○上原
委員 そこで、公共
事業に重点を置いた
事業を進めていくとか、あるいは
予算上といいますか、財政上のいろいろなてこ入れというのは当面必要だと思うのです。しかし、これは限度があって、公共
事業投資をしたからといって、失業者の吸収、無技能労働者の吸収に役立っているかというと、必ずしもそう思えない面もある。これは、まあ皆さんからすれば思うようにいかないというような言い方もあるかもしれませんが、私は必ずしもこれは十分に
効果をおさめていないと思う。なぜかといいますと、ここに
一つの
資料があるのですが、これまでの国なり公社なり公団の公共
事業というのは、残念ながらほとんどが県外企業なんですね。それがまた金額がはるかに大きい。
具体的に言いますと、国の方は県内が四九・二%、ですから県外企業が五〇・八ですね。公社、公団に至っては県内はわずかに二一・九なんですよ。県外企業が七八・一。公団の場合も県内は二三・七、県外が七六・三。しかも、これは五十二
年度上半期の
沖繩の公共
事業の発注
状況に対する
資料なんですね。これは建設協会の
資料だから間違いないと思うのです。海洋博だってそうだった。三千億ともあるいは三千五百億とも言われているけれ
ども、
沖繩県内に落ちた金というのはその一割。ほとんどが
本土大手企業に吸収されている。ある企業においては、これなどは
施設庁も聞いてもらいたいのだが、
施設庁
関係などは八五%は県外企業ですね、いろいろやっておっても、中には労働者まで投入しているのですね。
これも、もちろん思うようにはいかない点もあるかと思うのだが、私に言わせれば、
復帰後の
沖繩の状態というのは、ある意味では日本資本の
沖繩植民地化ですよ。やれ
沖繩の労働意欲かないとか、いろいろなことはおっしゃるかもしれぬが、しかし、それをある
程度支えていくのが行政であり、政治であると私は思うのです。まだまだ
本土の制度になじまない、あるいは経済基盤が弱い、技術的にも資本的にも弱いというなら、弱いなりのてこ入れ、強くなるような援護措置というものを親身にやったかというと、ぼくはそうは思わない。なし崩し的にどっと押し寄せていってすべてを系列化さしていって、支配をしてきたというのが今日の実態。だから対応できない。したがって、そういう環境もあるものだから、
本土就職というものも、ある面では精神的に、あるいはいろいろな面のギャップがあって、なかなか定着しないという面があるとぼくは思うのです。こういう問題を解決するのか政治であり、行政でなければいけないとぼくは言うのですよ。そういうところにも、この
復帰五年、六年目に入った段階においては、われわれもわれわれなりの反省もし、努力もいたしますが、もう少しそういう面は
政府全体として改めないと、先ほどのつぶれ地問題初め、この雇用、失業問題もぼくは解決しないと思うのです。
そこで、時間がだんだんたちますので、私はこの問題も何回も言いますが、労働省は確かに労働省のいまの範囲内の行政ペースで、制度上あるいは法律上やらねばいかない面は努力しておるのは認めます。しかし、まだ不十分であります。お役人さんはそういう範囲の仕事しかやらないと思うのですね。開発庁は開発庁で、いま亀谷さんおっしゃるように、いつも
予算はどうだ、ふえたのだ、ふえればそれだけ失業者も減っているかといえば逆にふえているわけでしょう。じゃ、なぜでしょう。その答えを出してもらいたいとぼくは言うのだ。そういう議論だけしておったのでは始まらないと思うのです。
そこで、これも
大臣にお答えいただきたいのですが、せんだってもお会いをしたとき、あるいはそのほかの方法でも
お願いをしたのですが、労働
大臣にも強く申し入れて、園田官房長官にも
要請をいたしました。お二人とも非常に積極的なんです。労働
大臣も官房長官も、
沖繩の失業、雇用問題は何とかしなければいかぬ、このまま
政府としても見過ごすわけにいかぬので、お互い知恵を出し合ってやっていこうじゃありませんかというお答えもあったのです。もちろん、開発庁もそれなりの御努力をやっておられるし、さっきの御
答弁もありましたが、いまさっきの国なり公社、公団の公共
事業の発注、受注の
問題等を含めて、
一つの省庁に任しておってはこの種の問題は解決しないと思うんですね。そこで開発庁長官がイニシアチブをとっていただくか、あるいは労働省とも相談をしていただいて、この際、
関係各省庁の連絡
会議くらいは、
沖繩の失業、雇用問題にしぼってやっていくというくらいの政策なり
方針なり、
政府全体としての問題認識を含めて、県としては何をやるべきなのかを指示もする、あるいは
協力も求める、国としてはこういう問題をやります。労働省はこの分野をやりましょう、開発庁はこれをやりましょう、
建設省はこういう問題で行こう、あるいは通産は中小企業対策ではこうしましょうというような総合性、整合性のある
方針というものをお出しになっていただかなければいかぬと思うのです。この点についてすでに御
検討をいただいておると思うのですが、改めて
大臣の御
見解を承っておきたいと思います。