○依田
委員 最後に近くなりましたのでひとつ御提案をするのでありますけれ
ども、その前に、
先ほどから
三浦常務がいろいろお話しになりまして、いままで
NHKに
独占されておった国際的
放送は民放でも必ずいい
放送ができるんだということで、この
モスクワオリンピックを
自分たちの方でぜひ手がけてみたいというお
考えのようでございますけれ
ども、しかし、このような国家的行事か一民放企業の
皆さんのお力でやって——それはやっていただくのは結構でございますけれ
ども、その間の事情というようなものが重なりますと、今後の
オリンピックあるいはほかの国家的行事につきましても、
放送権利をめぐりまして抜け駆け的なことが出るような事態になって
放送界が混乱するんじゃないだろうか、今度の
モスクワオリンピック放送は
一つの例として、これだけは
テレビ朝日で実施してしまうという前にもう一度
皆さん方にぜひ御再考をいただきたい、こういうふうに私は思うのであります。今度だけは例外で、それからは
オリンピック方式でやるんだということではいい
放送は出てこないんじゃないかと私は思います。
先ほどから
三浦常務のお話を聞いておりますと、戦後、昭和二十八年から今日まで、
テレビに携わり、いろいろな技術に携わり、あるいは映像のつくり方に携わってきた
人たちの努力を多少過小評価しているんじゃないだろうかという気がします。何でも意気込みさえあればできるんだということで、技術陣を
たくさん派遣しなくても一社だけで行けば大丈夫だというお
考えでしょうけれ
ども、その意気は結構でございますけれ
ども、もう一度慎重にお
考えをいただくのがよろしいんじゃないだろうかというふうに私は思っておるのであります。
ところで、きょう朝からいろいろとお話が出ておりました。私はきょうはちょっとかぜぎみなものですからさっき出てきて、ちょっと熱が高いので話も少しスピードが出てしまうのでありますけれ
ども、全部聞かないでほかの方からそういう
意見が出ておって繰り返しになりましたら大変恐縮でございますけれ
ども、このままで行きますと、
NHKは
金額が折り合わない限りはやらないのだ、民放は
テレビ朝日がやるのだからおれたちは静観だ、あるいは
テレビ朝日は私のところでできるのだからやるところまでやり抜くのだと、こういうことで三者がそれぞれますますみぞを深められますと将来の
放送界にとっていろいろ禍根を残されるのじゃないだろうかというふうに私は思うのでありまして、ここはひとつ、あすからで結構でございますから、
皆さん方がぜひ
話し合いの場に着いていただくことか大事じゃないかというふうに私は思っております。どっちかが折れてこない限りは
話し合いのテーブルに着かないのだ、あるいは
向こうが着かないならうちの方で譲る必要はないのだということでは困ると思います。
三浦さんのような政治のベテラン記者から見ればわれわれ国
会議員はずっと子供っぽく
見えるかもしれませんけれ
ども、しかし、これは中立の
意見として聞いていただきたいのですが、三者それぞれから代表を出していただいて、
共同協議機関というものをおつくりになりまして、
話し合いが進むか進まないかは別としてテーブルに着くということが大事じゃないでしょうか。そして、
国民の
皆さんが公共の
電波を皆様方にお預けしておるのでありますから、一企業のメンツは捨てていただいて、ぜひそういう世論に沿うように、ひとつ
共同協議機関を三者でおつくりをいただきたい。これからでも遅くはないと思うのであります。一九八〇年はまだ先でございますから、ぜひその間に
皆さんで御一緒にできるようなことにしていただきたい。そして、われわれにとりまして一番大事なことは、
モスクワに行ける人は結構でありますが、東京でモクスワ
オリンピック放送を見る人が多数なのでありますから、その
人たちに本当に親切な、見やすい時間帯に
日本人の選手の活躍がいながらにしてわかるような映像の出し方を
皆さんで御研究をいただきたい。
私は、
金額は問題じゃないと思うのであります。
アメリカの約一割というふうに
ソビエトが提案しておるのでありますから、これは最終的に
NHKがやろうが民放の
テレビ朝日がおやりになろうが、八百五十万ドルという
金額、
日本円にして二十五億という
金額については、多少の変動はあってもそう大きな変動はない。ですから、
テレビ朝日か二十五億円をむだ遣いするとか、そういうことはわれわれは一切申し上げないつもりであります。どこがやろうが、相手が
ソ連なのでありますから、一度
金額を出したからにはその
金額でおさまるところにおさまるわけでありますから、そういう
意味では
金額はとやかく言う必要はない、しかし、
皆さん方御三者がか
たくなにそれぞれの立場を固執されることなくぜひテーブルに着いていただきたい、そしてこれを郵政大臣がぜひ、介入じゃなくてバックアップをしていただきたい、こういうふうに私は思うのですが、郵政大臣、いかがでしょうか。