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1977-11-16 第82回国会 衆議院 交通安全対策特別委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十二年十一月十六日(水曜日)     午後一時十分開議  出席委員    委員長 鈴切 康雄君    理事 左藤  恵君 理事 丹羽 久章君    理事 井上  泉君 理事 太田 一夫君    理事 新井 彬之君       北川 石松君    玉生 孝久君       中村 弘海君    前田治一郎君       久保 三郎君    野坂 浩賢君       草野  威君    寺前  巖君       伊藤 公介君  出席政府委員         内閣総理大臣官         房交通安全対策         室長      室城 庸之君         警察庁交通局長 杉原  正君         運輸政務次官  石井  一君         運輸省自動車局         整備部長    犬丸 令門君  委員外出席者         警察庁交通局交         通規制課長   福島 静雄君         国土庁大都市圏         整備局計画課長 三橋 壯吉君         大蔵省銀行局保         険部長     貝塚敬次郎君         運輸省鉄道監督         局民営鉄道部土         木電気課長   原   慧君         運輸省自動車局         参事官     松井 和治君         運輸省自動車局         業務部長    梶原  清君         運輸省航空局技         術部長     森永 昌良君         運輸省航空局管         制保安部長   飯塚 良政君         建設省道路局国         道第一課長   住友 栄吉君         建設省住宅局日         本住宅公団監理         官       福田多嘉夫君         日本国有鉄道旅         客局サービス課         長       高木 謙治君         特別委員会調査         室長      綿貫 敏行君     ————————————— 十一月二日  ハイヤー・タクシーの交通政策確立に関する請  願(小林政子君紹介)(第二七七六号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  交通安全対策に関する件      ————◇—————
  2. 鈴切康雄

    ○鈴切委員長 これより会議を開きます。  交通安全対策に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。丹羽久章君。
  3. 丹羽久章

    丹羽(久)委員 お許しを委員長から得ましたので、質問をいたしたいと思います。  わが国も昭和四十年代以降本格的なモータリゼーションの時代に入り、自動車保有台数は急速な拡大を見せてまいりました。四十年度末には約八百万台あったものが、五十一年度の末には三千百万台だということが言われております。約四倍になっておるわけであります。こうしたモータリゼーションは、一方で大変悲惨な交通事故を生む原因になりまして、交通事故発生件数もこの間は増加の一途をたどってきたわけであります。  私の調べでは、昭和四十一年の交通事故による死者は一万三千九百四人、負傷者は五十一万七千七百七十五人であったが、その後増加を続けて、昭和四十五年には、死者が一万六千七百六十五人で、負傷者は百万に近い九十八万千九十六人という大きな数字を記録いたしておるのであります。交通事故史上最悪状態になりました。  しかし、四十六年から減少傾向に転じまして、五十一年には死者が九千七百三十四人と、三十三年以来初めて一万人の大台を割ることができました。一方、負傷者も百万近いものから六十一万三千九百五十七人と、昭和四十二年当時の状況にまで減少になったのであります。  自動車保有台数増加をしているにもかかわらず、交通事故負傷者昭和四十六年以降六年間連続して減少してきましたのは、昭和四十五年に交通安全対策基本法を制定いたして、これに基づいて国及び地方公共団体が四十五年以降交通安全基本計画及び都道府県交通安全計画等を作成し、歩道または信号機等交通安全施設の大変飛躍的な整備と増強、効果的な交通規制の推進、車両の安全性向上交通取り締まり強化交通安全運動及び交通安全教育普及、各般にわたる交通安全対策を総合的に推進してきたことや、国民も交通安全思想普及により、それぞれの立場で積極的な協力と自主的な活動を惜しまなかった結果であると考えられるのであります。  このように交通事故による死傷者減少傾向にあることはまことに喜ばしいことであり、政府の皆さんの努力も私は大きく評価するものであるが、いまなお一万人に近い方々の尊い人命が自動車事故によって失われていることはまことに残念であり、ゆゆしい問題であります。政府はいま一層交通事故発生防止に全力を尽くすべきであるということは言うまでもありませんが、不幸にも交通事故によって被害をこうむられた方々救済についても、一日たりともゆるがせにしがたい問題であると思います。とりわけ、一家大黒柱交通事故によって一瞬のうちに失われた遺族方々の今後の生活の辛苦は、筆舌に尽くしがたいものがあると思いますが、そこで、私は政府に対して、こうした交通遺児の問題について質問をいたしていきたいと思います。  政府は、交通遺児実態調査昭和四十六年に実施しておりますが、その後交通遺児の数も増加をしており、またその生活状況相当四十六年以降変わっておると考えられるが、こうした交通遺児実態をどのように把握していらっしゃるのか、まずこの点をお尋ねいたしたいと思います。
  4. 室城庸之

    室城政府委員 お答え申し上げます。  ただいま御指摘がございましたように、交通遺児の問題を考えますについては、何といってもこのような遺児を出さないといいますか、交通事故発生そのものを防止していくということについて今後なお努力をすべきことは申し上げるまでもございませんが、同時に、発生しました事故に伴う遺族の問題につきましても、これは交通安全対策の一環として、私どもも従来精力的に取り組んでまいっておるところでございます。  いまお話がございましたように、昭和四十六年七月に、総理府といたしまして、交通遺児実態調査をいたしました。その時点における遺児実態は、数字で申し上げますと、いわゆる遺児母子家庭のような形で、遺児という形でおられます在籍の生徒、これは高校生以下でございますけれども、五十一万九千三百九十六人ということで、その中に交通遺児交通事故原因遺児になられた生徒、これが六万三百六十六人、全体の構成比といたしまして、遺児の中での交通遺児は一一・六%。それから災害遺児災害によって親を失った子供さん、これが三万四千六百八十八人、構成比で六・七%。その他、病気で親を亡くしたというような境遇の方四十二万四千三百四十二人、構成比で八一・七%、こういうことでございます。  その後、交通事故状況ども大分変わっておりますので、現時点における実態把握し直そうということで、実は五十一年度の調査といたしまして私どもの行いました、これは総理府運輸省共同で実施したわけでございますが、これによりますと、多少数字が変わってきておりまして、交通遺児の数が五万七千六百二十、災害遺児が二万五千二百九十五、その他の遺児五十九万一千八百五十六、合計六十七万四千七百七十一ということでございまして、四十六年の調査に比べますと、遺児全体の数は十六万人ばかりふえておる。交通遺児の数は、むしろ四十六年調査に比べまして三千人ほど減っておるという状況把握できております。  なお、この遺児実態調査にあわせまして、同じ五十一年度の調査として、交通事故被害者援護に関する総合調査というものを私どもの方で実施いたしました。これは、現実に交通事故に遭った方が、事故に遭った後どういうようなところに今後の問題について相談をし、また社会的な救済を受け、そしてその後、病院あるいは社会保険、こういった面でどういうような処遇を受けておられるのか、現在の生活実態はどうであるのかというようなことを調査いたしました。  以上二つの調査を通じまして、やはり交通遺児実態は必ずしも恵まれておらない。相当保険その他社会保障的な面の手当てもできてまいってはおりますものの、まだまだやはりお母さん労働力にすべてを期待しながら子供たち生活をしておるというようなことでございまして、お母さんの職場における地位も必ずしも安定しておるというわけにはまいりませんし、また健康状態等も、子供養育等に当たって十分自信を持ってやっていけるというようなわけには必ずしもまいらない。また経済的にも、いろいろな制度を私どもも講じてはおりますものの、まだまだ安心して子供教育ができるというところまではいっておらないというような実態把握できております。  それに対して私どもといたしましても、従来やってまいりました諸般の対策を、こういった実態もにらみ合わせながら今後さらに強化をしてまいりたい。少なくとも交通事故によって生じましたこういった社会的な悲惨な面を、今後とも努力をいたしまして、少しでも援護の手を差し伸べていきたいというふうに考えておる次第でございます。
  5. 丹羽久章

    丹羽(久)委員 総理府室長からただいま御答弁ございましたが、昭和四十六年に交通遺児実態調査をやられて、その後、いまのお話を聞くと、最近の調査は少し減っておるという話ですか、それに間違いありませんか。それから、その当時の実態とは大分違っておるが、五年の歩みの間に、対策的に変わった面をひとつお聞かせいただきたい。私も与えられた時間は一時間よりありませんし、聞くのは大分盛りだくさんありますから、ごく要点だけをお聞かせいただけばいいと思うのです。
  6. 室城庸之

    室城政府委員 ただいまの、四十六年に調査を実施した後に新しい対策としてどのようなことをやってきたかという点についてお答え申し上げます。  御承知のように、交通遺児育英会というのが文部省と総理府共同所管ということで財団法人として運営をいたしておりますが、これは四十四年から高校生大学生学資貸し付けを中心にいたしまして活動をいたしております。これについて政府といたしましては、自賠責の関係、いわば運輸省から毎年必要な補助をいたしております。その後、四十八年に運輸省所管特殊法人といたしまして自動車事故対策センターというものがつくられました。ここでは、交通事故被害者への生活資金貸し付ける、あるいは交通遺児育成資金というものを取り上げております。また昭和五十一年度から高校化授業料減免措置というものを制度として取り上げております。これは、高校在学中の交通遺児につきまして、公立の高校に行っております者については授業料の全額を免除する、私立の高校に行っております交通遺児については授業料のおおむね半額を国で補助するという制度として運用いたしております。
  7. 丹羽久章

    丹羽(久)委員 四十六年以来、最近の救済対策相当進んだものであり、運輸省としても事故に対する生活資金、さらに学校授業料を免除するあるいは半額にするというようなことで考えられておるということでありまするが、まだまだ、私どもの知っておる範囲のことを申し上げますと、保険金、もらっておる人もありますし、またひき逃げせられてしまって、全然わからないという形で本当に困っておる人たちというのも相当数あるわけなんです。  そこで実態調査ということになりまするが、こうした交通遺児に対する実態調査は、あなた方の考え方では、完璧を期しておるんだという自信がありますか、どうでしょうか。なかなか完璧ということはむずかしいかもしれませんが、大体手落ちのないように行政的な指導と行政的な救済面は行っているという自信がありますか、この点だけひとつ聞いておきたいと思います。
  8. 室城庸之

    室城政府委員 交通遺児実態調査につきましては、実は昭和四十六年度に行いましたものよりも五十一年度に行いましたものが、対象施設もふやしましてできるだけ漏れのないような調査をいたしたいということで、四十六年には高等学校だけをやっておりましたけれども、今回は高等専門学校もこれに加える、あるいは、いわゆる小さい方の子供につきましては乳児院保育所まで加えるということで調査をいたしました。したがって、まだそこまでに至っておらない、乳児院にも入っておらない、保育所にも入っておらないという交通遺児の数はもちろん調査に出ておりませんので、若干の、推計で申しますと約一万ないし二万、こういった数字は漏れておるかと思いますけれども、少なくとも乳児院から高校まで、これまでのものにつきましては全数調査をいたしておりますので、まず漏ればなかろう。それから、被害者実態調査につきましては、これは全被害者について調査をするというわけにはまいりません。どうしてもサンプル調査という形をとらざるを得ないわけですけれども、五十一年に実施いたしました調査につきましては、従来のこの種の調査をやりますについて、最も確率が高いと思われる対象数並びに抽出の方法等を選びまして、面接して具体的な生活実態等について調査をいたしておりますので、まず実態把握の面については欠けるところはないんじゃなかろうかというふうに考えております。
  9. 丹羽久章

    丹羽(久)委員 先ほどの、運輸省によるところの生活資金というのは自動車事故対策センターのことをおっしゃるのですか、そうではないですか。そこで、交通遺児に対して育成資金事故対策センターでやっておりますか。生活資金を貸すことだけによって事足れりというような考え方では私はいかぬと思うのですね。少なくとも大黒柱を失った子供たちは何か精神的なものを求めようとしておる。そして、生活さえできればそれでいいんだ、資金さえ貸してやればいいということだけではなくて、この世におけるところの、思いもかけないところのそのような事故によって悲惨な目に遭ったこの人たちのためには、やはり精神的な側面的援助というものを考えてやらなければならぬと思うが、政府はこういうようなことに対して何か精神的に励ましをしてやるとか、あるいはそれに対して暗示を与えていくとか指導するとかというような精神面考え方はどのように指導していらっしゃいますか。
  10. 室城庸之

    室城政府委員 もちろん物心両面からこれらの方々に対する援助をすべきであろうと考えますが、一つは、先ほど申し上げました交通遺児育英会、これは直接の貸付対象高校生大学生ということでございますけれども、それぞれの県ごと交通遺児集いを計画いたしておりまして、毎月一回交通遺児集いをやり、そこでお互いに同じ境遇にある人たちが助け合っていく、あるいは年に一回大型のジャンボリーのようなものを計画いたしまして、交通遺児が集まってそこでお互い激励し合う。また、現在御承知のように、日野市に交通遺児育英会学生寮というものをつくっておりまして、お互い交通事故で親を失った子供たちが、生活をともにしながら大学在学中に励まし合って学業を終えるというような環境の整備も進めておるわけであります。また、交通遺児育英会事業に賛同しております学生方々が、いわゆる一円募金というものを年々計画してくれておりまして、ことしも春、秋と二回全国の各大学に呼びかけまして交通遺児を励まそうという意味で、一億の人口があれば、一人一円を出し合っても一億円のカンパができるじゃないかということで、これは金を集めることよりはむしろその募金を通じて、交通遺児を助けていこうという声を呼び起こしますと同時に、集まりました金を交通遺児激励に充てる、先ほど申し上げました各県での交通遺児を励ますいろいろな行事にこのような金が使われておるというようなことで、私どもとしてはできるだけそういった精神的な面での激励考えてまいりたい。  また、金銭的な面では、いま申し上げましたのは交通遺児そのものに限った問題でございますが、いわゆる母子家庭一般に対しましては、政府といたしましても児童扶養手当母子福祉年金支給あるいは母子福祉資金資金貸し付け寡婦雇用奨励金支給就学奨励援助日本育英会による学資貸し付けというようないろいろな事業考えておりまして、これも生活実態等をにらみ合わせながら、年々給付額をふやしていくような努力もいたしております。したがって、一般母子家庭並びにプラスして交通遺児方々には交通関係のそういった資金をさらに活用した援助の手を伸べるというような仕組みの中で援助対策考えておるわけでございます。
  11. 丹羽久章

