のかさ上げがございますが、そのほかに、住宅金融公庫の融資につきまして、激甚災の場合にはこれがございます。金利が三%に下がってございます。
  29. 宮之原貞光

    宮之原貞光君 その中身を聞いておるんじゃないんですよ、いま質問のとおり聞いて答えてくださいよ。この二十二条関係だけですか、それとも二十三条までやっておるんですかって聞いておるのですよ。
  30. 京須実

    説明員京須実君) 二十二条だけでございます。
  31. 宮之原貞光

    宮之原貞光君 二十三条関係は、どういうわけで適用を全然考慮されておらないのか、まず、そのことをお聞かせいただきたい。
  32. 京須実

    説明員京須実君) 二十三条の産業労働者住宅につきましては、被害がございませんので適用をいたしておりません。
  33. 宮之原貞光

    宮之原貞光君 被害がないって——あなた方調べられたんですか。大体、向こうには製糖労働者もおるんですよね、製糖業に参加をしておるところの、これもやっぱり産業労働者でしょう。そうすれば、その分野もやはり当然調査してしかるべきなんです。ところが、県のこの調査書を見ましても、ただ一般罹災者というような形で報告をされ、それを皆さんがうのみにされておるから、全然この問題については検討もしておらないという事態を生んでおるのじゃないかと私は思うのです。その点を、もう一回現地のやはり罹災者の職業関係も明確に調べていただきまして、私は検討していただきたいと思うのです。それでなければ、先ほど上條委員の質問にもありましたように、一般住宅罹災者は、いわゆる住宅金融公庫法の十七条六項に基づくところの災害復興資金の貸し付けという範囲にしかとどまらないことに相なるわけなんですね。皆さんはあくまでもいまそういうようなことで考えておられるんですか。そうなるとすれば、公営住宅関係のものは、それはそれぞれの補助率のかさ上げやいろんなものが出てきましょうけれども、より困っておるのは零細の一般住民なんですよ。それを単なるところの貸し付けで、この住宅復旧という問題を処しさえすればいいという従来の考え方では、私はやはり今次のいわゆる住宅台風とさえ言う、別名さえもあるところの永良部台風住宅問題に対する根本的な対策にならないと思うんですが、その点いかがでしょう、長官。これはもう技術的な問題というよりも、これはやっぱり政治的な判断の問題だから、私は長官のときにお聞きいたしておるんです。
  34. 村田秀三

    委員長村田秀三君) とりあえず京須課長。
  35. 京須実

    説明員京須実君) この件につきましては、鹿児島県を通じまして、現地で、産業労働者用の住宅を借りるような可能性のございます企業につきましては当たっておるんでございますが、一応該当がないということがございましたが、さらに、もう一度調査をいたします。
  36. 宮之原貞光

    宮之原貞光君 あれですか、製糖工場に働くところの人々は、これは産業労働者に入りませんか入りますか。まずお聞きしましょう、それなら。
  37. 京須実

    説明員京須実君) 入るものと考えます。
  38. 宮之原貞光

    宮之原貞光君 私どもは現地調査いたしましたが、あすこにあるところのただ一つのあの製糖工場自体、大変なやっぱり被害を受けておるんですよ。当然、あすこに働いておるところの、相当数の製糖産業に従事をするところの労働者の家屋というのも当然入っておるんですよ。含まれざるを得ないんです、これは。そこを、私は非常にきめ細かくないというのは、小ざっぱであるというのは、農業をやっておるから一般罹災者の中にこの問題をはめ込んでしまって、そういうものは適用外なんだと、頭の上できめつけてやっておるところに私は問題点があると思っているんです。これは明白じゃございませんか、製糖工場は現にあるんだから。それで製糖工場に働いておるところの労働者というのも相当おるんだから。したがって、この二十三条の問題を不問にしておいて、ただ、災害復興資金の貸し付けを激甚災の特典、たとえばそれは利子が安くなるとか据え置き期間があるとかありますわね、それだけで住宅に対するところの手だてはいいんだという、その物の考え方を私は手直しをしてもらわなきゃ困ると思うんですがね。もう一回検討してもらうところの余地がありますかどうですか。これは田澤長官ね、私は単に技術的な問題じゃないと思うんですよ。その点、長官から私はお聞きしたい。特に、あなたは特別措置法の奄美振興の所管官庁として、非常に私は責任あるところの立場にあられると思いますので、その点をお伺いしておきます。
  39. 村田秀三

    委員長村田秀三君) ちょっと速記とめて。   〔速記中止〕
  40. 村田秀三

    委員長村田秀三君) 速記つけて。
  41. 田澤吉郎

    国務大臣田澤吉郎君) 先ほど建設省から答弁しましたとおり、やはり災害対策本部鹿児島県に設置されておるのでございますので、その災害対策本部報告を基礎にしていろいろ作業を進めておる関係からして、先ほど建設省の答弁のとおりなのでございます。  そこで、問題は製糖業に就労している方々の扱いを一体どうするのか、産業労働者としての住宅の問題をどう扱うのかというようなことでございますので、この点については、さらに鹿児島県といろいろ打ち合わせをいたしまして、今後この問題を進めてまいりたいと、かように考えます。いま直ちにどうしようということは申し上げるわけにまいりませんけれども、できるだけ鹿児島県と打ち合わせをいたしまして、それらの問題について善処したいと考えております。
  42. 宮之原貞光

    宮之原貞光君 いわゆる災害を受けたところには、できる限り、法を拡大的に解釈し得るところの限度一ぱいの中で考えて、温かい手を差し伸べるというのが、この災害対策法の一番基本なんでしょう、そうでしょう。だとすれば、製糖労働者かそれは半農——農業を家庭でやっているところのうちもありましょう。しかしながら、これは製糖工場に一年間働いておるところの事実はあるんですから。そうすると、これは私から申し上げるまでもなく、二十三条に、明確に、単に産業労働者の住宅だけでなくて「その他の住宅であって」云々と、ちゃんと非常に幅を広げてやっておるんですよね。そうすれば、一般住宅に住んでおるところのそういう人々にも、もっともっと法の許せる範囲において手を伸べていこうとするならば、この法をどう適用し運用するかということは、私は一番大事なことの一つだと思うんですよ、それは。なるほどそれは県の報吉を待たなければできないでしょう。県が報告されたものをみんなうのみにするということでは、これは能のない話ですわね。そういうところにいろいろ問題点はないかといって院から派遣をし、政府自体調査団を派遣をされているわけなんですから、私はぜひともこの問題について、ここでいまお答えをいただこうとは思いませんけれども、前向きにこの問題については検討していただいて、建設省にいろいろ相談をして善処をしていただきたいと思うんですがね、いかがでしょう。
  43. 田澤吉郎

    国務大臣田澤吉郎君) 努力をいたします。
  44. 宮之原貞光

    宮之原貞光君 なお、これは関係をするところの問題ですから、建設省の当事者に聞いた方がいいでしょうけれども、ただ、住宅金融公庫の貸し付けだけでは、たとえば公庫法の十七条の一項、五項、八項にあるところの個人住宅建設資金特別貸付とか、住宅改良資金特別貸付とか、宅地防災工事貸付というのは、これは何ら一般的なものと変わらないようなかっこうに現行法はできておるんですね。これに対するところの、そういう一般住宅罹災者に対して、たとえば先ほどお答えいただいたところの復興住宅資金の貸し付けと同じように、あるいはそれに準じたような形で、この問題について枠を広げて、そういう方々に対するところの便宜を与えていくという、そういう余地はございませんか、どうですか。
  45. 京須実

    説明員京須実君) 御質問のように、一般の災害でございますと、金融公庫の融資につきましては一般の個人建設融資と同じでございますから、たとえば最高でも四百五十万円、木造でございますと四百五十万円といったように金額が低い点がございます。ただ、一般の公庫住宅建設申し込みよりも、無抽せんでお貸しできるという点に災害の場合は優遇があるわけでございます。ただ、このような激甚災とか、あるいは一定規模以上の災害になってまいりますと、近傍の方々あるいは親戚縁者の方々、そういう方々の援助が得られないだろう、そういうことを想定いたしまして、こういう大きな災害につきましては特に融資額をふやすと、そういう措置をとっておるわけでございます。
  46. 宮之原貞光

    宮之原貞光君 正確に答えてくださいよ。そうするとあれですか、個人住宅建設資金とか、そういうものについてちゃんと決められてありますわね、たとえば木造は幾らとか、大都会は幾らとか、地方は幾らとかありますわね。これを拡大するところの用意があるということですか、そういう方々には。
  47. 京須実

    説明員京須実君) このたびの沖永良部台風災害につきましては、もちろん災害復興資金の貸し付けでございますから、金額は大幅にふえるわけでございます。たとえば沖永良部でございますと、通常の住宅建設の場合、あるいは一戸だけたとえば火事で燃えたといった場合でございますと、木造でございますと三百五十万円が限度でございます。これが災害復興の資金の貸し付けになりますと、現行で五百四十万円でございます。これをさらに限度額を引き上げようと、ただいま検討中でございます。
  48. 宮之原貞光

    宮之原貞光君 ちょっと正確に聞きますがね、私がお尋ねいたしておるのは、いわゆる災害復興住宅資金のこの貸し付けの話じゃないんですよ、いいですか。それ以外に、公庫法の十七条からずっと出ていますわね、その中におけるところの個人住宅建設資金特別貸付とか、住宅改良資金特別貸付とかありますね、あるいは宅地防災工事貸付というのがありましょう。そういうものについても、いわゆる激甚法云々のやつはここには何にも書いてない。しかし、今度の沖永良部台風罹災者については、一応大都市幾ら、地方都市幾らと、木造幾ら、鉄筋幾らと書いてあるところの枠以上に広げて貸し付けをすることを検討をしておるという、このことですか。
  49. 京須実

    説明員京須実君) 公庫法の十七条にございます一般の住宅改良とかそういったものに比べまして、災害復興の場合には、補修と申しまして、やはり金額は貸し付けをよけいに現在でもやっております。
  50. 宮之原貞光

    宮之原貞光君 いやいや、おたくと関係の深い全国防災協会というところから出しておる資料なんですけどね、これには大体貸付限度額というのは決まっているでしょう、決まっていませんか。
  51. 京須実

    説明員京須実君) 決まっております。
  52. 宮之原貞光

    宮之原貞光君 決まっておるでしょう。その限度額以上にこういうところのものは特典があるんですかどうですかということを聞いておるんですよ。
  53. 京須実

    説明員京須実君) どうも失礼いたしました。  それぞれ一般の貸し付けあるいは災害の貸し付けと限度が決まっておりまして、その限度はここにはありません。
  54. 宮之原貞光

    宮之原貞光君 その限度以上に、こういうものはいわゆる激甚災の先ほどちょっと触れたところの問題で、一般住宅の問題については何ら考慮されておらないんで、しかもしゃくし定規に産業労働者云々の二十三条も適用しないというから、せめて、救済をしていくというならばこういう面についても特段配慮というものがあってしかるべきなんで、そういうことについては考えられておりませんかどうかと聞いておるんです。なければない、あるならあると言っていただければいいんだ、時間がありませんから。
  55. 京須実

    説明員京須実君) ございません。したがいまして、限度額の引き上げを図っております。
  56. 宮之原貞光

    宮之原貞光君 ないということは、ますますあれですわね。先ほど私が指摘をいたしましたところの二十三条もだめだと。そうすれば、この災害復興住宅資金を貸し付けてあるところの、激甚災を受けるところの方の利率を下げるとか据え置きということぐらいのものであって、もう後は何ら、住宅問題について激甚災を適用したとこう言いながら、公営住宅関係以外のものはさして見るべきものがないと理解していいんですか。これだって私は困ると思うものですからしつこいようですけれども聞くんです。もしなければ、これを何とか生かすような工夫というものを私はしてしかるべきだと思うんですがね。その点、長官いかがでしょう。課長とのやりとりはいつでも、午後からでもできますからね。その点、お聞きいただいて長官どうお考えになっておられますか。
  57. 田澤吉郎

    国務大臣田澤吉郎君) 先ほど申し上げましたように、公営住宅に関しては激甚災指定をするということは、これは先ほど答弁したとおりでございまして、いま先生の御指摘の二十三条の適用の問題、さらにまたいま建設省とのお話し合いの、何といいますか、災害時の指定基準といいましょうか、というもの等の問題につきましては、ただいまの法制上から言いますというと建設省お答えしたとおりでございますので、この点については、やはり今後相当研究してまいらなければならぬと思うのでございます。ですから、災害基本法につきましては、御案内のように議員立法で進められております関係から、それを基本にしながら、私たちは先生方ともいろいろ御相談の上、この点についてはさらに検討を進めてまいらなければならない問題であろう、こう考えます。
  58. 宮之原貞光

    宮之原貞光君 私が聞いておるのは、先ほど上條委員の質問に対して、融資の限度額の引き上げについては施行令の改正が伴うのでそれも含めて検討しておりますと、こういうお答えをしておるんですよ、あなたは。ところが、ぼくの質問に対しては、額はこれこれですということから一歩も出ていない。きわめてこれはおかしいと言わざるを得ないんです。本当にあなた方が現地の困っておるところのそういうもののあれをやるとするならば、なるほど施行規則やいろんなものではそうでしょう、あるいは一応それぞれの予算のあれがありましょうけれども、しかし、こういうものに対しては、検討中というのならば、こういう方法で検討するとかというものがあってしかるべきでしょう。そこをお聞きしたいと思ってさっきから尋ねておるんだけど、全然ない。
  59. 京須実

    説明員京須実君) 金融公庫の融資の場合でございますが、一般の場合は、たとえば沖永良部で申しますと、木造で三百五十万でございますが、災害の場合には五百四十万でございます。これをさらに引き上げようと現在検討中でございます。私、先生の御質問を、限度を引き上げませんで、運用で限度をオーバーできるかというお尋ねに解しましたので、そういう運用はできませんが、限度を引き上げるということでもってお答えしたと思います。どうも失礼いたしました。
  60. 宮之原貞光

    宮之原貞光君 そういたしますと、限度額の引き上げだけを皆さんは検討しておるんであって、適用の問題についてはかたくなにやっぱりこれを守っているということですね。その点は、私は現地実情から見て実際問題としてそぐわない点があるし、恐らく、まあこれから災害というのは何も向こうだけに限ったわけではない、いろんなところで出てくるだろうと思うので、こういう問題は現地のそれぞれの罹災をされた人々の立場のことを考えながら、私はもう少し弾力的なこの制度の運用ということを考えていただきたいと思う。お答え要りません。  なお、続いてお尋ねいたしますが、時間もありませんので、長官の関係のところだけまずお聞きいたしたいと思いますが、商工関係被害の問題ですね。商工業というよりも、正確に言えば商業関係者とこう申し上げた方がいいと思いますが、両町報告を見ましても二十六億七千八百万円、県の報告によりますと三十三億四千四百十六万円という被害報告が出ているんです。これは当然激甚災指定を受けてしかるべきだとこう思っておるわけでありますが、先ほどの御答弁では、この問題についても、住宅関係よりは遅くなるけれども、今月じゅうにこの問題については現地の要望が生かし得るような形で態度を決定をする、こういう政府の方針だと、こういうふうに理解しておいてよろしゅうございましょうか。
  61. 田澤吉郎

    国務大臣田澤吉郎君) そのとおりです。
  62. 宮之原貞光

    宮之原貞光君 その場合には、もちろん激甚災法のいわゆる第四章にありますところの十二条から十五条にわたって皆この対象になっておると理解したいと思いますが、それでよろしゅうございましょうか。
  63. 田澤吉郎

    国務大臣田澤吉郎君) ただいま御指摘のうち、十二条は問題があろうと思いますけれども、他は先生指摘条件は満たされると考えております。
  64. 宮之原貞光

    宮之原貞光君 そうすると、いま政府として検討しておるのは十三、十四、十五、このことの適用ということを積極的に検討をしておる、こういうふうに理解をしてよろしゅうございますね。
  65. 田澤吉郎

    国務大臣田澤吉郎君) そのとおりです。   〔委員長退席、理事上條勝久君着席〕
  66. 宮之原貞光

    宮之原貞光君 次に、農作物、農地関係災害の具体的な復旧の施策についてお聞きをいたしたいんです。  これは端的に申し上げて、今次の場合には、これに激甚災の適用云々ということは、私自身もなかなかの困難性があるのではないだろうかと判断をいたしておるわけでございますけれども、それならば天災融資法の適用、この問題についてもむずかしいという立場なのかどうか、そこらあたりをまずお聞かせいただきたいと思います。
  67. 犬伏孝治

    説明員(犬伏孝治君) 農作物被害状況でございますが、今回の沖永良部台風によります南西諸島におきます被害サトウキビ中心でございまして、鹿児島県からの報告によりますと、約十億円程度ということでございますが、これにつきまして天災融資法が発動できるかどうかということにつきましては、御承知のように、天災融資法は国民経済に及ぼす影響が大きい災害について適用するということ、それから、これまで天災融資法を発動いたしてまいりました経過から考えますと、困難ではないかというふうに考えております。
  68. 宮之原貞光

    宮之原貞光君 ただ、さらばといって、あなたがおっしゃったように、農作物被害サトウキビ中心にして十三億一千三百九十七万円、耕地関係被害が三億七千四百万円、農畜舎施設関係が十六億三千百七十六万円というのは、これは莫大なやっぱり被害ですわな。だとするならば、そういうものは適用されないとするならば、どういう法律を根拠にしながらこの問題について救済策を講じていかれようと考えておるのか。たとえば、この中に、農林水産業の施設災害復旧事業費のいわゆる国庫補助の暫定措置というのがありますわね。そういう法律でも生かしながらこの救済策を講じていこうと考えたものか、それとももう全然何も考えられておらないのか、現在、これに対するところの救済策についてどういう方針をとっておられるか、お聞かせを願いたいと思います。
  69. 犬伏孝治

    説明員(犬伏孝治君) ただいま御指摘のございましたように、農地農業用施設、さらに農家の畜舎、収納舎等の施設あるいは共同利用施設についての被害も発生をいたしております。これらに対する対策でございますが、農地農業用施設とそれから共同利用施設につきましては、ただいまお話のございました暫定措置法を適用することが可能であるというふうに考えております。現在、農地農業用施設につきましてはすでに一部現地査定に入っております。沖永良部等の南西諸島にはまだ入っておりませんが、鹿児島県の本土の方には入っておりまして、現地査定は十二月上旬をもって完了するように、鋭意努力中でございます。   〔理事上條勝久君退席、委員長着席〕 これで査定事業費が決まりますと、暫定措置法の適用をいたしまして国庫補助が行われる。この場合、基本の補助率は、農地につきましては五〇%、農業用施設につきましては六五%という基本補助率でございますが、市町村ごとに見まして、この台風による被害を含め一年間の災害復旧事業費を農業者一人当たりの金額に応じましてかさ上げをいたすことといたしておりまして、これは査定事業費が全部固まりませんと、どのくらいになるということは申し上げかねますけれども、これまでの実績からいたしますと、おおむね、そのかさ上げによるものを含めまして、補助率は、たとえば農地につきましては八十数%になるということになりますので、相当高率の補助が行われることと相なります。共同利用施設につきましても、同じような考え方で補助が行われるということと相なります。それから、共同利用施設以外の農家の個人施設につきましては、農林漁業金融公庫から災害復旧資金の融資が行われます。これにつきましても積極的に融資が行い得るように、現地の方にただいま県を通じまして指導を行っております。  それから、農作物被害については、先ほど天災融資法の発動は困難であるということを申し上げましたが、自作農維持資金、これは農林漁業金融公庫から貸し付けられるもので、金利は五分、融資期間は二十年ということになっておりますが、この資金の融資を行う道がございまして、この点につきましても、鹿児島県と被害の実態に応ずる資金需要額をただいま取りまとめ中でございまして、これが固まり次第融資を実行することといたしております。
  70. 宮之原貞光

    宮之原貞光君 そういたしますと、この暫定措置によって、農地とかあるいは共同用地、畜舎、そういうものについては、この暫定措置を適用しながらいろんな災害復旧の手だてをしていきたいということですね。  いま、最後にお話しいただいたところのこの自作農資金の問題は、ぼくもちょっと地方の、現地の新聞を見てびっくりしたんだけれども、九月二十日の現地の新聞は、農林省の犬伏官房審議官というのはおたくですね——おたくも自民党の特別対策委員会に出て、そのことについては、自作農資金の融資を適確に運用するなどして天災融資法に準じた取り扱いをすることを決めたなんて、十日も二週間も前に報道されておるんですがね。どうもぼくらから見れば与党だけが先走って、もうおたくが決めたか決めぬかわからぬ前から花火をどんどん上げておるというところに非常に政治の臭みを感ずるんだけれども、もうあなたは、そういうこともすでにそういうときに約束されてきておったんですか、どうですか。
  71. 犬伏孝治

    説明員(犬伏孝治君) その新聞報道につきましては、私、承知いたしておりませんが、すでに二週間ほど前にそのような会合があったことは記憶いたしておりまして、その際、自作農維持資金の融資の道があるということで、この融資につきましては地元でその取り扱い等に不なれな点があるといけないという御指摘もありまして、鹿児島県等に積極的にその指導を行うようにいたしたいということを申し上げて、それで、もともとこの自作農維持資金は、こういう災害があった場合には融資が行われることがこの制度の目的でございますので、このような災害がありました場合には、特別の御要請があるなしにかかわらず、われわれ農林省としては積極的な対応をするということでございますので、そのような趣旨を申し上げたということでございます。
  72. 宮之原貞光

    宮之原貞光君 そういたしますと、すでに九月の十八、九日、前段階で決めて、先ほどの答弁からお聞きしますと検討中というんですが、まだ検討中なんですか、もう二週間もたっているのに。もう少しはっきり言われませんか。
  73. 犬伏孝治

    説明員(犬伏孝治君) ただいまの段階で申し上げますことは、融資を実行するという方針のもとに資金需要額を取りまとめ中であると、これは融資を行う前提のもとにそのようなことを行っておるわけでございまして、その取りまとめができ次第融資実行をいたしたいというのが、現時点での状況でございます。
  74. 宮之原貞光

    宮之原貞光君 最初からそう言っていただけば、いやらしいことも言われぬで済みよったんだよ。そこを、もったいつけて検討中でありますと言うから、私もざっくばらんにお聞きしたわけなんですよ。どうかひとつこれからも的確に、もう隠さないでおっしゃっておいてください、答弁は。  それからもう一つ、地方財政対策についてお聞きしたいんですがね、これはやっぱり長官の方でしょうね。大分被害が出ておるし、先ほど上條委員の方からも出たんですが、とりあえず、地方交付税の繰り上げの交付とかあるいは地方債ですね、しかもこれは地方債の起債充当率は一〇〇%が当然だと思うんですがね、そういう問題等については、どの程度政府部内で話が進んでおりますか。その問題について、もし許せるならばいつごろまでに——たとえば交付金の繰り上げ支給はしたい、こういうふうに一つのめどをやっぱり与えていただいて、現地安堵感を与えていただきたいと思うんですが、いかがでしょう。
  75. 四柳修

