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森下委員 林野庁は、いま答弁されましたように非常に経営が苦しいというような意味のことをおっしゃいます。私もそのとおりだと思います。六五%の外材が入ってまいっております。最近は特に外材の製品が税金も何にもなしでどんどん入っております。国内の林業は、木材引取税という流通税、
目的税がかかっておりまして、そのためにも外材やまたは外材に引かれた製品が林業地帯の山奥までどんどん入っておる。大体外材と内地材の接点は臨海工業地帯であるべきでございますけれども、この林業地帯の中まで大きなトラックで川をさかのぼって外材が入っておる。ここに、外材輸入の政策の誤りがございまして、国内の林業の保護政策が非常に劣っておる。これが
国有林の赤字の原因になったり、また山に
植林をしても将来見込みがないというところに高賃金が受けない大きな原因がございますから、ここはやはり国策的な、三全総に書いてございますようにやはり国家百年の計、また五十年の計のために思い切った社会資本の投入が必要であるというふうに私は思うのです。幾ら外材を安いときに入れなさい、そして蓄積をすべきときにはしなさいと言いましても、いまのような林業政策ではとうてい林業意欲も沸かないし、また林業労務も定着いたしません。そして、
国有林は整理を迫られておるというような、林政にとりまして、森林政策にとりましては最悪の事態が現状でございます。だから、部分的に考えますと、外材輸入の問題をどうするかとか、またこの補助金の問題をどうするかとか、また間伐に対する補助金をどうするか、そういう問題は林野庁でも論ぜられておりますけれども、私は、林野庁のベースだけではなしに、やはり国土計画の中でこの森林政策、林政が語られるべきいまは絶好のチャンスである、このように思います。
そういうことで、春の質問のときにも、われわれはいろいろ考えまして、どういう方法が一番いいのだ。それは
国有林の特別会計なんかという過去のしがらみを取っ払って、いわゆる分
収造林方式による
植林計画しかないのだ。国家投資とかまた
政府系の資金を投入して下水道とか防衛計画とか道路計画とか、いろいろな五カ年計画とか十カ年計画をやっておりますけれども、それと同じような国家投資をひとつ
植林にしていただいて、しかも高賃金で優秀な労務を確保するためにも、大工さんとか左官さんのような技術者がいただけるような高賃金によって山林労務は確保しなければ、当然将来は
植林する人も手入れする人もいなくなる、こういうことでございますから、この
植林政策、また森林政策を根本的に見直してもらいたい、このように実は考えております。
そこで、ちょっと前の復習になりますけれども、これは五十年、四十年の長期の期間を要するのですが、十年では簡単にできませんけれども、とにかく一年間に仮に二十万ヘクタールの
植林をいたしましても、一ヘクタール当たり八十万円から百万円くらいの費用がございましたら、完全な
植林、手入れ、全部できます。高賃金も出ます。二十万ヘクタールで約千六百億から二千億の金でございますから、五十年でも約八兆円から十兆円の少額でございます。十年間で二百四十兆ですから、なぜ五十年間で十兆円ぐらいの国家的な投資ができないだろうか。それによって、一年だけでも現在は十三兆円の緑の効用があるわけでございますから、決して損にならない。道路とか港湾の場合は入れっぱなしでございます。
利用の度合いも大きゅうございますけれども、この山林投資は、財投のように、投資いたしましても、その金は四十年、五十年後には分収
契約をしておけば半分はいわゆる収穫できる。こういう一石五鳥も六鳥もの効果がある森林投資でございますから、こういう点でもぜひ見直しをお願いしたい。詳しく林業政策の実利性と申しますか、また効用性を検討し直していただきたい。そして、ぜひこの三全総の中で基本的に林政問題を取り上げてもらいたい、実はこのように考えております。
先ほどちょっと申しましたけれども、とにかく二十万ヘクタール毎年やりましても二千億円の金でございます。それを五十年間投資続けましても十兆円の金でございます。仮に、いまのこの価額で計算しても、五十年後に二十万ヘクタールの山を伐採した場合には約二兆円の収入があるはずでございます。これは林野庁の方で計算してもらえばすぐわかるんです。五十年半の杉とかヒノキそれを集約的に経営した場合には、少なくとも一ヘクタールで約一千万ぐらいの収入が上がると思いますからね。それを計算いたしますと、五十年後には二千億の投資が二兆円の収穫になりますから、それだけ考えましても財投としては十分成り立ちます。もちろん金利は三分か三分五厘で近代化資金とか高度化資金くらいしか回りませんけれども、いろいろな効用があって、しかも元金、または金利をつけて取り返しができる、簡単な計算でわかるわけでございます。これほど国家百年の計はないと思いますから、この点はこの前の春の御質問のときに
田澤長官にも申し上げましたから、いまさら申し上げません。要は、ちょっと重複しますけれども、三全総の中で二百四十兆もの巨額の投資をされる、これはわれわれも大賛成でございますけれども、その中で少なくともエネルギー政策に投入する六十数兆、それに勝るとも劣らないくらいの森林投資を森林政策のためにやってもらいたいということの方のお考えを、私はこの三全総の具体化の中でぜひお願いしたいということを申し上げたいわけでございます。もうくどく申しません。
国土庁長官、おいでになりましたので、三全総の中でいわゆる森林政策をどういう姿勢で取り組んでいただけるか、これだけ御答弁を願いたいと思います。