○近藤
委員 一般的な問題につきましていろいろ申し上げたのでありますが、私は、この機会をあれして、実は、一般の公務員の中で特に国家の存立にとって非常に大事なことをやっておられる
方々がいらっしゃる、全部の公務員の
皆さん大事だと思うわけでありますが、特に最近のいろいろなハイジャック事件やまた過激派集団の
行動というものを
考えてまいりますと、国家社会の法と秩序を支えている、それこそ体ごと支えておられる公務員の
方々、さらにはまさに国家の安全
保障というものを、それもそれこそ、これに全生命をかけて勤務していらっしゃる自衛官の
方々、やはりこういう
方々の
給与というものは、全部の公務員の
方々の
給与ももちろん大事でありますけれ
ども、われわれ
国会として特に取り上げていかなければならないのじゃないか、こういうふうに
考えるわけであります。
実は私、かつて行政管理庁の政務次官をしておりましたときにあちこちの
政府の出先機関を回ったことがあるわけでありますが、たまたま刑務所に参った経験がございます。そこで刑務所の所長さん、
職員の
方々といろいろな話をしたのでありますけれ
ども、これは私、初めて聞いたのですが、刑務所
職員の間で三ころということが言われているらしいです。三ころとは何だ、マージャンのことかと思ったら、マージャンじゃないので、刑務所の仕事というのは精神的に非常に極端な緊張
状況の中にいる。たとえば囚人たちを働かせる作業場にまる腰でいて監督をしているわけでありますから、まさにハイジャックがいつでもできる
状況の中にいるわけです。だからといってピストルを持っていったら、逆に向こうに取られてしまうから、まさにまる腰で行かなければならない、こういう
状況です。私も初めて行ってみてわかったのでありますが、当然のことなんでしょうけれ
ども、刑務所があって、へいがあって、そこに就役している。その周りにもう
一つへいがあって、その中に
職員の
方々、家族が住んでいる。だから、言ってみれば刑務所の
職員の
方々は壁の中の生活をしておられる。ですから、最近も何か東京拘置所に
爆弾車が突っ込んだとか、また千葉の刑務所の近くに時限
爆弾が仕掛けられた車が置いてあったとか、そういう非常に戦慄すべき事件が起こったわけであります。こういう
状況の中におられますので、大体六十ぐらいまで勤められるそうでありますが、お勤め終わってもう退職されると、そういう緊張
状況が一挙になくなってしまうものですから、安心するかどうかはともかく、三年たったらころりといってしまう、これを称して三ころ、こう言っているそうであります。
私は、どうもそれは
考えてみたらそうだということですし、国家公務員から地方公務員までいろいろな職責がございますけれ
ども、役人をやめてつぶしのきかない職業としてはこれが最高だと思うのです。法務省の方、いらっしゃるかもしれませんが、大変恐縮ですけれ
ども、それは税務署員とかは何とかかんとかいろいろつぶしがきくのでありますが、およそ刑務所の仕事くらいつぶしがきかない仕事はない。しかし、これだけではなしに、いろいろ先ほど申しました、まさに国家のロー・アンド・オーダー、そして安全
保障、こういう存在の根幹に携わっておる
方々の
給与というものは、一般公務員と別にある程度お
考えいただいていい、かように私は
考えるわけであります。
時間があれば、なぜ若干の差があって、その差のことについて
人事院総裁その他から承りたいと思っておったのですが、時間がありませんのではしょりますが、特に私は、きょうは総務長官、
防衛庁長官、
人事院総裁お見えでございますけれ
ども、そういう枢要な方に御配慮いただきたいのでありますけれ
ども、そういう警察官、刑務官、自衛官の一般の
給与もさることながら、特別の手当について十分に御配慮をいただきたい。
例を
一つだけ挙げますが、同じ刑務所の話で恐縮でありますけれ
ども、死刑執行です。死刑執行については特別の手当がついている。私も初めて参って聞いたのでありますが、いま
日本では死刑執行というのは大体絞首刑だそうですけれ