    説明員(四柳修君) 本来自治省の関係の仕事でございますけれども、私、窓口の方としてお答えいたしますけれども、御指摘のように、この関係の団体、いわゆる財政力指数が一割前後の団体でございまして、非常に弱い団体でございますものですから、当然のことながら、災害復旧に関連しました通常の負担あるいは各種の援護措置等が特別交付税あるいは災害関係の起債の面で十分配慮されると思います。  二番目に御指摘のめどの点でございますけれども、昨年から制度が変わりまして、特別交付税の場合、従来二月末一遍でございましたけれども、昨年度から、災害部分につきまして、十二月に一応先にルール計算しまして配分をする、こういう形になっておりますから、その点につきましては、一応特交の災害部分はそれまでに当然地元の方に回ると思います。  それから交付税の繰り上げ措置につきましては、もう普通交付税決まりまして、あと残りの部分でございますから、大体該当するものがほとんど最後の分だけしかないと思いますものですから、該当の時期が、第四回目の分がもうちょっとあるだけでございますけれども、その点につきましても、御趣旨のことはよく伝えておきたいと思います。
  76. 宮之原貞光

    宮之原貞光君 十二月中というのは、特別交付税の支給が従来は二月一回だったけれども、災害があった地域には十二月中にと、こういうことになっておるという意味ですか、ちょっと聞かせてください。
  77. 四柳修

    説明員(四柳修君) 正確に申し上げますと、御指摘のように、従来二月に一遍であった特別交付税決定配付を二回に分けまして、災害部分だけにつきましては、その時点でわかっているものだけでございますけれども、年内に決定して早期配付をする、こういうことでございます。
  78. 宮之原貞光

    宮之原貞光君 それと、もう一つこの起債の問題ですね、これは相当なやはり地方負担になっていくんで、起債の問題は当然出てくるんですがね。まあいま起債の問題についていろんな地方自治体で議論がありますけれども、それは別にいたしまして、当然、起債については、その起債充当率はこういう地域に対しては一〇〇%が常識だと思うんですがね、そういうふうに理解しておってよろしゅうございますか、地方債の問題。
  79. 四柳修

    説明員(四柳修君) ちょっと正確な数字は忘れましたけれども、公共事業の査定が終わりまして、その公共事業の裏負担につきまして、たしか九割以上だと理解しておりますけれども、措置をしまして、その償還額を後年度の普通交付税の基準財政需要額の算入の中に見るという仕組みになっております。ちょっと正確な数字、一〇〇%かどうか忘れましたけれども。
  80. 宮之原貞光

    宮之原貞光君 いやいや、大体起債充当率は、これはやっぱりおたく関係のあれなんですけれども、地方債の負担率は確かに御指摘のように九〇から一〇〇までの間ですよね。しかし、これは激甚災指定を受けるに匹敵するところの地域なんでしょう。そうすると、これはおおむね一〇〇%というのがいままでの常識なんですよね。だから、そのように理解をしておってよろしゅうございますかとお聞きしておるんです。
  81. 村田秀三

    委員長村田秀三君) 速記とめて。   〔速記中止〕
  82. 村田秀三

    委員長村田秀三君) 速記を起こして。
  83. 四柳修

    説明員(四柳修君) 御趣旨のこと、よく自治省の方に伝えておきます。
  84. 宮之原貞光

    宮之原貞光君 だって、おたくの外郭団体の全国防災協会から出しておる「災害対策の手引」などに明確に書いてあるんですよ、これ。審議官、書いてあるんですよ。激甚災市町村工事は起債一〇〇%なんてちゃんと書いてあるんですよ、もう。世の中にはそういうふうに理解されておるから、それはおたくの責任じゃないだろうけれども、自治省に、ひとつその査定でやっていただきたい。答弁要りませんから。長官のおる間にやらなきゃなりませんから。  それから港湾整備の問題ですがね、先ほど長官のお話では、港湾整備の問題については、特にまあ裏港の問題については積極的に考えていきたいと、こういうお話があったわけですが、特に私はこれはむしろ建設省運輸省に聞くというよりは、奄美振興特別措置法と関係があるから、長官にぜひお尋ねしておきたいんですがね、いままでは大体一島一港主義なんですよ。たとえば大きな島の徳之島と大島本島はそれは裏港的な性格を持たせた漁港、あるいは徳之島みたいに平土野港という地方港湾がありますわね。そうすると、今度のやはり災害の中で、私どもも行って一番痛感したのはその問題なんです。私どもが参りましたところの二十日に、ようやく二週間ぶりに五千トン級の船が接岸をするというかっこうでしたから、確かに裏港の建設ということは大事なことだと思うんですが、そういたしますと、先ほどの御答弁から拝聴すれば、沖永良部においても、従来の一島一港重点整備主義というものから、裏港の建設も積極的に五十三年度から図りたいんだと、こういう方針が国土庁の方針だと理解してよろしゅうございましょうか。
  85. 田澤吉郎

    国務大臣田澤吉郎君) ただいま先生指摘のように、離島振興の面から言いますというと、一島一港でこれまで進んでまいりました。で、鹿児島県も、全体の港湾計画からして、やはり沖永良部は一島一港で進まなければできないだろうというようなことでございましたが、今回の災害を契機に、やはり裏港の必要性を私も痛感いたしますものですから、いままでの五カ年計画ではそれはもちろん一島一港のこの計画で進んでおりますけれども、どうしても裏港というものは必要であるということで、その線に沿うて運輸省にも働きかけ、その実現を期したいと、こう考えているのでございます。
  86. 宮之原貞光

    宮之原貞光君 そういたしますと、来年度の予算の中に、裏港の問題については、積極的にやはりこの建設を促進をするところの予算措置もあわせて国土庁としてはやっていく方針だと、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。でなけりゃ長官の答弁が裏づけられぬわけですからね、予算措置がなけりゃ。
  87. 土屋佳照

    政府委員(土屋佳照君) 基本的な方向として、長官から話があったわけでございますが、先生承知のように、沖永良部の場合は、和泊港を中核港といたしまして、伊延、住吉港というものを裏港ということで整備をしてきたわけで、まあ中核的なものとしては一港というかっこうで進めておりますが、御承知のように、こういう中身は運輸省の第五次の港湾整備五カ年計画の中に入っておりまして、五十五年度末において、少なくとも住吉港においても二千トンの接岸能力が可能になるようにというような方向でございますし、また、漁港としての知名漁港についても、五千トンの接岸能力があるような形で整備をするという方向はされております。ただ、まあ伊延あたりについては、まだはしけ取りという程度のことになろうかと思います。したがいまして、まあこういったものをさらに実態から見てどういうふうに整備していくかということになりますと、まあ県なりあるいは運輸省と十分相談をしてやるということになりますので、五カ年計画をどういうふうに変えていくのか、どういうふうにするかということを相談してからの予算措置ということになりますので、来年の予算で直ちにここをどうという、明確なことはちょっといまのところは申し上げにくいわけでございます。
  88. 宮之原貞光

    宮之原貞光君 私は国土庁としてのお考えはどうですかと聞いている。それはなるほど相手があるんだからね、出して大蔵省でペケになればこれは意味がない。しかし、田澤長官みたいな政治力を持ったお方なら、大体国土庁の方針がそのまま通るだろうと思うから、私はいま国土庁の方針をお聞かせ願いたいと言っておるんですがね。これはあれでしょう、土屋さん、一般港湾としてたくさん奄美群島にありますわね。しかし、それは裏港の問題の重要性ということが今度非常に強く強調されておるとするならば、特にやっぱりそういう小さな離島の中の裏港に匹敵するところの一般港湾、十八港も十九港もあるところの一般港湾のいままでの予算を見ると、これはみんなばらまきですわね。そのことも大事ですけれども、本当に裏港的な役割りを果たさせようとするならば、来年度予算の中で、この裏港にウエートを置いたところの一般港湾予算というものが考えられてしかるべきじゃないでしょうか。一体、そのことまで一々運輸省に相談しなければ答えられぬということでないでしょう。国土庁としてはどう思いますかと言うんです、国土庁としては。先ほどの田澤長官の答弁からすれば、当然だと思うんだけれども、あなたはきわめてうまく答弁したりしますけれども、そうじゃなくて、本当のところをちょっと聞かせてくださいよ。長官、どうなんですか、これは。でなければ、これは災害の教訓は生きてこぬのですから。
  89. 田澤吉郎

    国務大臣田澤吉郎君) 裏港の問題は、やはり鹿児島県の港湾のいわゆる計画というものもございますから、地元の県とも相当打ち合わせをしてまいらなければなりませんけれども、私としては、やはり鹿児島県の計画が許すことであれば来年度予算に大きく反映させて促進を図りたい、こういうふうに考えておるのでございまして、国土庁としては裏港の必要ありと、こういうことで今後進めてまいりたい、かように考えております。
  90. 宮之原貞光

    宮之原貞光君 こうなりますと、具体的な問題になってきますけれども、長官は先ほど一港を云々とこうおっしゃったんだけれども、まあ事実裏港に該当すると思われるのが両町に一港ずつありましてね、なかなかこれはデリケートなあれなんですよ。これは局長あたりは一番御存じだと思うんですがね。それだけに、ただ私が気がかりになるのは、何かおたくの与党の特別対策委員会では、伊延港を新たに新規採用、整備を進める云々というような方針を決めたというふうに、現地の新聞は報じておるんですがね。どうもぼくは、これも、先ほどの農林省の審議官が出られたところのものとの関連で新聞に報道されておるんですが、そうすると、長官が言われたところの一港だけ云々というのはこれを意味指すんですか。そうすると、いままでの大体の予算の、あるいは物の置き方ということになると、先ほど局長がお答えになったように、むしろ住吉港のものに相当の金をかけながらやっておったという経緯があるんです。こういうふうに、また方針も、そこらあたりも変わっておられるのかどうか。これをどう具体的な問題として結論を出されるか。新聞報道で、与党の方では方針を決めたと出ておるだけに、私はこれは現地に必ず大きな波紋を描いておるところの報道だと思っておるんですが、これはどうなんですか、明確に答えてください。
  91. 田澤吉郎

    国務大臣田澤吉郎君) 一島一港というのは和泊港のことでございまして……
  92. 宮之原貞光

    宮之原貞光君 和泊港は裏港じゃないんですから……
  93. 田澤吉郎

    国務大臣田澤吉郎君) 和泊港を中心にしておるのでございまして、裏港の問題については、特に特定のものというものをいま決めてございません。
  94. 宮之原貞光

    宮之原貞光君 そうすると、この新聞報道は間違いですね。どうですか、これはそう出ておるんで私お聞きするんですよ。これは国土庁からは四柳審議官か同席と書いてある。あなたですか一どうなんです。いやいや、国会で明確に答弁してもらわなけりゃ、与党の方ではさっきの、ここと違うものが進行されたんではぼくは大変なことになると思うんだよ。書いてありますよ、こう。これは新聞報道だからぼくは確かめておるんだよ。災害復旧資材運搬の裏港整備を痛感、五十一年度で終了した伊延港を新規採用整備を進めると、こういうふうに自民党の災害特別委員会は決めたと報道されておる。しかも、あなたも出席したと書いてある。
  95. 四柳修

    説明員(四柳修君) いま、宮之原委員指摘の点につきまして、私その会議には出ておりますけれども、私の方から国土庁としての見解は申し上げておりません。
  96. 宮之原貞光

    宮之原貞光君 あなたとしては言わなくても、そこでそう決められたことは事実ですか、それなら。与党の決めたことと、あなた方とまた方針がちぐはぐになると困るんで、決めたんですかどうですか、確認されておるんですかどうですか。
  97. 四柳修

    説明員(四柳修君) 私、聞いている範囲では、港湾整備の促進ということと、気象体制の整備ということの二点につきまして、やはり党としても重点的に取り上げたいので、いわば具体的な方向につきましては、さらに事務的にまとめた上で党の中で処理されると聞いております。
  98. 宮之原貞光

    宮之原貞光君 じゃ、この報道が間違いだと、こういうことですね。そう断言できますね、あなた。出たところの御当人にお聞きしておるんですから。
  99. 四柳修

    説明員(四柳修君) 党で御決定になったということにつきましては、具体的な内容につきまして……
  100. 宮之原貞光

    宮之原貞光君 いや、あなたが出ておったところの会議で決めましたかと聞いておるんですよ。
  101. 四柳修

    説明員(四柳修君) 党の方で最終的におまとめになるということでございまして、その委員会の段階では最終的にまとまってはおりません。
  102. 宮之原貞光

    宮之原貞光君 そういたしますと、仮に与党の方でこれは決まったとしても、現地の事情からいえばこれはきわめて微妙な問題で、どことも軍配を上げられない非常な問題点があるんですよ。したがって、そこらあたりは、所管官庁としては十分配慮して、こういうものを決めるなら決めてもらわなけりゃ困るということだけは言っておきますよ。これだけは厳重に私はその点もうくぎ刺しておきますから。あなたは事実ではないという向きの話ですから。
  103. 村田秀三

    委員長村田秀三君) ちょっと速記をとめてください。   〔速記中止〕
  104. 村田秀三

    委員長村田秀三君) 速記を起こして。
  105. 宮之原貞光

    宮之原貞光君 その点はそれで、そのままにしておきましょう。  それでもう時間が参っておるようですので、ここで長官にもう一つお聞きしたいんですが、いわゆる裏港の問題を今後整備をしていくといたしますれば、これは来年以降の問題になっていくわけですね。そういたしますと、特別措置法は五十三年で終わりですから、この延長問題というものを抜きにして幾らやってみたって、これが延長されないとすれば空手形になっちゃうわけです。私が申し上げたいのは、それで、田澤長官現地でも絶対に延長する、させると、こういうふうに胸を張って大演説をぶたれたように新聞記事は出ておるんですがね。いかがでしょう、もう一回そのことをここで再現していただけませんか。ぜひ、ぼくは長官が、この問題についてはこの特別措置法の再延長をやって、こういう問題について自分が努力をしたいというこのこと、その御決意を最後にお聞きして、一応私の長官に対する質問を終わりたいと思います。
  106. 田澤吉郎

    国務大臣田澤吉郎君) 奄美群島振興開発特別措置法は五十三年度で一応終わるわけでございまして、しかし、現状から言いますというと、この特別措置法の趣旨を全く完了したのかと言いますというと、依然として離島には多くの問題が残っておりますので、そういう点からいうと、今後さらに奄美群島の振興のために努力をしてまいらなければならない。そういう意味からいうと、この法の五十三年度を迎えた段階で改めて考えていかなきゃならないと私も思うのでございます。しかし、私はこの特別措置法を通じて、単に改正するだけでは意味がない。やはりこの当時——奄美群島振興開発特別措置法がつくられた当時の離島状況と、現在の社会経済情勢はかなりの変化を来しておりますので、やはり特別措置法を新たにつくるとするならば、思い切った内容を措置法に織り込んだものにしていかなければならないということを、現地を見まして痛感いたしたような次第でございますので、今後、私はこの措置法を改正するかしないかということよりも、離島の振興をどうするかということに重点を置いて対策を進めてまいりたい、かように考えております。
  107. 宮之原貞光

    宮之原貞光君 ちょっと委員長ね、きわめて重要な長官の提起だと私は思うんですよ。どうも、いまの長官の言葉を素直に聞けば、離島の振興云々とこう言っておられるが、これは一般離島振興法に——もう特別措置法をやめてこれに切りかえたいというのがあなたの本心なんだと、こうしか受け取られないんですがね。これはきわめて重要な問題だし、あなたが八月現地で言ったところの言明とは全く百八十度違いますね。私はあなたのいまのお話が、そうではなくして現行の単なる延長だけでは——いいですか、長官、単なる延長だけでは意味がないんで、その後の事態に即応してより改善をしたところの再延長、再延長の中で内容を改善をしていきたいのだと自分は思うという意味ならわかりますよ。どっちなんですか、そこをはっきりしておいてください。きわめて大事な問題ですからね、これ。
  108. 田澤吉郎

    国務大臣田澤吉郎君) どうも失礼いたしました。  離島離島と申し上げているのは、奄美群島……
  109. 宮之原貞光

    宮之原貞光君 いやいや、それは違いますよ。
  110. 田澤吉郎

    国務大臣田澤吉郎君) 振興の問題でございますので、その点は御理解いただきたいと思います。
  111. 宮之原貞光

    宮之原貞光君 いやいや、一般離島離島振興法というのがあるんだから、奄美には特別措置法というのがあるんだから、それをかみ分けてあなたはここで答弁してもらわなけりゃ大変なことになりますよ。
  112. 田澤吉郎

    国務大臣田澤吉郎君) それは、あくまでも離島振興は離島振興でございまして、奄美群島の開発計画は奄美群島特別措置法で進めてまいるということでございますので、その点、私ちょっと興奮いたしましたものですから、言葉の違いがございましたのを御理解いただきたいと思います。
  113. 宮之原貞光

    宮之原貞光君 それで、来年で終わるのはその特別措置法ですよ。そのことをお尋ねしておるんですよ。
  114. 田澤吉郎

    国務大臣田澤吉郎君) 特別措置法については、先ほど申し上げましたように、この特別措置法をもし改正するとすれば、やはり内容等についても思い切ったものを考えなきゃならないだろう。それはあくまでも奄美群島振興というものを中心にしてやはり進めていかなければならない。私は現地へ行って、現地を見て、そういう感じを受けましたということを申し上げておるのでございますので、御理解をいただきたいと思います。
  115. 和泉照雄

    和泉照雄君 まず、長官に。  私はちょうど九月の十一日に、台風直後に沖繩に行ったわけでございますけれども、いま二人の委員の方々からいろいろと質問がございましたので、重複することは避けまして、大体被害の総額は百九十六億一千五百万ぐらいの巨額にわたる災害であったと、こういうふうに報告を受けておるわけで、県あるいは国、自衛隊の適切な対応によりまして、島民の方々は元気で復旧作業に励んでいらっしゃるのは事実でございますけれども、先ほど長官がおっしゃいました順調に進んでおるということには、若干違いがあるように感じております。と申しますのは、あの島がサンゴ礁でございますので、災害の仮設住宅建設というのがなかなか進んでおらない。で、お年寄りの中には破れトタンをふいて、そして独居で生活をしておる人も間々おるという地元の報道もございますので、ここらあたりもひとつ現状を認識されて手を打っていただきたい、こういうふうに思います。  それから、奄美振興特別措置法の問題が宮之原先生の方からいろいろお話があって、長官の方からも、内容を変えて前向きでやっていくという、そういう答弁もございましたので、ひとつ前向きでやっていただきたい。これは時限がたしか五十四年というふうに承っておりますので、こういうふうな台風襲地帯で、さいの河原の石積みと同じようにやっと復旧したと思ったらまた台風でやられると、こういうような本当に気の毒な地帯でございますので、その点は十分考慮をして力をかしていただきたい、こういうふうに思います。  それから激甚災害法の適用の問題に関しましても、建設省の方あるいは中小企業庁の方が少しおくれておるようでございますけれども、この問題も前向きにひとつ急いでやっていただきたい、このことを要望しておきます。  先ほど災害調査団の派遣委員の方からお話しがありましたが、特に沖永良部だけではございませんで、与論島もそうでございましたが、上水道が、特有のサンゴ礁で、地下水は豊富でございますけれども、停電になりますとほとんど水道が使えないということで非常に苦しんでいらっしゃいましたので、この財源措置をひとつ、いろいろ県の方でもネックがあるようでございますけれども、ぜひひとつ実現するように手を打っていただきたい、こういうふうにお願いを申し上げます。  そこで、いろいろと裏港の問題等が論議をされました。また、住宅も、今度はほとんど個人住宅屋根が吹っ飛ぶという災害でございましたけれども、ここで私が申し上げておきたいのは、先ほどもちょっと話が出ましたけれども、あの沖永良部の問題は、和泊港という運輸省の直轄工事をやっている港に、聞いたところ十七、八億投入していると。私もその現地に行ったときに、ほとんど空は快晴で無風状態なのに、二、三メートルぐらいの余波がありましたけれども、それでもう接岸がぜんぜんできない。まあ、十数億も投入をしてああいうりっぱな護岸はできておりますけれども、防波堤ができない地形上の特異性がございます。そういうことを考えますと、投入をした予算が全然無駄だったとは私は言いませんけれども、あの途中で、裏港というその発想は、たしか私も県議をやっている当時、十数年前からそういう発想はあったわけでございますから、知名の漁港の建設という非常に——両町ありますのでいろいろな問題があったかと思いますけれども、そういうところを国の方でいろいろ指導をして、国費の効率ある使い方がなぜできなかったのか、こういうことを私は非常に国としても反省をされる必要があるんじゃないかと、こういうふうに思いますが、長官の考え方。  それと同じように、奄美大島に行きまして非常に感ずることは、あのソテツのグリーンの中に赤いトタンの屋根が散在をして、美的感覚からいきますと非常に美しいなとこういうふうに思うわけでございますけれども、今度は沖繩に行きますと、かわら屋根にしっくいをしっかりやって、暴風の対応をしっかりやっていらっしゃるという姿を見ます。国土庁の方々も、建設省の方々も、何回も私は奄美にはいらっしゃったと思いますが、私たちが向こうに行ったときに非常に奇異に感じたり、あるいはまた台風のたびごとに屋根を取られる奄美のこの台風災害で、いままでなぜこの屋根の構造の問題について適切な指導がなされなかったのか。こういう問題は、私は県ももちろん責任があるでしょう、あるいは町村もあるでしょうけれども、建設省段階あるいは国土庁の方でそういうようなことを指導されるべきではなかったか。まあ聞くところによりますと、沖繩の方ではモデル住宅等をいろいろおつくりになって、そして住民の方々に指導をしていらっしゃるという、そういうこと、あるいは財政上の援助等もいろいろと手を打っていらっしゃるということを聞いておりますけれども、こういう点について、建設省がオール日本的な一般的な基準でああいう公共物等をつくらしたということにも大きな責任があるんじゃないか、私はこういうふうに思いますけれども、これについての建設省並びに長官の御所見をお伺いしたいと思います。
  116. 田澤吉郎

