○小松
説明員 ただいま先生のお尋ねの件でございますが、中小企業庁といたしましてはまず
現地の
被害状況を十分
把握するために、担当課長、それから通産局の担当
部長を派遣しまして実情を十分
把握してきておるわけでございまして、それについていろいろの
対策を打てるものから打っておるというのが実情でございます。
まずとりあえずの問題といたしましては、一般的な
災害の特別貸付制度というものを八月十日に
適用することにいたしまして、
政府関係の中小企業三金融機関の貸し出しにつきまして、本来中小公庫についてはたとえば
貸し付けが一億二千万の枠に対して三千万の別枠を置くとか、貸付期間については五年を十年に引き延ばすとか、
政府機関もさらに運転
資金については六カ月を一年にする、設備
資金については一年を二年にする。国民金融公庫につきましても、一般の千二百万の枠の上に別枠として四百万円を設けるとか、商工中金につきましても必要に応じまして一般
限度の引き上げを図るというようなことで、まずとりあえずそういう
意味での
災害に遭った中小企業、商工、観光業者の皆さんに対しまして別枠として貸付条件その他を緩和した
融資を現在行っておる段階でございます。
それからさらに既往の貸付分につきましては、皆さん非常にお困りなわけでございますので、その返済猶予という点につきまして個別、一件一件実情に応じまして十分その困った実情に応じ得るような返済猶予の
措置をとるように現在
指導してまいっておる段階でございます。特に
現地におきましては、八月の十八日にたとえば
虻田での商工会で緊急移動中小企業金融相談、それから翌十九日には
伊達の商工
会議所で同じような相談業務窓口を開きまして、すでに相当の件数、それから相当の金額について御相談に応じておる。それから返済猶予についても実情に応じて相談に乗りながら
実施しておるという段階でございます。
それからさらに民間の金融機関につきましては、八月十一日の
有珠山の非常
災害対策本部長の指示もございまして、中小企業庁長官名で民間の金融機関に対しまして弾力的な
措置の
協力を依頼いたしております。その依頼先としましては、全国銀行協会連合会、それから全国
地方銀行協会、それからさらに全国相互銀行協会、それから全国信用金庫連合会、それから全国信用組合中央協会という、都市銀行を初めとして末端の中小
関係金融機関全部にわたりまして
協力を要請しまして、
現地の中小企業者の実情に応じて弾力的な金融
措置をとってほしいということでお願いし、
協力をしてもらっておる段階でございます。
さらに、これは当面の
措置でございまして、
現地の
被害状況というのはまことに甚大でございまして、これについてはただいま申し上げたような
措置では十分効果を上げ得るというふうには実は思っておりません。そのためさらに抜本的な
対策を
検討しようということで、現在
関係省庁とも相談をしておる段階でございます。ただ、いままでの
調査の段階でございますと、従来の
激甚災害の
指定基準からいいますと、
激甚災害はどちらかというと物的
被害に重点を置いておる
関係もございまして、中小
商工業者とか観光業者の立場から見ますと、むしろ物的
被害よりも売り上げが減るとか観光のお客さんが来ないというようなことが問題でございまして、この
激甚災害の
指定そのものができるかどうかという点については若干疑問がございますけれども、こういう法律の運用の疑問はございますけれども、当然それに匹敵するような
措置をとらなければいかぬということでいま
関係省庁とも相談している段階でございます。
それから、先生特に例示をされまして、
松代地震のときにもそういう
措置をとったではないかという
お話がございましたけれども、前例としてはまさに
松代地震がございまして、これも四十年の八月の
地震に対しまして、翌年の五月でございますけれども、
閣議決定で特別の
措置をとっております。このときも
激甚災害の
指定そのものは非常にむずかしいということで、
激甚災害に準じた
措置として、
現地の長期にわたる不安といいますか、それから中小企業者のいろいろな
被害、こういうものについて特別の
措置をとる必要があるんだということで貸付利率六分五厘の特別の金融
措置というものをとりまして、松代周辺の三十六
市町村の中小企業者に対しまして、一
貸付金当たり百万円、組合員については三百万円、さらにそれば三年間にわたって行うという特別金融
措置の
閣議決定を四十一年の五月にいたしております。これも
一つの前例になると思います。こういう問題も踏まえまして、
現地の実情に合った形でその
被害に中小企業者が耐えていけるような
措置をぜひとりたいということで今後とも
関係省庁と前向きに抜本策を
検討してまいりたい、かように考えております。