○
和田春生君 午前中の
質問で、
領海の
線引きと
ソ連の
関係の問題についてお伺いをしたわけであります。この問題については、これ以上深追いをするということは、交渉の途中であるから避けるということを申し上げましたけれ
ども、多少
外務大臣の答弁も混乱をされているようでございますし、ある程度やりとりがありますから、私は
問題点をごく簡潔に整理をして申し上げておきたいと思います。
それは、先ほ
ども申し上げましたけれ
ども、
ソ連の最高
会議幹部会令には、そういう
領土問題について直接触れたことは書いてないわけであります。ところが、最高幹部
会議の令によれば、その六項というやつですね、問題の。これはこういうことになっているんです。「
ソ連邦沿岸に接続する具体的
水域に応じてとられる生物資源保存及び漁業規制のための暫定措置実施の条件及び期間、本会令の規定遵守のための管理措置の確定ならびに本会令第二、三、四及び五条の適用方法は
ソ連邦大臣
会議」、つまり
閣僚会議「で規定されるものとする。」となっているんです。「本会令の規定あるいは本会令の実施のために発布される規則」、つまり大臣
会議で規定されるものを含みますね。「違反に対しては、その違反者は、罰金刑を課せられるものとする。」と、こういうことは御
承知のとおりあるわけですね。この六項を受けて大臣
会議で決められたやつが、私が先ほど読み上げましたように、その「最高
会議幹部会令第六条に従い、同幹部会令に規定された
ソ連邦沿岸二百海里
水域における漁業規則についての措置を」「三月一日」から次のようにするんだと、その中に「クナシリ海峡(根室海峡)は
ソ連国境」であると、こうしているわけですから。この文書の存在を知っている以上、これは最高
会議幹部会令と一緒のものであるんだ、だから幹部会令は認めて
線引きをやっておいて、後でこれは知らなかったということは通用しないんでしょうと、こういうことを聞いているわけです。つまり根室海峡でもって国境を画定したということになるんではないか。いやそれは認めないと言ってがんばっているんだと
外務大臣がおっしゃいますから、これ以上深追いをしないと言ったわけでありまして、しかし事実上後になって、それは幹部会令と一体のものとして、その具体的な措置は大臣
会議、
閣僚会議の
決定に任している、それによって
線引きをやっている、
承知の上であろうと、こういうふうになってきて、この
北方四島の問題がそこのところで紛糾をしてくると、これはまさに福田内閣の重大な
責任問題になるのだ、そのことを十分含んでおいて対ソ折衝に当っていただきたいと、こういうことでありますから、その点について問題を整理して申し上げて、
外務大臣の所見をもう一度お伺いしておきたいと思います。