    国務大臣田澤吉郎君) 台風対策については、まあ順調に進めておると、こう言うのはですね、応急的な対策はある程度進めておるということの意味でございます。実は離島関係からいたしまして、資材が非常におくれましたものですから、当初電灯あるいはまた水道、あるいは電話等の不通個所が非常に多かったのでございますが、そういう点は自衛隊その他の御援助もいただきながらその促進を図ったと。また、応急仮設住宅につきましても、三百戸を計画いたしておるのでございますが、今回二百戸以上もうすでにこの計画が進められているというようなことなどを示しているのでございますので、その点御理解をいただきたいと思うのでございます。  また、奄美群島振興開発特別措置法につきましては、先ほど宮之原先生にもお答え申し上げましたが、私は奄美群島の振興というものに思い切った重点を置いてこの問題を積極的に考えてまいりたいと、かように考えております。  さらに、激甚災害につきましては先ほどもお答えいたしましたが、これについてもできるだけ委員の皆様方の御意思を体して努力をしてまいりたいと考えております。  さらに、与論島でございますが、もちろん与論島もこの中に加えての災害復旧対策でございますので、その点はひとつ御理解をいただきたいと思うのでございます。  それから裏港の問題を含めて、また漁港も含めて、いままでの沖永良部初め奄美群島全体の港湾に対する考え方が少し間違っておったんじゃないかという御指摘でございますが、確かにそういうきらいもあったかもしれませんけれども、当時のいろいろな港湾の国全体の計画からいって、一島一港というような考え方で進められてきたことに大きな問題があろうと思うのでございますから、この災害を契機といたしまして、沖永良部というものに対しては、裏港は考えるべきじゃないかということを私たちも十分検討に値する問題としていま考えておりますので、そういう点で新たな道をひとつつくっていきたいと、かように考えております。  さらに、住宅の建築の問題でございますが、確かに沖繩奄美群島との建築様式といいましょうか、そういう点においては差があろうと思います。ですから、この問題については、いま、私たちもできるだけ建築の指導をいたして御期待に沿うように努力をいたしたいと、かように考えます。
  117. 大田敏彦

    説明員(大田敏彦君) 台風による住宅被害等についてでございますが、建築基準法におきまして、建築物が台風などの風圧を受けた場合安全であるよう必要な基準を定めておりまして、これによりまして、通常の台風に対しては十分耐え得るものと考えております。今回の災害につきましては、現地鹿児島県の報告によりますと、屋根を構成している小屋組みと軸組み、柱等々の金物による緊結、あるいは屋根ふき材のくぎどめ等、施工面における不備が主な原因だというふうに報告されておりますので、当面、建築の設計者とか工事施工者に対しまして、一番参考になります住宅金融公庫の工事仕様等の推奨、あるいは施工の適正化を指導することによって、建築物の安全の確保に努めてまいりたいと思っております。  なお、沖繩の例でございますけれども、特に台風の常襲地帯で風圧が強いという地域では、建築基準法に定める基準では十分でないという場合には、地方公共団体が条例によりまして基準を強化することができることになっております。私どもの方で建築研究所というのがございますが、そこの専門家が現地に行って十分な調査をしてまいりましたので、その調査結果等を分析しまして、県当局とも連絡して、必要かつ適切な措置を今後検討してまいりたい、このように思っております。
  118. 和泉照雄

    和泉照雄君 長官もこの裏港のことは、若干、現地のいろんな特殊な事情ということは大分おわかりだと思いますが、こういうような問題は途中でやはり是正をするのが私は国の立場ではないか、こういうふうに思われてならないわけです。和泊港に十何億も投入をして、二、三メートルぐらいの余波で接岸ができないということ、そしてまた、すぐ何キロも離れないところに知名の漁港というのがある。前からずっとわかっておったにかかわらず、いまもなお——西郷さんも、昔、百年ぐらい前あそこに上陸したそうでありますが、そういうような港があるにかかわらず、そういうような手が差し伸べられなかったということを一つの反省点にされて、今後強力にひとつ推進をしていただきたいと思います。  先ほどの上水道の問題の、財源の措置というのが抜けておりましたので、これをひとつ御答弁を願いたいと思います。  それから、実は今回の台風については午後やろうと思いましたけれども、大事な台風災害予防という立場から、気象庁観測ということが非常に問題だと思います。実は台風の七号のときにも現地では予想が外れたんだ、こういうような風評のある中で、また今回も現地の、私が十一日、和泊の役場でいろいろ状況を聞いたときには、現地の執行部の方々は声をふるわして四時間ものずれがあったんだと、だから対応の処置を誤ったと。この台風中心は、いつまでも沖繩の南方に中心があるというようなことを言っておったり、来襲するのが明朝の早朝あるいは昼ごろになるであろう、こういうようなことをおっしゃっておったということで、まあ住民の方々は一服しておられたけれども、本当はもう目の先に来ておって、その放送がありましてしばらくしてもう風が吹き出して停電になってしまって、それから後は情報が聞けなかったと、こういうようなことを言っておるわけでございます。四時間も情報がおくれた、そしてまた的確な報道がなされなかったということについての原因といいますか、そういうことについて、国土庁は、やはり一番大きな原因でございますので、気象庁に何らかそういうような原因の探求というものをやられたかどうか、そしてやられておったらその点を明らかにしていただきたいと思います。
  119. 有住直介

    政府委員(有住直介君) 大変、このたびは御迷惑をおかけいたしまして、私ども本当に深く反省しているわけでございます。  で、実は基礎資料の収集、解析、予報というふうなものに——初めデータを集めて、解析をして、予報してということで、大体観測時間から一時間ないし一時間半ぐらい時間がかかります。それから実は一般に、外に対しての伝達をやるわけでございます。で、伝達の時間というのは、そのときの状況によりまして非常に時間がかかるときもあり、非常に迅速に伝達されるときもあるわけでございます。ですから、非常に早いときはもう二時間かからずに出るときもあるんですけれども、遅いときには三時間ないし四時間かかることも間々ある。で、今度の場合、たとえば九日の十一時三十五分に鹿児島から出ました情報というのが、大体どのくらいかかりましたかといいますと、このときのは九時のデータをもとにして、データを集め、解析し、予報して出すのに約一時間かかりまして、十一時三十五分に出ているわけでございます。それがやはり外に流れるということになりますと、大体十二時ごろになったようでございます。そういう例のように、三時間とかあるいは遅いときには間々四時間かかるときもあるというようなことでございます。  で、このたび大変御迷惑かけました注意報といたしましては、前日の十七時十分に注意報が出ており、また、九日の十六時四十五分には暴風、高潮、波浪、洪水の警報も出しているわけでございますけれども、この情報としてテレビに流れました情報が、ただいま申しましたようにかなりおくれたということでございます。おくれた事情というのはそういうことでございます。  で、原因でございますけれども、今度の場合、非常に大型の強い台風でございまして、それが転向点と申します、方向を変えるところで非常に速度を落としていたのが、その後、予測を裏切りまして非常に早く動いてきたために、実際に台風の動きに追随できなくて情報がおくれたために大変御迷惑をおかけいたし、本当に私どもとしても深く反省しているわけでございます。で、これについては、今後とも、予測につきまして速度を非常に甘くしてしまったというところに非常に原因がございまして、技術的には、その辺の予測技術をもっと高度にして努力をしていきたい。で、そのためには、数値予報の結果とか、あるいは統計的な経験的な手法とかを総合いたしまして、総合予報システムの技術開発とか、あるいはひまわり衛星を極力利用するとか、あるいは中国大陸の資料を利用するとかということを考えて、体制を充実していきたいというふうに考えておるところでございます。
  120. 田澤吉郎

    国務大臣田澤吉郎君) 沖永良部島における港湾についてでございますが、裏港も含めて、私も現地へ行ってみまして、御指摘の点はよう理解しました。今後重点的に港湾施設をすることを考えまして、御期待に沿うように進めてまいりたいと考えております。  また、与論島の上水道の問題については、いま事務当局から聞きましたがつまびらかでございませんので、この点についてはさらに事務当局に検討させて、御趣旨に沿うように努力をいたしたいと思います。
  121. 和泉照雄

    和泉照雄君 気象庁の方は大分遅い情報を基礎にしていろいろおっしゃっているようでありますけれども、沖永良部住民の方々は、もう電灯が切れたのが、停電したのがちょうど二十一時三十分でございますが、その前に聞いた情報はちょうど六時ごろの情報であった。そういうふうに非常にギャップが多いものですから、それでゆっくりしておった。そして停電になってテレビも放送されない。中波はほとんど聞こえない。あそこは難聴の地区になっておるようでございますのでこれは午後またいろいろ聞いてみたいと思いますが。そういうことで、その時間の、調べた気象状況をすぐ、なるたけ早く、しかも回数を余計、しかも精度がよく——東シナ海の場合はいろいろ皆さんがおっしゃったとおり事情があると思いますが、那覇のレーダー、名瀬のレーダー、種子島のレーダーというのはあるわけでございますから、そういうところできちっと把握ができないということに、私は機材の精度が少し落ちているのではないか、人員が足らないのじゃないか、こういうような考え方を持つわけです。で、ちょうど向こうに行った明くる日、おたくの風速計が曲がっておりました、あのてっぺんまで上がってみましたら。ときどきは行ってみてだれか係をやって機材の整備状態等も点検をされるくらいの——潮風が、島でございますから、もう鉄の部分はほとんどぼろぼろになっているような観測機材がそのまま使われておるような状態でございましたので、こういう点もひとつ是正をしていただきたいということを、これは要望いたしておきます。  時間がありませんので、最後に国土庁長官にお尋ねしたいのは、例の桜島の問題でございます。  私は、鹿児島市に住んでおりますので、しばらく長官もこの非常に爆発しておるときに、一週間ぐらいでも鹿児島に住まっていただいたらあの惨状がよくわかるのではないか、こう思われる状態でございますので、この降灰対策についてひとつ御質問をいたします。  大体、火山というのは数年に一回とか、あるいは十数年に一回爆発をするというのがこれは常識でございますけれども、鹿児島の桜島というのは、昭和三十年から現在二十二年間爆発し続けている、世界でただ一つの超大型の火山でございます。こういうような桜島の爆発が始まったときに誕生された方々は、もう成人になって、二十二歳になっております。こういうようなことで、鹿児島気象台がことしになっていろいろと精密に観測したところでは、ことしは非常に爆発が激しゅうございまして、百三十九回爆発を起こして、八月だけでも三十五回、過去二年間のうちで一番月間の回数が多かったそうでございますが、多い日には一日に四ないし五回の降灰がありまして、八月だけでも鹿児島市内で一平方メートル当たり六百四十八・三グラムも降っているということで、これを全市の面積で換算をするということになりますと、約七十八万トンになります。市の中心部だけでも約四万トン、四トン積みのトラックにしますと一万台に相当する、そういう降灰があったわけでございまして、ですから、ふもとの桜島町の惨状は、さらにこれを上回る量が降っていることは当然でございます。鹿大のある教授の推定では、大体昭和四十九年まで有珠山の半分ぐらい、約一億トン降っているんじゃないか、こういうような発表もなされておるようであります。桜島というところは、行ってごらんになるとおわかりと思いますが、川というのは底なし川で、水がありません。そこにこういう降灰と岩石が累積をしておりまして、いままで何人も犠牲者が出たような、鉄砲水とか、そういう災害を起こしておるところでございますけれども、桜島周辺の鹿児島市とかあるいは垂水市、こういうところはこの降灰で大変な被害を受けているわけでございます。また、農作物、桜島のミカン等は年間約九億円に当たる被害を受けておるとも言われておりますが、最近はミカンの栽培農家の方々が経営不振で一家五人心中をするという痛ましい事件も起こっておるようであります。幸いに四十八年に活火山法というのが制定をされまして、避難施設とかあるいは防災営農施設整備、一避難港の整備と、こういうことは充実を図られておるわけでございますけれども、地域が桜島と阿蘇山というふうに限定をされております。そういう意味合いから、私が申し上げたいことは、ぜひともこの活火山法を改正をして、その対象地域を拡大をしていただく、こういう問題とか、あるいは防災営農の時限がことしいっぱいでございますので、灰はいつまでも降り続くわけでございまして、予測はできませんので、これを延長をしていただきたい。このためには農林省の方にもひとつ積極果敢に交渉をしていただきたいものだと、こういうふうに思うわけでございます。  そしてまた、厚生省の方には、灰が降りますと、ほとんど小学校の生徒はもう目医者に走り込む。ほとんど目の眼瞼をガラス状の降灰で切っている、そういう人が多くなった。お薬屋さんには目薬を買いに走る人が多くなったということも言われておるくらい。それに反して、私は、余り吸い込む量のことは対象になっておらないようでありますけれども、五十年に西ドイツの大学教授が来たときには、これは将来けい肺を起こすおそれがあると。それよりはまた、硼酸というのですか、これが肺房の中の水と化学反応を起こしたときには大変な障害を起こすと、こういうようなことの指摘もなされておるわけでございます。そういうようなことで健康診断、こういうこともひとつその中に繰り入れていただきたいし、また、鹿児島と垂水が非常に困っております降灰対策ですね、除去の事業というものを組み入れていただきたいのです。ほとんど、灰が降りますと、比重が重いものですから、大概の雨ではなかなか流れ切れない。集中豪雨がありますとそれがみぞとか水路に入りまして、鹿児島市内は大雨が降りますとほとんど道路は水浸しになってしまう。こういうようなことで、灰がその日に降ったときにはその日のうちに除去するような、灰の高圧集じん装置の自動車とか、そういうようなこともひとつ予算措置が、助成ができるような、そういう措置をしていただきたいものだと、こういうふうに思うのでございますけれども、最近、私たちが市民の方々にアンケートを、署名をお願いしたところが、十万名の方々が、本当に困っておりますので、本当にすぐ集まりました。で、近く長官のところに陳情しようと思っておりますけれども、そういうことも含めて、ひとつこの活火山法の拡大、改正ということに積極的に取り組んでいただきたいと思うのでございますが、長官はどういう御所見であるか、お聞かせ願いたいと思います。
  122. 田澤吉郎

    国務大臣田澤吉郎君) 七月の二十二日に桜島の火山噴火による降灰の状況等について調査に参りました。短い日程でございましたが、積極的に調査をしたのでございます。さらに、鉄砲水による被害状況調査いたしましたし、また農作物被害、特にミカンの被害等についてもよく調査をいたしたわけでございまして、ただいま先生指摘のとおりでございます。  そこで、この活火山法の改正の問題でございますが、今回、有珠山の火山噴火の状況をも踏まえて、この改正の視点があればこれは進めてまいらなければならないと、こう思います。ただいまの御指摘の健康診断の問題だとか、あるいはまた降灰の除去のためのもろもろのいわゆる御提案等につきまして、現行法は欠くる点があろうと思います。ですから、この点については、今後私たちも積極的に検討してまいりまして、現行法でどうしても救えないという点については、また改正をお願いしなければならないかもしれませんので、そういう点を御理解をいただきたいと、こういうふうに考えます。
  123. 犬伏孝治

    説明員(犬伏孝治君) 桜島にかかります鹿児島県の防災施設整備計画、先ほど御指摘がございましたとおり、本年度をもって終了することとなっております。これは昭和四十八年に当初計画ができまして、数次にわたり変更をいたしまして、期限の延長をしてきております。今後の問題につきましては、ただいま県の計画の内容を聴取いたしておりまして、農林省といたしましては、降灰によります農作物被害実態、さらにはこれまでの事業実績、それから営農形態がいろいろ変わってきております、収益性の高い農作物に変わってきておるというような状況もございますので、それらの実情を踏まえまして関係省庁と協議をいたしまして、引き続き防災営農の対策事業が実施できる方向で検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
  124. 和泉照雄

    和泉照雄君 特に、防災営農のこの問題は、時限が五十二年、本年度限りでございますので、ひとつ積極的にやっていただきたいということを強く要望しておきます。  ありがとうございました。
  125. 渡辺武

    渡辺武君 各委員とも、沖永良部島災害に対する激甚災の適用について強く要望があったわけで、先ほど長官からは、中小企業については今月中に指定をするという御趣旨の御答弁ございましたが、この局地激甚災の適用条件ですね、要件の第一にあります公共土木の被害についての激甚災の適用ですね、これはどんな見通しになっておりますか。
  126. 四柳修

    説明員(四柳修君) 関係省庁が建設、農林、運輸等でございますけれども、現在査定が進行中でございますものですから、査定が終わりませんと起債額が決まりませんものですから、ちょっとめどがつきかねる状況でございます。
  127. 渡辺武

    渡辺武君 大体、その結論が出るのはいつごろぐらいになりますか。
  128. 四柳修

    説明員(四柳修君) 先ほど来関係省庁から御答弁申し上げましたように、査定が物によりましては年内いっぱいかかるところがあるんじゃないかと思いますものですから、できることならば、年明け早々にでもめどをつけたいと思いますけれども、通常のベースですと、やはり二月になると思います。
  129. 渡辺武

    渡辺武君 早く適用してくれという要望が非常に強いんですね。いろいろ査定の必要などもあることは十分わかりますけれども、しかし、私、和泊町と知名町で五十一年度の税収どのくらいかということを聞いてみましたら、和泊町では九千四百十一万三千円、これが税収額、それから知名町では七千二百三十四万七千円、これが収入額になっておりますね。それで大体今年度の標準税収額の一倍以上ということになっているかと思いますが、これがある程度判断の基礎になるんじゃないかと、この数字がね。他方で、計算の、この基準のずれなどはありましょうけれども、たとえば和泊町で公立文教施設、農林水産業施設、公共土木施設その他公共施設、これの損害額が三億五千百八十三万四千円と、それから知名町の方が同じ内容で一億八千八百四十二万五千円と、こういうことになっているわけですね。だから、もう大体年度税収額に比べると大変な被害が出ている。したがって、この復旧の事業についても、現在のような毎年資材が値上がりするというような条件のもとでは、若干これに上乗せして考えなきゃならぬ、この被害額にね。ですから、適用要件の第一の公共土木についても、やはり局地激甚災の適用ということは当然予想できるんじゃないかと思いますが、その辺はどうですか。
  130. 四柳修

    説明員(四柳修君) ただいま先生例示に挙げられました具体的な財政状況あるいは地元からの被害額報告、私どもも存じておりますけど、当然のことながら査定がありますけれども、いま伺っている限りの数字で、若干の経験的な査定率を掛けましても、相当部分該当する可能性があるんではないだろうかということを考えておりまして、いずれ、その復旧に当たります各種の補助金なり起債の手当て等、御案内のように地元の県の、あるいは中央からの指導ということになりますものですから、そういったことにつきましても、決まらなくても、大体のめどというのはどんなところだろうかということは、県の方とも十分相談しながら進めてまいりたいと思います。
  131. 渡辺武

    渡辺武君 確かにおっしゃるとおりでね、早く復旧しなきゃならぬし、それから具体的ないろんな要望もあるわけですよ。たとえば小学校について、いままで木枠でやってきたけれども、今度の台風の経験ですと、アルミサッシの枠にしないと、窓が吹き抜けてそこから屋根が飛ぶような原因ができてくると、だから、こいつはどうしても直さなきゃならぬというような、ただ単に復旧というよりも、防災という見地を含めての復旧の必要というのが非常にたくさん出てきているのですね。時間がないから、ほんの一例だけ言いますけれども。  ですから、そういう点で早く手をつける必要もあるし、もし公共土木についても局地激甚災の適用の見通しが、ほぼ、いまおっしゃったように可能性が強いということであれば、自治体の要望についてやっぱり迅速にこたえていくように、ぜひひとつやっていただきたいというふうに思います。  それからもう一点、先ほどもほかの委員から意見が出ましたけれども、この局地激甚災の適用の要件を見てみますと、第一が、いま言ったように公共土木ですね。それから第二番目が農地等の災害復旧の問題ですね。それから第三の要件が中小企業関係、こういうことになっているのですね。ところが、今度の災害で一番特徴なのは、個人住宅被害が非常に大きいということですね。先ほど委員会調査報告の中にもありましたけれども、両町住宅の約八割が全壊半壊あるいは一部破壊というような状況で、非常に深刻なんですよ。やっぱりこの個人住宅災害について、局地激甚災の適用要件の中に含まれていないということが、私非常にこれは手落ちじゃないかという感じがしているのです。この点、やはり適用要件の中に入れるべきじゃないか、そして急速にこの個人住宅復興についても適切な助成措置を講ずべきじゃないかというふうに思いますが、その点どうでしょうか。
  132. 京須実

    説明員京須実君) 個人住宅災害につきましては、激甚災指定基準につきまして、まず災害の戸数による基準がございますが、そのほかに、昨年改正いたしまして、公共土木の災害で激甚になりますと自動的に個人住宅災害も激甚になる、そういう規定を入れております。
  133. 渡辺武

    渡辺武君 その公共土木の災害があった場合適用になるということで、若干別の要件で個人住宅災害についての問題が出てくるわけですね。これはぐあい悪いと思うのですよ。今度の沖永良部島、いま伺いますと、公共土木についても適用の可能性があるということですから、したがって、個人住宅についても激甚災の適用ということがあり得るだろうということはわかりますよ。しかし、もし公共土木について激甚災の適用がなかった場合、なかった場合であってしかも個人住宅被害が非常に大きいということも当然考えなきゃならぬわけでしょう。そうすると、独立の要件として、やはり局地激甚災の適用の要件の中にそれを入れておく必要があると思うのですね。その点はどうなりますか。
  134. 京須実

    説明員京須実君) 現在、住宅だけでございます独立の激甚の適用要件を持っております。これは全区域でたとえば四千戸以上、あるいは二千戸以上でその当該市町村の全住宅の一割以上、あるいは千二百戸以上で二割以上とか、そういう基準がございまして、先ほど来個人住宅につきまして激甚災の適用の可能性がございますと申し上げておりますのは、公共土木施設の局激によりませんで、住宅だけの激甚災の基準の適用があると、そういうことを申し上げておるわけでございます。
  135. 渡辺武

    渡辺武君 そうしますと、先ほどおっしゃった御答弁の中にありました、中央防災会議が十月中旬に結論出すというのは、そのことですか。
  136. 京須実

    説明員京須実君) そうでございます。
  137. 渡辺武

    渡辺武君 そうしますと、その場合は二十二条関係に関連してくることになるわけでしょう。それだけでしょう。
  138. 京須実

    説明員京須実君) はい。仰せのとおりでございます。
  139. 渡辺武

    渡辺武君 私はそこに問題があると思うのですよ。罹災者公営住宅を建てるということで、地方自治体が公営住宅建設に本格的に取り組むということであれば、それなりのメリットはあると思うのです。しかし、あそこは農家が非常に多いのですね、それで自分の敷地と自分の住宅を持っているわけですよ。そこがやられているわけですからね。そうしますと、公営住宅に入るというよりも自分の住宅をやっぱり建て直したいという人たちの方が私は圧倒的に多いと思うのですね。そういう個人住宅復旧については、どういうメリットがあるのですか。
  140. 京須実

