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渡部(行)
委員 私は
質問に先立って、一言お願い申し上げておきますが、
質問時間が非常に制約されております
関係上討論式に問題ごとの掘り下げはとうてい不可能でございますので、最初に全体的に御
質問申し上げますから、それぞれの
関係する部門について大臣初め
関係当局から御
答弁をいただき、その後時間の許す限り
質問を続行していきたいと思いますので、その点よろしくお願いいたします。
私は、今回
エネルギー問題について、
日本が今後将来にわたって
エネルギーをどう確保し、かつ
開発していくべきかという観点からではなく、
エネルギーをどう節約し、かつ効率的に利用すべきかという視点に立って、以下
質問を展開してまいりたいと思います。
今日、
日本は、一次
エネルギーの約九割、石油の九九・七%を外国からの輸入に頼らざるを得ないという、非常に憂慮すべき
エネルギー供給構造になっているのであります。しかも
資源有限の意識の中で、石油、天然ガスの増産限界は一九九〇年代前半に到来すると言われ、これもOPECの政策いかんによっては八〇年代の前半にもあり得るとさえ言われています。これは世界的な見方でありまして、
日本においてはこのままで推移すれば
昭和六十年にも深刻な
エネルギー不足に見舞われると、去る九月二十日付日経新聞で
指摘しているのであります。
エネルギー資源開発の重要性は論をまたないところでありますが、それと同時に、省
エネルギー問題は緊急欠くべからざるものとして直ちに実施に移すべき
段階にきているものと思うのであります。わが国においても、石油ショック後
昭和四十九年度からサンシャイン
計画による研究も進められ、あるいは
関係企業間でもそれぞれ独自の研究が進められておるようであります。また
昭和五十三年度からは通産省が中心となってムーンライト
計画をスタートさせ、ソーラーハウスや省
エネルギー都市の設計に着手すると言われておりますが、これらについて通産省は、今日の
エネルギー問題の
現状認識とその具体的対応策をこの際明らか
にしていただきたいのであります。
また、これらの対策を具体的に進めるにはどうしても立法措置を講じて、これをてこに具体的政策に取り組まなければならないと思います。
そこでこの法制化についてでありますが、これには二通りの考え方があるかと存じます。その
一つは、
エネルギー問題を総括的にとらえて、これを全般的に体系化した独立立法としての考え方であり、その二は、各省ごとに所管事項に関してそれぞれ立法化を進め、あるいは関連
法律の
改定補充などにより当面の問題に対処するやり方であります。第一の一元的法体系化は理想としては十分理解できますけれども、これを推進するにはやはり一元的
指導機関としての
エネルギー省というものが当然考えられるべきものと思います。これは実際的には軌道に乗せるまで大変な時間と仕事としての
エネルギーを要すると思われます。
そこで私は、第二の考え方に立って、各省各機関ができるところからどんどん取り組んで実践化していくことの方がより現実的だと思うのであります。そして全体として実態化したある時期に初めて法体制の一元化、体系化を図るとともに、行政の一元化、つまり
エネルギー省の設置などを考えることの方が
手だてとして妥当ではなかろうかと考えますが、通産省の所見をお
伺いいたします。
次に、具体的問題についてお尋ねいたしますが、この省
エネルギー対策については長期的対策と短期的対策があり、また広域的対策と個別的対策があろうかと思います。そこで、これらの対策を進める上で最も重要な問題は、対策を進める側の体制の問題とこれを受け入れる側、つまり
国民の
エネルギー問題に対する関心と意識の問題であります。したがって、まず対策側としては、現在
政府及び民間においてばらばらな形でその対策に取り組んでいるようですが、これを統合して
エネルギー総合対策としての
調査、研究、宣伝、教育などを進めるための官民一体とした総合機関を設置するお考えがあるかどうか。また
国民の関心を強め、意識の高揚を図るため、学校教育に
エネルギー問題を取り入れ、あるいは