    丹羽(久)委員 どうも室長さんの話を聞いておりますと、率直なことを言うと、遺児のことは一切心配ないというように聞き取れますよ。聞いていらっしゃる方も、大変結構なことだ、遺児になってもそう心配したことないなというように受け取れますが、率直に申し上げてなかなかそうはいっておりませんよ。  そこで、御努力していただいておることと、そういう機構ができておること、そういうように運営していけばできるということについてはよくわかるのです。そのとおり、何一つないことをあなたがあるとおっしゃってはいませんから、この点はよくわかりますが、そうした制度を活用しながら物質面だけでなくて、やはり精神的に生かしてその子供たち支えとなり、一家支えとなるような考えをより以上持って今後やっていただきたいということを私はお願いをするのです。恐らく室長さんもそれに対して、私と同じお考えを持っていらっしゃるでしょう。けれども全国には、そういう制度があってもわからない人もあるし、そういう機構に乗ることもでき得ない、知らない人たちもある。これをどこでPRし、どこでそういう者を拾い上げていくか、そして温かい手を差し伸べてやるか、これは非常にむずかしいことだと私は思うのです。むずかしいけれども、不幸にして一瞬にして自分のお父さんを失い、お母さんを失い、本当に夢にも考えない悲惨な目に遭っていくこの子供たちの将来は、いつの日にか日本を背負っていただく子供になるわけですから、ぜひひとつそういう点に力を入れていただきたい。いま一度お願いをいたしますが、いかがですか。
  12. 室城庸之

    室城政府委員 先ほども申し上げましたように、実態調査の結果、必ずしも十分ではないという実態把握しております。かつ、制度としては、いま申し上げましたようにいろいろな対策を講じておるわけでございまして、また実際に予算等につきましても、できるだけ年々これをレビューしながら実態に沿うように努力をしていくという、いわば金額のかさ上げを図ってまいっておるわけでありますが、必ずしもそれで十分というところまではいっておらないと考えております。  また一方で、交通事故相談所というものを私ども都道府県あるいは市に設置するように努力をいたしておりまして、これについても私どもの方と運輸省の方から補助金を出しまして、交通事故に遭った方々、これは事故に遭った直後とそれ以後とを問わないわけでございますけれども、の被害者に対するいろいろな援護の手がこういうふうに差し伸べられておるぞということをお話し申し上げて、できるだけそういった法措置に十分見合った、被害者側からの行動を起こしていただけるように、いわば手ほどきをして差し上げるというような努力をいたしておりまして、この相談事務につきましても、やはり事務能力が高ければそれだけ親切な御指導ができる、知識が乏しい相談員ですとそれほどの能率が上がらないということもございますので、相談員自身の資質の向上ということにつきましても努力をしてまいるつもりでございます。
  13. 丹羽久章

    丹羽(久)委員 ただいままで交通遺児問題をお尋ねいたしてきたわけでありますが、総理府としての考え方が明らかになりましたし、今後に対してはより以上努力をし、万全を期するようにしていくというお考えでありますので、非常に喜ばしいことだと思っております。どうかわが身になっていただいて、この人たちのためにあらゆる施策を考えてやっていただきたいということを重ねて希望いたしておきます。  さて、その次に私がお尋ねいたしたいと思いますことは、交通事故によって再び意識が完全に戻ってこない、言いかえれば植物人間として病床寝たきりでおる人たち自動車による事故によるそういう人々が何名ぐらいあるかということをいろいろ聞いてみましても、その把握がなかなかできていないということなんです。これはそういう把握をすることが困難でしょうか。  交通事故によって植物人間的になってしまった人、寝たきりになってしまった人、こういうような人を把握することか困難だとすると——こうした質問をする前に私は、どのくらいの方があるかといってあちらこちら問い合わせてみたのです。なかなか答えが出ていない。厚生省もわからないと言う。あなたの方もいま集計しつつあるということです。私の角度からいろいろ調べてみますと、そういう病床に横たわる人たちは大体三千名以上あるだろうということだけはわかってきました。これも確実な数ではありません。しかし、そういうことによって寝たきりであり、いつ意識が戻るのかどうなるかわからない寝たきりの人、そうしてその人たちを守りする人たち一家の暮らし、そうして今日のような経済が次から次へ物価高になってくるときの生活状態考え合わせてみますと、まことにお気の毒にたえません。  このようなことについて、今後植物人間的な人に対して何らか政府として考えなければならぬと思いますが、お考えを持っておられたらひとつお聞かせいただきたいと思います。また、現在どういう段階にあるかということを、わかっているだけのことはお知らせいただきたい。これを私は質問いたします。
  14. 室城庸之

    室城政府委員 いわゆる植物人間と言われる方、御指摘ございましたように正確な数字が実はございません。というのは、いわゆる植物人間という定義そのものにいろいろ問題があるということと、原因等によりまして、いわゆる植物人間というふうな定義をしていい人なのであるかどうかという点がいろいろ問題になろうかと思います。  一般に、身動きならない状態で横たわっておられるという方が二千人ないし三千人というふうに言われております。これは厚生省推計調査によるものでございますが、そのうち交通事故原因としてこのような状態になられた方がどれだけあるかということについても、実は正確には把握できておりません。ただ、これにつきましては私どもの方も、何とかして交通事故原因によるいわゆる植物人間といった方の実態把握したいということで、交通遺児実態調査の際にも、重度障害者という方の子弟を調べましたところ、先ほど申し上げました五万七千人の数字のほかに、三千五百人という、いわゆる遺児ではないけれども、そういう状態保護者を持っておられる子弟が三千五百人おるということがはっきりいたしました。  また、七級以上の高位障害者対象といたしました実態調査を現在運輸省指導のもとに自動車事故対策センター調査中でございますので、この調査結果も踏まえて将来の対策考えてまいりたいというふうに考えております。
  15. 丹羽久章

    丹羽(久)委員 さて、こうした思いがけない事故に遭った場合、これを補償してもらうところの自動車保険、これは非常にわかりにくい、むずかしい、そしていろいろの問題があるのですけれども、これについて、亡くなった場合は、年齢を調査した結果、自賠として千五百万円まで払われることになっておりますね。  そこで、このような保険に対して現在保険会社が、入ってもらうときに、どういう場合にお金がいただけますとか、あるいはこの場合はこういうお金しかいただけませんという親切さがなければなりませんが、なかなか保険会社はそういう親切さがありません。そういうことで監督官庁である大蔵はどういうふうにお考えになっておりますか。また大蔵としてはそういう保険会社の問題について一度もそういうような問題が持ち込まれたことはありませんでしょうか、大蔵の方いらっしゃいましたら、ひとつ答弁してください。
  16. 貝塚敬次郎

    ○貝塚説明員 お答えいたします。  御質問の趣旨は、保険の内容自身が非常に難解であるということと、表現が難解であるということ、それから保険を募集する人間が十分に説明できないんじゃないか、三つぐらいに分けられると思います。内容については大蔵省の指導でずいぶん平明化してきておりますが、約款につきましては依然として非常に難解である、むずかしいということをよく言われております。実は保険審議会というのがございまして、五十年六月に答申を出したのでございますが、そのときにも、大蔵省も損害保険業界も一生懸命いままでやっているけれども、依然として離解であるという指摘を受けております。私どもこの平明化、簡素化ということにずいぶん注意しておりますけれども、用語とか表現を余り砕いてしまうと法律的な厳密さを失うということがございますので、わかりやすくすることと法律的厳密さと両立させなければいけませんので、この点は何とか両立させるように努力しておりますが、どうしてもそういう問題が残るわけでございます。  そこで、契約のしおりというものをつくらせまして、これは四十六年十一月に全社的に自動車保険について導入したわけでございますけれども、その契約のしおりで、こういう場合にはお支払いできません、こういう場合にはお支払いできます。その場合の手続はこらしてくださいということで、約款のそういった要点とか注意事項、要点などは特にイラストを入れまして一生懸命やっておりますが、まだまだそういう苦情は、具体的に何件ということはちょっとお答えできませんが、折に触れ私どもの耳に入っておりまして、私どももっともっと努力しなければいかぬと思っております。  そこでいま私が業界の方に指導いたしておりますことは、専門家だけでつくるからむずかしいのじゃないか、おまえたち自分たちの世界だけでわかることをやっているからむずかしいんで、消費者一般の声を聞くようにという方向で指導している現状でございます。
  17. 丹羽久章

    丹羽(久)委員 保険を受領する人を消費者といってもらっては困るな、それは消費者でも何でもないと私は解釈しておる。  もう一点尋ねたいのですが、事故が発生してから保険金を受領するまでに、あなたの方の指導としては、相当長期にわたるものもあろうけれども、特殊なものを除いて大体どのぐらいで終わるという考え方をしていらっしゃるのでしょうか。いま世間で、私の知っている範囲でも事故を起こしてから一年以上かかってぐずぐず審査だ何だといって金を払わない。そして最後に払ってくるときに、極端なことを言うならば利息かせぎをしておるようなかっこうになる場合もある。これが行政であるところの大蔵省は保険会社に守りしてもらっておるのか、大蔵が守りしておるのか、一体どちらが守りしておるか。こういう点をはっきりとこの場で——私はほかの生命保険のことを言っておるのじゃなくて、この交通事故で亡くなった人、大きなけがをした人、任意保険に入っておる者の査定をどのように早くして、どのように結論を出すか、その点に対してどういう行政指導をしておるか、大蔵、答弁を願いたい。
  18. 貝塚敬次郎

    ○貝塚説明員 お答え申し上げます。  自動車事故の内容でいろいろ変わってくると思いますが、物損事故といいまして車体そのものをやられた場合、それから対人賠償といいまして賠償の場合と、いろいろ変わってくると思います。  私どもは、物損事故というのはこれは明らかなんだからすぐにやれといって強く指導しておりまして、最近の資料でございましても大体三カ月以内にはできておりまして、一カ月超二カ月以内で九六%処理しております。むずかしいのは対人賠償でございまして、これは示談とか、被害者方々と話し合いができませんので、これはとにかく早くやるようにということで、そういう保険も売っておりますけれども大蔵省としては、その査定のときが保険会社が一番文句を言われるわけでございますから、それを早くするようにということを、折につけ指導しておりますが、いまの実態は大体二カ月以内で九六%ということになっております。
  19. 丹羽久章

    丹羽(久)委員 とんでもない話ですよ。それはあなたは実態を知らない話なんです。デスクプランでそういう答弁をしてはいけませんよ。私は地についた実際を申し上げているので、根拠のない話はしませんよ。二つも三つも私のところへ相談に来て、もっと早くやってもらえるはずだからよく話してみろと言っても、ああでもない、こうでもないと言ってなかなかやりません。それはどういう原因だか、いろいろ物損だとか、それはあれだということであろうが、私どもが素人目に見ても、医者が診断をはっきり書いてこういうふうだと言ったのでも、契約上におけるところの飲酒運転は補償しないとかなんとかいうのを無理にくれというのでなくても、手間取ったやり方が往々にしてある。こういうようなことは大蔵として指導していらっしゃるのか。いまおっしゃるように大体三カ月ぐらいで結末を出すようにというふうに指導していらっしゃるのか。もしあなた方が指導しておられないとするならば、保険業界の方が横着をしておるのか。審査の方が横着をしておるのか。一日千秋の思いをしながらそのお金の下がるのを待つ人たちの気持ちになってみれば、あなたのおっしゃるように長くても三カ月か四カ月で解決してもらわなければならぬはずですよ。ところが一年も、あるいは一年余もかかるのが往々にしてあるのです。こういうものに対しては、いままでのことを何と言ってみたって過ぎ去ったことはだめですから、これからは大蔵としてはどういう態度で臨んでいくかということをひとつ明らかにしておいていただければ結構だと思うのです。(「消費者は取り消せ」と呼ぶ者あり)
  20. 貝塚敬次郎

    ○貝塚説明員 先ほどの消費者というのは、大変失礼いたしました。訂正させていただきます。  指導でございますけれども、先生御指摘のように、私たちあるいは机上でやっておる向きもあるかと思いますので、きょうの委員会を機にいたしまして至急自動車保険料率算定会、その他協会の関係者を招集いたしまして実態調査をやって促進方を進めたいと思います。
  21. 丹羽久章

    丹羽(久)委員 もう一度室長に申し上げたいと思いますが、私は昭和四十七年の三月に交通遺児育英会の森さん、警視庁の交通総務課の森さん、あるいは戸塚警察署の平塚さん、多摩警察署の大宅さん、このうち三人が婦人警官でした、こういう方々にお集まりいただいて座談会を開いたことがあります。  それは交通安全にとってどういうことが一番事故を少なくする重要な問題であろう——本来言えば各県からお集まりいただくのですけれども非常に大変なことでありますから、警視庁の婦人警官がその当時一番よく活躍しておっていただきましたので、そういう方々に来ていただいて聞いたことがあるのです。その中で特に感じましたこと、また皆さんのお話のうちに、幼児のうちから自動車というものの本当の恐ろしさ、そして交通道徳を教育してもらわないと、いつまでたってもこうした事故の解消はなかなか困難でありますという結論が一つ出ておるわけなんです。そういうような点につきまして室長は、学校当局の方に、そういうようなデータを集めながら、文部省側にもいろいろとお話をせられたことがありますか、どうでしょうか、総理府としての考え方は。
  22. 室城庸之