    説明員京須実君) この二十二条を引きまして、公営住宅の方の激甚と同時に公庫個人災害の激甚も適用になりますが、この場合、公営住宅の方の対策関係なく、公庫だけは独立して激甚災を適用いたします。  なお、その激甚でございますが、御承知のように、一般個人災害よりも大幅に貸付限度額がふえます。そのほかに、三年間の据え置き期間がございます。この据え置きと申しますのは、一般の木造でございますと償還年限が十八年、簡易耐火ならば二十五年、耐火ならば三十五年ものをさらに三年間延ばすわけでございます。据え置き期間もその外側に延ばしまして、さらに償還期限を延ばします。そのほかに、激甚の場合には、当該三年間の据え置きの間だけ金利を五分五厘から三分に下げます。そのような特例を設けておるわけでございます。
  141. 渡辺武

    渡辺武君 そうしますと、産業労働者の住宅についての災害のいろんな優遇措置がありますね、それと比べるとどうですか、一般住宅の場合は。
  142. 京須実

    説明員京須実君) 産業労働者の場合は二十三条でございますが、この場合には据え置き期間が三年間、同じでございまして、金利の特例というものはございません。その点で一般の方が有利になります。
  143. 渡辺武

    渡辺武君 そうすると、その金利の三%ですけれども、以前は、これは据え置き期間だけではなくして、据え置き期間が過ぎた後にもずっと三%が適用されておったと思うのですね。で、これが改正になって、昨年でしたか、おととし——それをちょっと後でおっしゃっていただきたいのですが、据え置き期間だけ三%と、こういうことになっていると思うのですね。これはあの深刻な被害状況を見ますと、ちょっとひどい改悪だなあという感じがするのですよ。これはやっぱり元に戻すという措置がとれないのかどうかですね、私はとるべきだと思いますが、その点どうでしょう。
  144. 京須実

    説明員京須実君) 金融公庫等の住宅災害につきましては、激甚災指定と申しますのは四十八年から始まりました。その際は、おっしゃるように全期間、融資期間中三%という時代がございました。その当時は激甚災指定の基準が非常に厳しゅうございました。たまたま、災害がないということもございましたのですが、四十八年、四十九年、五十年と、激甚災は、住宅関係ではその適用になるものは一件もございませんでした。そのような観点から、たまたま昨年でございますが、十七号台風等で全国相当大規模な被害がございました。公共土木災害等は皆激甚でございましたが、住宅はなっておらないというような見地から、激甚災の適用基準を大幅に緩めまして、昨年の十七号台風以来は、公共土木災害等が激甚になった場合に住宅も適用して激甚になるようにというような改正をいたしました。そのときの差し引きじゃございませんが、さらにまた激甚につきまして、他の中小企業、あるいは農林漁業、国民金融公庫、そういったものの激甚につきましても、すべて三年間だけが三%、しかもその対象は、激甚になりましてもその個人がまた特別に被害があって、しかもその三%は四百万を限度とするといったようなことがつけてございまして、それから見れば、なおかつ住宅の方は相当に優遇されておるといったような、横並びの関係がございまして、そのように直しました。
  145. 渡辺武

    渡辺武君 その事情の説明はいま伺いましたけれども、あそこは離島で、これは言うまでもなく、それでいろいろな資材も一々船へ積んで運び込まなければならぬのですよ。それからああいう島にものすごい災害が起こって、したがって、また建設要員などもこれも人手不足ということなんです。幸い現地中小企業の方々が、災害だからといって品物の値段を特別につり上げるということはやめようということでやっておりますから、物価は比較的安定しているようですけれども、しかし、運ぶ運賃やら、それから手間賃などというような問題を考えてみますと、本土で災害復旧をする場合とは、かなりやっぱり条件は悪いのです。その点を十分考えていただきたいと思うのです。  で、先ほど住宅金融公庫災害復旧住宅融資でしたかな、あれの限度額を拡大するということをおっしゃった。これは拡大するのは結構ですけれども、そういう特殊条件を十分に考慮をして、その限度枠の拡大もやってもらいたいし、いまの金利の問題も、そういう特別な条件だということを考慮して、据え置き期間三%というだけでなくて——以前は、これはもう据え置き期間だけでなかったのですから、そこのところをもう一回検討していただきたいと思いますが、どうですか。これは長官、お答えいただきたいと思います。
  146. 京須実

    説明員京須実君) 私どもは、据え置き期間につきましての三分というのは、他の横並びもございますし、また、特に住宅災害の三分でございますと、その三年間というのがさらに全体の償還期間にプラスして見てまいります。したがいまして、私どもといたしましては、現在のところその三分の期間を延ばすことは考えておりません。  と申しますのは、金融と申しますものは、まず第一に貸す金額の大きさが一番大事でございます。次に、償還期間を延ばしまして、返せるように、最後に利率と、このようにわれわれは考えたのでございますが、先ほどから申しておりますように、こういう災害復興につきましては、特別に住宅金融公庫の融資額を——現時点でも相当大幅になってございます。  この基準は全国一本でございまして、簡単に申しますと、大都市の特別地域の基準を、さらにそれを上回って融資をする、全国一律の基準で地区によって差をつけないといったような特例がございますが、さらに今回の災害にかんがみまして、現地の県とも十分相談いたしまして、災害の融資額の限度を上げようと思っております。これによりまして、ほぼ現地では十分建てられるんじゃないかと、いけるんではないかといったような基準まで話しておりますので、その辺をまず第一に考えたいと思っております。
  147. 渡辺武

    渡辺武君 それから住宅災害復旧について、いま特に問題になっているのは、先ほど委員会報告の中にもありましたけれども、台風に耐えるような建築の構造と施設ということが非常に重要になってきているわけですね。私、沖繩家屋だとかあるいは四国の室戸台風の来襲地帯のあの近所の民家などと比べてみますと、昔からのあの台風襲地帯の人たちの生活の知恵というのが、ほとんどいわば捨て去られたというような感じがするわけですよ。先ほど建築基準などの中にそういうものを織り込んでというようなお話がございましたが、私はこれについては何らかのやっぱり特別な誘導措置も必要じゃないかという感じがするわけです。  その点で伺いたいんですが、北海道の場合ですと、防寒住宅建設等促進法というのがありますね。で、もう時間がないのでこの内容については触れませんけれども、特別な助成措置があるわけですね。もちろん建設の基準も建設省令や大蔵省令などで決められて、それに沿って誘導措置があるという状況なんですね。これはまあ沖永良部島というふうに限りません。やはり台風襲地帯沖繩あるいはまた高知県、鹿児島県などですね、ああいうところの建設について、一定の台風に対する防衛上の建築構造や施設、これを建てることを大いに奨励すると同時に、また何らかのやっぱり誘導措置を考えるべきじゃないかと思いますが、その点どうでしょうか。
  148. 京須実

    説明員京須実君) 先生おっしゃるように、このたびの災害がございまして、沖永良部関係の方々も台風に強い住宅、そういったものに今後はつくり直すということをお考えのようでございますが、それにつきましては、御承知のように、金融公庫の融資でございますと、木造と簡易耐火あるいは耐火とは融資額が違っております。この災害特別融資とも違っております。したがいまして、やはり台風に強いのは簡易耐火あるいは耐火と考えますので、そういう簡易耐火、耐火についての優遇を図る。これは貸す金のほかに償還限度も大幅に違っております。そういうものでもって誘導をすると、そう考えております。
  149. 渡辺武

    渡辺武君 どうも時間がないので、北海道のいま言った防寒住宅建設等促進法によりますと、普通の場合よりもかなり優遇措置が講じられているわけですね。あなたは、沖永良部復興についてのいま言った住宅防災建設ですね、これについて若干のやっぱり優遇措置をつけるというんだけれども、それはどの辺までやるんですか。この北海道の防寒住宅建設等促進法、これに準じたくらいのところはやるおつもりがあるんですか。
  150. 京須実

    説明員京須実君) 準じるという御質問で、非常にお答えむずかしいのでございますが、北海道の場合でございますと、たとえば、寒冷地であるために非常に断熱的な施設をつくる、あるいは窓等を二重窓にするといったようなことは、これは木造にかかわらず、また簡耐にかかわらず、そういうような住宅施設でございます。  台風の場合でございますと、木造であって屋根が飛ばないようにというのはなかなかむずかしゅうございます。雨戸をつければいいのでございますが、雨戸をつけるだけを強制いたしますと、どのくらい公庫融資がふえるかといった問題もございまして、私どもはブロック造の簡易耐火構造以上のものにしたいと、そう思っているわけでございますが、たとえば、今度の災害でございますと、木造の場合と簡易耐火構造の融資でございますと、現状でございましても七十万円ばかり現在額に差がございます。それからまた償還の期間でございますと、木造が十八年のものが、簡易耐火で二十五年、耐火では三十五年といったぐあいに、ゆっくり楽に返せるようにと、そういう配慮がございます。そういう差でもって考えております。
  151. 渡辺武

    渡辺武君 時間がないので、長官に二問だけ伺って終わりたいと思います。  一つは、いまのその北海道防寒住宅建設等促進法というものがありますので、やはり同じような、台風襲地帯について、台風防衛上の建築施設あるいはまた建築構造というようなことについての特別な助成措置、誘導措置ですね、これなどを内容とした法のようなものを何かお考えいただく必要があるんじゃないかというふうに思います。で、その点についての御見解を伺いたい。これが一点。  それからもう一点は、先ほど来問題になりました港湾の問題です。裏港湾が必要だと。これについて具体的に措置をしたいという御趣旨の答弁が先ほどありました。で、それに関連するのですが、奄美群島振興開発特別措置法と、これも議論になりましたけれども、この措置法によりますと、港湾建設についてかなり、たとえば十分の十の助成をするというようなことが一つの例で言えますように、かなりの優遇措置があるわけですね。それで、この法律に基づいて、この沖永良部島でいま必要としている表港、裏港、特に現地の人たちは四つは欲しいということを言っておりますが、そういうことを実現することをお考えいただきたいと思います、この法律に基づいて。それが第二点です。  それから第三点としては、この法律によりますと、知事が総理大臣に申請をして、そして総理大臣が審議会にかけて、そうしてその審議会の結論に基づいて関係大臣と協議して計画を決定するということになっているわけですね。で、今度裏、表につくると。しかも現地の要望どおり四つつくるということになりますと、恐らく計画の変更措置ということになろうかと思いますが、知事がそういう申請をした場合にですね、やはり政府としてこれは前向きに受けとめるということが必要かと思いますが、その点について御答弁いただきたいと思います。
  152. 田澤吉郎

    国務大臣田澤吉郎君) 台風地帯住宅の問題でございますが、北海道で防寒住宅建設等促進法があるから、それにのっとったひとつ住宅のための特別措置をしたらどうだということでございますが、ただいま建設省からいろいろお話がございましたいわゆる誘導措置等についても、それなりに措置は講じておるようでございますが、先生のせっかくの提案でございますから、私もできるだけこの点については検討してまいりたいと、かように考えます。  また、この港湾、裏港も含めての港湾の問題でございますが、これは五カ年計画があるわけでございますので、県知事からやはり申請があった場合、私たちは十分検討してまいらなければならないと思います。そういう点で県とも十分打ち合わせをしながら、今後の対策、今後の計画を進めてまいりたいと考えております。
  153. 村田秀三

    委員長村田秀三君) 午前中の質疑はこの程度にとどめ、午後一時四十分まで休憩いたします。    午後零時三十九分休憩      —————・—————    午後一時四十六分開会
  154. 村田秀三

    委員長村田秀三君) ただいまから災害対策特別委員会を再開いたします。  午前に引き続き、沖永良部台風被害等に関する件について質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  155. 柳澤錬造

    柳澤錬造君 気象庁の方に御質問いたします。  これは午前も和泉先生の方から若干触れられておりましたんですけれども、情報のおくれで、現地の新聞なんかでも四時間からおくれたと言っていろいろ出されているわけですが、私どもが視察に参りまして、帰りの飛行機の中で、ちょうど私の隣の席に来た人が向こうの出身で東京へ来ておって——いろいろお話をしておりましたときも、東京からちょうど午後九時に電話をしたと言うんです。そのときには、いや、もう風は大分吹いているけれども心配はない、大体恐らくはあすの明け方ごろ来るんではないかという、そういう返事でもって安心をして電話を切ったら、事実はその直後にもう来てやられてしまったんだということだった。私もあすこへ行ってみて、あちらに測候所があるんですが、鹿児島沖繩のちょうど中間で盲点になっているんじゃないかという気がするんです。あすこらにもそれは測候所もあっていろいろやられているんでしょうけれど、もう少し気象台というか、測候所というか、その施設を拡充するなり人員を増強するなりして、少なくとも台風コースにあるんですから、そういう点が、何か先ほども御答弁の中で、三時間も四時間もおくれるのがあたりまえだというふうな御答弁があるんですけれども、これは通常の場合は、それはそういういろいろ集めてやっていくということがあってもいいと思うんですが、台風が来るといったらこれは非常事態なんですから、そうしたらそれなりに気象庁関係がそういう配置で動いて、そして適切に迅速に情報が出てこなければ意味ないんですから、そういう点でもってあちらの方の、沖永良部島の測候所というか、あの辺の拡充強化、そういうお考えはないかどうかという点について……。
  156. 有住直介

    政府委員(有住直介君) いまのお話を聞きましても、大変各方面に御迷惑をかけまして本当に残念に思っておりまして、われわれも深く反省しておるわけでございますが、午前中にもお話し申し上げましたように、台風の速度を非常に誤ったために、かつ情報が時間がかかったということがダブったために、非常に御迷惑をかけたわけでございます。非常に大きな今度の台風でございましたから、大型台風中心気圧も非常に低いものでございましたので、九日の十六時四十五分には警報を出しまして、十七時のニュースでは流れているというような状況ではございますけれども、しかし、やはりテレビのニュース等の情報というのは非常に大切なもので、それが予測が後手後手に回ったために大変御迷惑をかけて、深く反省しておるわけでございます。それで、御指摘のとおりに、もう各方面に不満がうっせきしていることと思いますが、これはもうぜひ気象庁としては解消するようにこれから全力を挙げたいと思っておりますが、それにはやはり予測の改善というのがどうしても必要でございます。それで、かつ発表回数を密にして、それも早くするということを考えたいと思っております。  で、この台風の予報でございますけれども、これは主として本庁がやっておりまして、そのほかに地方中枢というのが、この場合には鹿児島でございますけれども、それから名瀬の測候折が予報をやっておるわけでございます。名瀬の測候所は、特に奄美地方が非常に広域なことから、警報、注意報も出せるような機構にもなっておるわけでございます。  ただいま測候所を地方気象台にというお話、あるいは増員というお話もございましたが、私どもといたしまして検討した結果は、予報がやはり一番本質的な問題になっておりますので、これはアメダスあるいは各種の観測装置、それからまたひまわり気象衛星とか、それから中日回線も十二月一日からできますので、それによります中国地方の資料を活用するとか、そういうことで予報の精度を圧倒的に上げていきたいと、こういうふうに考えておるわけでございます。  それで、ひまわり衛星でございますけれども、これは九号で私ども大変御述惑をかけまして、その次に十一号台風が参りましたが、十一号の台風について、またわれわれとして失態を重ねてはいけないということで、当時事業団でひまわり衛星の機能チェックをやっておりましたときでございますけれども、特にお願いいたしまして資料を入手いたしまして、ノアのアメリカの衛星と一緒にいたしますと、ちょうど約二時間ごとぐらいに写真が手に入りまして、それを使いましたところ非常に予報官もやりやすくなった。かつ、当時の最初の予想では、十一号台風は北東に曲がるんではないかと言っておりましたが、その衛星写真その他の解析によりまして、最初は北上いたしまして、それから西に行くことかわかり——茨城県地方には御被害があってお気の毒でございましたけれども、予報としては大過なく私どもできたと。これに意を強ういたしまして、やはりひまわりの運用をさらに整備いたしまして、これを使う。そうすれば、この予測に対して非常に万端の準備ができるというふうに私ども考えておるような次第でございます。
  157. 柳澤錬造

    柳澤錬造君 ともかくそういう努力をしていただきたいと思うんです。いまここでどんなに御迷惑かけた、御迷惑かけたと言っておっても、あれだけの負傷者を出したのが、いまも言ったように、適切にされておったならかなり変わったと思うんです。  ここに、現地の新聞なんかでも、「午後九時ごろからだんだん風が強くなり始めた時でも、テレビから流れてくる台風情報は、四時間前の午後五時ごろの天気図を出して解説。」をしておったのです。それから、「台風の目が通過した午後十時ごろには、情報ではまだ沖繩の近くに台風がいる」というような情報だったというのですから、そういう点で、二度とこういうことのないようにしていただきたいという点で先ほどの希望を申し上げておきます。  次には、建設省にお聞きしたいんですが、これも先ほども出たんですから簡単に申し上げておきますが、住宅建設基準の問題なんです。  先ほども指導云々という話があったんですが、私ども現地を視察をして、そして私たちの経験からいっても、あのトタン屋根というのはかわら以上に台風には弱いんですね、ちょっと何かだっと角がなにしたらすぐ吹っ飛んでいってしまうんです。それがどうしてあの台風コースの沖永良部島がああいう形でもってトタン屋根の家が多いのか、非常にそういう点では疑問を持ちました。これはもう午前の中でもありましたけれども、何か具体的に、普通のところと違うんですから、こういう地域については一つのそういう基準を設けて、そういう建設基準に照らして家は建てろということをしていただきたいと、そういうお気持ちがあるかどうかというのが質問です。
  158. 大田敏彦

    説明員(大田敏彦君) ただいまの御指摘のとおり、本来、ああいう離島は石垣を築きまして周りが樹木に囲まれた低い屋根の家が在来の工法であったわけでございますが、最近内地の新しい工法が浸透しまして、それもそれぞれ屋根職人等には十分その辺の技術が伝わっていなかったのではないかと思いますけれども、そういった施工面における不備な点がかなりはっきりしております。  それで、ただいま私どもの建築研究所の専門家が現地調査をして帰って報告を受けておりますが、その辺の詳しい点を聞きまして、また県当局ともいろいろ協議しまして、工法の細かい点につきまして、指導でいくのがいいのか、あるいは基準の改正でいくのがいいのか、その辺を検討して措置してまいりたいと思います。
  159. 柳澤錬造

    柳澤錬造君 次に、運輸省はいらっしゃいますか、空港の問題で御質問いたします。  港の整備の問題は、午前もたくさん出たから、私もう省きます。あの港がいま整備が進められているんですけれども、あれができ上がるまでにはまだ数年先だと思うんです。ちょうど私どもがあそこに行ったときも、被害があって十日目にやっとあそこに小さな船が横づけになって救援物資が揚げられた。そういう状態でもってこの港湾設備がよくない。そういう中であってもあの小さな飛行場にジェット機が飛んで来て救援物資を運んだという、それが大変救援のそういう作業を効果あらしめたと思うんです。ですから、この機会にせっかくあそこに、港湾と言ってもかなりやっぱり年数がかかると思いますので、あの空港の拡充をして大型ジェットでも降りられるような空港にしていくということをしておけば、これからのときも——こういうことはなるべくない方かいいんだけれども、そういう点を考えて、わりあいに緊急にやれることなんで、その点のお考えがないかどうか。
  160. 佐野豪一

    説明員(佐野豪一君) お答え申し上げます。  いま先生おっしゃいましたように、この間の台風九号のときには鹿児島県庁の知事さんからの御要請がございまして、防衛庁から飛行機が出されて無事に緊急物資を運びまして、離島空港として非常に役に立ったというふうにいま私ども聞いております。ただ、沖永良部を含めました離島空港の整備につきましては、先生御存じと思いますけれども、各離島空港の航空需要の動向とか、あるいは船舶の海上交通の関係、利便関係等を勘案しましていろいろ整備を進めております。これにつきましては、昭和五十一年度を初年度にいたします第三次空港整備五カ年計画に従っていま整備を進めておるわけでございます。  沖永良部につきましては、これは先生御案内と思いますけれども、鹿児島県が設置管理しております第三種空港でございまして、滑走路は、先生おっしゃいましたように、長くて千二百メートルの滑走路でございまして、鹿児島とそれから奄美大島との間に現在YSが就航しております。ただ、さっき申し上げました五カ年計画につきましては、現在航空気象施設整備を計画しております。で、一応ジェット化となりますといろいろ問題ございまして、空港の拡張を図るためには、さっきちょっと申し上げた今後の需要の動向とか、あるいはいろいろ技術的な問題ございますので、それを一応考慮しまして、経当局とも御相談しながら検討していきたいというふうに考えております。
  161. 柳澤錬造

    柳澤錬造君 細かいこといろいろあるんですけれども、次官がいらっしゃいましたので、それでこれは私は国土庁というよりかも、大蔵省やその他も関係することなんで、当画の沖永良部島災害にというよりか、災害対策全般について今後の課題として御検討いただきたいし、またそちらのお考えもお聞きをしたい。  それはどういうことかといいますと、災害保険のようなものを創設してやるというお考えがないかどうか。この前の北海道の有珠山もそうですし、今度の場合もそうですけれども、災害については何と言っても迅速に手を打つということだと思うんですね。一カ月たってもまだ査定が済んでないからあれができないとか、激甚のあれもできないとかなんとかと言って、そういう点で、私たちはここでもってそうやっていろいろ委員会持って議論をしておってもいいわけなんです。しかし、現実の現地被害を受けた人たちにすれば、その日その日が寝るところがなかったり、食べるものがなかったりという非常に苦しい思いをしているんですから、そういう点からいくならば、多少のアンバランスがあっても迅速に手当てをしてやる、救援物資を送ってやるということが行われていなければいけないじゃないかと思うんです。ですから、そういう点からいくと、現行法規でいろいろやると言っても、なかなかこれ思うようにどうしても私はいかない面があると思うんです。  そういう点に立ちましたときに、火災保険なんというのは、いまあれだけもう民間がやって、そして大体ほとんど実際に運営をされて一つのなにができ上がっているんですが、あと天災の、こういう台風だとか水害だとか地震だとか、まあ地震とか水害とか、そういうもののごく一部、そういうものが取り入れられているようないま保険があるけれども、あれはまだ保険というには本当の微々たるもので、何というんですか、共済制度的なものしかないんです。それで、またそういうふうなものは全くもって予知できないし、そういう点からいくと、民間の企業でといっても、これはもう無理なことなんです。ですから、そういう点からいくならば、国のようなところでもってこういう問題を取り上げて、いろいろ他に保険制度があると同じように、こういうものを設けて、そして国民そのものからもある程度の掛金を掛ける。そのかわり、ああいう災害があったら現地の行政、地方自治体なら地方自治体が認定しにぱっと行って、火災に遭ったら火災保険からすぐもう保険金がおりてくると同じように保険金がおりて、そしてそれをすぐ使って復興に立ち上がれる。と同時に、こういう保険制度がつくられて、そこへ国からも相当なお金を基金として出さないとだめだと思うんです。それで、そういうものを出して、そこにかなりの基金をもって、きょうも、この前も議論をしているんですけれども、私は見まして、融資をどうするとか、利子をもっと下げろとか言うけれども、どだい借りなくちゃやれないから借りるけれども、天災で吹っ飛んで家がなくなっちゃった、それを建てるためのお金を借りて建ったといっても、特別な何か商売でもしていれば、それは私、返せることはあるけれども、普通のサラリーマンだったならば、それを返せと言ったって返す道ないと思うんです。それならば、少なくても利子ぐらいは無利子でもって、それで融資をしたのは、何と言ってもそれはみんなのお金だから返してもらわなければいけないけれども、利子ぐらいはもう無利子で貸してやると、そういうふうな制度ができ上がらなきゃならないと思うんです。そういうことについて、これは今後の課題としてですけれども、次官の御見解をお聞きしたいと思うんです。
  162. 佐藤守良

