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1977-10-11 第82回国会 参議院 外務委員会 第1号
公式Web版
会議録情報
0
昭和五十二年十月十一日(火曜日) 午後一時二分開会
—————————————
委員氏名
委員長
安孫子藤吉
君 理 事
大鷹
淑子
君 理 事
亀井
久興
君 理 事 原 文兵衛君 理 事
戸叶
武君 稲嶺 一郎君
上原
正吉
君
永野
嚴雄君
秦野 章君
町村
金五君
三善
信二
君 阿
具根
登君 小野 明君 田 英夫君 福間 知之君
渋谷
邦彦
君 矢追 秀彦君
立木
洋君
和田
春生
君
江田
五月君
—————————————
出席者
は左のとおり。
委員長
安孫子藤吉
君 理 事
大鷹
淑子
君
亀井
久興
君
戸叶
武君 委 員
上原
正吉
君
永野
嚴雄君
町村
金五君
三善
信二
君 阿
具根
登君
渋谷
邦彦
君
立木
洋君
和田
春生
君
江田
五月君
政府委員
水産庁次長
恩田
幸雄君
海上保安庁次長
向井
清君
事務局側
常任委員会専門
員
服部比左治
君
—————————————
本日の会議に付した案件 ○
調査承認要求
に関する件 ○
国際情勢等
に関する
調査
(
派遣委員
の
報告
)
—————————————
安孫子藤吉
1
○
委員長
(
安孫子藤吉
君) ただいまから
外務委員会
を開会いたします。
調査承認要求
に関する件についてお諮りをいたします。 本
委員会
は、
今期国会
におきましても、
国際情勢等
に関する
調査
を行うこととし、この旨の
調査承認要求書
を議長に提出いたしたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
安孫子藤吉
2
○
委員長
(
安孫子藤吉
君) 御
異議
ないと認め、さよう
決定
をいたします。 なお、
要求書
の作成につきましては、
委員長
に御一任願いたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
安孫子藤吉
3
○
委員長
(
安孫子藤吉
君) 御
異議
ないと認め、さよう
決定
をいたします。
—————————————
安孫子藤吉
4
○
委員長
(
安孫子藤吉
君) それでは、次に、
国際情勢等
に関する
調査
を議題とし、先般本
委員会
が行いました国際海峡問題、
日韓漁業協定
の
実施状況等
に関する
実情調査
のための
委員派遣
につきまして、
派遣委員
から
報告
を聴取いたします。
戸叶武
君。
戸叶武
5
○
戸叶武
君 本
委員会
の
三善信二委員
、阿
具根登委員
、
立木洋委員
及び私の四名は、去る九月二十日から二十二日までの三日間にわたって
福岡
県及び
長崎
県
対馬
を訪問し、国際海峡問題、
日韓漁業協定
の
実施状況等
を
調査
してまいりました。 まず、国際海峡問題については、現地で第七
管区海上保安本部
及び
厳原海上保安部
より
説明
を聴取するとともに、
海上保安庁
のヘリコプターに搭乗して、約一時間半にわたり
対馬海峡
の東及び
西水道
を視察いたしました。 第七
管区海上保安本部
は、
海洋
二
法施行
後における
警備体制
として「領海及び
特定海域
並びにこれら
周辺海域
における
監視取締実施要領
」を定め、
外国漁船
に対する
漁業秩序
の維持及び
領水侵入船等
の
監視取り締まり
並びにこれらに関する
情報収集
の徹底を期しているとのことであります。ことに
担任水域
のうち、
対馬海峡東
及び
西水道等
は
重点哨戒海域
に指定して、原則として常時両
水道
に各一隻ないし二隻の
巡視船艇
を配備するほか、
航空機
による
監視
を強化しており、必要に応じ
巡視船艇
を増加する等の
警備活動
を行っております。また、
厳原海上保安部
においても、
対馬周辺警備
のため第七
管区海上保安本部
の応援を得て、
通常巡視船艇
四ないし六隻を配備しております。しかしながら、本格的な二百海里
時代
に入り、
海上保安庁
としても現在の
警備体制
では十分でないので、
巡視船艇
や
航空機
の増強のため、本
年度補正予算
を手始めとして、来年度以降も積極的に
予算要求
をしていくとのことであります。 次に、
日韓漁業協定
の
実施状況
、
朝鮮民主主義人民共和国
の二百海里
経済水域設定問題等
については、第七
管区海上保安本部
、
厳原海上保安部
、
水産庁福岡漁業調整事務所
、
福岡
県、
佐賀
県、
長崎
県及び
対馬支庁
の各
当局
並びに
関係
諸
団体
から
説明
を聴取いたしました。
日韓漁業協定
は、締結以来、すでに十年以上が経過しておりますが、
