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広田幸一君 大臣の方からきわめて積極的な御答弁をいただきまして、ありがとうございました。そういったことで、本当に先ほど来からるる申し上げておりますように、特殊な条件にある
沖繩の
失業者問題については、より一層御
努力をいただきたいと思います。
これは非常にむずかしい問題ですが、私が
現地に行っていろいろ各界の皆さんから聞いた重立ったことを申し上げておきますので、何か将来の
対策の参考にしていただきたい、こういうふうに思います。
それは先ほど申し上げました観光の
関連事業の問題でございますが、これは基幹
産業としてやっていきたいということでございましたが、那覇空港を国際空港に格上げしてもらいたいと。いま私も
中身はよくわかりませんが、現在は、東南アジア方面に旅行する観光客が
沖繩を素通りして台港の空港を経由して行っている。こういうようなことなんで、ひとつ那覇空港を
拡大してもらうと非常によくなる。それにはわれわれの計算で約一千億円かかる。しかし、これは成田空港や大阪空港に比べれば微々たる金である。とにかく一番手っ取り早いのは、
沖繩は、先ほど申し上げましたように、観光の
関連事業から来る収益が本当に莫大なものだ、こういうふうな意見もありました。そうなってくると、この空港の周辺にもいろいろ
施設ができるだろう、そのことが長い目で見ると労働力の
吸収の場にもなる、こういう切なる話もありました。
それから、あるいは長官の耳に入っておるかもしれませんが、この
沖繩の立地条件を生かした亜熱帯の大植物公園のようなものを将来
考えてみたらどうかということも、かなり真剣な声として出ておりました。これも観光に
関連することであろうと思います。
それから、太陽熱の
開発、最近は、エネルギー問題が出ておるわけでありますが、
沖繩には太陽熱の
開発の条件があるので、こういうところにも力を入れてもらいたいということを言っておりました。
それから、特に
建設関係になるわけでありますが、ずっと
海洋博を頂点にしてかなりの
公共事業があったわけでありますが、
本土から大手
企業が来て、そしていいところは食ってしまう、
地元の
建設業者
関連の
企業は余り潤っていない。資材も、
県内からつくれる資材を買ってくれればいいんですけれ
ども、それは
本土から持ってくるというようなことを強調しておりまして、今後、
公共事業をそれぞれ発注するときは
県内を優先にやってもらいたい、そういう強い声がありました。これにはいろいろと
企業の力の関係がありますから、本島が全部そういうものを受けてできるかどうかという問題があるようでありますけれ
ども、そういう
考え方が現実には非常に強いということをお話をしておきたいと思います。
私は、実は、最後に総務長官に申し上げたいと思っておったんですが、私も
沖繩に行きましたのは初めてでございますし、本当に短い
期間であったんでございまして、私が申し上げたようなことが全部
沖繩県民の声であったかどうかということはわかりませんが、それでも私
たちは
企業経営者の団体、それから金融関係、それから
中小零細企業の団体、それから労働団体、できるだけ各階層の代表の皆さんの
現状を聞いたんですけれ
ども、もうおっしゃることは、異口同音に、いま
沖繩が
復帰したことが本当によかったのかどうなのかと。われわれが
復帰したことを喜んでおるのは三分の二ぐらいは本当は楽にならなければいけない、しかし、
現状は逆である。そういうように
県民がいまの
沖繩の
経済について、また将来の推移について、非常に真剣に、しかも、不安に受けとめておるという感じがしたわけであります。
これは長官もその方の担当でございますからよく御承知と思いますけれ
ども、私も行ってみまして、二十七年間、アメリカの軍政下にあって、ほとんどいかにして
基地をりっぱにするかということが二十七年間の向こうのいわゆる
産業、
経済の基盤であったと思います。それが変わったわけでありますから、そういうふうな二十七年間もいわゆる国策的な意味の犠牲を
経済的には国民が受けておるわけですから、そういう点を本当によく
考えていただきまして、
公共事業は確かに
本土よりも四倍も五倍も使っておると、だからということではなくて、それでもまだ足らないと、それでも
本土の
失業者の数の三・五倍以上もあるわけですから、そういう現実の上に立って、今後、一層の
沖繩に対する
対策を私は進めていただきたい、こういうふうに思っておりますが、長官に、もう一度、ひとつお気持ちを今後の
対策としてお聞かせをいただきたいと思います。