    室城政府委員 現在、交通事故防止対策を進めておる過程で一番問題になりますのは、やはりなかなか組織的に交通安全教育ということができにくい年齢層、端的に言いますと、幼児及び高齢者、こういった方が、なかなか組織的には把握しにくいし、また、そういった教育をする場に臨む機会が少ないということで、こういった方々に、どうやって交通安全という問題を理解し、行動していただくかということが大きな課題になっております。したがいまして、私ども、そういった幼児あるいは高齢者に対する具体的な教育指導のやり方、普通のように人を集めて話をするとか、本を読んでもらうとかいうことだけではなかなか徹底しにくい。しかも、そういう方が一番端的に、交通事故被害の面では交通弱者という立場で、一番悲惨な目に遭っておられるということでございますので、こういった方に対する教育の問題というものを重視いたしております。  文部省に対しましては、学校教育、もちろん幼稚園等の教育も通じてでございますけれども、学校における教育課程の中で、こういった交通安全という問題をどう取り上げていただくかということについて常時連絡をいたし、文部省としても努力をしておられます。  さらに最近は、幼稚園に入る年齢ではもうすでに遅いんではないか、むしろ幼児といいましても三歳児、ここらあたりを対象にして交通安全というものについての理解を、その年齢なりに持ってもらうことが大事であるということで、幼児交通安全クラブというものを各地域につくっていただきまして、お母さん子供が一緒になって交通の問題を考えていく。しかも、それを言葉や、いわゆる教育というような姿でなくて、遊びながら遊戯の中で、お話の中で理解してもらうというふうな努力を現在やっておりまして、全国に約一万五千単位の幼児交通安全クラブというものが組織されております。これについて、今後どういうふうに具体的なカリキュラムなり、あるいは指導援助の手を差し伸べていくかということが一つの課題でございます。また、その手法の中に、やはり幼児に対する特別の教育方法というものがなければならないと思いまして、これにつきましては現在いろいろテレビ、漫画、こういったアプローチの仕方というようなものも取り入れて考えていこうというような研究もいたしておるような次第でございます。
  23. 丹羽久章

    丹羽(久)委員 運輸省にちょっとお尋ねしたいと思いますが、冒頭私が申し上げましたように、もういまでは三千数百万台という自動車が国内を走っておるわけですね。一億一千万、そのうちの十五歳以下の人たちを除くと、あと何千万残るかわかりませんけれども、すでに三千百万台という車があるのですが、現在のような自動車の生産状態でいくと、年々数百万台あるいは百万台か、どれだけの数字かわかりませんが、運輸省では統計をとっていらっしゃると思うけれども、そんなに車がたくさんふえてきて、どういう車の整備を、交通安全はもちろん重点ですが、車の整備そのものに対してどのような考えを持っておられますか。それをひとつお聞かせいただきたいと思います。
  24. 松井和治

    ○松井説明員 御指摘のように、車は現在三千二百万台ということでございまして、私どもの見通しでも伸び率はだんだん鈍化するとは思いますが、依然として将来も伸びていくだろうというふうに考えております。こういう車の整備はもちろん安全上非常に大事な点でございまして、私ども車両の検査を担当しておりますが、なかなか国の検査だけでは増大する車がこなし切れないというような状況でございまして、御存じの指定整備事業というような、民間のいわば車検機能を通じまして、国の検査の補完をいたしておるというようなことでございまして、今後増大する車につきまして、さらに一層整備会社その他を指導いたしまして、万全を期してまいりたいと考えております。
  25. 丹羽久章

    丹羽(久)委員 運輸省に私が申し上げることは、整備をどうするかということでなくて、車がこんなに増加してくる上においての基本的考え方はどう持っていらっしゃるかということをまずお尋ねする。あなたは運輸大臣ではないのだから、私はこういうふうですという、運輸省全体の答弁ということはできないかもしれぬが、あなた自身が専門的にお考えになっていることについて、いまのような状態でふえていくというなら、自動車が遠からず五千万台になるのも、十年か十四、五年たてばなるでしょう。それだけに、国内が狭い日本でいまから対策をせなければなりません。特に運輸省なんかそういうことに関心を持っておられるかどうかは別としまして、私どもが町に出て、こんなに自動車がたくさん走っておるのはどういうことかということでながめおると、ほとんど一人乗りの車があちらこちら走り回っておるわけなんです。一体、中型、大型、小型と一台一人で乗り回されておったら、幾ら建設省が道路をつくろうと何をつくろうと、これで完璧なものができましたというわけにはいかない。そういう点について運輸省は、これは運輸大臣に聞くべきことであるが、きょう御出席いただいておりますので、あなたの考え方としては、その方針はどうお考えになっておるか。あなたも運輸省の幹部の一人ですから、あなたの考えをひとつ聞きたい。
  26. 松井和治

    ○松井説明員 ただいま先生御指摘のとおり、車がさらにふえていきました場合に、特に一人乗りの乗用車その他がどんどんふえていくということは大変問題でございまして、御指摘のように、道路を幾らつくっても追いつかないというような状態になろうかと思います。また、そういう状態になりますと、勢い物的空間というものが制約されております以上、非常に交通の混雑を招来し、また、そのことがはね返って、自家用車等を持てない交通のいわば弱者というものの利用いたします公共交通機関を圧迫するという結果を招来することになろうかと思います。そういう意味で、御指摘の一人乗りの車がどんどんふえていくという状態は大変問題であろうかというふうに考えております。したがいまして、それらの車に対する今後の規制ということについて真剣に取り組まなければいけない段階に来ておるというふうに考えております。
  27. 丹羽久章

    丹羽(久)委員 車を持てない弱者のためになんというようなことは、とんでもないことですよ。資本主義の日本国で、努力をする者が求めるものは求めていくというのが資本主義の原則じゃないですか。横着しておって、遊んで暮らして、そして人が持っておるので自分も求める、それを政府自体が考えてやるなんて、とんでもないことです。それは弱者になりませんよ。自動車を持てない人が弱者だなんという考え方はとんでもない考え方だと私は思う。これは私一人の見解じゃない。恐らく各委員もそういうふうに、私と同じ考え方を持たれるだろうと思うんですよ。  ただ、私の言わんとすることは、こんなに事故が多くなってくる。もう国民全体が死にもの狂いになっておる。車はどんどんふえてくる。これを将来、きょう、生産会社のそれぞれの会社にストップしなさいとか、もっと少なくしたらどうですかなんて、そんなやぼったいことを言うんじゃない。どういう方針を立てたらいいかということを、もう運輸省は基本的に考えていく時代に入ったと私は思っている。きょう帰ったら、参事官、あなた、幹部に話しなさいよ。そんな、弱者のためにそういうことはなんて、とんでもないことだと思う。私は、かつて総理府の長官をやっていた山中貞則さんにもそういうことを言った。それは考えるべきことだということが記録に載っているはずだ。それは、やはり一つの基本的姿勢として考えていかなければならぬ問題だと私は思う。そういうことですから、その点、また今度時間がありましたらゆっくり三時間ぐらいもらってきめ細かい質問をしようと思う。きょうは一時間で、何遍も紙を持ってきますから大概にしておこうと思います。  さてもう一点聞きたいと思いますが、私はソ連へ行きました。よその国のことがいいとか悪いとか言うのじゃありません。ソ連では自動車がある程度活用せられ、スピードそのものがとめられなくて走れる。それはどういうことかといいますと、歩道橋はありませんが、ほとんど地下によって連絡せられておる。大変いいことだ、これは日本も見習うべきことだと私は思って帰ってきたことがある。そういう話を交通安全対策委員会でいたしましたら、大変費用がかかるから困難だという話でした。ガソリンのない日本で至るところで信号によってストップをかけられて、さらにスタートするときに何倍かの油が必要なことはあなた方みんな知っていらっしゃるはずですよ。そしてそのときには悪毒公害になってくる、ガスが発生する。何とかしてスムーズに走れる一つの方法としては、少なくとも地下道のできるところぐらいは地下道にすべきだという考え方を持っている。そういう点について建設省、ひとつ答弁をしてもらいたい。
  28. 住友栄吉

    ○住友説明員 お答えいたします。  先生先ほど御指摘になりましたように、非常に交通事故がふえてまいりましたものですから急速に横断歩道橋を整備してまいりましたが、現在横断歩道橋は大体整備が終わってまいりまして、地下道の方にもかなり整備に力を入れてまいりまして、大体現在では毎年百カ所ぐらい整備してございます。そういう形でございまして、ただ先ほど先生御指摘のように、横断地下道につきましてはいま予算が非常に高うございます。しかしながら、非常に便利な点がございます。またそういう点がございますので、私たちといたしましては横断歩行者が非常に多い場所で、しかも高さが低くとれるというようなところ、そういった横断歩道橋として非常に高くなってしまうというところで低い方が非常に便利であるというようなところ、あるいは歩道が幅広くなければ地下道が非常につくりにくうございますので、そういったところ、あるいは横断歩道橋をつくりますと日照の問題が出てくるというようなところにつきましては地下道でなければいけないというような形で、地下道を進めておるわけでございまして、また当然これはできている道路の問題とこれからつくる道路、二つございます。できるだけこれからつくっていく道路につきましては地下道等を相当取り入れて進めておりますし、地域に合った形で、できるだけその特性に合った形で横断地下道もつくっていきたい、かように考えております。
  29. 丹羽久章

    丹羽(久)委員 最後になりましたが、前回私はこういうことをお願いし、約束ができておったのでありますが、もう四年近くもやってくれません。それは子供連れのお母さんがたとえば乳母車に子供を乗せて上がっていく、身体障害者の人々が行くのにいまの歩道橋では困難である。だから見本的に東京、大阪、名古屋でエスカレーター的なものをつくってもらう、それがうまくいくということであったならば、全国では大量生産になるから、とことこ上がらなくても老人でも子供でもだれでもうまく行けるようになるから研究してやってもらいたいと言って頼んだのです。何だか東京では一つだけでかしたそうです。結果がいいかも悪いかも聞いておりませんが、いいとするならばそういうことを進歩的に進めていただくことが必要だと私は思っておる。金がかかる金がかかると言うが、一つのものをでかすだけの金なら大変な金がかかりますけれども、数多くなってくればやはり非常に安くなる。たとえば日本のいろいろのものができてきた、最初は値段が非常に高かったけれども、大量生産するようになったらもう四分の一にも五分の一にもなったことがありますから、そういう点からひとつ考えてもらって、ぜひそういうことが実現するように、テストのものを置いてもらうことを私は最後に望んでおくわけでございます。  もう一点室長お願いしておきたいと思いますことは、特に私は愛知県で、国道百五十三号で四十一年の十二月にダンプカーの居眠り運転によって越戸の保育園児と保母さんが十一人死亡、重傷者九人を出しました。全部で三十三人という死傷者を出したのでありますが、本当に小さい子供さんたちが亡くなっていったのです。こういうことから国会でも重要視してもらって交通安全対策というものができてきたのですけれども、どうかそういう本当に悲しいこと、いままで幾多の事例を踏まえて、こういうような問題の解消方には全力を傾倒していただきたいと私はお願いするわけであります。  さらに、きょう出席していただいておる政府方々も——交通安全対策というのには費用はありません、実際、予算内容を見たって本当にわずかの金じゃありませんか。ここがすべての日本の国の交通安全対策の基本的室とするならば、残念ながら予算が足らない。足らないけれども、それは各省が本当にここを中心にして英知を傾けた政策をとるべきである。そして、亡くなる人が少なくなったと言ってみても、一万台は割ったけれども、一万人近い、年々九千人近い人が亡くなっていくということを考えてみたときに、さらに七十万からのけが人が出ておるということを考えたときに、その家庭、その関係者全体はどんな悲惨なものになるかということを考えたときに、なわ張り争い的な考えでなくて、本当にチームワークをぴしっととってもらって、各省がこぞって協力していただいて、この交通安全対策の部屋を中心にして交通行政の一本化をしっかりやってもらうことを私は望みます。  これをお願いをいたしまして私の質問を終わりたいと思います。貴重な時間、どうもありがとうございました。
  30. 鈴切康雄

    ○鈴切委員長 次に、寺前巖君。
  31. 寺前巖

    ○寺前委員 政務次官を初め皆さん御苦労さまでございます。時間が切れてしまったらまた迷惑をかけることになるかと思いますが、その節はお許しをいただきたいと思います。  私はきょうは三つの問題でお聞きをしたい。一つは、この間うちから、報道で、排気ガスの規制を行ってきているのにもかかわらず欠陥車が自動車の分野で生まれてきている、この問題についての運輸行政についてお聞きをしたい。もう一つは成田開港問題が云々されてきているが、交通安全対策上いまの計画が妥当性を持っているのかどうかという問題について第二番目に聞きたい。第三番目に、過般来障害者団体の皆さん方が、障害者にとっての交通安全問題として幾つかの問題を政府関係者にも申し入れたし、国会の側にも陳情にお見えになりました、私はこの内容についてお聞きをしたい。以上三つの点でございます。  そこで、最初に自動車の問題です。  新聞報道によりますと、日産、トヨタの五十年、五十一年排ガス規制車に欠陥があると指摘をされて、日産は十一日、三十九万台近くに上るリコール対策を届け出した。また同じ日に東洋工業も五十年、五十一年の排ガス規制装置に問題があるとしてリコール対策運輸省に届け出ておられるようです。  周知のように排ガス規制は国会でも大問題になったところのものであります。ところが、このように欠陥があるために、五十一年対策としてのNOxや五十年対策のCOあるいはHCをまき散らしていると客観的に言うことができるのではないか。これではせっかく国民的世論を背景に実施した排ガス対策がしり抜けになるのではないか。この一連の排ガス規制車の欠陥に対する運輸省対策、さらに、なぜ新聞紙上で問題になる以前に運輸省対策を立てることができなかったのか、運輸省側の発表がおくれたのは一体どこにあったのか、こういう問題について御説明をいただきたいと思います。
  32. 犬丸令門

    ○犬丸(令)政府委員 今回、日産及び東洋工業が排ガス対策の構造装置に起因する欠陥ということでリコールを行ったわけでございますが、それ以前に日本自動車ユーザーユニオンから指摘があって新聞報道がなされたわけでございます。ユーザーユニオンから指摘がございました件は四件ございまして、日産について二件、トヨタについて二件でございました。そのうちの日産の一件につきましては、すでにその時点で、相当前からリコールを行うべくメーカーからも説明を受けておりましたし、準備を進めておったわけでございます。ただ、ユーザーユニオンの発表がそれより早かったということでございますが、その辺は大変に残念だと考えておるところでございます。残る三件については、私ども現在日産及びトヨタについて厳重に調査をするように進めておりますが、現段階におきましては指摘をされるような欠陥事項はないと私ども考えておりますが、より正確に把握したいと考えておるわけでございます。
  33. 寺前巖