    政府委員佐藤守良君) 実は、いま先生のおっしゃる点は一番問題の一つでございまして、御質問に二つあると思いますが、一つは、公的災害の場合に何か特別立法ができないかという意味かと思いますが、実はこの点につきましては、応急対策と本格的対策があるかと思いますが、たとえば先ほどの沖永良部のC1につきましても、実は港が大体波が五メーターか十メーターということで船が着きにくいというようなことで、いわゆる県知事等から要請がございまして、私どもが防衛庁に要請しましてC1出していただいた。で、入間川から三機持ってきまして、約二日間にわたりまして大体荷物を運んだということがございまして、応急対策としてはかなりうまくいっているんじゃないかと、こう思うわけでございますが、恒久対策につきましては、実はこれは若干時間もかかるかと思いますが、現行制度を活用しながら、ある程度私はできるんじゃないかと、このような考えを持っておるわけでございます。  それからもう一つ、先生いまおっしゃった個人災害の問題だと思います。実は、これは私も先生のおっしゃることがよくわかるわけですが、と申しますのは、昨年、私事で恐縮ですが、私、選挙区が広島県尾道でございますが、台風十七号で実は一家四人家族のうち、主人と子供二人が亡くなって、奥さんだけが残って家が流されたというケースがございまして、実はこれは私もどうしたらいいかと、本当に研究したがどうにもならない。しかも、いまおっしゃったようなことがございまして、実は家は流され、主人、子供は亡くなった。しかも、家を建てるには金を借りるだけだと、これは返済せにゃいかぬということで、私の方はいまの制度で救えないということで、実は社会福祉協会が中心になりまして寄付金集めまして、寄付金の一部を寄付したというような形があるわけで、これはいかぬと。それからまた参議院、衆議院におきましても、個人災害につきましては特に附帯決議もついておるというようなことでございまして、何かひとつうまい方法はないもんだろうかということで大いに検討いたしたいと、実はこのように考えているわけでございます。
  163. 柳澤錬造

    柳澤錬造君 その御検討をいただきたいと思うんです。  私がこういうことを言うのも、昔ならばとてもそんな力ないけれども、これだけ経済力を持って経済大国というか、少なくてもGNPが自由世界第二位と言えるようなところまできたんですから、そういうふうな制度ももうできていいんではないか、そういうことでの希望でございますので、十分御検討いただきたいと思います。  終わります。
  164. 宮之原貞光

    宮之原貞光君 午前中に引き続いて、若干お尋ねをしたいと思いますが、建設省の方、来ておられますね。——たしか渡辺委員の質問に答えて、公共土木関係施設関係災害についても激甚法の適用について検討しておるとかなんとかという、たしか御答弁のようにお聞きしたんですが、そのように理解して間違いないんですか。
  165. 京須実

    説明員京須実君) 住宅関係いたします激甚災害の範囲でございますが、これは従来の激甚法二十二条の適用災害のほかに、公共土木施設等の激甚災害が適用になりました場合、住宅の方も激甚災害に適用するということはすでに昨年改正してございます。
  166. 宮之原貞光

    宮之原貞光君 いやいや、それは一般論であって、沖永良部台風の問題について、公共土木関係災害というものもこの激甚法の対象にするということを決めておられるんですか。決めておるとするならば、それに基づくところの公営住宅法の適用云々と、こういうのはすんなり理解できるのですがね、その面からも公営住宅法の適用について云々という答弁は。そこちょっと確かめておるんですよ。
  167. 四柳修

    説明員(四柳修君) 先ほどの渡辺委員の御質問のときに、局地激甚の指定基準の一番冒頭にございます公共土木施設等の局激の基準の適用の可能性につきまして、両町財政規模、それから公表されました被災額から見て可能性があるかどうかという、こういう御質問でございました。いずれ査定が終わりませんとわかりませんけれども、いま報告いただいている数字等を参照しますと、その限りにおきましては可能性も考えられますもんですから、そういったことも踏まえまして、県の方ともよく連絡とりながら関係市町村を指導したいと、そういうことを申し上げたわけでございます。
  168. 宮之原貞光

    宮之原貞光君 そうすると、可能性があると理解をしておいてよろしいんですね。だからこそ建設省の方からは、そこにあるところの第四項の公営住宅法の個人災害の問題については、この面でも救助できますというような答弁されておったんだから、おたくはもうすでにそれを前提とされておるんでしょう、さっきの答弁は。
  169. 京須実

    説明員京須実君) 住宅関係の激甚につきましては公共土木施設と別に激甚にする基準がございます。その基準の方ですでに適用になる可能性が非常に強うございますので、そちらの方で住宅激甚災を適用したいと思っております。
  170. 宮之原貞光

    宮之原貞光君 いやいや、ぼくが尋ねておるのは、午前中からの経緯ではっきりしたのは、住宅関係はもう激甚法の災害の対象になるということは明確になったわけなんだ。それで十七、八日にもう指定政令を出すということまで皆さんに答えておるんだから、その面はそれでいいんだ。けれども、先ほど渡辺委員の質問に対しては、いま審議官の方から答えがあったように、財政規模、いろんな問題からして可能性があるという論議の中から、おたくの答弁はそこの項の、たしかこれは四項じゃないかと思いますがね、公共関係のやつですから。第三条のうちの四項、この条項をも適用してここの面でも救済できますというお答えをしておったんじゃないですか。違いますか。そこをちょっとはっきりしてください。
  171. 京須実

    説明員京須実君) 違います。
  172. 宮之原貞光

    宮之原貞光君 そうすると、先ほどのは住宅災害について激甚災を受けるから、その面での説明だったわけですね。そうですね。
  173. 京須実

    説明員京須実君) そうでございます。
  174. 宮之原貞光

    宮之原貞光君 そうすると、いまの審議官の説明によると、これはまだ明確じゃないけれども、可能性がきわめて濃いという問題として検討しておると、こういうふうに理解していいですね。
  175. 四柳修

    説明員(四柳修君) 御報告いただいておる数字の限りにおきましては、可能性があると御答弁申し上げたわけでございます。
  176. 宮之原貞光

    宮之原貞光君 大体それは時間的にはどれくらいのめどで結論出されますか。いつまでもというわけにもいかぬでしょうから……。
  177. 四柳修

    説明員(四柳修君) 先ほども御答弁申し上げましたように、関係省庁の査定がやはり遅いところは十一月でもきついという話を聞いておるものですから、公共土木と農林水産施設がほぼ固まりますれば、大まかのめどは大体年内にはつきますけれども、万が一当該町村がさらに年度内に災害をこうむったとか、そういったこと等も考えますと、やはり水準すれすれの場合には非常に指導上困りますものですから、そこいら辺のところも踏まえまして、内々にそういう意味での適用の可能性を含めて指導したいと思います。
  178. 宮之原貞光

    宮之原貞光君 指定政令というものの最近の事例を見てみれば、わりに早いんですよね。大体、早いので三十日、四十日というのが相場になっておるみたいだ、最近はよくなってね。それはもちろん一年間のやつをひっくるめたりしたところのやつは別ですよ。局地的な、部分的なやつはわりに早いんでね、どうかひとつその問題も年内にはせめて結論が出るようにこれはもう馬力を出してもらいたいと思うんですがね。その点だけは強く要望しておきたいと思います。  なお、この住宅問題と関連をしてですが、先ほどのいろいろな午前中のやりとりの中では、貸付金の限度額の引き上げというものは前向きに検討しておるというお話があったんですが、やはりいま一つ大きな問題は、何といっても標準建設費のこの問題なんですよ。これがやはり現地では非常に多くひっかかっておると、こういう問題があるんですが、この問題については、まだ関係者としては前向きに検討しておるという事態はないんですか。
  179. 京須実

    説明員京須実君) 貸付限度額の上限の改定の際に、これは標準建設費を直しまして改定いたします。したがいまして、建築単価といいますか、そういったものの引き上げも当然考えておるわけでございます。
  180. 宮之原貞光

    宮之原貞光君 そうすると、これは連動するものだと理解してよろしゅうございますね。
  181. 京須実

    説明員京須実君) おっしゃるとおりでございます。
  182. 宮之原貞光

    宮之原貞光君 それから、やはりその問題と関連をして、もう皆さんもすでに御報告聞いておられるように、今度の家屋の大変な損失というのは、やはり新しい本土志向型の様式に、ずっと従来あったものを切りかえてきたところにも問題があったということはもうだれも認めるところなんで、ようやくやはりその問題について反省が現地でもなされておるんですよね。ついては、そういう問題について、いわゆる災害に耐え得るような住宅モデルですね、防災モデルと申しますかね、防災住宅モデル、そういうもの等を建設省としては積極的にやはり考えて、この問題に対して指導していくというあれはないんですかどうですか、そのあたりをちょっとお聞きしたい。
  183. 大田敏彦

    説明員(大田敏彦君) 台風等に対しまして十分安全な住宅建設を促進するため、とりあえず今回の災害につきましては、県当局におきまして、すでに木造住宅の継ぎ手とか仕口部分の具体的仕様の詳細な工事仕様をパンフレットにして作成しまして、関係者に対して説明会を行うなど普及宣伝に努めております。さらに、恒久的な安全確保のためには、鉄筋コンクリート造住宅建設を促進する必要があるというふうに理解しまして、鉄筋コンクリート造の防災モデル住宅につきまして標準設計の作成を急いでいるところでございます。いずれ県から御相談があると思いますので、私どもこれを十分推進してまいりたい、で、非常に成功すればぜひ全国に進めたい、こういうふうに感じております。
  184. 宮之原貞光

    宮之原貞光君 それはなかなか結構なことですので、しかし、もう現地であっちこっちで家が完全にでき上がってからではこれはまた遅いんで、早目にやっぱり本省としてはこういう考えがあるんだからということを県にも現地にも明示して、できるだけ急いだところの指導をしてもらいたい、こういうことをこの機会に要望申し上げておきたいと思います。  続きまして農業関係ですがね、農林省来ておられますか。——承知のように、あすこはサトウキビの共済制度が現在試験的にやられておりますね。やっぱり今度の災害などから出てきておるのは、本格的にもう実施してもらいたいと、こういう声が圧倒的に高いんですがね、その問題について農林省としてはどう考えていますかね。あれはことしで何年目になりますかね、もう四年目ぐらいになりませんかね。
  185. 犬伏孝治

    説明員(犬伏孝治君) 畑作物についての農業共済は、先ほどお話がございましたように現在試験実施をいたしております。昭和四十九年から実施をいたしておるのでございますが、との問題につきましては、農林省といたしまして昭和五十四年度から本格実施をしたいということで、この次の通常国会に本格実施のための法案の提出をすべく、現在検討を進めておるところでございます。幸いにして通常国会でその法案が成立いたしますれば、五十四年の四月から本格実施をするということに相なるわけでございます。
  186. 宮之原貞光

    宮之原貞光君 そうすると、ことしは大体三年目になっておるわけですね。大体いまどこどこをやっていますかね。徳之島の各町村はやっておるようですが、沖永良部の方もやっていましたかね。
  187. 犬伏孝治

    説明員(犬伏孝治君) サトウキビにつきましての現在の試験実施は、鹿児島県、沖繩県について実施をいたしております。具体的に試験実施をやっておる町村、ちょっと資料をいま持ち合わせございませんが、たしか沖永良部につきましては一町が対象になっておるというふうに記憶いたしております。なお、確認をしてお答えを申し上げたいと存じます。
  188. 宮之原貞光

    宮之原貞光君 先ほど答弁いただいたのは、サトウキビの共済制度を五十四年度から発足させると、こういう意味ですね。サトウキビをつくられておるのはそれは鹿児島県と沖繩県しかないんだから、それはわかっておるんだから、さっきの五十四年云々というのは、そういうことですね。
  189. 犬伏孝治

    説明員(犬伏孝治君) 先ほどお答えいたしましたのは畑作物についての共済でございます。それで、畑作物の中に、当然サトウキビを含めて本格実施をいたしたいと、こういう趣旨でございます。
  190. 宮之原貞光

    宮之原貞光君 そうすると、統括的に畑作物というかっこうでやるわけですね。ですから、従来問題に出ておるところのたとえばあの火山地帯と果樹は一応これは抜けておるんですね、それならば、その畑作物の中にはね。たとえばビワなど、一番むずかしいむずかしいと言われておった、それはどうなっておるか。
  191. 犬伏孝治

    説明員(犬伏孝治君) 現在果樹共済については、これは本格実施にすでになっております。その対象の果樹の種類につきましては、その共済を実施します場合の共済を掛けたいという農家の意向、いわゆる共済需要と申しておりますが、そういう共済需要、それから共済を実施した場合の損害査定の具体的なやり方、それらを検討いたしまして対象果樹を決めております。ビワにつきましては現在のところ対象になっておりませんが、ただいま申し上げましたような共済需要なり、共済を実施した場合の実行上の処理の問題なりにつきまして検討をいたしまして、実行が可能であるということになりますれば、追加して指定をするということに相なっておるわけでございます。
  192. 宮之原貞光

    宮之原貞光君 まあビワの問題——いいでしょう、これはなかなか長崎との関係もありまして。それはやっぱり掛け金をするんだからね、それぞれの当事者が掛け金するかせぬかということもあるんだから。  もう一つ、これはどこでしょうかね、つかぬ質問をするんですがね。台風襲地帯における災害防除が立法をされておりますね。これはいま生きておるんですか、死んでおるんですか。これはどこの所管になりましょう。特別措置法がございましょう、台風襲地帯の。この法律が決められておって、なくなったということは私は聞いたことないんですが、生きて動いておるのか、そのまま、生きたままでもう硬直しておるのか、ちょっとそこを聞かしてくださいよ。
  193. 四柳修

    説明員(四柳修君) 御指摘の、台風襲地帯における災害の防除に関する特別措置法というのが昭和三十三年に議員立法で制定されました。台風襲地帯におきます災害を防除するため、災害防除事業五カ年計画を策定して、公共土木施設等に関する事業につきまして特別の措置を講じて、国土の保全と民生の安定に資すると、こういうことが目的になっておりました。その後三十五年に、ただいま申し上げました災害防除事業の根幹をなします治山治水事業につきまして、これを緊急に整備するために治山治水緊急措置法が制定されました。その同法の趣旨を受けまして治山治水の十カ年計画が制定され、そういった経緯がございまして、実は三十八年の七月に常襲地帯特別措置法によって設けられております審議会の方の御答申もございまして、三十八年度以降の常襲地帯におきます災害の防除につきましては、ただいま申し上げました治山治水等の長期計画を策定しますときに十分考慮するようにと、こういったことを御答申いただきまして、結果的には、その後の各種の長期計画におきまして特別措置法の趣旨が引き継がれておるかっこうになっております。
  194. 宮之原貞光

    宮之原貞光君 そうすると、法律があって、三十八年以降一つも動いておらないということなんですがね、これはどうされるつもり。よく法を遵守する遵守すると、あなた方口を開けば言うんですがね、これはもう死んだままに置いておくんですか、それとももうつぶしてしまうという処置をとるんですか、手続を。
  195. 四柳修

    説明員(四柳修君) 私どもの方からちょっと御答弁しにくいことかもしれませんけれども、事の趣旨が議員立法でできまして、その中身の趣旨を政府の長期計画で引き受けまして、そのことにつきましても、審議会の方でもそれを受けてやれと、こういうことで実態的に引き継がさしていただいているものですから、法律の存廃の問題につきましては、やはりいろいろ国会の御意見等も参考にさしていただきたいと思います。
  196. 宮之原貞光

    宮之原貞光君 どうも納得できないのですがね。議員立法でつくれば、それはあれですか、あくまでもそれは議員さんがつくったのだから、生かすも殺すも議員さんやってくださいというのですか。議員立法でつくられたら、法律としてでき上がることはもう間違いないのだから、その法律の所管の官庁というのがあるのでしょうが。それならば、その所管の官庁でこの問題をどう対処するという問題を出すのが筋じゃないですか、行政府の。どうも、いまの審議官の話は、議員立法でつくられて自分たちは起案しなかったのだから知らぬ存ぜぬと言わぬばかりの話なんだがね、ちょっとこれは無責任だとぼくは思うのだがね。それどうなんですか、政務次官。
  197. 佐藤守良

    政府委員佐藤守良君) いま審議官の言ったとおりでございまして、やはり議員立法でございますから議員の皆さん方の御判断に従いたいという気持ちは強いわけです。ただ問題は、この議員立法の趣旨を生かして、全部に、実は治山治水生かしておるということで、十分その趣旨の目的は達しておると、このように実は理解しておるわけであります。
  198. 宮之原貞光

    宮之原貞光君 いや、だからさ、生かしておるならね、もう用がなければ用のないように処置したらどうですか、そんなら。なまじっかあるから、一体これはどうなっておるのだろう、これで生かす分野というものは、果たして今度の災害の中でないものかどうかというものを検討せざるを得ないのだ、われわれの立場から言えば。それはまたおたくに聞かなければならぬし、おたくに要求しなければならぬ立場にあるのですよ。どうお考えになりますか、その点は。
  199. 佐藤守良

    政府委員佐藤守良君) 先生のおっしゃることもある程度理解できるのですが、私は議員立法の趣旨からいきまして、やっぱり議員の皆さん方でこの問題御判断願いたいと、このように実は考えておるわけでございます。
  200. 宮之原貞光

    宮之原貞光君 しかし、そういうわけにいかぬでしょうが、それは。だって、たとえば離島振興法だって、あれは議員立法ですよ。それなら、これをまた生かすも殺すも議員さんやってくださいと、あなた方やっておるのですか。奄美振興法の問題だって、そもそもの発端はあれはやっぱり議員立法ですよ、復興法の前後は。一応、政府が提案をしようと、議員が提案をしようと、法律として制定をされ成立している以上は、それぞれのやっぱり所管の官庁というものがあるのじゃないでしょうか。それとも議員立法のものは宙に迷っておるのですか。どうもいまの発想をお聞きしていて、私はもう理解できませんがね。ただ、これは議員立法だから、議員の皆さん方の御意向というものは十分踏まえながらいろいろ検討してもらいたいという御答弁なら、私はまだなるほどと理解できるのですよ。それはもう皆さんがつくられたのですから、皆さん何とも御自由に処理してくださいではちょっとぼくはいかがかと思いますがね。それなら離振法にしてもそうされますか。都合のいいものは、議員立法であろうと一生懸命自分たちがやって、そんなどうも都合が悪い、あるいはどうも効果が薄いものは、皆さんがつくったのだから御随意にというのはぼくはどうだろうかと思いますよ、その点。特にぼくは、政務次官は両方の立場なんだから、きちんとやっぱりその点は踏まえてお答えいただきたいと思うのですよ。
  201. 佐藤守良

    政府委員佐藤守良君) 実は、議員立法で非常に生きておるものとそうでない法案がございます。それをどうするかという問題があるわけですが、先ほど私が答弁しておりますのは、先生がおっしゃるような意味で答弁を申し上げたと、このように御理解願いたいと思うわけであります。
  202. 宮之原貞光

    宮之原貞光君 まあいいでしょう、時間がありませんから。  次は、気象観測体制の問題について、気象庁の皆さんにお聞きいたしたいと思いますが、先ほどから、委員の方々からこの問題についてはいろんな角度からの質問があったわけでございますが、少なくとも今度の台風で、この気象観測のあり方については、離島におけるところの観測体制、この点のあり方が非常にやはり問題があるという点だけ明らかになったと思う。それならば、この問題についてどう具体的な改善を気象庁としては考えられておるのか、その点をまずお聞きしておきたいと思います。
  203. 有住直介

    政府委員(有住直介君) 現在もかなりの観測所がございまして、屋久島から西表島にわたりまして十二カ所の測候所や気象台、要するに地上観測網もありますし、また名瀬、南大東島、那覇、石垣等の高層観測網もありますし、また、島に地域観測網も展開中でございます。また、気象レーダーの観測も種子島、名瀬、那覇、宮古、石垣等でやっております。一日二回のノアの雲の写真というのも入りますし、ブイロボットも東シナ海とか太平洋には浮かべております。また、潮岬南方では定点観測船もやっておりますし、一般船舶からの気象通報も受けておる。また、米空軍からは台風観測機による観測などもいただくというようなことで、非常に幅広く、私どもとしては利用できるような観測は利用いたしまして予報業務に使っておるわけでございますが、先ほどもお話し申し上げましたんですけれども、予報のためということではやはりこれでも必ずしも十分でない。それが一番大きなのは、やはり洋上でございますので、どうしてもいわゆる普通の観測点ではだめだということから、数年来皆様方の御協力を得まして、ひまわりの人工衛星を上げて宇宙から常時監視するんだということで進めさせて整備をしつつあるわけでございまして、十一号台風についても、十分これはやっていけるということになりましたので、私どもこれらの整備をますます推進させていただきたいと、こういうふうに思っているわけでございます。  また、整備途中でございますアメダスの観測網というものもこれからも整備させていただきたいと、進めていきたいと、こういうふうに思っているわけでございまして、こういうものを土台にいたしまして、さらに予報の——何と申しましても予報ということになりますと、どうしても予報の技術を開発しなければなりませんので、それらをいろんな統計的な方法とか、力学的な方法、数値予報的な方法、そういうものを総合いたしまして、総合的な予報システムをつくって精度を上げたい。それで、これによって皆様に御迷惑かけないようにやりたいということで、全力を挙げているというわけでございます。
  204. 宮之原貞光

    宮之原貞光君 それは、宇宙観測とか洋上観測で予報の正確を期していきたいというのはわかるんですがね、今度の問題は、私が観測体制と、あるいは言葉の表現が悪いけれども、いわゆる観測をした、それはそれぞれの測候所から集まってみんな本庁に来るんでしょう。本庁で一つの天気図のいろんなものをかくわけでしょう、大体つくり方は。それからそれをやって、今度はそれぞれの地方気象台から測候所にみんな出していく、こういう仕組みじゃないですか、いまの仕組みは。そうすると、そのやり方というよりも、もう一つ一番問題なのは、それぞれのたとえば台風警報とかそういうものの発し方、周知徹底のさせ方、こういう問題についても今度の台風九号は非常に問題があったということをきちんと教えておるんです。そのことに対するところのあなた方の改善策とかそういうものはございませんか。私は、これは宇宙観測をやりました、洋上観測をやりましたということでは解決つかない問題だと思いますよ。ただ、気象庁としては台風がどういう進路を通っていくとかということを調べさえすればいいんですか。そうじゃないんでしょうが。それを国民にできるだけ早く知らせて、いろんな災害の問題については、最小限度にやっぱり被害をとめていくということもおたくの仕事じゃないんですか、そういう仕事、手立てを講じさせていくということは。それはどちらの仕事になりましょうか。
  205. 有住直介

