○金子(み)委員 私は、きょうは、
灯油の問題に限りまして、国民生活の安定を守るという見地から、
通産省並びに経済企画庁のお考えを少し聞かせていただきたいと思う次第でございます。
私は、ことしの九月に当
物価対策特別委員会が
委員長を中心にいたしまして北海道に物価問題の
調査に出向きました、そのときのメンバーの一人として参加をいたしたわけですが、そのときに、北海道におきましては、いま私が本日取り上げようと思っております
灯油の問題が、私たち本州に住んでおります者の物の考えとは比較にならないぐらい、生活必需物資として非常に重要なものであるということについてるる説明も聞きましたし、訴えも聞いたわけでございます。言うなれば、北海道における
灯油の存在というのは、家庭生活の中における主食、お米にも匹敵するぐらい、ほかのものには比べられないぐらい重要な存在だということもよくわかったわけでございます。百七十万世帯あるそうでございますが、その百七十万世帯の中の百万世帯が
灯油を使っているという
報告もございました。
それから、その
灯油を使う期間ですが、私
どもは、本州におりますれば本当の冬の期間だけ三カ月ないし四カ月ぐらいがその期間というふうに考えられているわけでありますが、北海道では、御存じだと思いますが、平均して八・三カ月使うんだというふうに言っておりました。そして、場所によりましては十カ月使わなければならないという地域もある。ですから、ほとんど一年じゅう使っているようなものだと考えても間違いがないんじゃないかと思います。それほど需要の高いものだということであります。
そんなわけで、期間が長いだけに使用する分量も非常に多いわけでございますね。ですから、一軒の家庭当たり千八百五十リットルというふうに
報告しておりました。ですから、この
数字でいきますと、
全国平均の約三・七倍ぐらいのものを北海道では使っているということがわかるわけでございます。
そこで、北海道では
灯油というのが——いまもう十一月でございますが、ことしは例年よりも非常に暖かです。昨年のあの厳冬に比べればうそみたいにいまはまだ暖かでございますけれ
ども、しかし、もう札幌にも雪が降っておりますし、冬に入っているわけです。それで、これからずっと冬ごもりの期間が続くわけだと思いますけれ
ども、その期間の間安心して健康な生活が送られることのためには、
灯油の供給が十分なければならないと思いますことと、そして同時に、一軒、一軒の家庭が安心して
灯油を使用してこの寒い冬を過ごすことのためには、その
灯油の
価格についても考えなければならないというふうに思うわけでございます。
それで、たしか昨年の冬は例年に比べて物すごく寒い冬でございました。寒さが厳しゅうございましたので、ことに九州あたりでも雪が降ったりして、大変な寒い冬でございました。このことがやはり原因でございまして、国民生活のためにということで考えられた政策だったと思いますが、
灯油の
価格につきましては、
元売りの値段は据え置くという方針を
政府がお出しになったということを覚えております。そのことは大変に結構であったと思うわけでございますけれ
ども、その
元売りを据え置いてそのままになっているわけですね、今日まで。それで、今日までそのままになっているから、昨年の冬がそうであったように、ことしの冬も多分大丈夫なんじゃないかというふうにお考えになっているのかと思いますけれ
ども、実態はそうでなくて、じりじりと末端
価格が値上がりしているという実態をわかっていただきたいのです。
たとえば、北海道の場合でございましたら、全道平均が四月から七月、大体余り動きがありませんで、七百二十二円とか七百二十三円とかという
数字でございますが、八月に入りますと、地域にもよりますが、根室地域などは七百七十四円というふうに上がってきておりますし、同じく九月に入りますと別海地域では七百九十円というふうに上がってきているということの資料を私はいただきました。配達つきになりますと八百円を超えるというふうなところも出てきているというわけでございます。そこで、このままでいったならば、みんな非常に不安を感じているわけです。どこまで上がっていくのだろうということを非常に心配しているわけでございますが、この
小売価格、末端
価格の値上がりを何とかして抑えていく必要があるだろうと思うのでございます。場所によってはリットル当たり約一〇%、いまリットル当たり三十六円ですか、それが二円ないし四円値上げを計画しているというのですね。この十一月から上げようと計画しているというふうなことも聞かされているようでございます。そういうことを考えますと、大変に不安になるわけです。その
理由が大変にまことしやかで、たとえば配達料であるとか、雪が降っている中の配達であるとか、あるいは人件費、人をふやさなければできないとかいうようなことが原因だというふうにはなっておりますけれ
ども、それが大変に原因して
灯油の
小売価格が上がっていくという心配があるわけです。これを何とかそうさせないために方策を考えていただきたいし、
行政的な
措置をとっていただきたいと思うわけですけれ
ども、
元売り価格を据え置きにしてあるからそれで大丈夫だというふうにお考えになりますのでしょうか。そうでありながら、いま申し上げたような状態が起こりつつあるということについてどのようにお考えになりますか、御意見を聞かせていただきたいと思います。