ども、大体それを執行するボタンが四つあって、四つのボタンの
一つだけが本当のボタンだそうですね。あとの三つは全然つながってない。だから四人でボタンを押すのだけれ
ども、そのうちの一人のボタンがつながって死刑執行するわけです。しかし、その四人なら四人が全員とも、おれが押したボタンであいつが死んだのじゃないのだという、そういう精神的な救いをいささかでも得てもらいたいということで、あえて四つのボタンをつけているわけです。実際体験談を聞いてみますと、それが決まって三日ぐらい前から食事もろくに通らない。特に肉ものは食べたくないそうです。斎戒沐浴だから、酒飲んだりしたくない。そういう気持ちでおやりになる。ですから、そういう
方々の特別の手当というのは一体幾らついているのだと聞いてみたら、一回五千八百円だそうであります。それは執行する人たちです。そして補助作業する人は三千二百円だそうでありますが、こういう仕事を銭金でどうこう言えないと思います。しかし、承っているのでありますが、五千八百円という数字が一体どうして出てきたのか。これはそんな感じで決まったと思いますが、
人事院総裁、総務長官もいらしゃいますけれ
ども、一回押したら十万、二十万というのも、今度は十万もらえるから押したみたいなことになってしまっても困りますから、それは限度があるのですが、一回一万円ぐらいお上げしてもいいのではないかという感じがするのです。これは
基準がないようですけれ
ども、五千八百円というのはいかにも中途半端で、一回一万円お上げして——大体これは十五人ぐらいのチームでやるそうですから、それでぐっと回って、一回やったら必ずかわるそうです。ですから、一回やって、いやなことをやったわけですから、それこそどこかへ行って一ぱい酒でも飲んで憂さ晴らしする、おはらいするぐらいの金として一万円、いまの物価では決して高くないのではないか、こういうふうに
考えますので、これはひとつ御考慮を
お願いいたしたいと思います。
同時に、警察庁からもお見えだと思うのでありますけれ
ども、いろいろたくさん手当を言うと切りがありませんが、たとえば一例を挙げますと
爆弾処理手当、一件三千三百円だそうでありますが、最近みたいに、そうしょっちゅうありませんけれ
ども、いわゆる企業爆破事件とか何か起こったときに、そういう非常に危険な仕事をするに当たって一件三千三百円という数字が果たして妥当かどうかという気がいたします。私なんかひきょう者でありますから、三千三百円もらってもちょっとしり込みをしてだれかやってくれ、こう言うのじゃないかと思うのでありますけれ
ども。承りますと、
防衛庁の方でも同じような手当があるのですか。ですから、
防衛庁と警察庁と横に並べて大体一件三千三百円というようなことで決めていらっしゃるようでありますけれ
ども、これなんかも危険度のいろいろなものがあると思いますけれ
ども、私はもう少しお上げしていただいてもいいじゃないか、こういうふうに思います。
繰り返し申しますが、こういうことで公務員というのは大事なお仕事をやっていただいておるわけであります。その中でも本当に社会の存立の根幹にかかわっていらっしゃる国家公務員、そして警察官の場合は地方公務員でありますけれ
ども、こういう
方々の給料は、教育公務員について人確法でプラスアルファをして、さらに主任手当をして、こういうことですが、これも民族百年の大きな事業でありますから教育は大事でありますが、同時に、こちらのことについても
人事院総裁、総務長官、そして各省の
大臣や幹部、
関係者の
方々に十分御配慮いただきたいと思うのであります。
そこで、時間がなくなって恐縮ですが、一言
防衛庁に承りたいのでありますが、ずっとこう見てまいりますと、いろいろな手当があるのでありますが、自衛官について災害派遣手当というものがどうも見当たらないのであります。実際災害救助に自衛隊の
方々が努力していらっしゃる事例は私、しばしば見るわけでありますが、こういう場合の災害派遣手当は一体どうなっているのか、
防衛庁の方で御
説明いただきたいと思います。