○島田
委員 私はきょうに限らず
砂糖の問題をこの一年間にずいぶんたくさん手がけながら、この場所からの質問もしてまいりましたので、そういう
意味の
一つの集積というものの中からどうしても大臣から直接——大臣と
砂糖の議論をすることは、正直言っていま初めてなんであります。いつも
局長とやり合っていて、大臣が出てきたときになかなか
砂糖のことをやれませんから、きょうはどうしても、魚のことは詳しいけれ
ども砂糖はおれは知らぬということではないでしょうけれ
ども、それでは私は困るので、
砂糖のことをしっかりと御理解を願っておかなければいかぬと思う。
ちょっと脱線した話で恐縮ですけれ
ども、あなたの前大臣は、私がここで失礼ながらメンタルテストをいたしました。私は
砂糖のことはおまえより知っていると開き直るから、私は、それじゃ若干テストいたしますがと前置きしてお尋ねをしたら、ちっともわかっておらぬのであります。あきれ返ってしまって、私は何のために一生懸命こうやって
砂糖のことをやってきたのか、自分自身にもいや気が差したというときもございました。ですから、
鈴木大臣は魚のことは詳しい、これは天下周知の事実でありますけれ
ども、
砂糖になったらというのじゃ、これは困るので、基本的なことをしっかりとひとつこの際、大臣ともせっかく会っての議論でありますから、私は少ししつこい質問を
繰り返したのであります。
私はその認識において変わっているつもりで申し上げているのではない、それは大臣おっしゃるとおりであります。このままにしておいてよいのかという危機感は私自身にもあります。それがあるがゆえに、間違いのない
砂糖政策を進めていかなくてはならぬと思うから、もしも
国民的にコンセンサスを得られないような部分があるとすれば、この点はやはりこういう席から
国民の皆さん方のコンセンサスを積極的に求めていくという姿勢がなければいけないのではないか、私はこう思うのです。ですから、先ほど
小川委員の質問の中にもその
趣旨が貫かれておりますので、私はそれも受け継いで、わが党の
考え方をここに明確にしながら、この
法案をよいものという立場に立って、必要であるならばこれを成立せしめなければならぬでありましょうが、問題があるとすれば、私
どもは党結党の精神に立ち返って反対せざるを得ない、こういうことになりますので、しっかり御答弁をいただきたいと思うのです。
さて、それでは時間の関係で次に移ってまいりますが、今度のこの
法案のもう
一つの大事な点、見逃してならないのは、そして同時にまた大臣が大変気になることをおっしゃっているので、私はこの点はどうしても明確にしなければならぬと思うのです。
業界のいわゆる体質という問題に触れております。それは直ちに
過剰設備であるという言葉によって表明をされますが、果たして
過剰設備だというふうに言い切れるかどうか、この点私は、
農林省自体にも十分検討されているとは思われない節がある、こう思うのですけれ
ども、これは私の思い過ごしであれば結構なことでありますが、どうも私が調べてみた限りにおいては、必ずしも設備が過剰だというふうにきめつけてしまえるような
内容ではないように思います。もちろん装置産業で、
粗糖を通せば白くなるというきわめて簡単な
一つのシステムにあるこの
精製糖の仕組みではありますけれ
ども、それだけに、何でもかんでも単純に割り切って、これだけしか
砂糖を
生産しないんだからこれだけの設備でたくさんだと言ってしまえるかどうか。
特に私はこの際まず前段にそれを申し上げる私の
考え方の基本にあるのは、
砂糖は、もう
一つ、暴騰、暴落の
繰り返しでありながらも、ややもすると
過剰設備、過剰
生産の名のもとに、せっかくそこで
砂糖生産のために全力を挙げてまいりました労働者首切りというところにすぐ短絡してしまう、そういう危険な体質を持っているのもこの
砂糖の
業界だということが
一つあるからであります。そうなってまいりますと、私はいろいろな計算の方法があると思いますけれ
ども、たとえば、いまの溶糖量に対する設備の比較で申し上げますと、
砂糖を溶かす季節的な
変動というものがかなり大きいということも、この
砂糖の持っている体質の
一つのように思います。あるときは一八〇を超えるようないわゆる季節
変動値にあり、あるときは一〇〇以下というようなときもあります。しかしながら、季節的にそういう
変動はあるけれ
ども、最高
砂糖を溶かすというその時期にひとつ計画の焦点を当てて計算をしておきませんと、ピーク時に
砂糖が溶かし切れない、クリーニングし切れないという実態になってしまうわけですから、その辺のところを計算するとすれば、やはり一番多いときに計算をしておかないと、これは溶糖能力というものが正確だとは言い切れない、こう思うのです。ところが、それを平均値でとらえておるから、四百二十万トンとも言われ、四百四十万トンとも言われるこの設備は、二百六、七十万トンしか
国内で必要としない
砂糖をつぶす上では、単純計算をすれば間違いなく百二、三十万トンこれはオーバーだということになってしまう。ですから、そこのところを
政府はどういう計算をされているのでしょうか。
試みに私の計算を若干御披露すると、日産大体一万六千七有トン、これぐらい
砂糖をつぶします。つぶすといいますか、白くしている。八割の歩どまりにして日産一万三千三百六十トン溶糖するといたします。
業界の常識では大体二百六十日、こう言っておりますから、二百六十日を掛けてまいりますと、一八一の季節
変動値の最も高いときに計算をいたしますれば、六百三十万トンの溶糖能力を持ってないと日産一万三千トンの
砂糖ができないという計算に相なるのです。二百六十日という問題はもう少し後で私は触れたいと思うのですが、このような計算方式で幾つか例を挙げてみましても、一番低いとき、つまり一万三千三百六十トンそのものずばりで掛けてまいりましても三百四十七万三千六百トンの処理能力を持っていなくてはならぬということになる。そういたしますれば、単純に四百四十万トンの施設は過剰でございますと大臣は言い切れるのでしょうか。この辺、そういう単純計算で
業界のいわゆるぶった切りをお
考えになったら、これはえらいことになってしまうと私は思う。
まず、この設備過剰という問題について
政府の見解を伺います。