    ○寺前委員 この間おたくの方の人に来ていただきまして、実際いつ知ったのだという話を聞いたら、一カ月ほど前だった、こういう話でした。一カ月前に知ったというようなことでは、市場の分野においてはみんな頭をひねっているというのが実情です。なぜ運輸省がそんなに実情について知らな過ぎるのだろうか。たとえば、今度日産がリコールされたわけですが、日産について見るならば、昨年にはすでにユーザーからディーラーやメーカーに苦情が相次いで、日産はその対策に迫られておった。そして実験の結果、設計変更を行って、ことしの二月には完全な対策を行った車種を出すというところまできておった。もう広く言われていることですが、車台番号〇三〇四八七からすでにその対策は講じられておる。ところが、そういう早い時期からそういう構造変更がなされておるのにもかかわらず、運輸省がそのことを知らなかった、気がつかなかったというのは、一体どこにあるのか。制度的にも問題があるならば制度を改革しなければならないし、一体どうなっておったんだ。構造変更届けは出されていたのかいなかったのか、明らかにしていただきたいと思います。
  34. 犬丸令門

    ○犬丸(令)政府委員 日産につきまして、当該部分について構造変更届けが出されていたという事実はございません。また、現時点におきましても、当該部分についての構造変更は実施いたしておりません。
  35. 寺前巖

    ○寺前委員 重ねていまの点を聞きたいと思うのです。ことしの二月に完全な対策を行った車種を出している。車台番号〇三〇四八七からその対策は講じ始められている。ブルーバードです。これは知っていますか。
  36. 犬丸令門

    ○犬丸(令)政府委員 日産が今回の欠陥に気づきましてリコールを行う端緒となりましたのは、ことしの五月十八日でございますが、同社の耐久走行テスト中に発見されたという報告を受けております。  その内容でございますが、欠陥の発生後、直ちに同種欠陥が既販車にも発生しているおそれがあるかどうかについて調査を行いまして、当該欠陥部位である排圧バルブの一定期間に生産されたものを装着している車についてそのおそれがあるということが判明いたしたわけでございまして、国内及び輸出しておる車についての市場調査の結果、同種欠陥が既販車の一部に発生することを確認いたしております。このため、当該欠陥に対する対策方法を種々検討いたしまして、当該対策方法の信頼性、耐久性及び排出ガスに及ぼす影響等について確認試験を実施いたしましてリコール届けを行うこととしたものでございます。  そして、五月に発見したわけでございますが、二月からわかっていたのではないか、二月以降の生産車についてはそういったようなことがないのではないかということでございますが、その時点においてチェックをいたしましたところ、当該部品は下請メーカーで作製させておるものでございますが、そのメーカーにおいて二月以前のものが破壊強度が弱くて二月以降のものが破壊強度が強いということを、その時点で五月以降において発見したわけでございます。それがなぜそういった結果になっておるのかということを下請メーカーの実情について調べましたところ、当該メーカーにおけるろうづけをいたします場合の熱管理が改善されておりましたのが二月以降であったということでございます。したがいまして、日産が下請メーカーに出しておった仕様強度、これが言うなれば必要強度に達していなかったということであると考えております。
  37. 寺前巖

    ○寺前委員 そうしたら、局長どういうことになるのですか。事実二月段階ですでに改善をやられておったことはいまのあなたの報告の中で明らかだ。改善しなければならない事態が生まれておったということをそのことは意味していると思うのです。ですから私はもう二月段階に知らなかったとは言わせない。すでにそれ以前にそこに問題があるということで苦情が出てきて、問題になっておったから二月段階からそこのところは改革をしているのだ、構造上もなぶってきているのだ。とするならば、構造の変更届けというものは当然出されるようなシステムになっているのかなっていないのか。そこの責任問題を明らかにしておかなかったならば、今後も引き続いてこのような知らない事態のままで来てしまうということになるではないか。ですからきわめて明確なことは、二月段階ですでに完全な対策を打ち出しているのだ。すなわち内容的には排圧バルブと排気圧を導入するチューブとの結合強度を補強するため、かしめ部分を広くして抜けないようにして、しかも溶接を強化する措置をとったということを言っていますよ。これらはディーラーへ行ったら全部百も承知の話として簡単に説明をしてくれます。  そういうふうに見てきたときに、二月段階で欠陥車がありながら、これを五月段階に至ってテストをやって明らかになりましたという報告自身も私はおかしな報告だと思う。ディーラーの諸君に話を聞いてみたらこういうふうに言います。こういうところを溶接を強化して対策を組むということになると末端価格で三千円ぐらいは高くつく。これは日産は低コストのものがつくれないのだろうかということで、対策を打って耐久テストを重ねた。そしてことしの五月になって、よっしゃ、もっと安いものでやろうじゃないかということに話がうまくいってきた。百五十円でいけるようになった。ですから、よし、いまからだったら大丈夫ということで、それから五月から全面的にリコールしても大丈夫なだけの対策を黙っておって、そして、よし、いまやったらいいというところまで来たときに、初めて追及される前に明らかにしてきた。そうしたら、その間に、いままでどおりの処置でもっと走らされておって、欠陥車があったって知らぬ顔させられておった、伏せられておった。それで関係者、ディーラーの間ではもう百も承知で、あれ以前のものは大変なことになっているぞということで天下周知の事実になった。知らないのは運輸だけだったというのか、運輸省も一緒になって知っておったけれども、全面的にわっとお客さんが寄ってきたら大変だから一緒になって黙っていたのか。だれだって疑惑を持たざるを得ないじゃありませんか。  こんなような行政が引き続いて展開されるとなったならば、一体運輸行政はどうなっているんだ、黒い癒着があるのじゃないかと言われたって仕方がないのじゃないかということになりかねない。そんなことになったら私は困ると思う。とするならば、システム的にももっと早い段階にわかる体制をどうしてつくらぬのか。はっきりと問題点をえぐらなかったならば、その責任は解決しないだろう。内々に運輸省には事前に相談をされておったのだという話は広く言われております。いかがなものでしょう。
  38. 犬丸令門

    ○犬丸(令)政府委員 日産からリコールについて相談がありましたのは一カ月ぐらい前でございます。それから対策内容でございますが、これはあくまでも部品交換等がございませんで、ろうづけの作業を強化しておるということでございます。また二月以降のものがリコールの必要がないと申しますのは、熱管理の下請メーカーにおけるところの改善によりまして強度のより強いものが製作されてきておるというふうに私ども調査の結果承知いたしております。
  39. 寺前巖

    ○寺前委員 そこで、私はもう一度説明をしてほしいのは、こうやって二月段階から実際上は変えられてきた。五月段階になると、今度はもう全面的にリコールの体制で、安くつくものはどうしたらいいだろうかということで、そのときまでに研究を進めてきた。そしてこれを全面的に受けて立てる体制ができ上がるまで、すなわち十月ごろですか運輸省相談があったという。それまでずっと黙ってきた、こういうふうなやり方、このあり方について運輸省としてはどういうふうな見解に立たれるのか、今後どうするつもりや。長期間にこういうようなことで運輸省はなめられておったというのか、あるいは一緒になっておったというのか、国民の側から言えば、はっきりしないところだ。ここのところをどうするかということを全面的に明らかにしてもらいたいというのが一つ。  それからもう一つは、三千円程度のものがかかるようではたまらぬ、百五十円ぐらいでできるようになったから打って出たんだということが言われている。とするならば、その百五十円程度のものでもって果たしてこれで安全でございますということが言えるのかどうか、この保証の問題。もともとここに欠陥があるということに気づくようなシステムになっていたのかどうか。そもそも製造段階でどこにこれを委任して調べさしておられるのか。調べさせたところでこの問題についてなぜ気がつかなかったのか。そして今度リコールをして百五十円程度のものに切りかえたけれども、それじゃその百五十円程度のものでよろしいということが言える根拠は一体どこでテストをして明らかにされたのか。これは第二番目の問題、御説明いただきたいと思う。
  40. 犬丸令門

    ○犬丸(令)政府委員 運輸省といたしましては、五十年、五十一年排気ガス対策車が相当出回ってきたわけでございまして、このシステム、技術がいろいろあるわけでございますが、触媒方式もしくはエンジンの改善方式等あるわけでございますが、これらのシステムが十分信頼度があるのかどうかという点についての追跡調査を、五十一年度から実施いたしてきております。これはシステムの信頼度の調査でございますので、言うなれば個々の車の欠陥があるかどうかということを目的にしたものではございません。と申しますのは、それにしてはサンプル、試験をいたしました車の数が少な過ぎるのでございますけれども、百九十二両につきまして各メーカーごと、対策方式ごと、それから年度ごとに適当な車両数ずつを選びまして、合計百九十二両につきまして五十一年度においてテストを実施してまいったわけでございます。もちろんこの時点におきましても具体的なそういったようなふぐあいな点が出てまいりますれば、それは発見できるわけでございますが当該百九十二両の中には入っていなかったわけでございます。そういった点でシステム全体としては九八%の信頼度があると考えていますが、個々のケースについてそういったものが発見できなかったことは、きわめて残念であると考えています。  今後リコール体制のメーカーにおけるところの強化、もしくは私ども立ち入り監査によりましてメーカーの情報収集もしくはその分析、もしくはその結果に基づくところのリコール処理、これが適正にできておるかどうかを確認いたしますとともに、リコールの立ち入り監査の時点におきまして、私どもが持っております別途の情報等も、その時点において適正に処理されているかどうか確認するということにして推進してまいりたいと考えておるわけでございます。  なお、現在の日産のリコール、これの対策が適正であったかどうかという点につきましては、私どもは追跡的に調査をしなければなりませんし、日産といたしましても、もしこれが適切な対策でなければ、さらにリコールをやらなければならないという結果になるわけでありますので、私どもは現在この対策の方式が不適切であるというふうには考えていないわけでございます。
  41. 寺前巖

    ○寺前委員 ちょっと聞きますが、私は素人だから簡単にわかりやすく説明してほしい。要するに車をつくったわけでしょう。これはどこかで審査していますな。今度のやつは、この五十年、五十一年というのは排ガス規制をやった特別な段階の規制車ですね。そうすると、排ガスの出るところは私の聞くところでは八百度からの高熱が出るそうです。ところが溶接というのは五百度から六百度だ。当然溶ける要素を持っているところなんだ。だからここの分野のところの検査をやったのか、私素人だからわかりませんので、それだけにわかるように説明してください。車の承認を与えるときに、ここのところを特別に検査したのかということを私は聞きたい。それから今度リコールした今日の段階において、そこのところをもう一度調べてみたのか、どこで、いつやらせたか、はっきり聞かせてください。
  42. 犬丸令門

    ○犬丸(令)政府委員 型式審査におきましては、安全公害防止のために新車とそれから三万キロを走行した耐久走行車とを二両提示させまして、保安基準に適合しているか、それから各部分が十分な耐久性があるか等について審査をいたしておるわけでございます。ただいまの先生御指摘の型式審査において、この部分についてどういう試験をやっておるかということでございますが、私ども熱害試験というのをやっておりまして、エンジンの最も悪い状態で点火プラグがミスした状態、したがって非常に排気温度が高くなるような状態でございますが、申しますならば、世界各国から見て非常に厳しい審査だと言われておるわけでございますが、熱害試験によって審査をいたしております。その時点におきましてはそういった欠陥は発見できなかった、そういったものはなかったということでございます。  それから、今回のリコールにおきましても、これは日産のメーカーでやったわけでございますが、担当官がその熱害試験に立ち会って確認をいたしております。
  43. 寺前巖

    ○寺前委員 私は直接技術屋さんに聞いてみたんですよ。ここのところは一体どうなっているんだ、検査はずいぶんたくさんあるそうですね。おたくの方の研究所があるでしょう。あそこに技術屋さん、専門家がたくさんおられます。ところが、人員の都合や施設の都合もあって自分のところだけではできないから出してもおる、実際には一台について三、四日かかる、排気ガスのガスの測定の方はやります。排ガス規制をやる、だけれども、残念ながらいま問題になったところまでやってませんということを言っている、直接やっている人が。私は専門じゃないからわからない。本当にやっておったんなら何で今日の時点がわからなかったんか。体制的にもいまの審査のやり方に問題があるんじゃないだろうか。これは再検討すべきじゃないかと私は思うのです。  耐久テストにしても、これはよく知りませんが、アメリカでは八万キロやっているとかいろいろ言われております。だから、世界の中でも厳しいとおっしゃるけれども、本当に厳しくやるべきところがやれる体制にあるのかということも再検討しなければいけないというふうに思うし、それから今度の場合でも、民間の告発によって初めて問題が明らかにされるということでは、官庁としての権威は全くないということになるじゃないか。ところが、メーカーの側に行ってみると、欠陥車対策のための対策委員会というのがちゃんと設けられておって、日常ふだんにディーラーやその他から持ち込まれた問題はそこでちゃんと検討するようになっている。どこだって全部設けていますよ。そこではちゃんと情報も出しておる。そういう情報がもう半年、一年も出されて、いろいろ対策も組まれ、構造の変更までやっておって、それが全然役所の耳には入らないようなやり方を何ぼやっておっても、これじゃ対策にならぬじゃないか。情報をきちんと握るやり方というのを何らかの形でやる必要があるんじゃないか。それとも買収されておったら話は別ですよ。どうしてもここのところは疑問に思わざるを得ないじゃありませんか。今日の日産が出された百五十円程度でできるというこのやり方の問題において、改めて再度問題になるようなことになったら運輸省としても権威まるつぶれですよ。ですから、改めて単独でもう一度見直すことをやられる必要があるというふうに私は思うのです。以上の点について、いかがなものでしょうか。
  44. 犬丸令門

