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政府委員(
松本操君) 空港問題そのものの関連性でございますので、最初私の方からお答え申し上げるのがしかるべきかと存じます。
成田空港の開港に
当たりまして、都心と空港間に新たに発生するであろう輸送需要がどのくらいあるかということでございますが、これは私ども羽田空港におけるケーススタディー、それに対しまして
道路の
整備のありよう、あるいは鉄道の
整備のありよう等及び成田空港が都心から六十数キロも離れておるというふうな立地条件等をも勘案いたしまして種々の試算を重ねてまいったわけでございますが、現在のところ一日片道約三万四千人の需要が発生するのではないか、こういうふうに
考えておるわけでございます。この三万四千人の需要をどういう形で空港−都心間に往復させるのか、こういうことでございますが、大体私どもの現時点の見積もりといたしましては、約四五%ちょっと、四五%
程度、半分ちょっと足らずぐらいを鉄道に乗せる、それから五五%足らず、つまり半分より少し多いぐらい、これを
道路輸送にゆだねるというふうなことで従来
考え方を進めてまいってきておるわけでございます。
鉄道輸送といたしましては、御案内のように上野駅から出ております京成電鉄、これが大体七十分で空港の中のターミナルを経由いたしまして空港自身の旅客ターミナルまで入る。これはスカイライナーという特別な車両を持っておりますので、これを走らせることによって約七十分で行くだろう。それから国鉄の場合、国鉄の場合には東京駅の地下からでございますが、東京駅の地下から総武線の快速あるいは特急、こういったようなものを走らせることによりまして、快速の場合にはおおむね百分、特急の場合にはおおむね九十分という形で、これは成田駅経由 成田駅からバス輸送でこれが二十ないし二十五分かかるかと思いますが、これらを含めまして成田駅経由、バス輸送によって旅客ターミナルまで運ぶことができるのではないか、このように
考えております。
次に、先ほど申し上げました半分を少し超えます
道路輸送に頼ろうとする人たちに対する対応の仕方でございますが、これを二つに分けまして、バスに依存するものと乗用車に依存するものとに分けて
考えます。なるべくならばバスによって総合的に運ぶということに重点を置きたいのでございますけれども、現在まで私どもが
計画し、あるいはまた具体的な免許申請の動き等を通じて
承知しております限りにおきましては、箱崎にできておりますシティーターミナル、ここにチェックインをいたしまして、これはフライトミート方式と呼ばれるのだそうでございますが、一定の時刻にチェックインをいたしますと、そのお客が着かなければ飛行機は出ない。安心してバスに任せておけばようしいという形で首都高速、京葉
道路、東関東自動車道、こういう形で空港まで入る。逆も、その逆をたどってシティーターミナルで、それから先はそれぞれの家なり何なりへ帰っていく、こういう形を
考えております。残る部分が乗用車に依存する部分でございます。大体これが三八%、一万三千足らず、三八%
程度が乗用車によって動くのではないだろうか、このように
考えておりますが、これはやはり首都高速七号から京葉
道路を経由して、東関東自動車道を通って成田空港の旅客ターミナルまで入っていく、こういうふうなことになるのではないか。
ここで、鉄道輸送につきましては、先ほど申し上げましたように、上野から出ました場合、京成が約七十分、東京駅の地下から出ました場合、国鉄が九十分
程度、快速で行きますと、あと十分、百分ぐらいかかるかと思います。高速、バス等で行った場合にどうなるかということでございます。これは時間帯によっていろいろ差があろうかと思います。
建設省の方でもいろいろと御配慮いただいておりますので、私ども
建設省の方から承っておりますところによりますれば、大体都心部−施工港間七十分
程度で運べるのではないか、こういうふうに聞いております。
そこで、問題は、従前からございますラッシュと空港のラッシュとが重畳いたしますと非常に問題が起こってくるということでございますが、幸いにして鉄道輸送の場合には、朝は出発便が多いわけでございます。それに対して、鉄道輸送の朝のピークというのは千葉方面から上りの方が込むわけでございますので、この点については私どもは特段の問題は生じないのではないか、このように
考えております。それから午後におきましては、夕刻退庁時の下りのピークというのが鉄道に生じてくるわけでございます。これに対して、やはり国際線でございますので、夕刻をさらに通り過ぎまして、まあ夜の初めの方と申しましょうか、あたりのところまで空港旅客のピークというものがあるわけでございますが、これは鉄道自身のキャパシティーというのは非常に大きなものでございます。現在の通勤通学の旅客を妨げるようなことにはならないで済むのではないか、このように
考えておるわけでございます。
道路交通の方そのものにつきましては、
建設省の方の助言をいただきながら、いろいろなことの
計画を練っておる次第でございますので、詳細につきましては
建設省の方からお答え申し上げた方がよろしいかと思います。