○中村利次君 これは、
長官が当時まあ
関係大臣であったわけじゃないんですから、こういうことを質問するのはあるいは酷かもしれません。しかし、やっぱり私は、
原子力の安全と開発
——安全に開発を進めていくというんだったら、
政府が、あるいは地方自治体も含めて、行政がまずはっきりした姿勢を示すということがなければ、何か
——国民感情だか県民感情だか、そんなのを正しい認識にしていくのが
政府の役割りでしょう。私は、もうそういうものに瞬間的に妥協をして、何かトラブル、紛争を瞬間的におさめることが行政の役割りだとは断じて思いませんよ。ですから、そういう
意味では、
長官が
原子力の
平和利用について積極的な
努力をしていらっしゃることは認めます、評価しますよ。ですけれども、やっぱりこの
原子力船「むつ」の問題については、経過として
政府が、私に言わせると決定的な誤りを犯したという反省を
——まあ現職の
長官は、それはおれはそんなことを言われたって当時はいなかったんだとおっしゃればそれまでですが、これは継承
責任ですから、大いにひとつそういうことを
前提として御
努力を願いたいと思いますよ。
それからなお、私は、〇・二ミリレントゲンだから全くこういうのは
関係ないんだが、だからと言って
責任は重大ですぞということをやっぱり言っていますから、これは特にあの出力テストのときに、船に遮蔽物の
専門家が乗ってなかったなんというごときは、私はもう本当にお粗末の一語に尽きるのであって、テストの場合にはあらゆる可能性、そういうものを
考えて、
専門家が乗っておれば、
調査委員会によって精密な
調査をすることは必要だったでしょうが、もう適確な、機敏な
措置もできて
——この
調査委員会のあんた
調査報告が出てからもう二年以上、二年半ぐらいになるんじゃないですか。そして、なおかついまもって、この「むつ」の放射漏れについて、ああであるこうであるという議論が延々として続いている。この佐世保の修理の受け入れについてすら、甲論乙駁が激しかった。だから、この原因だって、私は
政府がつくっていると思うんですよ、そういう
意味ではね。だから、そういう
責任は、これはもう甚大でありますから、そういうのは
感じてもらわなきゃ困るんです。
ただ、私が言っているのは、この〇・二ミリであろうと、一ミリであろうと、五ミリであろうと、とにかく私は、これは何もそれくらいはいいんだというわけじゃないけれども、とにかくあれでしょう、たとえば皮膚炎を起こす可能性があると言われておるのは、これは何ですか、単位はミリレムにすると五十万ミリレムぐらいですか、
原子力局長か安全局長。
——まあ結構です。五十万ミリレントゲンぐらいのはずですよ。それも、皮膚炎にかかるというんじゃないんだ、これは。皮膚炎になる可能性があるのが、単位から言ったらそうなんですから、〇・二だとか、一ミリだとか、五ミリなんてのは、まるでこれは
関係ない。もう、インドのケララ地方なんか自然界の中に五百ミリ、千ミリの放射能があるし、ブラジルなんかでは二千ミリ、三千ミリある。そういうのを、国民に何か不安感を与えるようなことで、大変だ、大変だと言って騒ぎ回ることが、私はやっぱりこれは後ろ向き議論だということを言っているんです。だから、放射能が漏れたことは、それがもう〇・〇〇〇幾らであろうとね、この遮蔽物のふぐあいによって漏れたという、設計上、あるいは予算上、何かネグったんだか知りませんけれども、そんな
責任というのは甚大ですから、これは
調査委員会の
調査報告によってもね、かなりの
技術水準に達してることは
専門家の
調査結果によって明らかですから、したがって、
原子力船を開発していくことが時期尚早とか、あるいは誤りであったという議論は私はこれは通用しないと思う。そういうものに対して通用するようなことをおやりになるから
——これはえらいまた繰り返しになるけれども、やっぱりそういう
意味で
責任をお
感じを願いたいと思うんです。
そのほか
原子力船については、これは衆議院の意思によって、まあ簡単なように見えたってこれは決定的な修正をしてきたわけでありますからね、私は特にそういういろんな議論をしたいきさつから言っても、衆議院の意思によって修正をしてきたという
意味から言っても、そのほか特にただしておかなきゃならないことは少ないんですが、同じように、
規制法の問題でも、これはまあ片方ぶった切っちゃった、再処理のやつはですね。これは国際的な関連もあるんで、片方をぶった切ってこのことは衆議院としては処理をしたんですがね。だから、再処理の方はこれは衆議院で廃案になっちゃった。で、これに対して
長官はどうお
考えですか。片方は、再処理工場の問題は国際的な関連はありませんか。これは私は
長官が
アメリカへ乗り込んで行ってね、
カーター大統領の核不
拡散政策と称するものによって
——われわれだって不
拡散政策は
賛成ですから、そういうものによって
日本の男処理に対して、これを抑えようとしたものに対して乗り込んで行って、あんた、成果を上げたんでしょう。これを評価するがゆえに、そういう国際的な関連があるのにこれはぶった切られちゃったんだが、それに対して何か御所見ありますか。