○大川政府
委員 東海村の再処理工場の操業に関する
交渉でございますけれ
ども、これは大体昨年の暮れぐらいからことしの九月にかけて、かなり長期間にわたって行われたものでございます。
わが国としましては、そもそも非常にエネルギー資源に乏しいし、原子力の平和利用を推進することは
日本として不可欠なものであると
考えているということで、アメリカにるる
説明してまいったわけでありますが、
先方としては、そのこともわかるけれ
ども、同時に核の
拡散を防がなければいけないのだということを強く主張していたわけでございます。
もちろん、
日本はとにかくこの地球上でただ一つのいわゆる被爆国である。だから、核の
拡散が危険なんだということを叫ぶ国がいるとしたら
日本以外に強く主張する国はないのだというくらいのことを、私
どもはしばしばアメリカに
説明してまいりました。アメリカが
わが国の核武装の可能性を疑っているのかというようなことも担当に聞いたこともございますけれ
ども、いやそうじゃないのだ、
日本については、
日本に関する限りはそういう心配はしてないのだ、しかし世界的な問題であるので
日本だけについて例外を設けるわけにはいかないのだ、こういうような
説明ぶりでございましたけれ
ども、いろいろ話し合っていますうちに、だんだん相互の
考え方がわかってまいって、
先方も、
日本側の核
拡散防止に対する国際努力には協力する用意があるのだという意図は、よくくみ取ってくれたのではないかと思います。
わが国は初めから、原子力の平和利用という問題と、それから核の
拡散を防がなければいけないのだという命題と、これは相反するようで両立させることができるのだという確信のもとに、累次の日米
交渉に臨んでまいったわけでございまして、その結果、ことしの八月から九月にかけてのいわゆる第三次
交渉で、一応あのような形での日米
共同声明の文章がまとまったわけでございます。しかし、これは当面のこれから二年間の東海村の再処理工場の運転に関する了解でございまして、もちろんいろいろ問題が今後将来にわたって残るわけでございますが、それについてはいわゆる国際核燃料サイクル評価
計画の中で、今度は日米の二国間だけではなくて、ほかの国々も全部交えた場でいろいろな角度から検討して、お互いに勉強していこうということになったわけでございます。その国際的な勉強会の結果を見て、ふたをあけてみて、その
段階でまた今後どうするかということを一緒になって相談しようということで日米の了解ができ上がったわけでございますが、その核燃料サイクル評価
計画には
日本としてもできるだけ積極的に取り組んで、
日本の立場を十分に主張すると同時に、世界全体の核
拡散を防がなければいけないという要請並びに原子力の平和利用を推進していかなければいけないという、この二つの要請をなるべく調和させる方向で先へ進めていきたい、そういう角度からできるだけ協力してまいりたいと
考えております。