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政府委員(藤井貞夫君)
一般論としてまず申し上げたいと思いますのは、公務員の給与、勤務時間、その他の労働条件というもの、勤務条件につきましては、これは民間との対応をその柱に据えていくということがこれは公務員法のたてまえに相なっておることは
先生も御
承知のとおりでございます。この点は当然のことながら、やはり公務というものは大変重大なことでございますので、これにはやはり優秀な人材というものを確保をしていかなければならない。それが一つの必須の条件でございますが、そのためにはいま申し上げましたように、給与なり勤務時間なりというようなものがやっぱり民間と均衡のとれたものでないことには、士気にも関しまするし、やはりいい人を確保していくことが非常に困難であるということにも相なります。いわんや
一般の公務員については、いわゆるストライキ権というようなものの抑制その他の制約が課されておりますることの結果といたしまして、人事院というものがいわゆる中立機関といたしまして、公正な資料を用意をして、その結果、慎重な
検討を加えた結果、勧告存していくということをやっておる次第でございます。
いま御
指摘になりました週休二日制の
関係の御議論、また
国民の各層の間においてみなぎっておりまする考え方というものについては、私たちも十分それは
承知をいたしております。事実、われわれの方へも
一般の
方々から直接に御
意見をいただいたり、お電話をいただいたり、あるいはいろいろな形での文書の提出その他というものをいただいておるわけでありまして、そういうことは万々
承知をいたしておるつもりでございます。ただ、基本的に言って、いま申し上げました公務員の勤務条件というものにつきましては、やはり民間との対比において余り劣位に長く置いておくということは、これは何といっても避けなければならない。それをやっていくことが人事院の使命でもあるという点がございますので、そういう点の配慮を両々いろいろにらみ合わせながら
仕事をしておるということでございます。特に、この週休二日制の問題については、世界的な傾向といたしまして、大変多くの国がすでに完全週休二日制というものをやっております。たしか二十四カ国でございますか、これはもう完全週休二日制をやっておるわけでございます。これらの情勢等もありまして、当時四十七、八年のころから民間におきましても非常な好況に刺激されたこともございます。また、労働組合側の要請ということもございまして、勤務時間の短縮、勤務条件の向上というような意図から交渉が行われまして、その結果、週休二日制の普及率というものが非常に急速に高まってまいったのであります。そこで、われわれといたしましてもそれに対応いたしまして、公務員についても民間とやっぱり匹敵した制度的な
検討を加えていかなければならぬというふうに感じまして、四十八年の勧告の際の報告ということで初めてこれを取り上げることにいたしたわけでございます。ただし、この問題は、
国民へのサービスということ、あるいは行政の停滞というものができてまいりましては、これは大変なことでございますので、それの兼ね合いでもって慎重に事を運ばなければならぬということがございました。そういうことで、国家公務員の場合においても職場が非常に多岐に分かれておりまして、窓口の
事務もございますし、交代制勤務の職員もございます。そういう多岐にわたることで、そう一律にぱしっと区切りをつけて本格実施に移るということははなはだこれは危険なことである、また
国民の納得も得られないというような判断がございましたので、まずテストをやってみて、そこで問題点を煮詰めて、問題点があればそれに対してどういうふうに対応していくかということの準備をいたした上で、どういうふうな方法でもって実施をやっていくか、実施をやっていく際の問題点はどうかということを
検討いたしたいということで、実は昨年の十月から一年間テストをやるということに踏み切った次第でございます。