日韓両国
が入会
操業
する「
共同規制水域
」ではトラブルもなく、
協定
は十分遵守されて
操業
が続けられておるとのことであります。もっとも、この
水域
内の
漁獲量実績
は、五十一年の場合五万五千トン程度で、
規制枠
十五万トンを大幅に下回っております。この主な
原因
は、有力な漁場が徐々に同
水域
の外側、すなわち
わが国側水域
に移行しているためであるとのことであります。
取り締まり面
では、
日本漁船
の
違反事件
の発生はきわめて少ないのに対し、近年、
韓国漁船
の
対馬周辺海域
での
わが国漁業水域侵犯
が増加し、また、
壱岐周辺
や
生月島周辺海域
まで侵犯しているとのことであります。
違反件数
は昨年の四百七件に対し、本年は八月末現在で五百十二件と増加し、加えて
悪質化
が目立ち、本年の
違反件数
のうち、すでに八件は検挙し、五十九件は
韓国海洋警察隊
に引き渡し、その他は退去させておりますが、
韓国漁船
の
違反増加
の主な
原因
として、最近
韓国
の
沿岸資源
が枯渇し、
韓国当局
の
取り締まり
が厳しいので
わが国
に逃げてきて
操業
した方が安全だとの気持ちがあること等が挙げられるのであります。 次に、
朝鮮民主主義人民共和国
の二百海里
経済水域
設定問題、特に
軍事境界線
の
わが国漁業
に及ぼす影響についてでありますが、現在までのところ、二百海里
経済水域
の
外郭線自体
も明確でないのが現状であるとのことであります。しかし、仮に
わが国漁船
が
朝鮮民主主義人民共和国
の
軍事境界線内水域
に入漁できない場合、
朝鮮民主主義人民共和国
の西側すなわち
黄海側
は
経済水域
がすべて
軍事境界線
内に入ってしまうため、従来この
水域
で行われてきた
以西底
びき網、フグは
えな
わ、
イカ釣り
の三
漁業
、五十一年の総
漁獲量
一万四千五百トンはすべて締め出され、また
日本海側
においても、
イカ釣り
、マスは
えな
わ、
流し網漁業
のそれぞれ一部、五十一年の総
漁獲量
六千四百二十トンが締め出されることになり、両者を合わせると推定で約二万一千トン、金額にして九十から百億円の
水揚げ減
になるとのことであります。こうした
情勢
を反映し、
佐賀
県
当局
より「
水揚げ減
の分を国が補償してほしい」旨の
要望
がなされました。 次に、
日ソ漁業暫定協定
についてでありますが、同
協定発効
後の本年七月以降、
日本海北部
において第七
管区
の管内に船籍を有する十八隻の
イカ釣り漁船
が
ソ連艦船
に臨検され、
操業許可証
不所持、
操業日誌
の
不備等
により罰金を取り立てられた
事件
が発生し、そのうち三隻がナホトカに連行されたのでありますが、こうした事態に対し、
佐賀
県
当局
より「
ソ連
の
監視船
はトロール船と見分けがつかないので、きちんと標識をつけ、
監視員自身
も
身分証明書
を提示し、日本語がわかる通訳を立ち会わせるよう、
国政レベル
で話をつけてほしい」旨の
要望
がなされました。 このほか、
漁業問題一般
として、
福岡
県
当局
から、二百海里
時代
に入り、従来中心となってきた「とる
漁業
」から「育てる
漁業
」に転換を図る立場からの
漁業振興計画
について
説明
がありました。
長崎
県
当局
からは、二百海里
時代
の
外交施策
として日中・
日韓漁業協定
の
存続
と
安全操業
の
確保等
について、また、
対馬
町
村会外
二
団体
からは、
日韓漁業協定
の
存続
、
朝鮮民主主義人民共和国海域
での
実績確保
とそれまでの
救済措置等
について、また、
対馬無線漁業協同組合
からは、諸
外国
の二百海里内で
操業
する
日本漁船
との通信のための中
短波漁業用海岸局設置計画
に対する
国庫補助
について、それぞれ
要望
がありました。 その他、
韓国
から
対馬
への
密航事犯等
について
説明
を聴取いたしましたが、時間の都合上省略いたします。 以上、御
報告
いたします。
安孫子藤吉
6
○
委員長
(
安孫子藤吉
君) 以上で
派遣委員
の
報告
は終了いたしました。 なお、この際申し上げておきますが、この
委員会
には、
水産庁
の
恩田次長
、
海上保安庁
の
向井次長
、
外務省
の
村田参事官
、
外務省枝
村
アジア局次長
が
出席
をいたしております。ただいまの
戸叶武
君の
報告
に関しまして
関係各省
において
相当検討
を要する問題があると存じまするので、いずれかの機会におきまして
委員
から質問をいたすこともあり得ると存じまするので、さような点について
十分検討
を加えてもらうことを希望いたしておきます。 本日はこれにて
散会
をいたします。 午後一時十四分
散会