    ○犬丸(令)政府委員 今後とも、リコール対策につきましてはメーカーの監督を十分厳しくいたします。立入監査によりまして、リコール処理体制、情報の収集、その辺が本当に十分であるか、それからまた、リコールの決定組織、これが十分機能しているかどうかというような点について厳しく監督してまいりたいと考えております。また、運輸省自身としても、車検もしくはユーザー、整備工場等からの通報等を活用いたしまして、メーカーの別のラインでのリコール情報の確保、充実を図りまして、そういったものによりましてもリコール体制の強化を進めてまいりたいと考えております。
  45. 寺前巖

    ○寺前委員 ところで、今回の日産のリコールは五十一年度車を対象にしてやっておられるようですね。五十年度車には問題がないんでしょうか。
  46. 犬丸令門

    ○犬丸(令)政府委員 五十年度車にはないと私どもは報告を受けております。
  47. 寺前巖

    ○寺前委員 五十一年の四月に、日産からディーラーあてに五十年度対策車の指示が出ているということは御存じでしょうか。その内容は、車種の六一〇、七一〇、すなわちブルーバード、バイオレットのE、燃料噴射装置ですね、公害防止装置の噴射時期調整についてといって、ずっと細かい内容の対策を指示していますよ。あるいは千四百cc、千六百ccエンジンの全車種についてのプラグのくすぶりがあり、排ガス基準を守れず、しかも、エンジンの調子が悪くなるから対策をせよということを、ユーザーの苦情に対してディーラーがやりなさいということを、五十一年の四月に指示を出していますよ。知っていますか。とするならば、五十年車についても調査をする必要があるんじゃないでしょうか。
  48. 犬丸令門

    ○犬丸(令)政府委員 ただいまの情報は、私どもは持っておりませんし、またメーカーからも聞いていないところでございます。したがいまして、これがサービス上の問題なのか、もしくは欠陥であってリコールに該当するものであるか、私ども現時点においてはここで判断することはできませんが、早急にメーカー等を呼びまして調査をいたしたいと考えております。
  49. 寺前巖

    ○寺前委員 私は、余りにも運輸省に情報が入らないというのは困ったものだと思わざるを得ないのです。  日本自動車の二大メーカーと言えば、日産とトヨタということになります。これで日本の七〇%のシェアを有していると言われておりますが、一体それではトヨタはどういうことになっているんだろうか。新聞などで報道され指摘されているのに対して、いまだにトヨタの問題については、排ガス規制の装置に欠陥があるというようなことが問題になっていないけれども、これは運輸省として独自の調査を十分におやりになったのかやらないのか、大丈夫と言い切れる根拠をお持ちなのかどうか。
  50. 犬丸令門

    ○犬丸(令)政府委員 今回の排ガス対策車のリコールに関連いたしまして、トヨタも含めて他のメーカーに対しても、気化器、配管の接続、そういったところ等排ガス装置に関して、欠陥発生の有無について調査をしたわけでございますが、そういったリコールに該当するような欠陥が発生しないということを確認いたしております。
  51. 寺前巖

    ○寺前委員 トヨタの調査について、私はやはりちゃんとする必要があると思います。この問題が出てから私のところにもずいぶんいろいろの人から電話がかかってきます。  東京都内の高橋という人からですが、排ガス問題で、契約したトヨタの車をキャンセルしたいと言うて申し出たんだそうです。ところがトヨタのセールスマンが飛んできて、日産は欠陥だが、トヨタは、運輸省から五十一年車は欠陥がないという通達を出したので大丈夫だと言って売り込みに来た、こういう話でした。まさか運輸省がそういう通達を出しているというふうには私は思わぬし、また、そうであろうと思いますよ。だけれども、そういうふうにして片一方の車がだめになると片一方のところは一生懸命売り込むためにいろいろ言うということは、想像にかたくない話だと思うのです。そこで、日産の連中に言わしたらこういうことをまた言うわけです。トヨタはもしリコールになれば、対象台数が非常に多いし、輸出車も多い。また対策費も日産の十倍はかかるだろう、だから運輸省相談しているのではないだろうか、こういう疑いがまた言われ始めているわけですよ。  この問題というのはこういうふうになっていく内容だけに、私は、本当に真剣に車に対する見直しをやることと、メーカーやディーラーからの情報をしっかりと積極的に集めるということが重要になっているというふうに思います。  ところで、トヨタの公害対策車の欠陥については整備業者の間では周知の事実として広がっている話があります。何か。触媒に穴があいているもの、ダイヤフラムに亀裂が入るものについては東京トヨペットに行くと無料で部品を取りかえてくれるんだ、ディーラーがこう言っています。明らかにこの話は公害対策のところに問題があるぞということを意味しているじゃありませんか。すでに昨年の十月にメーカーからディーラーに指示文書も出ております。内容は、ダイヤフラムの亀裂、触媒マフラーの穴あきやキャブレターの二次側のバルブの開きぐあいを調査対策を組みなさいというものです。そのほか五十年、五十一年排気対策車に関する設計変更と整備の実施要領が数多くトヨタから出されております。しかも、ことしに入ってからも触媒マフラーに穴があいて中の触媒が飛び出しているものが出てきて、火災事故も頻繁に起こっているというふうに、ディーラーの諸君自身がこういう話をやっております。  こういう事実を聞くと、トヨタは大丈夫ですという根拠は一体どこから出てくるんだろうか、運輸省は本当に真剣にこの事実について調査をしておられるんだろうか、私は疑問に思わざるを得ないのでお聞きをしたいと思います。
  52. 犬丸令門

    ○犬丸(令)政府委員 東京の販売店において一部の部品について無料交換を行っておるといった事実は私どもは聞いておりませんが、その辺につきましては十分調査をしたいと考えております。  それから排ガス対策についていろいろ副害が発生しているのではないかという点でございますが、点火プラグにくすぶりが生じこのためエンジンの失火が起きるということはありますけれども、排出ガス対策以前からの問題もございまして、現在の技術で排ガス対策になったためにそれが著しくなっておる、またそのために火災に至るといった事実はございません。  また触媒の焼損等の事例はございます。しかしながら、それも運転上の誤り、もしくは整備不良等が原因でございまして、データはわれわれはある程度持っておりますが、これが全体として車両欠陥に結びつくものである、リコールに該当するものであるというふうには考えていないわけでございます。  また火災事故についても何件かございます。しかしながら、これも特にこの部分のためにということはございませんので、原因不明もしくは使用上の不注意等によるケースが多いわけでございます。原因不明のもので調査中のものもあるわけでございまして、私どもといたしましては、その辺のところを十分調査を進めてまいりたいと考えておるところでございます。
  53. 寺前巖

    ○寺前委員 あなたたちは本当にどうかしているというふうに言わざるを得ないですよ、情報の集め方にしたって。「内燃機関」という本の五十一年十月号に、これは恐らくトヨタの人だと思うのですよ、トヨタの第四技術部の人ですかね、仙田勝行という人と小橋守という人が「点火プラグくすぶりによる失火の解析とその防止」という技術論文を書いておりますよ。これはちゃんと自分のところの製品を中心にして見たところの内容を技術者としての角度から書いた論文ですよ。プラグのくすぶりがあれば排ガス規制は何にもならなくなり、排ガスのたれ流しになるのは常識です。これは密接に結びつくものであります。  私はここに五十一年九月七日の交通安全公害研究所交通公害部の出した「車両火災事故原因解析報告書」を持っております。これは大阪の藤井寺市で昨年の八月二十一日起こったもので、この報告書を見ると「本件は火災発生後の処理をあやまればガソリンタンクにあった約五十リットルのガソリンの爆発につながる事故であり、火災に対する処置はほぼ完全と言えるが、火災発生の原因が全く不明であり、また新車でもあるので、構造欠陥の可能性もあるとの見地から事故発生の原因究明を依頼されたものである。」として、この運輸省関係の研究所が大阪府下におけるトヨタ・コロナマークIIですか、火災事故原因についての究明をやっております。  結論的には、これは原因が不明だ、こう言っておきながら整備不良だというふうに片づけているけれども、ここの社内の人の書いている「点火プラグくすぶりによる失火の解析」このことから考えても、あるいは社内におけるところの、先ほど言ったようなトヨタの措置の状況から考えても、この大阪府下におけるトヨタ車の事故原因の分析の結論が整備不良だという結論にしてしまっているという取り扱い方自身にすでに問題があるのではないだろうか。トヨタが大丈夫だと言われる原因というのは、この飛躍があるところに問題がある。内部の技術者の論文、現実に行われている執行の姿、それと比べてみたときに、この結論は何とも言えない飛躍があるのではないだろうか。  現在の時点に立って見るとき、いま問題になっているダイヤフラムの亀裂あるいは点火プラグのくすぶりという直接的な欠陥を直接調べることなく、整備不良というふうにきめつけている実験報告書はもう一度やり直してみなければならないように私は思うのです。  ですから私は、研究所にあえてもう一度この問題を提起されること、あるいは他の大学の研究機関に問題を提起するなりして、この内容が自分のところでいままで調査してきた内容に——メンツにこだわることなく、あり方としてこういう調査がよかったのかということを改めてトヨタの問題についてやらなかったならば、運輸省の権威というのは落ちていく、私は重ねて問題を提起したいと思います。  日産が対策を打ったという、あの対策で果たしていいのかどうか。それから、いま出された大阪府下におけるトヨタの車の火災事故原因についてという分析をもう一度見直す。これを内部で見直すだけではなくして、しかるべきところに別な角度から見直しをしてもらうということを運輸省として手を打つ必要があるんじゃないだろうかというふうに思うのですが、いかがなものでしょう。
  54. 犬丸令門

    ○犬丸(令)政府委員 ただいま御指摘がございました大阪藤井寺市におけるところのトヨタ・マークIIの火災事故でございますが、この火災が発生した時点において、これは公害対策車でございます。それで、私ども非常に関心を持たざるを得なかったのでございます。したがいまして、私どもの交通安全公害研究所に指示いたしましたのは、私ども運輸本省から依頼をいたしたわけでございます。  それから、火災発生後、消防署もしくは大阪陸運局、陸運事務所が立ち会いまして、この間の原因究明が、再現テストができますまでについて、厳重な監視、封印等を行ったわけでございまして、そういった意味におきましては、その結果につきましても、私どもといたしましては相当自信がございます。  それから、点火プラグのくすぶりとこの事故とは全く別の事故でございます。  しかしながら、今後とも公害対策車が十分信頼度があるものかどうかという点について、各メーカーになお一層、そういったふうな市場におけるところのクレームもしくは品質情報の収集等による適切な措置を講じていくように、強力に指導してまいりたいと考えております。  なお、日産の今回のリコールにつきましては、それが十分な対策であったかどうかということにつきましては、これは私ども、今後追跡をしてまいる所存でございます。
  55. 寺前巖

    ○寺前委員 政務次官に、私は、この件について先ほどからわざわざずっとお聞きをいただいておりましたので、御意見を聞きたいというふうに思うのですが、私はどこから考えても、日産の問題というのは昨年明らかになっておって、二月にはその方向ですでにもう内部的に処理が始まっておったが、全然報告がされてない、五月までに安上がりでやるやり方はないかと研究をしてきた、安上がりの道が明確になってきた、いよいよ今度は準備に入った、そして十月ごろになって初めて運輸省に来た、普通考えられないことが、ずっと一連、長期にわたって行われている。これは会社の方がこすいのか、それとも運輸省の中で、知っておりながら伏せておるというやり方が行われておったのか、だれだって疑惑を感ぜざるを得ない内容です。ですから、こういうことが二度と起こらないようにするためにはどうしたらいいのかということを私は明らかにしてもらうということが一つ要ると思うのです。  第二番目に、手を打ったと言われるところの、いまリコールした内容ですが、この内容で果たしていいのかどうかという問題について、長期にわたって隠されておった内容だけに、運輸省が、今度は業者が言うてきたからといって、またあれは間違うていましたわなんというような恥ずかしいことをやったら、これはまた恥の上塗りになります。ですから、これについては慎重を期して、もう一度独自に調査をやり直すということもぼくはやる必要があると思う。  第三番目に、トヨタの問題においても、内部の技術者の資料が出ている、そういう文書で交換しましょうという話がちゃんと出ている、これを知らないと言う。知らないままに同じようなことが行われている。しかも責任を持って、私の方はあの大阪府下におけるテストについてはちゃんと責任を持てます。こういばっておっても、そんないばれるものだったら、いままでやったことは一体どうやったんや、後追いだけであって、いばれるようなものは一つもないじゃないですか。とするならば、あの調査のやり方、これを他の機関でもう一度見てもらって、内部的にももう一度見る必要があるし、他の機関でも研究してもらうということによって、私は運輸省の権威を確立するように努力をされる必要があるのではないだろうか。  この三点について、率直に政務次官に御意見を聞きたいと私は思うのです。
  56. 石井一

    ○石井(一)政府委員 寺前委員の御指摘は、非常によく調査もされておりますし、また非常に理路整然としておりまして、傾聴に値すると拝聴いたしてまいりました。  非常に重要な問題の提起でございますので、その機構、やり方、今後の方針について再点検をさせたいと考えます。  ただ、先ほどから整備部長がお答えいたしておりますように、運輸省の責任者としては、そういう報告を受けつつ善意でこれまで処理してきた、これも私の立場としては信じたい一点でございます。たとえば欠陥車であるということがはっきりしておるにかかわらず、費用が高いのでそれを遅延しておったというふうな点、そういうことは行政としてできるはずがないだろうというふうに考えるわけでございますし、問題の指摘も早くからわかっておるのにそれもそのままほっておくということも、まずまず監督官庁としては考えられぬことでございますが、この辺は、技術的問題ですから私が断定する立場にもないわけでございますし、ひとつ徹底的に再チェックをさせ、御報告をさせたいと思います。  そこで、具体的な御指摘の問題でございますが、機構全部、今後どのようにやっていくかという問題は、予算の問題もあろうと思いますし、人間的な配置の問題もあろうと思いますし、客観的な科学的な機関がどれであるかというふうなことに対する調査も必要であろうかと思いますが、そういう問題を含めまして、今後こういう形でこのような問題が二度と起こらないという施策をひとつ検討させたいと思います。  それから、日産の問題に関しまして、またトヨタの問題に関しましても、前者はすでに問題になり、リコールがいま行われておるということでございますが、これにつきましても、いま御指摘の問題に何か問題点がないかということを調査させると同時に、トヨタの問題に関しては、問題は指摘されておるが、いまだリコール等を行っておらぬということでございますが、これにつきましても徹底的に調査をするということをここでお約束させていただきたいと思います。
  57. 寺前巖