    政府委員(有住直介君) お説のとおりでございまして、観測は、やはり予報の手段として観測をし、それを迅速に集めまして、それを基礎にして予報する。で、予報のためには予報技術の改善ということが必要で、予報精度を上げる。その予報ができた結果は、やはりこれを国民の皆様にお知らせしなければならない。で、今度の場合も、私ども大変御迷惑をおかけいたしましたのは、この予測が非常に甘かったためと、その情報をお送りするために時間がかかったために、現地でお受け取りになったときに大変中身が事実とそぐわない女大変御迷惑をかけた。ですから、私どもといたしましては、その情報を早く流すということのために、これからも努力していきたいと思うわけでございます。で、その予報の観測をし、観測資料を収集し、解析し、集めて予報すると、そこまでにやはり若干、一時間ないし一時間半の時間はかかるが、それからの伝達につきましては、やはりこれをできるだけ——もちろん予報作業も短くする必要がありますが、それと同時に、伝達の時間も短くしたい、そういうふうに思っておるわけでございます。で、伝達につきましては、やはり気象庁独自でというわけにもいきませんので、関係のところといろいろ協議し、御相談しながらそこの時間の短縮ということに努めていきたい、そういうふうに思うわけでございます。
  206. 宮之原貞光

    宮之原貞光君 私は、そういうような抽象的な答弁の中からは具体的な改善策というものは生まれてこぬと思うんですよ、これは。少なくとも九号台風現地の皆さんには——現地の皆さんは四、五時間おくれたと言っておるんですよ、あなたのように一、二時間と言ってないんですよ。それぐらいおくれておるというそのことは、これから迅速を心がけますということよりも、どこにやはりそういう場合に険路があったかということを、やはり皆さんが反省をし、検討してもらわなければ、迅速にやるように今後努力しますでは、また不幸にして災害起きたときにそういう答弁しかはね返ってこぬですよ。考えてごらんなさい。いまの台風情報がテレビやいろんなものを使われていくのはみんな本土中心でしょうが。それなら鹿児島の本土にいつごろ上がってくるという、そういうような形でしかない。言うならば、それ以前の、離島の皆さんにはその離島にいつごろ来るかということが的確につかまれておらない。ここに今度の場合は問題あったんですよ。私は、あなたのところのこの「異常気象速報」という、鹿児島地方局の出したのを見てみましたよ。そうしたら、なるほどそれは答弁用にはよくできておるんです。たとえばこの十一ページに、奄美地方は九日に六号が十六時三十分、七号が十九時五十分、八号が二十一時二十分、九号が二十二時二十分、十号が二十三時五分、名瀬測候所から台風云々とこう発表されたと、こう帳面づらは出ておるんですよ。なるほどそれは測候所のあるところ、名瀬付近の皆さんはそれで承知したかもしれない。しかし、残念ながら、今度の一番被害を受けたのは、その名瀬測候所のあるところの奄美本島から徳之島、もう一つの島の向こう側でしょう。その皆さんにはこれが的確に報道されておらないんですよ、これ。あるいは、ここで見ますと、今度は鹿児島の地方気象台が放送したという一覧表がある。そうすると、九日の十八時にMBCテレビ、二十一時五十五分MBCテレビ、二十二時四十五分MBC Rと、こう書いてある。けれども、残念ながらこの時刻の——いいですか、長官、永良部の皆さんは、このMBCテレビというのは聴視できないんですよ。このMBC聴視ができるのは奄美本島までなんです。まだ向こうにはNHKしかないんです。そういう皆さんに、皆さんとしては、テレビを利用し、民放を利用しさえすれば、それでうまくいっておるような錯覚を起こすかもしれないけれども、現実には届いていないんだ。だから、現地で見たところの者は、いわゆる七時のNHKのニュース、これは十六時前後の皆さんの発表のものしか見てないんだ。だから台風はまだ沖繩の方の東の方にしかない。それをもって気象庁としては、いわゆる台風気象観測の完成したものを住民の皆さんに知らせたんだからということでは終わらない。離島なるがゆえにそのままほっとけということはないでしょうが。国民一人一人の人命を大切にしよう、あるいは国民の財産を大切にしようとするならば、それぞれの地域にも徹底したところのこのニュースが流れていく、あるいは予報が伝達できるというような仕組みを、皆さんが中心になっていろんな機関と相談をして、きょうあなたが反省したところのものを具体的にどうするということがなければこれはできないんですよ。そうでしょう。そういうような問題点があるだけに、今後は短くするように努力しますでは、これは何にもならぬのですよ。もっとやはり現地の、本当に災害に苦しんでいるところの人の立場に立って、私はあなたにこの問題の処置の仕方を改善してもらいたいということを強く言いたいんですがね。何かこのことについて反論ありますか。
  207. 内田英治

    説明員内田英治君) 今度の台風は、非常にまれに見る異常な台風でございました。それで、先生の御指摘のようにいろいろの問題がございましたけれども、この沖永良部測候所には上級官署である名瀬の測候所との間に通信回線がいろいろございます。テレックスというようなものとか、SSBというもの、それから加入電話、それから、特にこのような台風が襲ってくる異常時には臨時専用電話というようなものが敷かれまして、八日の正午にはこれが敷設されております。こういうことがございましたけれども、この非常にまれに見るすごい大型のものであったために、九日の二十時にはテレックスだとか、SSBだとか、加入電話というものが、実は御承知のことだと思いますが、不通になりまして、それで九日の台風の襲来時には、八日正午に敷設されました臨時電話を使用いたしまして、名瀬の測候所との業務連絡をまあやることができました。しかし、これも二十二時過ぎには不通となりまして、十日の一時にまた復旧いたしました。そのために、途中断続したところはありますけれども、その間のいろんな情報は、また復旧したときにまとめて連絡しておる次第でございます。  それから沖永良部の測候所から町役場、知名とか和泊ですか、こういうところにあるところの災対本部がございまして、そこに伝達した情報もございます。で、それは九日分日の六時の位置、九時の位置、十二時の位置、それから十五時の位置、十八時の位置を大体一時間半以内くらいで、大体その前後で通知しております。それから警察へは先方の電話で通知している次第でございます。  そのようなことがございますので、私どもといたしましては、また現地の担当の官署では、それぞれ一生懸命やったわけでございます。
  208. 宮之原貞光

    宮之原貞光君 それは答弁にならぬのですよ、事実と違うんだから。あなたは二十二時以降通信がとだえたと言ってね、私どもが先ほどから問題にしておるのは二十二時以前の話なんですよ。二十二時というのは、もう台風が六十メートル、ああしておたくの測候所の風速計が倒されたときなんだから。それは以前において非常におくれておるというところに問題があるんですよ。それをこうやりました、こうやりましたと言うなら、それならば先ほど来、私だけじゃなくてたくさんの委員の方々から、非常におくれて現地がこのことによって大変な支障起きたということがわからぬのでしょうが。鹿児島県議会におけるところの論議見てごらんなさい、これ。沖繩では三十分置きに台風情報が流されていたのに、沖永良部では常に四、五時間おくれているところの情報台風は十日明け方に来ると思ったところに午後九時ごろに来襲した云々と、一体気象庁というのはどうしておるんだと、おたくへの非難が集中しておるんですよ、あの県議会の中でも、いろんな議事録を見ればね。これは言うならば、あなたが答弁されたように二十二時以降の問題じゃないんだ。その台風が早く来るすぐその前の話なんです。それを、いまあんたがべらべら言われたように、読み上げて、こんなに私どもはやりましたと言ったって、おたくはそれで満足されているかもしれぬけれども、被害を受けたところの人々、他の人々は、事実と違っておるんだから、それでは承服できないんですよ。現に私どもは現地調査に行った、委員会から。そのときに和泊町の教育長いわく、夕方の六時の放送の中で台風が今後ひどくなるということが予想される、しかし子供はもう帰すので、したがって、もう翌日の朝台風が大体沖永良部に来ると判断をされておるので、登校前のことがあるから、いろんな給食道具やいろんな物をいろんな所に避難させるように校長に指導したと、こういうことを私ども委員報告しました。そのことは、単に教育長だけじゃなくて、みんなして台風がこんなに早く来るとは思わなかったということを言っておるんですよ、これ。それを、異常気象であって予測できませんでしたからということでは私は済まないと思いますよ、それは。やはりあなた方の気象情報をよく知った、それをそれぞれの地域に伝達をさせるところの方法にやっぱり問題がある。そこが非常に遅かった、伝達の方法。このあり方について、あなた方が今後そういうことの再び起こらないようにいろんなきめ細かい手だてを、改善策をやるというなら私はわかりますけれどもね、いまの審議官ですか、だれかわかりませんけれども、この方のように、二十二時以前には十二分にやったようなお答えいただいたって、これは納得できませんよ。長官、いかがなものでしょうか、これ。現実にもうみんな地元の人はそれで言うんですから。
  209. 村田秀三

    委員長村田秀三君) ちょっと速記とめて。   〔午後二時四十七分速記中止〕   〔午後三時速記開始〕
  210. 村田秀三

    委員長村田秀三君) それでは速記つけて。
  211. 有住直介

    政府委員(有住直介君) 大分舌足らずであれでございましたけれども、決していまのままでいいんだということではございませんが、私どもとしては、先ほどもお話しいたしましたように、ひまわり衛星を今後とも利用体制をさらに整備していくとか、日中回線を利用して中国のデータをとるとか、そういういろいろのことをやりまして、また先生指摘のような器材等の不備というものもあれば、これも整備しながらよくしていきたい。で、予報精度を上げ、また報道、一般に対しての情報の流し方ということになりますといろいろ気象協会との協議も必要ですし、そういうところとも協議しながらより迅速にやれるようにして現在よりも精度を上げていきたい。現在、一般の予報というものは大体八十点ぐらいの点をとっているとわれわれ思っておりますけれども、台風につきまして科学的に大体何点という数字はまだ出ておりませんけれども、これも短期予報並みに精度を上げていきたいと、そういうふうに考えるわけでございます。で、非常事態の精度というものを特に上げるように私ども心がけるように努力していきたいと、そういうふうに思うわけでございます。
  212. 佐藤守良

    政府委員佐藤守良君) いま気象庁長官が言ったとおりでございまして、なかなか気象予報というのは私もよくわかりませんが、一〇〇%というのはむずかしいわけでございますが、できるだけそれに近づけるように器材等を整備いたしてやりたいというのが気象庁の意向だと思っております。そして、したがってお願いがありますのは、実は予算等をとる場合につきまして、かなりこれは緊急に整備する器材があるんじゃないかと思います。その節は、また委員会におきましてもよろしく御高配をお願いしたいということをお願いして、私は長官の答弁でいいと思いますが、よろしくお願いします。
  213. 田原武雄

    田原武雄君 特に参加させてもらいましたが、田原でございます。  私は鹿児島におりまして、少年時代から台風に対しては、もう絶えずおののいております。台風は北から来たためしはないんです、シナ海寄りに来るか、それが日本海に抜けるか朝鮮半島に行くか、あるいはまた二百十日の厄日をもって、二百十日、二百二十日、直撃するかあるいは太平洋岸を秋台風は北上するか、例外はあってもそのように。大体終戦後の統計でも、多いときは二十七、八回、少ないときは十数回、平均二十回余りが参っておるわけです。そのたびにおののいているわけです。で、本土には前衛基地、前哨基地もあるわけですから。沖繩は、復帰は遅かったけれども海洋博の大幅な資本投下あるいは米軍がたむろした関係等で大変いろんな整備ができたんです。ところが、その中間にたむろする飛び石伝いの奄美は復帰後の復興もおくれているし、非常に設備が不十分でおののいているわけです。沖繩情報が伝えられなければわからぬような奄美では、先に復帰して損をしたという声が高いわけです。そういうような中で、ぜひひとつ、いまの財政不如意の中で一遍にはいきますまいが、四年なら四年と、五年なら五年と立てて、そして気象庁の長官だけの問題ではなくて国家の問題として、南方から来るんだから前進基地に強化されたらどうですか。そうしてはっきりと投下してもらって、ひとつ政府を挙げて取り組むという姿勢にしてもらわぬと、人命尊重はハイジャックでも地球よりも重いということで百五十七、八名の人間に莫大な金を投ずるんだが、ここに二十万の人間がたむろしておるんですがね。そういうことを考えて、思い切ってやってもらわにゃいかぬ。  私は、委員長からも発言しろということでございましたけれども、前の自民党の会で地元の保岡先生等も含めて申し上げましたので、気象庁長官の発言もお聞きしましたので遠慮申し上げておりましたけれども、そのときの発言よりも、御答弁よりもやや後退しておるんじゃないかと、慎重過ぎるんじゃないかと。やはりこういうことは、人命尊重、地球よりも重いわけですから、そういうことを考えて前進基地をつくってほしいと特にお願い申し上げます。これはもう特別な発言を委員長から許可されましたので、遠慮申し上げておりましたけれども、特にひとつ政務次官もおいででございますので、思い切ってひとつやってもらいたい。そうしてもらわぬと、これはこの問題が一番大事ですよ。私はあのような超低気圧の台風が来て、なれ切っておるから、お年寄りが、八十、九十も近い人たちがソテツの中に、馬小屋のブロックの中に一晩じゅう曲がっておって、そうしてもう逃げようと、まだ逃げる余力を持ってみんながしたけれども、今度は逃げる途中で車がひっくり返ってやっておるわけです。もうガラスが飛ぶ、あるいは板切れが飛ぶ、ブリキが飛ぶ、そして二針以上縫った者が千名ですからね。そういうことですから、これがなれ切っておる、言うなれば、いい意味では訓練された人たちですから死者が出なかったけれども、大変なことです。もう少しく——日本列島の中でも台風の損害から免れるようにしておりますけれども、たまたま奄美の人たちも、これね地球より重い人というのが住んでいるわけですから、ひとつ政務次官もおいでですし、長官もおいでですから、思い切ってひとつ国の責任でやってもらいたい。このときやらないと、検討する検討するじゃいつまでやってても百年河清です。特に御要望申し上げます。答弁は要りません。
  214. 宮之原貞光

    宮之原貞光君 いま田原委員の方からも発言がありましたから、私はこれ以上申しませんが、先ほど来私は気象観測問題で申し上げておるのは、これは長官はけしからぬと言っておるのじゃないですよ。これは皆さんが本当に不眠不休で台風の晩に非常にやっておられることは認めておる。しかしながら、やっぱり完全じゃなかったので、今度の台風をいい反省としてどういう点を具体的に改善をしようと思っておられますかと、このことを私は先ほど来やっぱりしつこくお聞きしておるのですから、その意味を間違わないようにしてくださいね。それは私どもも年食っていますから気象観測が一〇〇%当たるなんてだれも思っていませんよ。当たらなかったからけしからぬと言っておるのじゃないです。しかし当たらなくても、やはり予報をできるだけ早く出していくといういろいろな方法というものもやっぱり改善されなきゃならぬ問題があるわけですから、その面を私はやはり強調しながらこれを改善をしていただいて、よりこういう事態を再び起こさないようなやっぱり手だてを努力してもらいたいと、こういうことを申し上げておるのですからね、その点はひとつ御理解いただきまして、そうむくれないでひとつうんとまたがんばっていただいて改善の努力をしてもらいたいと思うのですよ。  それでもう一つ、実はこのことでお聞きしたいのですが、これ九月二十四日の朝日新聞の夕刊ですね、お気づきだろうと思うのですが、「コンピューターは当てていた 台風九号の進路 固定観念にとらわれて気象庁、数値活用せず」という見出しで、大分今度の九号台風の問題について、日本で二番目と言われるところの大規模のコンピューターではじき出されたところの予想数値を十分活用し切れなかったという記事があるんですが、私は専門家でないですからわかりませんけれども、このことについても、これは気象庁一言あってしかるべきじゃないかと思いますが、これはどういうことなんでしょう。このコンピューターと皆さんの長年の勘といろいろ組み合わせながらやられると思うのですがね、ただこういうふうに新聞ででかでかと載っておるので、ちょうど災害関係の問題でしたからね、私も関心をとめてこれ見ておるのですが、この点何かありますか。
  215. 内田英治

    説明員内田英治君) 台風の進路予想をいたしますにはさまざまな方法を用います。それでいま先生の御指摘のあったコンピューターを使って数値的にはじき出すという方法もございますし、この中にはまた細かに分けますと、いろいろ統計的に考える方法と、それから現状の気圧分布、これをもとにして考えるコンピューターの方法もございます。そのほかさまざまの天気図、それからもちろん先ほどから話が出た気象衛星のデータ、それからレーダーによるところの台風の目の観測など総合いたしましてやるんでございますが、今度の九号台風は非常にまれな台風でございまして、非常に迷走といいますか、まれなコースをとるために非常に苦労したわけでございます。それで、コンピューターを参考にいたしますときに、ある方法はいろいろ使える段階にございますが、台風が非常に迷走いたしますと総合的に判断するのに非常に苦しむわけでございます。今度の場合には、太平洋高気圧が非常な張り出しを見せたことと、それから偏西風が異常に北の方に上がったことのために台風は変なコースをたどりましたけれども、どのようなときにどのようなコンピューターの結果を使うかという判断のところでいろいろと御心配をかけ御迷惑をおかけしたと思います。今後このような技術の改善ということにつきまして、また情報の内容をどのように改善してお伝えするか、そういうことにつきまして真剣に内部でも検討し、改善に努めたいと思っている次第でございます。
  216. 宮之原貞光

    宮之原貞光君 気象関係はこれぐらいにしておきましょう。  最後に、これはどこになりましょうか、上水道施設の問題との関連ですが、これは御承知のように、奄美の中には三つの島が、ちょうど沖永良部と同じようにサンゴ礁の隆起島ですから、やはり飲料水は地下水なんですよね。それだけに、地下水が常時くみ上げられて飲料水に使われているというのが実情ですから、したがって、やはり台風の場合に停電をしちゃうと水がとまっちゃうということになっていくだけに、自家発電の施設を早急に整備をしたいので財政的な財源措置というものをぜひともやってもらいたい、こういう強い要請がこれはもうそれぞれの地域から強く出ておる問題なんですが、恐らく次官も現地調査されてそのことをお聞きになったと思いますし、これは関係省庁としては、この問題について具体的にどう改善しようとお考えになっているのか、そのことをお聞かせいただきたいと思います。  なお、それ終わりましたら、先ほど農林省の方の関係の答えが少し残っているようですから、あわせてお願いをして終わりにしたいと思います。
  217. 犬伏孝治

    説明員(犬伏孝治君) 先ほどサトウキビの共済の試験実施対象地域につきまして、手元に資料がなく大変失礼をいたしましたが、現在の対象地域といたしましては、沖永良部島におきましては和泊町で実施をいたしております。なお、他の離島につきましては、徳之島、それから種子島におきまして四ヵ町村で実施をいたしております。  以上、追加して申し上げさしていただきます。
  218. 四柳修

    説明員(四柳修君) 大変連絡不十分で恐縮でございますけれども、担当の厚生省の水道課長が、実は恐縮でございますけれども、御連絡がなくてもうしばらくおくれてまいりますものですから、そこら辺のところを委員長の方でよろしくお願いいたします。
  219. 宮之原貞光

    宮之原貞光君 また後からだれかの質問で……。どうも済みませんでした。  終わります。
  220. 和泉照雄

    和泉照雄君 先ほどから気象庁長官にいろいろ宮之原先生の方から丁々発止の質疑があったようでございますが、ちょっとお尋ねしますけれども、鹿児島県の方から気象庁の方と福岡管区気象台、鹿児島地方気象台の方に、出す方の予報が非常に不正確である、それを精度を上げてもらいたい、回数を頻繁に出していただきたい、予報を、要するに観測されてから予報を出すまでの時間をきわめて短縮してもらいたい、こういう三つの要望がたしか出されておると思いますけれども、お手元に来ておりませんか。それをまずお聞かせ願いたいと思います。
  221. 有住直介

    政府委員(有住直介君) 来ております。
  222. 和泉照雄

    和泉照雄君 来ておりましたら、先ほどのああいうもたもたしたことは私は起こらぬのじゃないかと思います。現地の方がもう本当にいろんな情報をとって、そしてそういうことを早急にやってくださいと。この問題はもう十数年前からの、離島を本当にもう少しあたりまえの扱いをしてもらいたいということを要請をされておるわけでございますから、これは先ほど田原委員の方からもお話があったとおり、格段の、こういう委員会になって後ろ向きになったということが言われるようなことでは私はならないと思いますから、前向きでひとつやっていただきたい、このことを特にお願いをしておきます。  それから、厚生省の方にちょっとお尋ねしたいんですが、資金の問題で先ほど調査団の方からもお話がありましたが、災害援護資金という制度があるようでございますけれども、私たちが災害の直後行ったときには、やはりこの災害援護資金というのを大いにPRして活用をした方がいいんじゃないかという感じを受けたんですが、先ほど資金が非常に足らないというような御報告があったようでありますが、今回のこの台風災害で何件、幾らぐらいの延べの金額になっておるか、それをお聞かせ願いたいと思います。
  223. 山内豊徳

    説明員(山内豊徳君) ただいまの災害援護資金の貸し付けについて御答弁申し上げますが、現時点で、県当局から電話連絡を受けましたところでは約百四百件の申請を受けておる状況でございます。これが大体貸付要望額にしまして約九億二千万をちょっと超える額でございまして、恐らく御指摘の点は災害直後のことであったと思いますが、現段階で私どもの判断では、これに対する手続的な面を含めて県当局が市町村を通じまして精力的に仕事を進めておりますし、また、若干資金交付の問題ございますけれども、これ自身を金額の枠の点から査定するようなことはいまのところ考えておりませんので、御質問の点につきましてはいまの数字をもって御答弁さしていただきたいと思います。
  224. 和泉照雄

    和泉照雄君 実はこの制度は、もう御承知のとおり、県が三分の一、国が三分の二、そうして利息の率が三%、据え置きが無利子で三年間、償還が十年ということで、所得制限は百八十五万、それ以下の方々ということになっておりますが、奄美の方々は非常に該当者が多くて、一千四百件ということでは、まだ原資が相当にあればこちらの方の借り手は非常に多いんじゃないかと思います。聞いてみますと、たしか県には五億円ぐらいの資金の枠しかないような話でございましたので、この点もひとつ調査をしていただいて、住民の方々の要望に応ずることができるようにしていただきたい。それから、県も町も余りPRしたがらぬのですよ。というのは、私たちの邪推かもしれませんが、県が三分の一持ちますので、余りこういう貸し出しをしてもらうと非常に県も困るんじゃないかと、こういうようなことがあるんじゃないかと思います。そういうことで、そういうPRについても国の方からひとつ県、町に特段の御指導を賜れば非常にいいんじゃないか、こういうように思います。  それから、文部省の方にお尋ねをしますが、今回の沖永良部台風は、文部省関係公共施設が大分大きな傷みをしておったようでございますけれども、災害調査にだれかを派遣をされていろいろとお調べになったと思いますが、これについての御所見はどういう御所見であったか、まずそれを聞かしてください。
  225. 大井久弘

