○安田
委員 そういう御
答弁ではちょっと納得できないのですよ。というのは、たまたま渋川の場合には商工
会議所の会頭さんがデベロッパーであった、だからそういうことが起きるのだ。しかし、これは常に起き得る
可能性が十分あるので、渋川だけの条件ではないと思うのです。大体どこの市の商工
会議所の会頭さんも有力者でございまして、市の
中心部などに土地を持っている方が多いのですね。実際、地方の都市へ行けば、大体大スーパーなどが目をつけるようなところには土地をお持ちになるか、あるいは直接土地をお持ちになっていなくても、それと利害関係がある人が多いのですよ。ですから、会頭一人が委嘱するような形をとるこの通達、ここに一つ問題があるのじゃないか。もっと民主的といいますか、広範な人から、選挙までいかなくても何らかの形で選ぶというような方法をとらなければいかぬのじゃないか。
あなたのおっしゃるように、昭和四十九年二月二十八日付の通達ですか、確かにこれで「商調協の公正妥当な組織運営を確保するため、」云々とか、その中で3ですね、「学識経験者については、特に中立性および地元における信望に留意すること。
会議所から選出される
委員についても、特に中立性に留意すること。」と書いてある。りっぱに書いてある。
ところが、実際に三千坪の売り場面積を確保することに全面的に協力するんだということを、ことしの九月に三条申請を出す七カ月前にもうすでに密約しているわけですよ。その人が委嘱するのですからね。
たまたま委嘱された人が案外骨のある人で、反骨精神が強くて、たとえおれが委嘱されても会頭の利益は図らぬというような人が選ばれれば、それこそあなたのおっしゃるたまたまそういう救済があっただけの話であって、この商調協の運用について、いままでの通達ではこうした抜けが出てくることは十分
考えられるわけで、たまたま渋川市だけに偶発的に起きたんだということではないのじゃないかというふうに疑われても仕方がないのじゃないか、会頭が委嘱するというやり方では。
それから、これは
通産局と十分連絡をとってその了承を得た上で云々、こう書いてありますけれ
ども、実際問題として、
通産局が一々市の
事情がわかるわけじゃございませんから、多分これは盲判みたいになるんだろうと思うのです。そうすると、会頭さんのワンマンで、したがって、まさにニチイがここに目をつけて、この
契約書を見るとうまいこと書いてあるのですね。「渋川市の商圏、商調協、建設地の権利関係等、
検討致しておりましたが、下記条件にて」、つまり、これは商工
会議所の会頭さんである堀口さんの土地だ、商調協をある
程度動かせるんじゃないかというような期待がはっきり読み取れるような文章ですよ。そして「その確保について、」つまり三千坪の確保について、「商工
会議所、商調協等に対し、貴社は全面的に協力することとする。」これを条件にして賃貸借の申し入れをやるというのですからね。
それに対して、次の次の次の日、はい、そうします、「早期解決を図る為、全面的協力を致す所存であります。」こういう返事が来た。これから選ばれてきた商調協を疑うなと言ったって、これは無理だろうと思うのですね。どうですか。
ですから、やはりこれは
制度の問題としても、もうちょっと商調協の中立性といいますか、公正性を疑わしめないようなやり方、これがまず第一に必要だろう。もちろん結論が公正であることは必要ですけれ
ども、そのプロセスにおいても、いささかもこういうことが疑われないような仕組みにするためには、やはり会頭さん一人の人格に頼るだけではなくて、もうちょっと何かチェックするシステムがあってもいいんじゃなかろうかということを
考えるわけです。それが私の指摘したい現行法における運用の欠点といいますか、運用上問題点かあるということの一つであります。
それから、同じニチイなんですけれ
ども、横浜市の例で見ますと、これは横浜市の天王町へニチイが進出するということで、五十一年の十月ごろに三条申請があっていろいろあったわけですが、周りの商店街の人がことしの八月十九日に市に陳情をしたいと問い合わせたら、二十三日が都合がいいという返事があった。
二十三日に行きましたら、商工
会議所の企画部次長が、あなたたちの陳情は書式に合っていない、陳情書が私信で届いている、期限が切れている、そういう返事をしておるのです。ということは、どういうことを意味するかといいますと、実は官報に公示して、届け出から三カ月以内は
通産大臣の調整期間だというわけですね。その期間が切れちゃった、最後にはこういう話なんです。
ところが、この陳情は、実は八月十日の日ですか、私自身も現地の人を連れて
通産省へ行きました。そして陳情書を出した。そのときに意見書とはしなかったけれ
ども、
通産大臣あての陳情書という形で出したのです。しかし、以前の国会で、野間議員の
質問に対して、意見は口頭で述べてもそれは尊重するといいますか、受け付けるというような
答弁があったということだったので、陳情書という形をとっておるけれ
ども、これは意見として
考えてもらいたいというつもりで、私自身も地元の商店街の人を連れていったわけです。
したがって、この意見が出たんだからいよいよ何か陳述をする機会が与えられるだろうと思ったところが、ことしの十月二十七日ですか、商工
会議所に、いつまでたっても連絡がないので、尋ねたわけです。そうしたら、もう少し早く
通産局に意見書を持っていってくれたらよかったんだ、七月二十日に届け出、五条申請があったので、八月、九月、十月の二十日でもう三カ月の調整期間が切れちゃっている。しかも、その陳情書は意見として取り扱われずに、
通産省の担当官から横浜の商工
会議所の次長さん個人あて、安達さんという人あての手紙に、こういう陳情が来たという陳情事項だけをくっつけて送っている。そのために、地元の意見は特段ないという形で結論が出てしまっておる。しかも、さあ後から地元の商店街の人が行ったところが、
通産大臣の調整期間は三カ月で、十月二十日で切れちゃった。もうどうしようもないというような返事なんです。この意見の扱い方についても、きわめて不親切といいますかずさんだというか、そういうことがあるわけです。
時間が来ましたのでこれでやめますけれ
ども、そういう意味では、商調協のあり方といいますか、地元の商店街の中小業者の意見を十分反映するように構成しなければならないし、運営もしなければならないと思うのですよ。ところが、
通産大臣あての陳情書だったから意見として扱わなかったとかと言うわけです。そうしたら、そのときに教えるべきだと思うのですね。これは
大臣の調整期間は三カ月しかないのだから、いますぐ意見書という形で出しなさいとかなんとか教えるべきなのに、そういう教示もせず——確かに書式が違うということは言いました、そのとき私もわきにいましたからね。ただそれだけなんです。三カ月というのはいつ起算でいつになるのだ、それまでにこうしなさいということを親切に教示しない、そういう問題がある。ですから、渋川の問題も今度の横浜の問題もたまたま同じニチイが絡むのですが、地元の商店街の人にしてみれば、何か
通産当局はニチイと特殊な関係にあるのじゃないかというような、そういうようなことを言う人も出てくるというような状態で、これは大変問題だと思うのです。
ですから、そういう点で、現行法の運営についても、ぜひ公正中立を疑われないような商調協の構成にしていただくような保証を
考えていただきたい、これが一つ。それから、そういう問題点がこのままでおくとまだまだ起きますので、ぜひ抜本的な見直し、改正について精力的に
検討していただいて、次の通常国会に出せるようにしていただきたいのです。この点、
お答えをいただきたいと思います。