○沓脱
タケ子君 それでは
文部省に、きょうは体育、スポーツの振興についてお伺いをしたいと思います。
学校体育の充実の必要性が叫ばれております。子供たちが懸垂が上がらないとか、骨折が非常にたくさん発生をしてきているとか、あるいは肥満児がふえているとか、子供の体力の低下、あるいは運動ぎらいの子供一生徒がふえていくとかいうふうなことで、学校体育上ゆゆしい事態が起こっておることはよく
指摘されておるとおりでございます。で幼児から十二、三歳ぐらいが子供の体をつくる上で一番大事な時期だといわれております。中学校や高等学校で、いわゆる野球、サッカー、バレーなどの競技以前の問題として、
基礎訓練が大切なことはもう言うまでもないわけでございます。義務教育の一部としての体育というのは、児童生徒の健康増進の上できわめて重要な意義を持っており、また体育、スポーツの普及、発展の
基礎的条件でもあります。
で、学校体育の発展の上で大切な
一つは、体育施設の整備でありますが、の点はすでに
指摘もされ、御
努力もなさっておられるようではありますけれ
ども、しかし私は、これは格段の
努力が要るのではないかと思いますのは、プールの整備
状況一つ見ましても、五十一年度で全国では小学校五八%、中学校で五一%、高等学校で四八%しかできていない。こういう点では格段の御
努力が求められると思うのですね。教育課程でいわれていることが施設がないためにできないというふうな点は、これはまあ非常に残念なことなんで、許されないと思うのですが、こういう点では一層
努力か求められると思うわけです。まあきょうは学校体育の問題に触れる時間がありませんので、国民スポーツの振興対策についてきょうはお伺いしたいと思います。
で、特に国民スポーツの振興について思うのですけれ
ども、過日世界選手権の男子シングルスに優勝された河野満選手が優勝の直後の弁として、中国の厚い選手層の壁を破るためには、一にも二にも若い層の育成だということを言っておられましたが、こういうことというのは、わが国の実態、スポーツ対策の根本的な弱点を、はしなくも国際水準の優勝選手の口から言われたというかっこうになったんではないかと思うわけでございます。国民のスポーツを求める世論というのが非常に高いのはすでにもう十分御承知のとおりでございます。この世論に対してわが国のスポーツ対策はどうかということなんですが、これは私は、この保健体育
審議会の答申にも述べられておりますし、それからまた経済企画庁の「コミュニティ・スポーツ施設整備計画調査概要」、これは四十九年の五月に出されておりますが、こういうところで大変深刻な問題として警告を発しておられるわけでございます。
私はちょっと驚いたんですけれ
ども、たとえば「現状と問題点」というところで、「コミュニティ・スポーツ振興の必要性と背景」という点で、
一つは「身体的活動の減少」、経済社会の急速な発展は体を動かすことが著しく減少して、健康と体力の維持増進に大きな問題を投げかけておると。それから二番目は「精神的ストレスの増大」、これは職場における変化がそういうことになっておると。それから三が「文明病の増大」、これは
昭和三十七年では人口千人当たりの有病率というのは五三・七であったのが、四十七年には十三〇・二というふうに二倍以上にふえておるというふうなことでございます。しかも「運動不足と国民健康のアン
バランス」という項に、非常に大切だと思いますのは、特に日本の子供と外国の子供の発育の比較を見ると、十四歳以後になると日本の子供の発育は急激に悪くなり成人値に向かっている。中高年齢層の場合にも、産業構造の変化によって
一般に運動不足の状態に陥り、体力の低下が目立つ。このことは主婦の場合も同様である、というふうなことで、大変、これは両方とも
指摘をされておるんですが、
文部省はまずこういう世論とか
指摘あるいは答申に対してどういうふうにこたえていかれるか、最初にそれをお伺いしたいと思います。