    ○寺前委員 それでは、いまのに追加して、おたくの研究所の方で大阪のトヨタの欠陥車の調査をおやりになったものがありますね。あれについてはもう一度内部で見直しをやってもらうことと、他の研究機関、大学などに問題を持ち出されて、そして二重でもう一度見直してみるというようなことをやられることが、私は疑惑を解明する上においてもやはり大事なんじゃないだろうかということを思いますので、あえてもう一度政務次官にその点を……。
  58. 石井一

    ○石井(一)政府委員 その点は私はそういうことは必要だと思いますが、責任者である整備部長から再確認の答弁をさせたいと思います。
  59. 犬丸令門

    ○犬丸(令)政府委員 同じ条件が再現できれば、私どもは別の機関でやってもらうことも結構であると考えます。しかしながら、そういった当該事故に遭いました、それと同じ故障が再現できるのかどうかという点に最も大きな問題があるのではないか、それが問題がなければ、同じ事故の実験は、繰り返すことは私はできると思います。その辺のところについて十分識者の意見をいただくようにいたしたいと思います。
  60. 寺前巖

    ○寺前委員 それではとりあえず欠陥車の問題はこれだけにしておきたいと思います。  次に、成田空港の開港に伴って航空機の出発あるいは着陸、発着ですが、これが安全になされるのかどうかということについて担当の方からお聞きをしたいと思うのです。  この間、部屋の方に来ていただきましていろいろ聞かしていただきました。せっかくいろいろ聞かしていただいたのですが、この内容について私が一番心配するのは、北の方に向かって飛び出していく、そうするとその北方の方には自衛隊の百里基地の空域がある。したがって国際線の長距離のサンフランシスコなりロスなりへ行くこの非常に目方の重い飛行機が諸条件のもとにおいて十分に上り切るような上昇高度に、その自衛隊の百里の空域に抵触せずしてうまく行くものなんだろうかという問題が私の疑問の一つです。  それからもう一つは、今度は北方から成田の新しく予定されている空港に入ってくるときのあの角度が、急角度で着陸をする、これについての不安はないのだろうか。  私はこの問題について関係のパイロットの方々にも聞いてみたのです。みんな共通してやはりその点を不安がるわけです。私は、国際空港として開港しようという空港であったら、いろんな条件の人が知らぬ土地へ来るだけに、思い切って十分な余裕を持った態勢を持っていなかったならば、開港には危険性を伴うということで、ひとつこの問題についての説明をしていただきたいと思います。
  61. 森永昌良

    ○森永説明員 成田空港を北に向けて離陸いたしまして利根川まで直進いたしまして、そこで右に旋回をいたしましておおむね利根川に沿って海へ出るというコースでございます。ここで北方にございます百里との関係において、安全に、しかも決められた高度に達し得るのか、いろんな飛行機があるのにということでございますが、これにつきましては、この空港を離発着する航空機の中で最も長距離の国際線を飛びます。いま御指摘のございましたロサンゼルス、サンフランシスコあるいはニューヨーク直行使もございますけれども、こういうものの最大離陸重量でございます。十七万五千ポンド、トンに直しまして約三百五十トンでございますが、これで気温が摂氏三十度、風速ゼロという状態で離陸いたしましても、百里基地の航空機の飛行コースと重複することがないように高度の分離を十分にいたしております。したがって安全だと思っております。  それから、進入する場合の最後の旋回する角度でございますが、やはりこれは離陸する場合も同じでございまして、北向きからの進入、北向きの離陸後の旋回、いずれも旋回があるわけでございます。これはその状態での飛行機の速度によって、いわゆるバンク角が違いますけれども、たとえば離陸の場合ですと、機種によっても違いますけれども、おおむね十度から十四、五度ということで、そう大きなバンク角ではなく、まあまあ普通のバンク角で十分旋回し得る旋回半径だと私ども考えております。
  62. 寺前巖

    ○寺前委員 成田の開港に関して日航の内部でもいろいろ検討されて、運輸省に対して意見をお出しになったということを私は聞いているのです。運輸省に意見を出されるに当たって、日航では何かいろいろ実験をやってみたそうですね。そうすると、北方へ向かっていったときは二千八百フィートですか、すべての実験が全部うまいことそれに適合する条件が生まれないというのですね。幾つかやはりそうならない条件が生まれるということがそのテストの中で明らかになっているというのです。だから、皆さんが大丈夫だとおっしゃるけれども、現実に実験をやってみてそうはいかないということを見せつけられているパイロットの諸君たちにすれば、この空域問題についてはおいそれといいじゃないかと言えない要素を持っている。ですから、そういうふうに言い切れるんだったら、いろんなテストを公開でやってみたらどうかと私は思うのです。納得ができるところまで、どんな条件があろうとも大丈夫ですという実験。私はそういうふうに聞いているんですけれども、私の聞いている話に間違いがあるならば訂正してもらいたい。やはり危倶が存在するのだ、いかがでしょう。
  63. 森永昌良

    ○森永説明員 先生御指摘のとおり、九月の下旬に日本航空からメモの形で成田の出発進入ルートの案に対するコメントの提出がございました。関係の課で話を聞きまして、疑問点としてその日出されました四つの点につきまして回答いたしております。その中の第一番目が先生御指摘の北向きに離陸した後の高度の問題でございます。いま社内で実験をやったという御指摘ですけれども、まさにシミュレーションをやったわけでありまして、先ほど私が申し上げました条件というのはそのシミュレーションの条件でございます。したがいまして先ほど申し上げました条件を超えるような状態が起こった場合は、まさにその範囲に入らないわけであります。  じゃ、どういう場合があるかと申し上げますと、先ほども申し上げましたように摂氏三十度でございます。内陸でございますので夏場三十度を超える日もあろうかと思います。御参考までに昨年の成田の気象台準備室のデータによりますと、九月と六月には全くございませんが、三十度を超える日が七月と八月で五件ございます。これは一時間置きの定時観測のデータ、したがいまして、二カ月で五件、一月に二・五件起こっておりまして、これは大体十二時から十四時ころに起こっております。最高は三十二・二度でございます。したがって、こういうケースになりますと、まさにおっしゃるとおり飛び出してしまうわけでございまして、その辺を心配して、日本航空からは、そういうケースもあるかもしれないから、そういう場合にはAIPに何とかこれを補うような規定を追加してほしい、その案も出されまして、これらの制限に従うことができない航空機は、エンジンの始動を開始する許可を要請する際にこの旨をタワーに通報するという規定を入れてほしいという希望がございまして、その要望を入れて、近く出す予定のAIPの中にはっきり書くことにしております。したがって絶無とは申し上げられない。私が申し上げたのは前提がございますので、例示として、温度が高くなればそういうことがあり得ると思います。  ただ、少し長くなりますけれども、ロサンゼルス、サンフランシスコ方面、あるいはDC8で申し上げますとモスクワ線等のいわゆるシビアな条件にある航空機は、大体日中の十二時ないし十四時というような時間帯に離陸するタイムテーブルになっておりません。さらには、夏場は風がほとんど南向きでございますので、北に向かって離陸するケースも冬に比べて非常に少ないということもあわせ考えて、きわめてレアケースだというふうに考えております。
  64. 寺前巖

    ○寺前委員 そこへもってきて、そういう条件が、どういう事態が生まれるかわからぬのに、ぎりぎりの空域になっておりますね。そうすると、向こうは百里の空域がある、こちらは成田の空域だということになってくると、管制官の方で心配が生まれてくるわけでしょう。ですから、総合的な管制体制というものをつくらぬことには、危険性という問題についての解明は——二つの管制官を通してどうのこうの言うておったら、意思統一に時間がかかる。だから、そういうことに手を打つということを同時に明確にしておく必要があるのではないか。この件についてどういうふうに考えておられますか。
  65. 飯塚良政

    ○飯塚説明員 先生おっしゃいますように、通常の場合にはそういうふうな事態がないと思います。しかしながら、万が一離陸前に所定の位置において所定の高度に達しがたいというふうに予測される場合には、あらかじめパイロットから成田空港の管制塔の方に通報をするというふうなことを現在考えておりまして、この通報を受けた場合には隣接する百里の飛行場の管制機関に連絡をとりまして、管制上の処置をするというふうなことを現在考えております。それで、その管制上の措置というのは、たとえばレーダーで誘導するというふうなこともございますが、そのときの航空交通の状況考えて安全運航の確保を図るというふうなことを現在考えておりまして、管制上の措置は十分であると考えております。  また、離陸後エンジンが一基とまったというふうな場合はエマージェンシーでございますので、これはたとえば航空機から交信を受け、あるいは航空機に対して適切な管制上の指示を与えるというふうなことにして安全上の措置を講ずるということで、管制上の措置というふうなことにつきましては十分な対策をとっておるところでございます。
  66. 寺前巖

    ○寺前委員 いずれにしても、措置をとると言うておるけれども、簡素な管制措置をするようにしておかないと、こういうものはあっという間の話ですから。ですからそういう意味では、私は単一の管制機構をつくるということが重要じゃないだろうかというふうに思うのですが、そういうことは考えないのですか、考えるのですか。
  67. 飯塚良政

    ○飯塚説明員 百里飛行場とそれから成田空港の間は二十三ノーチカルマイルぐらい離れております。それで、現時点ではそれぞれの飛行場で進入管制を実施する、そして、航空交通量も現時点ではそれほど多くないという状況でございますので、それぞれの空港で進入管制をするというふうなことを考えております。  しかし、先生御指摘のように、空港が近い場合にその進入管制を一元的にするというふうなことは、現在当方でも研究しておりますけれども、この問題につきましては、私どもの方でも対処する技術は現在開発されておりませんが、関東空域につきましては将来において実現するように検討を、いましているところでございます。
  68. 寺前巖

    ○寺前委員 それから、銚子の市街地の上空を飛ばしませんという話し合いのもとに今日まで来ておったのが、そうでない事態が生まれるということを通じていろいろ異論が起こっています。これについて結局のところどういうことになったのか。それで、銚子の問題については現在よりは悪い事態になるということにならないのかどうか。結果的な報告をしていただきたいと思います。
  69. 森永昌良

    ○森永説明員 再三にわたる地元銚子市との折衝の結果、極力一機でも少なく銚子の上空を飛ばないようにする。さらには、密集市街地の上は飛ばさないようにするということで、そこにございますボルタックについておりますDMEを使いまして、密集地の上空だけはカーブをして完全に避けて飛ぶようなコースを大分苦心をいたしまして決定をして、これを地元に提示いたしまして地元の御了解も得て、近くNOTAMということで正式に発表する段階を迎える状態にございます。
  70. 寺前巖

    ○寺前委員 それはどういうことになっているの。
  71. 森永昌良

    ○森永説明員 もう了承を得ておりまして……
  72. 寺前巖

    ○寺前委員 内容は。
  73. 森永昌良

    ○森永説明員 それは大分細かくなりますので、後ほど別途御説明申し上げたいと思います。
  74. 寺前巖

    ○寺前委員 住民にうそをつくというようなことにならないように、協力を得ようと思ったら誠実にこたえることだというふうに思いますので、あえて付言しておきます。  時間がなくなりましたので、せっかくおいでいただいたのに障害者のあれについて残念なのでございますが、二、三だけ問題を並べて提起をさしていただいて、すでに関係者の間には問題を提起してありますので、お答えをいただいたらありがたいと思います。簡単に御説明をいただきたいと思います。  一つの問題は、障害者団体の人がお見えになって提起された問題というのは、最近の都市の構造が変わっていくという事態の中で、障害者にホームが必ずしも合理的でなくなってきている。たとえば、近鉄の西大寺駅は列車とホームとの間が二十二センチ離れる、高さの面では十五センチも離れる、こういうような事態が生まれてきている。こういう事態では、実際障害者にとっては私鉄を使うのが非常に困難な事態だ。だからこういうときには構造そのものが改善されないのかどうかということを検討してもらいたいし、それまでの間も、そういう特別なところには駅員を配置するということは考えられないものだろうか。あるいはまた、最近は駅を二階、三階と高いところへ置くようになってきた。橋上駅というのができてきた。そうするとますます障害者が私鉄を使うことが困難になってきている。したがってそういうものにエレベーターなりエスカレーターなり、しかるべき装置をつけてもらえないだろうか。ところが、これをやろうということになってくると、次には補助対象になるところとならないところという問題が生まれてくる。たとえば近鉄線の布施の駅では、二階までは歩いていって、二階から三階にエスカレーターで上れるというふうになっているけれども、一階からできるようにそういうものは対策を組むというふうに、障害者向きにもっと駅の構造なり対応策というのは考えてもらえぬのか。改札の問題についても同じだ。こういう問題について政府としてどういう指導とどういう助成をやっているのかというのが一つです。  これは主として私鉄の問題として出されましたが、国鉄についても同じようなことが同じく指導問題として要望されているわけです。  同時に国鉄については、この間団体の人がお見えになったときにおっしゃっておられたのは、新幹線に車いすで乗車をするときに、「ひかり」の駅では受け付けてくれるけれども、「こだま」の駅では受け付けてくれないというシステムになっている。それを無理にお願いして「こだま」の駅で、西明石でしたか、乗せてもらったけれども、五十一年三月までにつくられた号車は七号車に車いすの人向きの部屋がある。ところがそれ以後の車は九号車にある。場所を間違ったために、駅員の人は親切にしてくれたし車掌さんは親切にしてくれたけれども、違う場所に座らざるを得なくなった。指定席だから、そこにほかの人が入ってきたら移動せざるを得なくなってしまった。だからシステムとして、駅員さんは親切だけれども制度的に、「ひかり」駅に限らず、「こだま」駅でも受け入れるようにしてもらえないのか。  名古屋の駅へ行ったら、松葉づえの人はエレベーターに乗せるわけにはいかないということを聞かされて二時間すったもんだをやったんだという話です。もちろんどこかに話の行き違いがあったのだと思いますけれども、行き違いにならないように制度面においてもきっちりしてもらえないかという問題。  それから三番目にバスについて、低床のバスをつくって入り口を広くするという開発を研究してもらうとともに、介助者がおるときには、ワンマン車で後ろから乗せて車どめをつけてもらうというようなこととか、車外放送ができるように改善をしてもらえないだろうかというようなことが言われておりました。  それから建設省の所管では、雪国の方では交差点の横断歩道のところに排水のみぞがある。そのためにつえがそこへ入って抜けなくてかえって危ないという事態が起こっている。構造の改善をしてもらえないものだろうか。  警察庁に対しては、運転免許をとる試験場、訓練所、そこへ障害者用の自動車を配置してやってもらうというようにしても、これは民間の経営が多いから、結局はなかなかやってもらえない。大都市の特殊なところしかできないということになっている。これでは障害者が運転免許を取るのに困る。特別な助成制度施設の面においてもいろいろな面においてやってもらう必要があるのではないか、こういうような問題が出されました。関係者から一通りの御説明をいただきたい。
  75. 原慧

