○柳澤錬造君 時間もないので……。
大臣お戻りになったので、いままで海運
局長とお話をやりとりしておったのをお聞きになっていないんですから申しわけないんですけれども、私の方からお聞きをいただきたいことは、五十年の六月の二十七日に、
運輸省の海運局から衆議院の
運輸委員会に「近海海運問題について」というものが提出されているんです。それで、この近海海運という、いわゆる東南アジアを走り回っている船の
関係のことなんですが、先ほども海運
局長の方に申し上げたんだけれども、適正船腹が三百万トンぐらいでいいところを、日本船、外国船含めて五百万トンも走り回っている。これじゃ、とてもじゃないけれども、船腹過剰でいけないから何とかしなけりゃいけない、そういう点で日本の国は新しい船をつくるのも規制をしてやめた、そういう形でやってきたんだけれども、外国の船はどんどんふえてきてしまって、依然としてそういう形で
状況かよくない。
で、そういう中からいろいろこの
対策を海運局でお決めになって、念書船とか、そういうこともやったんだけれども、私がいまこの五十年六月出されたのをずっと見まして、現状を見ましても、端的に言うならば、このときお決めになった
対策がなかなか思うように守られてない。守られてないと言ったって、これは多少無理もあるんですよね。日本の船
会社だけを規制しようとするなら、それはおまえらけしからぬじゃないかと言えば済むけれども、外国の船が日本の者の、
運輸省の言うこと聞くわけないんだから。しかし、そういう状態の中にあって、じゃ仕方がないと言っているわけにはいかないのであって、そういう点から、いま日本の海運産業が大変な苦しい状態に追い込まれているんです。特に外航船腹もそうだけれども、東南アジア近辺を走り回っているそういう中小の船
会社というものか大変な状態にあって、結局そこへ乗っている乗組員が、もう賃金の遅欠配とか、そういうところまで出てきちゃっている。さらには雇用そのものが危うくなって、現在でも、もう五千名からの
船員の雇用不安が起きてきているという状態があるわけなんです。
で、この日本海運がいままで日本経済の中で果たしてきた役割りは、これはもう私が言わなくたって、そんなこと
大臣おわかりのとおりなんですから、そういう点から言って、海運産業の企業を安定させて、それでそこに乗り組んでいる
船員の生活というものも安定させていかなきゃならないし、そういうことを考えたら、もう一度、何というんですか、この
実態を
調査していただいて、それに適切にどういうことをいま考えてやったらいいのかということをぜひともおやりをいただきたいと思うんです。それで、いまあれこれここで私が注文をつけて何ですから、そういう形でまず御
調査をしていただきたい。で、御
調査をやっていただければかなり、こんなにひどくなっているかということがおわかりいただけると思う。それだったら、そこで少なくともこれから日本の海運産業をどうしなければいけないかといって、いろいろそこに
対策が出てくると思うので、そういう点から、ぜひともそういうことをおやりいただきたいとお願いをいたします。
それからもう
一つは、いまもお話ししたように
船員の雇用
促進センター。これも
運輸省の方でも
計画をお持ちなんですから、そういう点でもって、いまの非常に雇用不安を醸しておるときに、このセンターが有効に役立っていくように、いろいろそういう点でもって当局で御配慮をいただきたい。その点について、
大臣何かお考えがあれば聞かしていただいて、特に私の方からお願いをしておきますから。