地方自治体を中心に講習会、講演会等を開催して、特に省
エネルギーに関する知識を高めるべきだと思うのでありますか、いかがでございましょうか。
次に、第三次
全国総合開発計画案が
国土庁のもとででき上がったようでございますが、これを見ますと、
エネルギーに関する記載は全部で三ページ余りであり、しかも省
エネルギーに関しては約半ページ程度で、全くおざなりと言わなければなりません。この三
全総計画は現在
関係者が
構想している問題とどうかかわっているでしょうか、
国土庁長官の御所見を承りたいと存じます。
次に、省
エネルギー問題でいますぐにでも取り組める問題は、何と言っても
住宅やビルの省
エネルギー化、つまり断熱権造化と空調設備などの設備、機器の省
エネルギー基準設定等による規制だろうと思います。その点に関して
建設省は次の通常国会に法案を提出すると言われておりますが、その内容と提出時期の見通しについて、
建設大臣から御
答弁をお願いいたします。
なお、
住宅、ビル等の断熱性能を高め、冷暖房効率をよくするには天井、壁、床に断熱材を入れて熱損失を防ぐこと、ガラスやカーテン、雨戸などに工夫をこらして、窓などの開口部からの熱損失を防ぐこと、すき間風を防ぎ、外気との熱交流を防ぐことなどが主に考えられる問題だと思いますか、これらは特別に単独立法を講じなくとも、新築の建物については
現行の
建築基準法の手直しと
住宅金融公庫等に融資の特枠を設けるなどにより対処すれば、確実に実施されると思うのであります。これについて大臣の御所見をお聞かせ願いたいと存じます。
ただ、問題は、既存
住宅についてどのように断熱化を普及、促進するかということでありますが、これは実施者については融資、補助、減税等の措置を講ずることや、工法の
紹介、
指導をあわせて実施すれば、所期の目的か達成されるのではないかと存じますが、あわせて大臣の御所見を承りたいと存じます。
なお、
政府のこの省
エネルギー政策に協力した施工者については、アメリカ、フランス、西ドイツなどで実施しているように所得控除を当然考えるべきものと思いますが、この点については大蔵省の考え方をお聞かせ願いたいのであります。
次に、断熱による省
エネルギーの効率を期待どおりに高めていくには、どうしても断熱基準と断熱材の材質の法定化が必要だと思うのであります。ちなみに北海道の例をとってみれば、現在北海道は北海道防寒
住宅建設等促進法に基づいて断熱基準が設けられておりますが、
現行の基準では結露防止程度のもので、いわゆる壁に汗しない程度で、省
エネルギーの観点からすれば問題にならないと専門家は言っているのであります。
また、材質にいたしましても、JIS規格で
指導されておられるようですが、実際にはJIS九五〇五に該当するグラスウールが標準化されているにもかかわらず、低密度のJIS外製品が出回り、市場の約二〇%を占めていると言われております。またウレタン等の石油製品も使われ、火災など高熱にさらされると有害ガスを発生して溶けてしまうのであります。これは岐阜県庁舎の火災やその他の災害で実際に証明済みでありまして、このような材質のものは火災の可能性のあるところには絶対に使用しないようにすべきだと思うのであります。
そこで、今後断熱基準を、
建設省建築研究所が提案しておる数値を、暖冷房両方の実施を
前提として法定断熱基準とすべきものと思いますが、いかがでございましょうか。
そこで、いよいよ
住宅、ビルなど建物の断熱化、保温化を実施していく上で大きな問題となるのは、施工面でのチェックの問題と、施工そのものに相当の技能が要求されますので、この技能士の養成の問題であります。ところが、現在ではこの施工チェックも全然なされておらず、技能士の養成の
方向も出されておらないようでございますが、この点について、施工チェックは各都道府県にチェック責任を義務づけるなり、あるいは官民協力してチェック機関を設置するなどの方策を講ずべきだと私は思います。
また、技能士の養成に当たっては、
建築士会や
建設業界などを背景として考慮してはどうかと思うめでありますが、御所見を承って、一応ここで以上全般にわたる御
答弁をお願いいたします。特に
答弁漏れのないように重ねてお願いいたします。