    説明員(大井久弘君) 学校は、多数の児童、生徒を収容し、また災害時には地域住民の避難場所に指定されるということが多いという実情から、文部省といたしましては、従来から学校建物の防災対策としては不燃堅牢化を図るということが最も効果的な措置ではなかろうかという見地から、木造危険建物の鉄筋コンクリート化を図るということに努力をしてきたわけでございます。今回の災害、特に沖永良部島につきましては、小中学校の建物について見ますと約九七%の建物が鉄筋コンクリート造になっているということから、被害住宅等被害に比べまして比較的少なくて済んだのではなかろうかというふうに考えております。ただ、一部鉄骨造の体育館の屋根が吹き飛ばされたり、あるいは木造の軽微な倉庫などが倒壊したりというようなことがございました。
  226. 和泉照雄

    和泉照雄君 もうちょっとよく調査をしていただきたいと思いますが、特に和泊中学校の体育館を見たときに手抜きがあったなということがすぐ素人目でもわかるぐらいの、台風襲地帯でございますから、要するに天井の裏側が全部暴露しておるわけでございます。こういうようなことで非常に粗雑な、手を抜いた、それこそ天井つるについても、そこらあたりにある足場を臨時に打ちつけて、それにぶら下げておるようなそういう状態とか、あるいは屋根が一枚のトタンでただ被覆されておったと、そういうような状態等があからさまにわかったわけでございますが、そういう御所見はなかったものか。  それからまた、ああいう台風襲地帯にほとんどサッシを使っておりますので屋根が飛んで、それでガラスが割れて、今年も七月ごろ落成を終えた町立の体育館もこっぱみじんにやられておりましたが、ああいうような町立の体育館は、これは町民の避難のよりどころでございます。そういうところがもうこっぱみじんにやられておるということについて、皆さんの建築基準についてもうちょっと上乗せをしなければならない。たとえばガラスが割れる、そういうことを防ぐためには、サッシの雨戸をつけさせるとか、あるいは屋根の部分はもう少し堅牢に上積みをさせるとか、こういうような建築基準の上乗せをしなければならないとか、そういうような御所見はなかったものか。それについてそういうような御所見があったとしたら、今回の台風によって起こったそういう災害個所は改良工事をしなければならないのではないかという意見もなかったかどうか、その点をお答え願いたいと思います。
  227. 大井久弘

    説明員(大井久弘君) 御指摘の、風害等に対する学校建物の構造設計上の一般的な基準ということにつきましては、建築基準法あるいは同施行令によって詳細な規定がなされておりまして、設計をなされる場合にはそういった規定に従ってやるということがたてまえになっているわけでございます。文部省といたしましても、まあ不燃堅牢化を図るとしつつも木造の校舎などは非常に風害が受けやすいというようなことから、従来から日本工業規格といたしまして木造校舎の構造設計標準というものを定めましてこれの普及に努めてまいったということがございますし、また別途に学校施設設計指針というものを定めまして、従来から風水害に対する留意事項等について指導をしてまいってきているわけでございます。御指摘の体育館の屋根の問題につきましては、これは実際の詳細な部分についての設計をどうするかという問題でございまして、こういった問題につきましては、従来から設置者の自主的な判断にゆだねてまいってきておりまして、具体的な詳細にわたってまでの指導ということは特にしてきてなかったというのが実情でございます。しかしながら、今回の災害を契機といたしまして、やはりそういった部分につきましても、留意事項につきまして指導すべきではなかろうかというふうな考えを強くしておるわけでございまして、実際の復旧に当たりましてどうするかということについては、若干の改良部分も含めまして指導してまいりたいというふうに考えている次第でございます。
  228. 和泉照雄

    和泉照雄君 特に最近はサッシ窓の普及ということで、居住性ということ、照明が明るくありたいということで非常に使われております。そういうことで今回は、住家の周辺に昔はガジュマルという防風林があったり、あるいはまたサンゴ礁の壁があったりしたことが取り払われたということでも、住家の非常な大きな災害の原因になっておるようでありますけれども、そういうような公共建物に屋根が飛んできてガラスが全部壊れて、そして吹きつけられて天井が落ちてというようなそういうかっこうになっておるようでございますので、どうしてもやっぱりサッシの外側に——アルミの雨戸がいま開発されておるようでありますが、ああいうことぐらいはつけさせるような改良はぜひやっていただきたい。これは余談でございますが、気象庁のおくれた功名といいますか、気象情報がおくれたもんですから、あっという間に台風が来たので、ああいうような公共施設に避難ができなかったから死者が出なかったわけですよ。その点はそういう一つのハプニングみたいな功名でございますけれども、しかし正規の状態であの中に相当な町民が退避しておったら死者が出たんじゃないか、ガラスがものすごく飛散をしておりましたから。そういうことを考えますと、どうしても雨戸のそういう補強の上乗せは今度改良でぜひやってもらいたい、こういうように思いますから、その点をひとつよろしくお願いしたいと思います。  それから、ああいうような昭和四十二年に竣工した体育館でございますので、もう業者にどうこうということを言うのも酷かもしれませんが、やはりあのような施工をやった業者はひとつチェックして、いろいろ調べられて——私たちか見たときにはこれは手抜きだなと、もう一般の方々もこれは手を抜いておるなと、こんな壊れるのはあたりまえだと言われるような粗雑なそういう体育館の屋根裏でございましたので、そこらあたりはもうちょっとお調べになって、そういうような不正な手抜きな工事があったとしたら厳しくやはり注意をしておくことが大事じゃないかと、私はこう思いますので、この点も御要望をいたしておきます。  次は、航空局の方いらっしゃいますか。——奄美大島の方には東亜国内航空が就航されておるようでございますが、この九月の九日の夜半に台風が直撃をしたわけでございますが、ですから、明くる日の十日の午前中、これはたしか欠航便があったと思いますが、その欠航便は何便沖永良部に飛ぶべき便が欠航されたのか、そしてまた、たしかいろいろな方々から強くその会社は要望をされまして、どうしても臨時便を出してもらいたいというようなことで、数日後に臨時便が何便か出たと思いますが、いつ何便臨時便が出たか、その点をお知らせください。
  229. 松村義弘

    説明員(松村義弘君) 九月十日、当日でございますが、午前中鹿児島発奄美経由沖永良部に行く便が一便欠航してございます。なお、十日の午後に鹿児島から沖永良部へ直行する便は、これは回復して飛んでおります。  それから二番目にお尋ねの件は、臨時便の運航がどのように行われたかという点でございますが、九月十一日に二便、九月十四日に三便、それから九月十五日から十八日まで一日一便、総計しますと九便臨時便が飛んでおります。
  230. 和泉照雄

    和泉照雄君 そこで、航空局に要望もしまた決意のほどもお伺いしておきたいのでございますが、会社は営利本位でいろいろやられるということは、これはもう当然かもしれませんけれども、奄美大島に就航していろいろお世話にもなっておりまして、またそこが非常な災害を受けておる、しかも欠航便があったということであれば、機材の避難ということ等で早急にはできないにしても、やはり積極的に臨時便を出すぐらいの姿勢というのは私は大事じゃないかと思います。ところが、大体もう九月十日の十五時三十分には一便飛びました。明くる日にすぐ臨時便を数便出していただけば非常に復興も順調にいったんじゃなかろうかと、このように思うんです。私も向こうの方に強く要請をしましたところが、たしか一便が欠航しておれば五十名ですね、YSは五十名でしょう。
  231. 松村義弘

    説明員(松村義弘君) 六十四名です。
  232. 和泉照雄

    和泉照雄君 六十名——そうしたら、その方々飛べないんですから、もうすぐ臨時便をぱっと計画をされて発表してくださればみんな落ちついておるわけでございましたけれども、なかなか臨時便は出ない、こういうことで強く要請をしたところが、三十名要請がなければ臨時便は飛ばしませんと、まるで、自分がお世話になって飛んでおるところが、人ごとみたいな、そういう答弁が返ってきたわけで、また私も少し厳しく言いましたけれども、明くる日一便だけ出たんですよ。そうしたところが、島民の方、人手が足らない、親戚の出かせぎした人たちはみんな帰りたい、船はなかなか出ない、そういう対応の仕方が非常に鈍いんですね。まあ営利本位であるということが先に出て、そういうような非常事態に対応するという、官民一致してやっていかにゃならぬという体制が東亜航空には非常に欠如しておったんじゃないか。もう毎年毎年、台風襲地帯でございますから、こういうような航空会社に対する御指導をどういうふうに考えていらっしゃるか、またいまからどういう御指導をされるつもりか、お答えを願いたいと思います。
  233. 松村義弘

    説明員(松村義弘君) 航空局の指導方針としましては、災害が起きて相当ダイヤが乱れる、また特にこういう離島関係におきましては、足の便が全然なくなってしまうような特殊事情がございますので、そういったときには積極的に臨時便を出してダイヤ回復を図るように、それから島民の皆様の利便を図るように指導をしております。  なお、先生指摘の十一日の臨時便につきましても、うちの方で調べたところ、会社側から事情聴取をしたんですが、機材の余裕がなかったというのが結局対応できなかった原因じゃないかと思います。と申しますのは、鹿児島を基地にして離島関係の航空路を維持しているんですけれども、五機しかございません。五機でもって七つの島に対する定期航空路を確保しているわけでございます。で、臨時便を出すためにはどうしても大阪から新しい機材を持ってこなくてはいけない、そのために時間がかかって対応が多少時間的におくれたというような事情があったと思います。
  234. 和泉照雄

    和泉照雄君 そこの対応の仕方をいま少し機敏にやっていただきたい。明くる日は強く要望したらすぐ出しておるのですから、欠航便もあるわけですから、機材はたしか常駐しておるものが二機あるように聞いておりますけれども、そういう点を、やはり緊急なときでございますから、強くひとつ指導していただきたい。いかがですか。
  235. 松村義弘

    説明員(松村義弘君) 先生の御趣旨を体しまして今後も強く指導してまいりたいと思います。
  236. 和泉照雄

    和泉照雄君 先ほど文部省の方に私は要望いたしておりましたが、ひとつ回答をお願いしたいと思いますので、答弁をお願いします。
  237. 大井久弘

    説明員(大井久弘君) 風害に対しまして学校建物の細部、具体的な設計内容についてどうするかというようなことにつきましては、十分今回の災害に照らしまして原因の検討をしますとともに、その方法につきましては地元に対しまして十分指導してまいりたいというふうに考えております。なお、技術的な基準その他につきましては関係省庁、建設省などと十分協議してまいりたいというふうに思っておる次第でございます。
  238. 和泉照雄

    和泉照雄君 次は、防衛庁の方いらっしゃいますか。——今回の沖永良部台風については、防衛庁の方々は向こうの沖永良部の五五警戒群というんですか、大山基地の方々がすぐ明くる朝、十日の朝ですが、駆けつけて救援体制に入ってくださったり、あるいはまた沖繩の第一混成団からヘリで飛んできていただいて、約六十名の方々が救援作業に十日の日の昼からお入りになっていただいたり、あるいはまた裏港がないために資材が揚げられなかったということで自衛隊輸送機C1を使って徳之島から資材をどんどん運んでくださったということは島民がひとしく感謝しておるわけでございます。そこで、自衛隊法の第八十三条と百条に災害派遣ということと民生協力ということが規定をされておるようでございますけれども、自衛隊発足以来いままで何件、延べ何人ぐらい——今回の場合は約八日間延べ千七百人ぐらいいろいろ働いてくださったということでございますけれども、いままでの件数と延べ人員、これをひとつお知らせ願いたいと思います。
  239. 児玉良雄

    説明員(児玉良雄君) お答えいたします。  五十一年度までの数字でございますが、これまでに災害派遣を実施しました件数は一万一千六百二十八件、三百七十一万人でございます。
  240. 和泉照雄

    和泉照雄君 今回の沖永良部の場合はヘリでいらっしゃったということで、ほとんど機材の重機材みたいなものはお持ちでないようでございますが、いままでの災害派遣の場合等を見てみますと、大抵円匙で手掘りみたいな災害の救助作業が多いようでございますけれども、普通科連隊をずっと見さしてもらいますと若干の施設機材というものはお持ちのようでございますが、特に今回台風が上陸しました鹿児島県を初めとして九州というところは台風の常襲地帯でございますけれども、こういうような災害派遣そしてまた民生協力をおやりになる場合のいろんな施設機材というものは、陸上自衛隊の中で特別に西部方面隊はこういうような災害対策のための機材を持っておるんですよという、そういうような特殊性があるかどうか、そういう点についてお聞かせ願いたいと思います。
  241. 児玉良雄

    説明員(児玉良雄君) お答えします。  現在、九州方面の施設作業能力のあります部隊は、師団及び混成団の普通科部隊、施設部隊、それから施設団、第五施設団という部隊を持っております施設部隊等でございまして、これらの部隊は、それぞれこの方面における地域の特性などを考えまして、方面隊区内で災害が発生した場合には、できるだけ迅速に対処し得るように配置を行っております。これらの部隊が持っております装備は、油圧ショベル、ドーザー、バケットローダー等でございまして、まずこれらの部隊が対処いたしまして、不足であれば他の方面隊から速やかに応援して災害に対処するという考え方であります。
  242. 和泉照雄

    和泉照雄君 まあ災害が起こって、やはり初動が非常に大事だと思うんですが、災害が起こって、ほかの部隊から救援をもらって、装備もそういうような補強をするというようなことではちょっと間に合わぬのじゃないかと、こういうように思います。そういうことで、普通科連隊あたりを見ても、現在、もうほとんどの建設会社あたりが持っておるような、油圧ショベルというんですか、ああいうやつは当然最小限の装備として備えつけるべきじゃないかと私は思うんですが、ここらあたりはいかがお考えですか。
  243. 児玉良雄

    説明員(児玉良雄君) 災害派遣に使います施設機材、御指摘の油圧ショベル、ドーザー、その他の機材につきましては逐年整備を進めております。今後ともその装備の充実に努めていきたいという方針でおります。
  244. 和泉照雄

    和泉照雄君 ぜひそういうふうに前向きでひとつ、やはり愛される自衛隊になるためには、災害派遣とか民生協力は積極的に今後もやっていただかねばならぬと思いますので、そういうような装備の点でひとつ充実をしていただきたいと思います。  で、今回、特に初動のときの県の現地状態を把握するための調査委員派遣で、海上自衛隊の鹿屋基地のヘリコプターでは大変お世話になりましたけれども、ここでお世話になって文句を余り言えないわけでございますが、搭載人員が少ないということと、航続距離が短いので、名瀬空港でまた途中で給油をしたと、そして飛んでいって三時間もかかったと、こういうようなことがありますので、まあ教育用、練習用のヘリコプターであったようでございますけれども、いま陸上自衛隊が使っておりますV107Aという、二つプロペラの大型ですね、こういうようなものも、特に鹿児島県というところは守備範囲の中で非常に台風襲地帯離島も多い関係がございますので、海上自衛隊もそういうような装備を持っていただいた方がいいんじゃないかというふうに、欲な私は要望でございますけれども、その辺はいかがでしょうか。
  245. 児玉良雄

    説明員(児玉良雄君) ただいま御指摘の件は、沖永良部被災状況を視察調査するために、鹿児島県知事の要請を受けて、鹿屋にあります海上自衛隊の教育航空群がHSS2というヘリコプター二機を派遣して、県の職員を沖永良部まで輸送したということを指しておられるかと思います。で、この件につきましては御指摘のような時間を費やしたわけでございますが、現在、鹿屋には対潜部隊であるとか、教育部隊であるとか、救難部隊がおりますが、それらの部隊の任務に必要な装備を持っておりまして、ヘリコプターにつきましては、HSS2ほか三機種持っております。部隊の配置につきましては、教育訓練であるとか、民生協力であるとかというようなことも考慮に入れて全国的に均衡のとれた配置をとるということでございまして、ヘリコプターの機種について検討を進めてまいりたいと思いますが、現在のところ鹿屋にV107、——バートル107その他の機種を配備する計画は持っておりません。持っておりませんが、災害派遣の要請があった場合にはできるだけ協力をしてまいりたいと思っておりますし、また災害派遣の体制についても検討をしてまいりたいと思っております。
  246. 和泉照雄

    和泉照雄君 やはり二百海里ということやら、海上自衛隊の任務自体が制限を受けることはわかりますけれども、災害派遣という、自衛隊法にあるわけでございますから、そういうことでああいうような航続距離が短い、しかも非常にスピードがのろいという、搭乗人員が少ないという、そういうようなこと等も考えて、やはりそこらあたりは装備の前向きな転換をしていただくことが大事じゃないかと思いますが、もう一点この点をお答え願いたいと思います。
  247. 児玉良雄

    説明員(児玉良雄君) 機種については、今後とも民生協力等考慮に入れまして検討を進めてまいりたいと思います。
  248. 和泉照雄

    和泉照雄君 最後に、郵政省の方お見えでしょうか。——実は先ほど気象庁の方とのいろいろ質疑が交わされたわけですが、気象庁の方は出す方でございますが、あなたの方は送る方のいろんなことをするNHKの方の監督指導されるわけでございますが、中波ですね、ラジオの、特に九州は台風襲地帯でございますから、難聴の地域は何カ所あるのか、これをまずお答え願いたいと思います。
  249. 大竹利男

    説明員(大竹利男君) お答え申し上げます。  九州地区でどのぐらいな難聴のところがあるかという御質問でございますけれども、これは何カ所という表現が大変むずかしゅうございます。中波放送は御承知のとおり昼と夜とでサービスの状況がかなり違いますけれども、昼につきましては大部分の地域についてほとんどNHKの放送によってカバーされております。ただ、夜間になりますと、大陸からの混信がございますので、夜間のサービスというのは昼に比べてかなり悪い地域があると。大変抽象的でございますけれども、そういうふうな様子でございます。
  250. 和泉照雄

    和泉照雄君 端的に、それなら、時間もございませんから、じゃ沖永良部島は、たしかNHKの鹿児島放送局の管轄の名瀬中継所あるいは徳之島中継所のサービスエリアの中に入っておるかどうか、その点をお答え願います。
  251. 大竹利男

    説明員(大竹利男君) お答え申し上げます。  NHKの薩南諸島と申しますか、こちらの方面に対しますサービスは、鹿児島、それから名瀬、徳之島、それから沖繩に行きまして那覇、ここに局を置きましてサービスをしているわけでございます。大部分の島につきましては昼間は少なくともカバーされているわけでございますけれども、局地的にはまだ十分サービスされていないというところがございます。沖永良部島の場合には、残念ながらまだ十分カバーされていないというところに入っております。
  252. 和泉照雄

    和泉照雄君 まだ十分カバーされてないどころじゃなくて、サービスエリアの中に入ってないですよ、これは。ですから出した方の、遅い、不的確であるという責任もありますけれども、送る方のあなた方の方も、停電になったらほとんどの方中波持っておるんです。FMを持っておる方はほとんど限られた人たちでありまして、そっちの方々は的確に情報を聞いておるわけです。ところが、AMの方はたしか名瀬の中継所が一キロワットですか、そしてあの本島だけであります。徳之島の方は何と百キロワットですよ。だから沖永良部はラジオを聞こうと思っても聞こえなかった。大事な転換点の放送もそういう資料は出ておったけれども聞こえなかった。あなた方の方にも責任があるわけですよ。気象庁だけでありません。郵政省もNHKもそういうような沖永良部というものは、これはだれも論じておりませんけれども、あなた方の方にも大きな責任があると思いますが、これを難聴のそういうような区域から外して聴取できるような状態に改善を指示されるおつもりがあるかどうか、それをお聞かせ願います。
  253. 大竹利男

    説明員(大竹利男君) お答え申し上げます。  おっしゃいますとおり、沖永良部島はサービスができておりませんけれども、これにつきましてこれからどういうふうに救済をしていくかということは、当然これから検討してまいりたいと思います。具体的にこのサービスをいたしますためには、この沖永良部島に中継局を置くか、あるいは周辺の局の電力を大きくして沖永良部島をサービスするかという方法が考えられますけれども、これは御承知のとおり来年十一月に国際的な周波数の再編成がございますので、その事情なども考慮いたしまして今後検討してまいりたいと思っております。特に台風の多いこの地域でございますので、この点は十分検討してまいりたいと思います。
  254. 和泉照雄

    和泉照雄君 ありがとうございました。
  255. 渡辺武

    渡辺武君 午前中の質問の中で、中小企業災害については激甚災が適用されるということをおっしゃっておられましたが、これによって中小企業に対してどのような助成措置がとられることになるのか、それからもうすでにやっているとすればどういうことをやっておられるか、まず伺いたいと思います。
  256. 村田秀三

    委員長村田秀三君) 質問の趣旨わかっていますか。——どなたか答弁ですか。
  257. 佐藤守良

    政府委員佐藤守良君) 四柳審議官お答え申し上げます。
  258. 四柳修

    説明員(四柳修君) かわって御答弁申し上げます。  中小企業関係でこの台風九号の激甚災指定になりますと、たしか午前中の御答弁のときに、十二条につきましては信用保険の特例は適用にならないということを大臣の方から御答弁申し上げましたけれども、これは被災地域の経営資金の借り入れについての債務保証の問題でございますけれども、保証業務につきましてはここは奄美の振興基金がやっていますので、実質的にはそちらの方でやりますけれども、それ以外の十三条の設備近代化資金の償還期間の延長ですとか、あるいは一般的に行われます商工中金等によります低利融資とかそういった措置が行われます。
  259. 渡辺武

    渡辺武君 その十二条ですね、この中小企業信用保険法の特例として、災害関係の保証については付保限度額を別枠として設けるとか、普通保険のてん補率を百分の七十から八十に引き上げるとか、保険料率を三分の二引き下げるとか、こういう措置は奄美諸島振興開発基金ですか、これでやるという意味ですか。それとも開発基金の方ではやらないということですか。どっちですか。
  260. 四柳修

