○佐藤
説明員 刑
事課長でございますが、私からお答えさせていただきます。
この問題につきましては、地元の
検察庁からも報告がありまして、われわれとしても真剣に
調査をいたしたところでございますが、まず、その前提といたしまして
弁護士会の
決議文がございます。これは私も拝見いたしました。きわめて抽象的でございまして、地元の
検察庁にもこの
決議文が届きまして、
決議文を
弁護士会の会長さんと副会長さんが持参してきた。こういうことで、たまたま
検事正が不在でございましたので、次席検事が面会いたしまして、よくその
趣旨を承りまして、なお、
決議文の
内容等につきましても二、三と申しますか、かなり詳細に議論をしたようでございます。
そこで、その際に問題になりましたのは、
決議文の中の基礎となった具体的な事例が一体あるのかどうかということでございまして、次席検事の
指摘したところによりますれば、たとえばこの
決議文中の、明らかに
逮捕の
必要性がないと思われる
被疑者を
逮捕しているというふうなくだりにつきまして、そのような事実があれば御
指摘願いたいと申したところが、それに見合うような必ずしも具体的な例ではないがということで、ある私文書偽造行使詐欺事件につきまして、何か警察も
逮捕しないのを検察官が
逮捕したというのは不当であるという
お話があったそうでございますが、この事件は、この
弁護士会に属しております
弁護士の先生が被害者の代理人として、
検察庁に速やかに厳重な処分をしてくれということで、いろいろ
告訴状を出してきたということでありまして、その
告訴状に基づき
事情を伺ったところが、確かに罪証隠滅のおそれもあるというふうなことで
逮捕したということで、いささか
弁護士さんの御批判も筋違いではないかという感じもいたしました。そのほか「深夜に及ぶ
取調べを行い、あるいは病状を無視して
取調べを強行して卒倒させた」というふうな事例、これに見合う事例といたしましても具体的な事例の御
指摘がなくて、
一つの例として、何か年寄りの老婦人を深夜取り調べたところが卒倒したそうであるというふうな程度の御
指摘だったようですが、一応それに見合う案件といたしましては、
選挙事犯の重要参考人でかなり老齢な方がおりまして、自宅で任意に
事情を聴取しようとしたところが、かなり興奮して、たとえば検察事務官を突き飛ばしたとかいうふうな例もございましたので、自宅での
事情聴取は困難と見て
検察庁に来ていただいて取り調べをしようとしたところが、何かかなり興奮して気分を害されておるようなので、お引き取りをいただいたというような程度のことでございまして、いささか
決議自体が具体的な事例の摘示に欠けておるという感がしておるわけでございます。それが第一点でございます。
それから、
検事正の投書と申しましょうか寄稿の問題でございますが、ただいま
政務次官から
お話がありましたとおり、やはり
表現的にはもっとやわらかい言い方があったのではないか、
関係者に無用な誤解を与えることは検察官としても慎むべきだということはそのとおりでございます。ただ
内容的には、この
内容を
検討いたしてみますと、われわれといたしましても
選挙事犯、特に悪質な
選挙事犯につきましては迅速な
裁判ということ、それから悪質者に対する厳正な科刑ということを検察の
一つの課題として取り組んでおります。長過ぎる
裁判に対する御批判があることは先生御承知のとおりでございまして、われわれといたしましても、何とかこの現状を打開したいということでいろいろな方策を
考えて推進しておるところでございまして、そのような検察の
考え方をオブラートに包まずに、やや端的に申し上げたというようなことだというふうに私は理解しております。