    ○原説明員 お答えいたします。  まず一般論でお答えさしていただきます。  ただいま先生が御指摘のように列車とホームの間隔あるいは高低差の問題でございますけれども一般的に曲線のホームでこういう問題は起きるわけでございますが、歴史的に狭小な施設から出発しております各私鉄あるいは軌道そういうものを大改良すれば、その際にできるだけ直線のホームにするということができるわけでございますけれども、通常わずかの改修のときにはなかなかそういうことはできません。それで、大改修のときでも駅周辺には商店街等が密集しておりまして、これらの立ち退き等もろもろの問題がございまして、なかなか全長を直線のホームにつくることができないという状況がございます。しかしながら安全の問題がございますので、車両とホームの離れとか高低差については、極力こういう駅の新設あるいは大改良のときにこの差を少なくするように常日ごろ指導をいたしております。特に身体障害者の利用の多い駅につきましては、これらについてさらに指導を強めてまいりたいと考えております。  それからそういう駅について、それでは人をつけろという御指摘でございます。現実にはそういうお客の乗りおりの際、駅員あるいは車掌がその安全を確認いたしております。したがいまして、当面危険状態はないものと考えられておりますけれども、身体障害者の方がおいでになったとき、この際には駅員に申し出ていただきまして、御案内をさしていただきたいということで、このように指導をいたしております。  それから、いま御指摘の個別の事例で西大寺と布施のお話がございました。西大寺につきましては、先生の御指摘のとおり身体障害者の団体の方から会社の方に要望が来ております。私どもの方も一般論としてそのお話をお聞きしております。離れが二十センチ、高低差が十一センチということでございますけれども、これにつきましては直ちにそれを改善するということもちょっとなかなか技術的にむずかしゅうございますし、それからまた駅員、車掌等が確認をしておるという状況でございますので、ただいま申し上げましたように、身体障害者の方がおいでになったときは申し出ていただいて、御案内をさしていただくという方向で指導をさしていただきたいと考えております。  それから布施の問題でございますが、これは連続立体で立体交差化を進めてまいっております場所でございますけれども、そこにはいろいろ技術的な問題あるいは商店が中に入ってくる問題等ございまして、すでにかなり工事が進んでおると聞いております。それで、確かに先生の御指摘のとおり一階から中二階に上がる場所にエスカレーターがついていないではないかということでございますけれども、この駅のそういう施設を中二階につくったという事情が別途ございまして、これも将来のそういう都市計画を考えてつくってあるようでございまして、それから上へさらに二階、三階というものはエスカレーターをつけてございます。それでいまの下の問題につきましては、そういう技術的な問題とかあるいはそういう将来の計画等々いろいろ調整をしなければいけない問題がございますので、その実情をよく調べまして、今後どういうふうにするかということを考えさせていただきたいというふうに考えております。  以上、私どもの方、鉄道の関係だけお答えをさせていただきます。
  76. 鈴切康雄

    ○鈴切委員長 答弁者が多数にわたっておりますから、簡略、明快に……。
  77. 梶原清

    ○梶原説明員 バスにつきまして三点御指摘をいただきましたので、簡単にお答えをさせていただきたいと存じます。  まず第一点でございますが、身障者の方が車いすのままでバスに乗れるようにするということでございますが、これにつきましては過般この安全性等につきましての実車テストを実施いたしまして、引き続き関係者の間において協議、検討を進めてまいっておるわけであります。近く、当面の対策、措置につきまして何らかの結論を出すようにいたしたい、かように考えておる次第でございます。  第二点につきましては、床の低い、ドアの間口の広い、いわゆる低床、広ドアのバス車両を大いに導入してはどうかということでございますが、私どもも従来大都市バス輸送改善対策の一環として低床、広ドアの車両の導入を促進してきたわけでございまして、関東地区につきましては約一五%強がこの車にかわっておるわけでございます。今後、この身体障害者の方々の安全、かつスムーズに乗降していただく点から考えましてもこれの普及に努めてまいりたい、かように考えております。  第三点は、身障者の方、特に盲人の方が御乗車になります場合の便宜のために、バスの車内放送を停留所でも聞こえるようにしたらどうかというお話でございますが、これにつきましては一部地域でも実施しておるところがあるようでございます。今後、関係者と協議をして前向きに対処してまいりたい、かように考えておる次第でございます。
  78. 高木謙治

    ○高木説明員 お答えします。  「ひかり号」の主な停車駅以外での新幹線御利用の場合のケースでございますが、これについてはまずその停車駅以外はエレベーターがないという問題がございます。また、「こだま号」については、「こだま号」自体がまだ車両設備を改造してないという問題がございます。したがって、いろいろな問題がございますし、また片や車いすを使われる方にはいろいろな御事情があろうと存じますので、そういった場合の御利用については事前に駅長室に御連絡いただいた場合はできるだけ配慮した措置をとらしていただきたい、このように考えております。  次に、名古屋のケースでございますが、実は名古屋駅はやっとこさでエレベーターをこの八月つくることができたわけでございますが、これは車いすを使われる方を想定してつくったものですが、実は改札口の外へエレベーターをつくってしまったわけです。そこで一応、片や新幹線のホームに上がるにはエスカレーターもあることでございますので、車いすを使われる方以外の方はエレベーターを使わないということにいたしております。  ただ、いま松葉づえを使われた方のことでございますが、松葉づえを使われる方の御事情にもいろいろあろうかと存じますので、恐縮でございますが、前もって駅長室にエレベーターを使ってホームへどうしても上がらないといかぬ事情があるとかいうお話がございましたら、常識的な判断、対応方をさしていただきたいと存じます。なお、先日の件、名古屋駅はいろいろな事情があったかと思うのですが、その辺はまた名古屋駅の事情を聞きましてよく指導しておきたい、かように考えます。  以上です。
  79. 杉原正

    ○杉原政府委員 身障者の教習所の設置についての問題でございますが、現在この身障者の方々の運転免許につきましては、警察自身で適性相談をやっておりますし、また指定自動車教習所につきましても二百八十の教習所で約四百台近い車を備えて身障者のための教習をやっておるわけでございます。これはさらに私どもとして身障者のための便宜を十分考慮しながら推進をしていきたいと思いますが、御承知のように民間の教習所でありますので、この身障者の方の社会復帰という観点から考えていきますと、やはり公的な立場からの訓練施設という考え方で、公の面で措置をしていくということが先行すべきものだろうというふうに考えております。
  80. 住友栄吉

    ○住友説明員 北海道で視覚障害者のつえが排水口にひっかかるという問題でございますが、この問題につきましては、横断歩道とかそういうところにつけるのは非常に問題でございますので、構造と位置等につきましては今後改善していきたい、かように考えております。
  81. 寺前巖

    ○寺前委員 時間が参りましたのでやめたいと思います。どうもありがとうございました。
  82. 鈴切康雄

    ○鈴切委員長 次に、伊藤公介君。
  83. 伊藤公介

    ○伊藤(公)委員 大都市における交通渋滞は、東京、大阪、名古屋など、もう毎日私どもが経験をしているところでございます。現実に手を下さなければならない問題もあろうかと思いますし、将来的に、多少長期的に解決をしていかなければならない問題もあろうかと思います。特に東京を中心にして首都圏整備計画などというのが三全総と相まって出てまいります。私も大急ぎでひっくり返して読ませていただきました。いまの首都圏整備計画で、今日の東京の交通渋滞というものを本当に救うことができるだろうかという疑問が、目を通させていただいた私の感想でございます。  まず最初に、東京周辺の交通渋滞の問題をどう解決していくのか、首都圏整備計画とあわせて、まずその基本的な考え方をお尋ね申し上げたいと思います。
  84. 三橋壯吉

    ○三橋説明員 お答え申し上げます。  先生御指摘のとおり、首都圏の整備の問題につきまして、交通関係の問題はきわめて重要な問題であるわけでございまして、私ども首都圏の整備計画というような計画をつくりまして、基本計画といいますものが昭和六十年を目標に、整備計画につきましては昭和五十五年を目標に、それぞれ長期間にわたる計画を立てて、着実に交通体系の整備を図っていこうという考え方をしておるわけでございます。  その基本的な方向といたしましては、御指摘のように東京の大都市地域、東京について見ますと、東京の二十三区はもちろん、その周辺部が非常に大きな都市のかたまりになっておりますもので、その都市構造を改善すると申しますか、現在東京が一点集中型と申しますか、都心部へ交通がきわめて集中的の交通量になっておるということを漸次改善を図ろうという考え方が一つでございます。したがいまして、これで近郊部におきます中心都市相互間を結ぶ交通体系を整備するというのが第一の重点であろうかと考えております。  第二の重点といたしましては、東京都区部周辺におきます交通混雑、なかんずく物資の流通に伴います交通混雑を緩和するためには、東京都心部の過密地域を迂回するような交通体系の整備が非常に効果があると考えられるわけでございますので、その辺の交通体系の整備を進めてまいりたい。  以上二点の重点を置きまして、交通体系の整備を進めてまいりたいという考え方をしておるわけでございます。
  85. 伊藤公介

    ○伊藤(公)委員 東京に首都高速というのがございます。私もほとんど毎日のように利用させていただいておるわけでございますけれども、首都高速に乗ろうとすると、入口に交通渋滞あるいは入口進入制限という点滅の信号が、恐らく毎日何回かつくのだと思うのです。首都高速は高速という名前がつきながら、これではもう高速ではない、乗っている人たちはみんなこう言って不足を言いながら、かなりいらいらしながら高速を利用させられているというのが実態でございます。一体交通渋滞とか入口制限とかこの実態調査をしているのか、こういう現状をどんなふうに考えていられるのか、毎日のいま首都高速の乗りおり、実際に利用している数、それから毎日、いろいろな場所があると思いますけれども、実際に入口制限だとか渋滞だとか出る、点滅される実態調査しているのかどうか、お尋ね申し上げます。
  86. 福島静雄

    ○福島説明員 都内の道路の交通状況につきましては、警視庁の交通管制センターがございまして、これにおきまして毎日の交通実態調査、並びに渋滞の状況把握、記録いたしております。専用路関係につきましては、首都高速公団、警視庁、協力いたしまして同様の措置をとっております。手元にいま詳細な数字を持ち合わせてはおりません。
  87. 伊藤公介

    ○伊藤(公)委員 大きな都市の交通を緩和していくのに、地方都市では、いまたとえば千葉市だとか北九州などではモノレールというものを現実に活用しているわけでございます。東京でも中心部とまたそれを取り巻く郊外とは交通の流れが全く違いますし、状況が違っているわけでありますけれども、これからの都市交通の中で、モノレールというものをどんなふうに位置づけしていくのが正しいのかということを私どもはよく考えるわけでありますけれども、地方都市で実際にモノレールが使われている実態をもし把握をしていられるようなら、ぜひお尋ねをしたいと思うのです。こういうケースなら使えるとか、あるいはとてもこういう状況の中では使えないとか、モノレールについての何かお考えがありましたらひとつお聞かせをいただきたいと思います。
  88. 住友栄吉

    ○住友説明員 私、国道第一課長でございまして、担当ではございませんが、申し上げますと、現在モノレールが使われているのは浜松町のものがございます。あと計画がございますのは北九州あるいは神戸、それから仙台等々がございますが、また名古屋でも住宅公団との間を結ぶというような計画がございます。そういった形で進められ、下の方の構造物等につきましては道路のものとして考え、それから車両もしくは軌道等については、いわゆる第三セクター等でやるというような形で進められているわけでございまして、下の部分につきましては道路の本体の一部であるというような解釈をして進めております。  それで、いま申し上げましたように、大量で、速く、そして長くというようなところには不向きでございまして、やはり旅客数が限られた形、しかも余り速くなくて、しかも短いというようなところを選んでいるような状態でございます。それ以外につきましては、バスもしくは他の交通機関の方が便利だというような考え方で進めておるわけでございます。
  89. 伊藤公介