    説明員(四柳修君) 他の地域と違いまして、他の地域の場合には……
  261. 渡辺武

    渡辺武君 沖永良部島の話をしているのだから……。
  262. 四柳修

    説明員(四柳修君) 沖永良部島につきましては、振興基金の方でやります。
  263. 渡辺武

    渡辺武君 それからいま御答弁のありました十五条関係ですね、商工中金の金利を三%にするという措置ですね、これは商工中金は三%ということなんだが、国民金融公庫中小企業金融公庫についてどうなるのか、まさにあの沖永良部島では国民金融公庫あたりからの融資を受ける方々が非常に多いのじゃないかと思うのですね、規模から考えて。私の記憶しているところによりますと、この措置は閣議決定があれば、国民金融公庫にも中小企業金融公庫にも三%の利率を適用できるということになっていると思いますがね、その点、どうなのか。それからもし閣議決定でできるならばこういう激甚災の適用という条件のもとですから、やはりその措置をぜひ講じていただきたい。その二点を伺いたい。
  264. 四柳修

    説明員(四柳修君) 御指摘の点につきましての特別被害者につきまして、閣議決定でそういうような措置をできるかどうか現在検討中でございます。通常の場合にはそういう措置が該当しますと閣議決定によって措置いたします。
  265. 渡辺武

    渡辺武君 ですから、その特別被害者という概念がちょっとわからないのだが、今度の沖永良部島のこの災害で、中小企業関係については激甚災の適用が当然できるわけですね。ですから国民金融公庫中小企業金融公庫についても三%の税率適用をすべきだと思うのですがね、その点を明確にお答えいただきたい。
  266. 四柳修

    説明員(四柳修君) 被害額と所得額との比較によりまして、特に被害の著しい方々につきまして三%という形での特に低利なものを措置するということでありまして、そういった点につきましても基準がございますものですから現在調査中でございまして、該当する方々につきましては当然その部分が適用になると思います。
  267. 渡辺武

    渡辺武君 念のために、その基準をちょっと聞かしてください。
  268. 四柳修

    説明員(四柳修君) 三%の特利が適用になります特別被害者の場合には政令の三十二条の二の規定によりまして、事業所または主要資産の損失額が被害時価額の七〇%以上または前年の事業総収入の一割以上、こういう方々が該当することになっております。
  269. 渡辺武

    渡辺武君 そうすると、激甚災の適用があればほとんどそれ適用できそうじゃないですか、一割といったら。どうですか。
  270. 四柳修

    説明員(四柳修君) 調査いたしまして、非常に被害が激しい場合には大多数の方々がそれに該当することがあろうと思います。
  271. 渡辺武

    渡辺武君 それじゃ、それ、ひとつぜひ適用できるように努力していただきたい。政務次官、その辺どうですか。
  272. 佐藤守良

    政府委員佐藤守良君) いまおっしゃったとおりでございまして、いま審議官が答弁したとおり、できるだけ救うような方向で努力したい、このように考えております。
  273. 渡辺武

    渡辺武君 それからこういう災害の場合の税制で税の減免措置があると思います。その内容はどういうものなのか、それからいまどんな措置を講じつつあるのか、その点、お聞かせいただきたいと思います。
  274. 小野博義

    説明員(小野博義君) お答えいたします。  災害被害者に係る国税の軽減免除等の救済措置といたしましては、すでに御承知かと思いますが、国税通則法あるいは災害減免法、所得税法にそれぞれ規定がございまして、内容といたしましては申告、納付等の期限の延長、納税の猶予、所得税の軽減免除、これが大きなものでございます。で、その所得税の軽減免除につきましては、生活に通常必要な資産の損失の場合につきましては、災害減免法または所得税法の雑損控除という制度がございますし、事業用資産の損失の場合につきましては所得税法に規定があるわけでございます。  沖永良部災害につきまして現在私どもがとった措置を御説明申し上げますが、九月の十七日に国税通則法の施行令第三条一項に基づきまして、和泊町及び知名町につきまして地域指定をいたしました。その結果、申告、納付等の期限が延長されることになっております。これによりまして、同島の納税者は個別に手続をしなくても九月の九日から十一月の十一日までの間に到来する申告、納付等の期限は十一月十二日まで延長されることになっております。また、こういう措置をせっかくとりましても現実に納税者の方々が御存じなければ意味がないわけでございますので、現地の税務署、国税局では被災者の方々に対しまして、国税の軽減免除措置等の措置をいろいろと広報しているところでございます。私どもといたしましては、日ごろから納税者に親しまれる税務署ということをモットーにしておりますので、特に災害等の場合には、被災者の身になって救済措置が十分活用されるよう被災者の相談に当たっていきたいと考えております。なお、今月の三日から所轄の税務署から統括官を派遣いたしまして相談所を開設しております。
  275. 渡辺武

    渡辺武君 その雑損控除の措置ですね、それから災害免除法による所得税の災害減免ですね、これは激甚災が適用された場合には多少のかさ上げ措置はないんですか。
  276. 小野博義

    説明員(小野博義君) 私どもの方は激甚災指定とは関係ございませんで、特にかさ上げというようなことはございません。
  277. 渡辺武

    渡辺武君 たとえば、災害減免法によりますと二百万円以下の所得の場合は所得税全額免除と、それから二百万円から三百万円までのところは二分の一軽減と、三百万円から四百万円以下のところは四分の一軽減と、こういうことになっていますね。ところが、一地域で非常に住宅の八割ぐらいが全壊半壊あるいは一部損傷というような状況なんですね。ですから、仮にたとえば中小企業の場合でもその地域の住民全体が大きな被害を受けているわけですから、商売という点からいってもかなり大きな打撃があると思うんですね。ですから雑損控除の措置ももとよりですが、こうした災害減免の場合の税の減免措置ですね、これについても激甚災の場合には多少かさ上げ措置を講ずるというような点は考慮できないですかな。
  278. 小野博義

    説明員(小野博義君) 商売をやっていらっしゃる方の場合は所得税法の五十一条によりまして、当該災害により被害を受けた損失の額につきましては当年度の所得から必要経費として控除されることになっておりますので、確定申告の時期におきまして当然調整されることになるかと思います。なお、予定納税等のある場合には、その分について減額の申請を認められることになっております。
  279. 渡辺武

    渡辺武君 ちょっと問題がありますけれども、時間の関係で次に移りましょう。  雑損控除の場合ですね、損害額が非常に大きいと、その年の納税のときに控除し切れないという場合には二年間か三年間くらいなお次の税額さらに引くという措置ができますね。ところが、災害何といいますか減免法ですか、これでもそういう措置はありますか。
  280. 小野博義

    説明員(小野博義君) 災害減免法の場合にはそういう措置はございませんで、たてまえとしては災害減免法の場合は当座の救済であり、被害額が非常に大きい場合は先生いまおっしゃいましたように、三年間にわたって繰り越し控除が認められておりますので、そちらの方で救済されることになると思います。
  281. 渡辺武

    渡辺武君 災害減免法——なんてすね、損害額が大きいと災害減免法による場合の方が有利になってくる、大体そういう傾向でしょう。ところが、まさにその災害減免法でその年で尽きないから、さらに次の年にも次の年にもその損害を繰り延べて、そして減免を受けたいと思ってもその措置がないということだと片手落ちになるんじゃないですか。そういう措置も設けるべきだと思うが、どうですか。
  282. 小野博義

    説明員(小野博義君) お答え申し上げます。  当該被害を受けられた方の所得の額であるとかあるいは損害の額であるとかによっていろいろなケースがあろうかと思いますけれども、一般的に被害額が非常に大きい場合には雑損控除の方が有利になろうかと思います。
  283. 渡辺武

    渡辺武君 これは具体的に計算してみないと議論にならぬですけれどもね。やはり今度の被害のような、これは非常に大きな被害なんで、雑損控除で尽きないという場合はいま言ったようなことでいいんだけれども、繰り延べられるけれども、災害減免法でもやはりそういう措置を考えておかないと私は片手落ちになるんじゃないか。その年は確かに減税、免税になると、しかしなおそれだけではとうてい今度起こった災害についての何といいますか、補償、これは税金で全額やれなんていうことを考えているわけじゃないんだけれども、納税面でもやはり多少見てやらなきゃならぬという点で片手落ちになりゃせぬか、その点検討の余地があるんじゃないかと思いますが、どうですか。
  284. 小野博義

    説明員(小野博義君) 先ほど私御説明申し上げましたように、災免法というのはその年当面の処理ということで、確定申告で雑損控除に切りかえまして三年間救済するということで一応の手当てはしておるかと思いますが、ただまあ税制の問題でございますので、私ども執行官庁の立場からお答えをするのもいかがかと思われますが……。
  285. 渡辺武

    渡辺武君 持ち帰って検討してくださいよ、大蔵省としてね。  それからもう一点税制について伺いたいと思うのですが、納税猶予の措置ですね、これはサラリーマンや自由業の源泉所得の税を払う場合はあるように聞いていますけれども、そのほかの申告所得の場合はどうなのか、あるならある、ないならないでいいですけれども。
  286. 小野博義

    説明員(小野博義君) 申告所得税についてもございます。
  287. 渡辺武

    渡辺武君 ある。と、その場合に、この延納利子ですね、これはどうなっていますか。
  288. 小野博義

    説明員(小野博義君) 利子税は免除になることになっております。
  289. 渡辺武

    渡辺武君 なるほど、わかりました。これは全部かからないですね。——そうですか、それはわかりました。  それから、農民については減免措置はありますか、農民の納税については。
  290. 小野博義

    説明員(小野博義君) 同じようにあるわけでございます。
  291. 渡辺武

    渡辺武君 それから、今度は住宅の問題ですけれども、午前中にも大分私、個人住宅について、どうも措置が非常に甘いんじゃないかという感じがして幾つか伺いましたが、この前、多摩川の洪水のときに狛江の町で住宅の流失がありましたですね。そのときに狛江市として救難緊急措置条例というのをつくって、それで生活再建資金という制度を設けまして、新築住宅の場合は九百万の限度で利子はゼロで償還期間は二十年ですね、据え置き期間が二年、こういう非常に有利な条件で融資を行ったという例があるんです。そうして、それをバックアップするために東京都が市町村振興基金というのを狛江市に一億円出して、そうしてこの一億円は無利子、無期限のもので狛江市に融資したという例があるんです。狛江の場合の流失家屋の数は少ないですからね、だから今度の場合とはちょっと別ですが、今度の場合のように大規模な、そしてまた激甚災を適用しなきゃならぬような事態、こうなってくると地方自治体にこういう措置をやれといっても私は無理だと思うんですね。したがって、国がやっぱりこの点は考えてみなきゃならぬじゃないかと。それで先ほど来ほかの委員からも意見がありましたけれども、商売をやっている人の打撃も大きいと思いますけれども、特に勤め人なんかになりますと、入ってくる金は大体決まっていると、住宅を建てかえなきゃならぬというようなことで損害は大きいし、それで幾つかの住宅金融公庫の優遇措置などを先ほど来承っているんですけれども、これではとうてい個人財産の、特に住宅の大きな被害について住民のやっぱり苦しみを緩和させる措置にはなかなかならぬじゃないかという気がするんですね。したがって、こういうようなものを無利子もしくはそれに近いようなもので、もっとやっぱり期間も長いと、いま住宅金融公庫のやっているやつよりもね。そういうものを国としてやっぱり何とか考える必要があるんじゃないかというふうに思いますが、どうですか。
  292. 京須実

    説明員京須実君) 先生指摘のように、住宅災害と申しますのは個人にとって非常にきついものでございます。しかしながら、その住宅再建の資金でございますが、私どもはまず災害を受けた方々が当該住宅を建て直す場合に全額お貸ししたいと、そのことが一番肝心と思っております。金融公庫等の融資が不十分でございますと、他のやはり高い金利の資金を借りる必要が出ると、そういった場合もございます。と同時にまた金融公庫の資金でございますが、無制限に大きな住宅にお貸しもできません。でございますので、やはり二十坪とかいったような規模でございますが、この分につきましては全額お貸しできるということを基本に置いております。それを上回りましたものにつきましては、たとえば今回の災害でございますと国民年金のあわせが一つ、そういう点につきまして県当局にいろいろ指導しております。また交付団体の方で特別にあわせ貸しとか、そういう協調融資の場合につきましては自治省の方に交付税関係で御配慮願うとか、そういった点もいろいろ検討願ったわけでございますが、私どもはまず全額お貸しするという点でございます。それと激甚災害でございますので、当初三年間元金据え置きで金利が三分でございます。非常にこれは負担は、まあ石の上に三年と申しますが、楽でございまして、その辺で住宅災害につきましては相当程度、何と申しますか、いろいろな被害者の方々に対しまする救済としては効果あるものと考えております。
  293. 渡辺武

    渡辺武君 さっきもその三%のことで若干議論したんですが、従来は据え置き期間だけでなくて、貸与期間全体について三%という金利を適用していながら二、三年前に据え置き期間だけ三%と、あとは五・五%ということで改悪したわけですよ。それで、やはりいまのように金利がどんどんどんどん下がっているという条件もありますし、それで地方自治体がやっぱり真剣になってそこの住民のことを考えて、そして無利子で非常に有利な条件住民住宅建設を援助するという措置までもとっているわけですから、少なくとも激甚災の適用のあったような地域についてはそれと似たような措置を積極的にいま考えるべきときじゃないかと、そう思うんです。これは政務次官どうですか、私、無理なことを言っているとはちっとも思わないのですが、そのくらいのことはちょっとやっぱり思い切ってやってくれたらどうかと思いますが、検討してくださいよ。
  294. 佐藤守良

    政府委員佐藤守良君) 実はきょうの午前中、私、午後来まして、ちょっと同じ質問があったようですが、私、実は選挙区が広島県尾道でございますが、昨年、十七号台風によりまして千光寺という山が山崩れがございまして、そこに実は夫婦、子供二人の家族四人の家がございましたですが、御主人と子供二人が亡くなりまして、家が流されたということでございまして、非常に私は陳情受けて苦慮いたしました。で、実は主人と子供が亡くなって、しかも家を建てる場合に金は貸すけれども、利息を払うと、元金払わにゃいかぬということで大変苦慮いたして、まあいろんな対策を講じたわけでございまして、私も何とかいたしたいという気はございますが、いまの制度からいくとなかなかむずかしいという感じがしているわけでございまして、私は、共済制度とかあるいは現在の保険制度等何かうまい方法はないものだろうかというようなことで、それで特にまた先生御存じのように、これは衆議院、参議院ともに災害対策委員会におきまして、個人災害の救済は附帯決議がついているようでございまして、何らかいい方法はないだろうかと努力してみたいと、このように考えているわけでございます。
  295. 渡辺武

    渡辺武君 それから次に、農林省の方に伺いたいと思うんですが、今度の災害での農業の被害ですね、この中でサトウキビが非常に大きいということは先ほど来ほかの委員からも指摘されたところなんです。私ども、ちょうど行きましたのが災害の十日目でして、町長さんなんかは、初めは半分くらいはこれはだめかと思ったけれども、その後天候が回復したりして、倒伏していたキビが大分持ち直してきたと、大体被害額二割くらいでとまるんじゃないかというようなことを言っておったんです。それで、これについて何らかのやっぱり救済措置が必要じゃないかというふうに思いますが、農業共済などとの関連でその点どうなるのか、ちょっとお教えいただきたいと思います。
  296. 伊藤律男

    説明員(伊藤律男君) 私からそれでは共済も含めまして全般のことを申し上げたいと思っております。  先生がいらっしゃいました現地調査団にまず私どものところの課長補佐を同行させまして、その後またサトウキビの係長を二十六日から二十七日にかけて沖永良部与論派遣をいたしまして実態を調査さしたわけでございますが、御存じのように、サトウキビはほかの作物と違いまして相当再生力の強いものではございますけれども、被害は相当大きな金額になっております。で、県からの報告によりますと、キビにつきましては九億七千二百万、そのほかたばこなど九千万ほどございますが、そういうような被害になっておりまして、これにつきましては、まず緊急の対策といたしましては、何としてもその後の生育を図ることが重要でございますんで、害虫の防除やそれから野鼠の防除、それからこの島は比較的夏植えが多い島でございますので、夏植えについては被害が比較的少ないようでございますけれども、夏植えでやられたものにつきましてはできるだけ早く植えかえをするというような技術指導をまずいたしたわけでございます。それから、被害農家の資金の需要が恐らくあると思いますんで、これにつきましては、自作農維持資金の融通について県を通じましていま検討をしている最中でございます。  それから、サトウキビの共済でございますが、いま試験実施をいたしておりまして、幸いにしてこの沖永良部——まあ与論は入っておりませんが、沖永良部につきましてはその対象になっておりますものですから、そこにつきまして県を通じていま仮渡しにつきまして指導するようにいたしている段階でございます。
  297. 渡辺武

    渡辺武君 そうしますと、たしかあれ和泊の方でしたか、試験実施に入っているのは。——そうすると、その和泊の方の試験実施で農業共済に試験的に加入しているところですね、ここについては若干の農業共済の補償措置も考えられると——これはいろいろ調べた上でしょうけれども。で、その点で二つ問題があると思うんです。一つは、試験実施の段階で恐らくそれぞれ一軒一軒について被害額などを調べるだろうと思います、率や何かを。だから、その点でいま言ったように九億数千万円という莫大な被害が全体として出ているわけですから、できるだけやっぱり救済という見地を重視して補償が行き渡るように、その点はそれで措置していただきたいと思うんです。それからもう一点は、試験実施的にもまだ農業救済に入ってない、これは何割くらいありますか、そういうところについてはどういう措置を考えられるのか、この二点を伺いたいと思います。
  298. 船曳哲郎

    説明員船曳哲郎君) お答え申し上げます。  第一点でございますが、私どもの方で担当いたしております農業災害補償制度は、これまさに災害対策でございますので、このような異常事態に当たりましては、現地の救済第一ということで措置してまいりたい、現地とも十分連絡をとってまいりたい、このように考えております。それから、第二点の加入率でございますが、五十一年度の面積被害率で申し上げますと、沖永良部島では三〇・八%、こういうことに相なっております。
  299. 渡辺武

    渡辺武君 そうすると、その加入してないところについては、これ、被害がいずれにしても出ているはずですから、それについてはどういうような援助措置があるんですか。
  300. 伊藤律男

    説明員(伊藤律男君) 現在の段階では保険の措置はございません。ただ、先ほど申し上げましたように、自作農維持資金の融通とか技術指導とか、そういう一般の対策はございます。
  301. 渡辺武

    渡辺武君 私、やっぱり農業共済に農家の人たちがなかなか入りたがらない理由の一つとしては、掛金が非常に高いと、掛け捨てになる危険もあるというようなところだと思うんですよ。いま、試験的な実施の中で、国庫負担は約三割ということだと思いますけれども、ほかの農産物について、現に農業共済が発動しているというものについては大体最低五割というところがめどだというふうに私記憶していますが、やはり今後の問題でしょうけれども、サトウキビについても価額補償は少なくとも五割以上に国庫負担をする必要があるんじゃないかと思いますが、その点どうお考えですか。
  302. 船曳哲郎

    説明員船曳哲郎君) サトウキビを含む畑作物共済の本格実施につきましては、現在行っております試験実施の実績等を踏まえまして、昭和五十四年度から本格実施に移行することを目途に、現在制度化のための作業を進めているところでございまして、本格実施制度の仕組みとあわせまして、共済掛金の国庫負担のあり方につきましても現在種々の観点から検討いたしておるところでございます。試験実施の過程を通じての現地の方々の御意見といったものも十分考慮してまいりたい、このように考えております。
  303. 渡辺武

    渡辺武君 もう時間がないので、まとめて質問します。  いまの農林省の方のあれですが、いま申しましたように、大体いま動いている農業共済については、国庫負担率は五割が最低くらいのところで、ならして考えて、ですから、やはり少なくとも五割、あるいはそれ以上になるという見通しがあるんじゃないでしょうか。その点をまずひとつお答えいただきたい。  それから、厚生省の方においでいただいておりますので、厚生省の方に伺いたいんです。それは、ほかの委員からも話がありましたが、あすこはサンゴ礁がずうっと浮き上がったところでして、それで上水道というよりも水ですね、水は地下水を電力でくみ上げないとならぬという状況なんです。この間の災害で停電したものですから飲料水がなくなって、これもまた住民を不安に陥れた重大な原因になっているようですね。現地の方では飲料水のたまる地下水のあるところが何カ所かあるわけですね。それで、まず第一には停電の際に自家発電で水がくみ上げられるように自家発電の設備をつくりたいと、これはまあ防災という見地からの水道施設だと思いますね。それから、なお幾つかの点に新たな水源地をつくりたいし、それについても自家発電設備をつくりたいという要望があるんです。これについて一体どういうような助成措置があるのかということを伺いたいんです。  それから、それに関連しまして、奄美群島振興開発特別措置法の中に防災の場合の特別の助成がありまして、水道施設は十分の五以内というのがうたわれていると思うんですね。ですから、この措置がいまの要望に適用できるんじゃないかと、適用してほしいなあと思いますけれども、この点を伺いたいんです。
  304. 船曳哲郎

    説明員船曳哲郎君) サトウキビ共済に対する共済掛金国庫負担割合でございますが、目下検討中でございまして、具体的な見通しは立っておりませんが、担当課長といたしましては、少なくとも五割は実現するべく努力いたしたいと思います。
  305. 山村勝美

    説明員(山村勝美君) ただいま御指摘のとおり、停電によりまして全島の八〇%弱が断水状態に陥りまして、その間、給水車で細々と給水をしたというような状態が三、四日続いたんでございますが、一般的にこういった動力源、先ほど御指摘のように、やっぱり地下水をくみ上げるような場合には、やはりある程度予備動力を持つようにということを原則的に指導しておりますが、それも電力がかなり安定的に供給されるような状態、たとえば東京なんかでございますと、二系統の電力を入れまして、一方が停電しても大丈夫というような場合には、それほど予備動力は要らないというような状態で、仮に停電を数時間いたしましても、八時間ないし二十時間ぐらいの配水池を持っておりますので若干対応できるわけですけれども、かなり長期に及びますと、やはりこういうような断水に陥るというようなことと考えております。したがいまして、予備動力はできるだけ設けなさいという指導をしておるわけでございますが、本島の場合二〇%しか対応できなかったということでございますので、基本的には自家発電設備の強化ということは指導いたしたいというふうに考えております。もちろん、事業認可等に当たりまして、当初建設段階で予備動力について一通り配慮を、地元の過去の停電の時間等の実績を見まして考えてつくったものでございますが、今度のように新しい経験もしたわけでございますので、それに対応する対策が必要であるというふうに考えております。  御指摘の国庫補助の点でございますが、奄美促進法の十分の五の補助金は、実は簡易水道、つまり五千人以下の水道に対して行われておるという制度でございまして、上水道に対しては、内地を含めてほとんど補助金がないという実態でございますので、そういう意味で、このケースについて補助制度を適用することはむずかしいというふうに考えております。したがいまして、起債の方は政府資金あるいは金融公庫資金等低利の融資をいたしましてつくらしていきたいというふうに考えております。
  306. 村田秀三

    委員長村田秀三君) 本件に対する質疑は、本日はこの程度にとどめます。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時二十九分散会