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受田委員 これはシビリアンコントロールにも
関係する大事な問題で、文民優先の原則をやる大変大事な人事でございます。だから、内局の参事官たちの意見も聞くと同時に、政務次官よりは事務次官の意見を多く聞くというようなことになって、政務次官には、なあ君、よかろうかのうというような調子ぐらいで片づくようなことになりはしないかと思うのですが、政務次官は事務次官よりは
防衛庁内では上位にあるわけです。政務次官をいま最後に申されたので、事務次官の方を大事にされて政務次官を軽く扱われることがないように、ただ、たまには政治家というものは感情が先へ行きまして、この自衛官は適当でないというようなことで、おかしいなと思うようなときは
長官が神の声によって任命するということをやらなければいかぬのですからね。これは私、ぜひ公正な人事ということについて、特に制服の最高
責任者たら、三幕の長と統幕議長にはよほどの人材が行くように、部内で本当に心服できる人が長になるように御配慮を願いたい。
そこで、また
関連する基本的な問題になるのですが、ここに国防
会議の久保卓也事務
局長が来ておられる。
長官、御記憶にまだ新しいと思う。あなたが内閣
委員長をやられた前後でございますが、
昭和四十七年の二月に予算の先取り事件というのがあったのです。第四次防整備計画が十分できていないときに、T2、C1というような
飛行機を決めるのに、先に予算だけを取って国防
会議で決定していない、つまり四次防の策定ができておらぬ
段階でその特別の要求を予算に盛り込みました。そのとき、その前の年、もうわれわれ内閣
委員の体験者は、本当にあれは奇妙なことがあったと思うのですが、その前の七月に増原さんが
長官になったと思ったら八月に例の雫石事件が起こっておやめになる。その後西村直己
先生が
長官になったと思ったらすぐおやめになって江崎真澄君が
長官になる。江崎
先生まで簡単にばっばっと行ったですよ。そういうふうに
防衛庁ががらがらっと行ったものだから、つい予算の先取り事件でとうとう
国会が十数日も二十日も空白になって、最後には船田議長が裁定をして決まったというわけで、
防衛庁が敗北をした苦い経験をお持ちになっている。
長官、あの事件知っておられますか。あの予算先取り事件のときに、久保
国防会議事務局長が
防衛局長だったですかね、これは大変苦汁をおなめになった体験をお持ちなんです。
それで、ここではっきりしておかなければいかぬ。国の基本的な
防衛を担当するお役所が
国会で一月も空白を生むような事件を起こして、そうしてせっかく出したT2、C1のこの二種の予算分は削って予算修正をやったのです。この間初めて野党が三千億円の上積み減税をやったけれ
ども、あのときには野党が押しまくって
防衛費の予算修正をやったんですよ。これはもうりっぱな予算修正の先例が一つある。これをひとつよい教訓にされて、
国会には十分
説明がつくような予算案をお出しにならないと今後また問題を惹起するわけです。
そこで、国防
会議というのは一体どういう性能を持っているのか、権能を持っているのかというところへいまスタートするわけです。あのときは国防
会議がなめられたのです。あのときは事務
局長はどなたでしたかね、海原
先生茶くみだと言われて怒ったことがあるのですが、この海原さんが事務
局長のときですよ。国防
会議というものは
権威を持たなければいかぬ。国防
会議というのは大体
防衛庁の上にあるべきもので、それがいまごろ
防衛庁の茶くみというようなことになると、これは本末転倒もはなはだしいものでございまして、アメリカなどでは安全保障
会議の事務
局長と言えば、前はキッシンジャーがやり、いまはブレジンスキーがやっていて、大統領補佐官で、大統領を動かす力を持った者がそこにじっとおるから、国防総省にしても陸海空省にしても、もうあの安全保障
会議に頭が上がらぬのです。それで、ずっと国防計画が外交、経済等をもとにしていっておる。ところが、
日本の方はどうかと言うと、三幕からそれぞれ
資料が出てきた、それを統幕
会議で決める、それに内局の皆さんの
知恵を足して、最後に
防衛庁長官が決裁して、今度でも予算の要求の中へいまの新兵器のF15もP3Cも入ってくる。それをまだ国防
会議にかけておらぬのですから、今度本予算のときにこれを物にしようというようなことですから、国防
会議というのは宙に浮いておるですよ。もう
防衛庁ぺ−スでばっばっばっば行く。国防
会議というものは、平素から外交、内政すべてを勘案して自衛隊の増強を、あるいは配置転換をどうやるか、あるいは人員をふやすとか減らすとかいう問題は、国民
合意の上に、シビリアンコントロールの一番根元の国防
会議でさあっとその都度やるべきですよ。あえて申し上げますが、ミグ25のときでも早速国防
会議をやるべきであった。AEWをどういうふうに採用するか、ミグなんか来たときはすぐそれに
対処する兵器を早くやろうじゃないかとか、
調査員みたいなものでなくて、もう少し大物をやるべきですよ。それから韓国の、例の大統領の地上軍撤退、こういう声明が出てきたら
日本にすぐ響くわけです。これにわが国はどう
対処するか。
防衛の肩がわりを命ぜられないようにするにはどうしたらいいか。二百海里の問題がある。相次いでいろいろな問題が発生するごとに国防
会議をやって、一年に一遍か二遍やるかやらぬかわからぬような
会議でなくて、国防
会議は常時権能が発揮できるようにやっておくべきだと思うのですが、これはあさって
総理に
質問をしなければ答えが出ぬとすればそうさしてもらいますが、
長官としては、
防衛庁ぺ−スで、国防
会議が
防衛庁のでき上がった案を最後はうのみにしていただくような行き方というのは、これは下から上へ
防衛庁が押し上げて国防
会議を抑えつけるというようなことになるのは間違いで、国防
会議が国の
防衛の大綱を決めて、それを
防衛庁その他
外務省、経済企画庁、大蔵省がこれを下で実行に移すというのが筋じゃないかと思うのですが、私の申し上げることに御賛成ですか。