    ○伊藤(公)委員 私は、いまの東京や大都市の交通渋滞というものをいろいろな意味で、経済的な意味においても能率という意味においても、あるいはエネルギーという問題においても、あるいはもっとメンタリティーな日々の生活、われわれの生活の生理的な意味においても、何とかもう少し快的な都市生活ができるということをいま少し長期的にも本当に考えなければならない時期だと思っているので、そういう意味でも、モノレールが何も特効薬だと思っているわけじゃありませんけれども、いろいろな角度から都市交通というものを考えなければならないと思っておりましたので、お尋ねを申し上げたわけでございます。  東京の場合ですと、御承知のように、東京の二十三区は山手線でそれぞれの地域を結んでいる環状線になっているわけでございます。東京は、御承知のとおり二十三区と、もう一つのグループといいますか、三多摩地域といわれる二十六市五町一村あるわけでございますけれども、いま東京の交通は東西に、道路も鉄道も全部そういう考え方でつくられてまいりました。人の流れもそれに従って流れてきたわけでありますけれども、御承知のとおり、最近は東京の周辺に生活をする人たちが非常にふえてまいりました。東京の二十三区あるいは二十三区以外、もちろん東京だけではなくて東京を取り囲むそれぞれの都市に集中をしてくるようになりました。たとえば多摩地域の調布の町から隣の町に勤めに行くという場合にも、なかなか隣の町に行けない。新宿に出てきて新宿からまた隣の町へ行くという三角形の行動をしているわけでございます。  たとえば三多摩の場合ですと、ちょうど東京の二十三区の山手線と同じように二十六市を環状線で結んでいく、大量輸送ができるそういう交通体系というものは考えられないだろうか。識者の中でも、東京をいまのような本当に一点集中型の都市づくりから少し分散化をしていく必要がある。その意味では、たとえば東京の都庁を真ん中だけに持ってくるのではなくて、ここで都庁の話をしても仕方がありませんけれども考え方としては、三多摩のど真ん中に第二の都庁みたいなものをつくって、そこでいろいろな意味の業務ができる、そしてそれを取り囲んで二十六市を環状線で結んでいくというようなそういう都市づくりをこれからしていくべきではないか。現状でも、中央線から京王線、小田急線とだんだん乗り継ぎ、乗り継ぎ、乗り継ぎして行けば行けないことはないわけですけれども、それは非常に非能率だということで、みんな新宿に来ては、あるいは東京中央に来てまた帰っていくという、そういう形をとられているわけであります。東京の多摩地域について、それぞれの市町村を環状線で結んでいく、いままでのように放射線状の道路づくりあるいは鉄道網ということでなしに、環状線という形で連環都市構想みたいなものは一体できないだろうか。ひとつ御感想を伺っておきたいと思います。いかがでしょう。
  90. 三橋壯吉

    ○三橋説明員 東京の都市構造と申しますか、そういったものを都心ばかりの集中型ではなくして、交通の流れそのものを極力周辺に分散をし、そのためには環状方向の交通機関の整備ということが非常に重要なことであるということは、先生御指摘のとおりだと思います。ただ、現実の交通量の流れからしますと、鉄道等につきましては採算の問題もありますようでございますが、方向としては、先生御指摘のようなことを時間をかけて実現をしていくべきものかと考えておるわけでございます。
  91. 伊藤公介

    ○伊藤(公)委員 それでは一、二点具体的な問題でお尋ねをしておきたいのでありますけれども、いま東京を走り抜けている大きな国道が幾つかございます。たとえば十六号でありますけれども、国道十六号のバイパスの建設が昭和四十五年度に着手をされました。しかし、今日までバイパスの建設が非常におくれている。たとえば十六号沿いにあります八王子の市内では、幅の狭い二車線の道路の交通量は一日当たり三万台、商売にもならないというようなケースもずいぶん出ているわけでありますが、具体的な十六号のバイパスの問題についていまどんな進行状態であるのか、お聞かせをいただきたいと思います。
  92. 住友栄吉

    ○住友説明員 先生御指摘のとおり、十六号は交通量が非常に多うございます。しかもまた、先ほど御指摘になりましたように、横浜から八王子、川越、大宮、柏、千葉、木更津という形で、ちょうど首都圏を三十キロで回っている形の非常な環状線でございます。この環状線につきましては、ぐるっと回るというだけではございませんで、いわゆる地方の都市、都市といったものを結んでいくという形でございまして、そういったものの整備を図ろうということで、しかも、十六号の中に入っております外環とか、そういうものはまだ整備がおくれております。またその先の方に、先生御指摘のように、もっと大きい環状線といったような計画も考えておりますけれども、やはり現実の問題としては、あります十六号を整備しなければならぬ、いわゆる十六号を四車化していかなければいかぬというような基本的な考え方に立っているわけでございます。  それで、千葉の方から四車化、あるいは川越付近というような形で四車化もしくはバイパスという形でかなり進んでまいりまして、先生御指摘の八王子バイパスでございますが、この八王子バイパスは非常に狭うございまして、現道幅員が七メートルから八メ−トルという形でございます。交通量も、御指摘のように大体三万台近くの二万七千台が通っているわけでございます。それで、八王子の中が交通上非常に隘路となっていることは事実でございまして、これにつきましては四十四年から採択いたしまして工事を進めておるわけでございますが、現在、昭和五十二年十二月にはいわゆる北部区間である八王子市の左入町から国道二十号線までの間の約二・九キロが暫定二車線で供用する予定になっているわけでございます。これでかなりの市内の緩和あるいは中央道に入ります車等々は楽になるわけでございます。  二十号より以南の相模原の方に向かいます方の区間でございますが、この間が実は現在用地買収をやっているわけでございまして、かなり地元の方々の協力を得まして、早く用地買収をやってくれという声がございます。それで、それに対応しようということでやっておりますが、現在のところ残事業量が約二百八十億円、またそのうちの用地費が百五十億円というようなかなりの額でございまして、現在私ども直轄で工事をやっておりますが、やはり相当な予算でございまして、これがすぐにでき上がるというわけにはまいりません。しかも集中投資を一挙にするというのも、またバランス等もございまして、非常にむずかしい問題がございまして、われわれとしましては、この道路の重要性から、早くやるためにはどうしたらいいかというようなことを考えまして、一部有料道路を導入してでも早くやりたいというふうな考え方をしているわけでございます。有料道路にいたしましても、いわゆる採算の限界ということも考えておりまして、いわゆる無料の区間と、有料として成り立つような形で、しかも地元の方々がすぐ出入りするというような道路のところについては直轄でやるような形を組み合わせまして、そういった形で十六号を早く整備したい、かように考えておるわけでございますが、何しろ、有料道路と申しましても、やはり財投の非常に大きい金でございますし、しかも工事をやりますのにはやはり五年以上かかることは事実でございまして、完成するには五年ないし七年ぐらいかかるのではないか、かように思っておるわけでございます。  以上でございます。
  93. 伊藤公介

    ○伊藤(公)委員 用地買収など先になればなるほどますますむずかしくなるわけでございますけれども、ぜひできるだけ速やかにお進めをいただきたいと思います。  十六号のバイパスの問題をお聞きしましたので、関連をして。いま四十三万人、周辺集めて四十五万から五十万都市になるわけでありますが、八王子、稲城、多摩、町田市四市にかかります多摩ニュータウンの建設が着々と進んでおるわけでありますけれども、ちょうどこのニュータウン沿いにつくられております尾根幹線の問題であります。ニュータウンの方々は比較的若い世代の方々でございます。ニュータウンが完成をしますと、車で通勤をされるという方々が圧倒的に多いと思うのでありますけれども、尾根幹線の問題は現状どんなふうに進んでおるのか、御説明をいただきたいと思います。
  94. 住友栄吉

    ○住友説明員 多摩ニュータウンにつきましては、非常に大きい計画でございまして、所管が住宅局でございまして、それの団地計画の中の一環でいろいろなものをやっておると思います。またしかも周辺の東京都の問題もございますので、私、実はそれにつきましては余り詳しく存じておりません。
  95. 伊藤公介

    ○伊藤(公)委員 詳しく存じていませんだけじゃちょっと困る。これは住民のいろいろの問題もありまして、実はニュータウンができまして入居をしている方たちがいるわけですけれども、その入居されてほっとした方々の目の前を道路が通るということで、いま反対の声も地元でずいぶんあるわけであります。しかし、そうした部分的な問題を解決しながらも、ニュータウンだけでも五十万都市になっていくわけでありますから、何とか解決をしていかなければならない問題でございます。詳しい方はきょうお見えでないようでございますから、ニュータウンに対する騒音の問題、公害の問題を含めて、尾根幹線の問題については改めて御質問を申し上げたいと思います。  尾根幹線とすぐ隣り合わせているわけでありますけれども、昔ながらにして少しも東京の中で変わっていない街道がずいぶんあります。しかし、街道は変わっていないけれども交通量は十倍にも十五倍にもなっているという現状の中で、たとえばいま尾根幹線の問題を取り上げましたけれども、それに隣り合わせている鶴川街道というのがございます。鶴川街道は、国鉄の矢野口の駅というのがございますが、ときどき私どもそこを通りますと、川を含めてわずか五百メートルくらいなところを渡るのに四十分かひょっとすると四十分以上もかかる。わずか五百メートルくらいのところを動くのに三十分、四十分、それ以上かかるという大変異常なところでございます。ところが、ここは、多摩地域の方々だけではなしに、東京や神奈川や周辺の方々がずいぶん通らなければならない関所のようなところであります。鶴川街道に関してもそういう交通渋滞の問題が大変な問題になっているわけであります。かなり部分的な問題でございますけれども、詳しい方いらっしゃいますか。
  96. 福島静雄

    ○福島説明員 ちょっと地域の具体的な問題でございまして、ただいま細かい状況把握いたしておりません。
  97. 伊藤公介

    ○伊藤(公)委員 それでは尾根幹線の問題と含めて改めてやります。東京のこれは部分的な問題でありますけれども、しかし非常にネックになっているところであります。東京を東西に南北に走り抜けるのにどうしてもこういう地域を通らないと通れない。毎日たとえば多摩地域の方々が東京に通勤に来る。車を使えば必ずここを通らなければならない。いま申し上げたとおり、わずか五百メートルくらいなところを四十分間もかかってずっと車の中に閉じ込められているという状態が毎日続いているわけですから、こういう問題を一つ一つ片づけていかないと東京の交通の問題は片づかないと思いますので、改めてひとつこの問題については触れさせていただきたいと思います。  私は前回の質問をさせていただいた中で多少関連をした問題ではっきりしたお答えをきょうはいただきたいと思うのであります。いま申し上げたとおり、ニュータウンは日本の最大の人工的な都市がつくられているわけでございます。そんな新しい町づくりがされている中で、先ほども車いすで新幹線に乗るあるいは電車に乗るという問題が御議論をされましたけれども、せめて車いすで歩ける町づくりというものを新しいニュータウンづくりの中ぐらいは即やってほしい、こう私は思います。建設省の方お見えだと思いますので、ひとつ多摩ニュータウンの中に関しては車いすで歩ける道路づくりについて現実にこれをやってほしいと思っておりますけれども、いかがでしょうか。
  98. 福田多嘉夫

    ○福田説明員 お答えいたします。  多摩ニュータウンにつきましては、たしか歩行者専用路に乳母車が通行できる程度の設備しか現在のところ設けておらないと思います。確かに先生言われましたように身体障害者の通行路の設置問題は非常に重要な問題であると思います。ただ、そういう歩行路を設置いたしますと、これがまた一般入居者の家賃あるいは譲渡価格にも影響してくるという面も実はございます。そういうことで、多摩ニュータウンにつきましては、すでに設計が相当古い段階になされておりますが、今後のニュータウンの設計問題として検討させていただきたいと思います。
  99. 伊藤公介

    ○伊藤(公)委員 いま私の住んでいる町もそうでありますけれども、すでにできている町の中にも段差をなくして、車いすで、人の手をかりないでも十分行動ができるという身障者の方々の町づくりが行われているわけです。ニュータウンは、いまお話しのように設計がかなり進んでいると言っておりますけれども、ニュータウンに入居したり、でき上がっているのはまだ半分にまでいってないわけですから、まだまだこれから、建設中、造成をするなどというところがあるわけですから、ニュータウンづくりをしているところぐらいは十分車いすで歩ける町づくりをしてほしいと思うのです。これだけの都市に関してはいずれやらなければならないのですから、いずれやることをいまやっておけば二重手間がかかることないわけですから、多摩ニュータウンに関してはぜひ御検討いただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
  100. 福田多嘉夫

    ○福田説明員 都市づくりにつきましては実は計画局の方で所掌しております。そういうことで、私から確たる御返事を申し上げるわけにはいきませんが、住宅公団全体の問題といたしましては、老人関係の住宅の強化とかあるいは身体障害者の住宅関係強化あるいはそれを都市づくりに生かすといった面については十分これから心がけていきたいと考えております。
  101. 伊藤公介

    ○伊藤(公)委員 先ほどのお話の中にも、そういう負担が重なれば建設費等に関してはまた住民が負担をする等の話がありましたけれども、私は、そういう問題については国策の一つとして考えるべきだ、体の不自由な人たちだけの問題ではなくて、そういう社会づくりをしていくことがこれからの町づくりにとても大事だし、それは何もわれわれの毎日の生活だけではなしに、精神的な意味においても非常に大事なことだと思うのです。ただこの場における質疑だけでなくて、少なくともいま町づくりが行われているニュータウンについては、関係のそれぞれの役所の方々でこのことをぜひ御検討をいただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
  102. 福田多嘉夫

    ○福田説明員 先ほど来申し上げておりますように、身体障害者の問題は非常に重要であると思います。ただ、多摩ニュータウンの設計等につきましては私からこの場でお答えするわけにはちょっといきませんが、先生の意のあるところを十分伝えたいと思います。
  103. 伊藤公介

    ○伊藤(公)委員 私は関係方々に引き続いてお願いを申し上げていきたいと思いますけれども、ぜひ新しい町づくりの中で本当に温かみのある町づくりを始めていただきたいと思うのです。もちろん建設資金等々の問題もあることは私も十分承知をしておりますけれども、しかし、そういうことを含めて新しい日本の福祉社会ということを考えれば、健康な人もあるいは多少肉体的にはいろいろな障害のある方々も、やはり支え合っていくという町づくりを私どもはいま始めるべきだ、こう思うのです。何も国会でわれわれが不毛な質疑を繰り返しても意味のないことでありますけれども、ぜひ具体的に、役所の方々、こうした問題を一つの地域の問題だという形で片づけずに、やはり新しい日本の町づくりを、大規模な町づくりをしている地域でございますから、ぜひ早急にこの問題については御検討をいただきたいと思います。  そして、このことがどういう形で皆さんの中でお話し合いをされたかということを、改めてこの交通問題特別委員会で私はもう一遍お尋ねを申し上げたいと思いますので、そのはっきりした経過を御報告いただきたい、こういうことをお願い申し上げまして私の質問を終わります。ありがとうございました。
  104. 鈴切康雄

    ○鈴切委員長 次回は、明十七日木曜日午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後四時五分散会