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鈴木国務大臣 ミクロネシア諸島を含めた南太平洋海域の漁場は、新盛さん御
指摘のように、
わが国海洋
漁業にとりましても非常に重要な漁場でございます。先般、南太平洋フォーラム諸国が会合を持ちまして、明年の三月三十一日までにフォーラム諸国は二百海里
水域を設定するということが話し合いをされたようでございます。ニュージーランドはいち早く十月一日から二百海里宣言をいたしておりますが、当面その実施はこれを見送る、しかし底魚等に対する必要最小限度の禁漁区はこれを設定をする。そして、今年中に
関係国、
漁業の実績を持つ
関係国との間に
協定を締結する用意がある、こういうことを言っておるわけでございます。いずれ豪州もあるいはニュージーランドと同様にやるでありましょうし、パプアニューギニア、ソロモンその他も同様の歩調でやってまいると考えておりますが、
わが国といたしましては重要な漁場でもあり、今日まで長年にわたりまして技術援助あるいは経済協力、いろいろな面で友好
関係を発展させるように努力をいたしてきておるところでございます。
ただ、ニュージーランドにおきましてはマルドーン首相の声明、今回はまたトルボーイズ副総理がお見えになりまして、
日本とニュージーランドの貿易
関係を中心に話し合いを行っておるところでございます。私も三回にわたって会談をし、きょうはまた福田総理と最終的な話し合いをする、こういうことに相なっておりますが、私
ども政府の
方針といたしましては
漁業問題は
漁業問題、農畜産物の貿易
関係は貿易
関係、これは切り離して話し合いによって解決すべきものだ、こういう
基本的な
方針でこれに臨んでおるところでございます。たとえば、具体的にニュージーランドから牛肉の輸入量を下期五万トンの割り当てをすべきである、あるいはまたバターあるいは脱脂粉乳等を大幅に
日本が輸入すべきである、こういう希望が表明をされております。おりますが、新盛
先生御承知のように、
わが国の酪農畜産は非常に農業の中でも大事な分野でございます。三年前のあの深刻な畜産危機をようやく乗り越えて、そして
日本の畜産業は今日どうにか安定的な成長を遂げてきておるわけでございます。したがって、病後のこの
日本の畜産というものは外圧に遭った場合に非常に抵抗力が弱い。私は、やはり
日本の畜産というものは
日本農業の中でも大事な分野でございますから、これを育成し、伸ばしていきたい。そのために国会で御決定をいただいておりますところの畜安法、それに基づくところの畜産振興事業団の一元輸入、価格支持政策、こういうものもございます。また、乳製品に対しましても、安定帯価格を上回って暴騰し、または暴騰するおそれのある場合でないと
外国から輸入ができないという
法律制度もあるわけでございます。したがいまして、そういうことを放てきして、あるいは
法律の
改正まで言って――これは国会の御承認を得ることはできないと思っておりますが、そういう
日本の
法律制度を変えても輸入量を拡大すべきだ、こういう要求、そして、これを二百海里問題に絡めてくるというようなことでは、今後のニュージーランド、
日本の友好
関係と経済的な発展に必ずしもプラスになるものではない。
漁業問題は
漁業問題として、
日本としてはあらゆる御協力を申し上げましょう、そして畜産等の肉や酪農品の輸入についてはやはり
日本の
制度、仕組みというものを理解を願って、その範囲内で国内の需給の
関係をにらみ合わせながら
日本としても努力をいたします。こういうことで対応いたしておるところでございます。
豪州に対しましても、
漁業は
漁業、その他の農畜産物等の貿易問題は貿易問題、こういう形で対処してまいりたいし、また今後豪州等に対しましては、新盛さんも御承知と思うのでありますが、向こうが今後は合弁事業を中心として日豪の
漁業関係を組み立てていきたい、こういう考え方もあるようでございますから、そういう点もよく要望を検討いたしまして遺憾なく対処をしてまいりたい。
いずれにしても、大使館、
外務省を通じまして絶えず接触もし、情報もとっておりますし、農林省の駐在官、アタッシェ等もおりまして絶えず情報の交換や接触もしておる、いろいろな面で今後緊密にやってまいる考えでございます。