○
馬場(昇)
委員 いままだ検討の最中だそうでございますけれども、ちょっとこの点について希望を申し上げておきたいのです。
これは
長官も十分御存じと思いますけれども、明水園とかいろいろできておるのですが、どちらかというと拒否反応を示す患者さんたちも多いわけです。これは何かというと、そういうものをつくって、上からこうしてやるんだぞと押しつける、管理をする、あるいは就職をしても、そこで、おれは監督しておるんだぞ、こういうようなかっこうは患者さんたちはものすごくきらうわけですね。そういうことでございますから、やはりいまの問題も、大体の構想ができたら、患者さんたちにこういうものでどうだろうということで相談しながらりっぱなものにしていただきたいということを申し上げておきたいと思うのです。
それから次の問題ですけれども、この間、
長官が若い患者さんに会われたときに、最後に坂本しのぶちゃんが水俣へ来てくれという話をいたしました。
長官も時間があれば行きたいというように答えられたわけですけれども、この
意味というものを
行政に生かしていただきたいという
意味で質問するのですが、
行政が水俣病対策をするときには、いま各派のいろいろ派閥があるから、派閥の代表、八派の代表を呼んで、そこで
説明をした。患者さんには皆
説明してしまった、患者に
説明したんだということで、これで終わりだというような
行政がたまたま行われてきておる。そういたしますと、各派閥に属していない患者さんとか、特に若い患者さんたちなんかには全然情報も知らされない、相談も実はかかってこない。患者さんの中でこういう盲点があるわけです。
それからもう
一つは、明水園に
長官行かれましたけれども、あそこで患者さんたちがわからない言葉で言うわけですよ。そうすると、看護婦さんとかお医者さんがそれを
長官なんかに通訳してくれる、通訳という言葉はまずいですけれども伝えてくれる。それを、しのぶちゃんなんか見ておりましたら、全然あの患者さんはああいうことを言っておるんじゃないんだ、違うことを言っておるのが違った形で
長官なんかに伝わってくる。だから患者さんは、私たちの言うことが
一つも
長官なんかにはわからない、ものすごくさびしく思っておるんですよ。この間、坂本しのぶちゃんだって、私が言おうとしたことを
長官にどうしてもわかってもらえなかったんじゃないか、こういうことを言っているのです。そういう非常にさびしい思いをしております。いまの財団法人でも
意見を聞けということはないですけれども、もう
一つ行政の中で、胎児性の患者さんとか若い人、そういうところが往々にして
行政から抜けている、盲点になっている。ここのところをきちんと気をつけて水俣病
行政というのはやっていかなければいけないんじゃないか。こういうことで水俣を訪問してもらえばそういうことの
機会もできてくるわけですから、そういう
意味で言っているわけでございますので、十一月にはやめるとかやめないとかという話もありましたけれども、まあそれは別として、とにかく水俣に
機会があれば行って、そういう人たちと話し合いをして心を通わせて
行政をしてもらいたいということを、患者にかわってお願いしておきたいと思うのですが、これ、よろしゅうございますか。