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小川(国)
委員 私は、これはいずれ農林
委員会で
お尋ねしたいと思っているのですが、あなたのいまの
答弁に見られるように、地価の高いところへ移してやるからいいのだ、たから多少その
土地が離れていてもがまんしてもらう、これは
空港決定時のいきさつと全く違うのですよ。農民には現在以上の営農条件を与えるという約束があった。現在より営農条件が悪くなるということは、この
一つをもってしても、あなた方は農民のことを本当に考えていない。六百戸の移転した農家の中で農業をやっているのは一割足らずという
現実を見ても、あなた方の代替地政策というものがいかに欠陥だらけであったか。これはいずれ農林
委員会で
指摘します。
次に、
騒音対策の問題です。政府は聞くところによると、年度内開港で、来年三月ごろの開港を目指しているということですが、いまの岩沢正男さんのように、住めないところ、移転の対象となっている民家が、
昭和五十二年三月三十一日現在で、民家三百二十三戸のうち二百五十八戸が移転しましたけれども、まだ六十五戸残っております。それから、民家防音の告示区域で、八百三十三戸の対象農家中、民家防音工事が実施されたのは四百五十二戸で、未実施の民家が三百八十二戸残っているわけです。これはいずれも開港すれば住民生活に甚大な影響があるということで、移転と民防等の対策が
環境保全の対策として出されているのですが、政府や公団のやり方では、安心して移れる移転先がない。あるいは、いまやっている民家防音の一室や二室では、農家のようなところは全室防音ができなくては困る。それから
原因者が負担せずして、被害者である住民が三割とか半額を負担するのは適当でない、こういういろいろな
理由がありますが、いずれにしても、この
環境保全対策に対して不満を持った人
たちが移転で六十五戸も残っておるし、民家防音で三百八十一戸も残っておるわけです。そういう人
たちが環境対策なり移転対策に不満を持って、解決されないということで残っているわけですが、そういう問題を解決せずに皆さん方は開港ということを
現実のものとして進めよう——開港前にこれらの問題を解決しようという熱意というものはあるのかどうか。
現状を見ると、そういう対策というものは何らとられていないように思うわけなんです。
それから特にいままで行われた対策の中で、野毛平というところとそれからもう
一つ長田という部落があるのですが、これは
運輸省の
指導の誤りで
騒音の一番ひどいところから、移転区域から
騒音区域に引っ越しをさせちゃったわけです。家が新しくなればいいだろうということで、住めないところの人に移転を命令した。移転をさすなら
騒音区域の外に代替地を見つけるべきなのに、その住めないところから
騒音区域に、五百メートルぐらい部落からずれたところへ引っ越しさせているわけです。だから、それぞれ五十戸ぐらい、約百戸の住家というものは移転したけれども、やはり
騒音の中に引っ越しているわけですね。そういう政府の
騒音対策の不徹底があるわけです。だから、移転はしたけれども、やはり
現実に防音工事をしなければならないところに、家だけはりっぱになったけれども、防音工事をしてない民家が百戸もあるわけですね。こういうものも放置したまま開港しようということですか。
環境保全の対策というのはいまの状況では全く切り捨てられたまま開港列車だけが突き進んでいる、こういうふうに私どもは思っているわけですが、開港前にこれを解決するというめどは
運輸省、公団それぞれ持っておられますか。