○
国務大臣(
福田赳夫君) お答えをいたします。
まず、
わが国におきましてもアメリカ同様に長期エネルギー計画というものを持つべきじゃないか、こういう
お話でございますが、それはもうそのとおりでございます。
昭和五十年に
わが国におきましては総合計画を打ち立てたのでありますが、その後原子エネルギーの部門におきまして大変遅滞を生じておるのであります。その辺を考慮いたしまして、新しい計画を立てなければならぬと、かように存じまして、目下鋭意新総合エネルギー需給計画並びに
開発計画、これを作案中でございます。
そういう中で、
日韓大陸棚協定は、
わが国エネルギー戦略の中でどのような地位、位置づけになるのかという
お話でございますが、
わが国はエネルギー源をほとんど
石油に依存をしておるわけです。しかも、その
石油の七割以上は、これはアラブ諸国の
石油に依存しておる。こういうような
状態でございまして、どうしてもこのアラブ
石油偏在という
状態は、これは是正しなきゃならぬ、是正することが妥当である、さように考えておるやさきに、
日韓大陸だなにおきまして有望な
油田があるということが発見されたわけであります。そういうことから考えまして、この
開発を急ぐということは、
わが国のエネルギー政策を進める上においてきわめて重要な意味を持つと、かように考えておるのであります。
また、そういう見地から言いますれば、尖閣列島周辺にもたくさんな
埋蔵量が云々されているじゃないか、その
開発を急ぐべきではないかという
お話でございますが、この辺も
大陸だな等の諸国の
関係がふくそうしておる地帯でございます。なかなかそれらの
関係を
調整するということにつきましては、見通しはそう急にというわけにはまいらないと、こういうふうに思いますが、とにかく
日韓大陸だなが
わが国の最も近い
地域におきまして
開発されそうだと、そういう際に、
日韓両国だけに
関係のある
対象地域におきまして
開発を進めるということはまことにこれは手っ取り早く、また自然な考え方であるという見地に立ちまして、まず
日韓大陸だな、しかる後に
東シナ海全域を
対象といたしまして
関係諸国間の
調整を図っていくということが妥当であるという見解でございます。
なおまた、それじゃ
日韓大陸だなが先行するということになったら、これは尖閣列島等周辺
地域の
石油開発に支障はないかというような
お話でございまするが、日
中間の
関係につきましては慎重な
配慮をしながらこの
協定を進めたということ、また、今後も同様の考え方で
中国には対処するということにつきましては、御
説明を申し上げたとおりでございます。
また、国連の
海洋法
会議で、
海底資源問題について
わが国はどういう態度をとるべきかと、こういう
お話でございますが、
大陸だなにつきましては、これはもう御
承知のとおり、二つの議論があるわけであります。
自然延長論、それから
中間境界論、この二つがありますが、
わが国といたしましては、とにかく
わが国の
海底資源
開発が最大限可能になるというような公正な解決ということが望まれるわけでありまして、いわゆる
中間線案、これが望ましいのでありまするけれども、大勢といたしますると、この
自然延長論の方に傾いておると、こういうのが
海洋法
会議の現状のように
承知しておるのであります。
竹島の領有権問題につきましてのお尋ねでございますが、これはかねて
紛争のある島でございますが、これはどうしても平和的な処理によって解決しなけりゃならぬ。これが基本的な考え方でございまして、今後ともその方向で進めていきたい。
わが国の
立場といたしましては、これは
わが国の固有の領土である、その考え方の上に立って交渉に臨んでおり、また、これからも交渉に臨みたいと、かように考えております。
田渕さんは、それが解決するまでには時間がかかるじゃないか、その間の現実的諸問題の処理をどうするかという
お話でありますが、この周辺におきまする
漁業の
問題等は平穏に
日韓間の
話し合いで処理されておるわけでありまするし、また、今後とも
両国間において平穏に、起こり得る諸問題につきましては対処してまいりたいと、かように考えております。
なおまた、尖閣列島の領有権問題についてのお尋ねでございますが、これは
日韓間のように
紛争のある、また起こり得べき
地域ではございません。これは当然
わが国の固有の領土であると、こういうふうな見地に立っておるのでありまして、領土権をめぐって日
中間にこの問題の
紛争が起こるということは考えておりません。また、その周辺における
漁業の諸問題、これは日中
漁業協定によって円滑に処理されております。また、その周辺の海域におきまして、日中、あるいは他の国も
関係してくるかもしれませんけれども、
海底資源の
開発というような、そういう問題が起こりますれば、これはそのとき
関係者間で意見の
調整を行うということに相なろうと、かように考えております。
日韓汚職、汚職と言われますが、これは具体的に捜査権を発動する必要があるというような問題がまだ起こっていないんです。もしそういうような事態があれば、直ちにそのような
調査をいたしまするけれども、とにかく
日韓という、この
両国は、
わが国といたしますると最も近い
関係のある
両国でございます。そういうことでありまするから、近ければ近いほどいろんな問題が起こりやすい、そういう
状態につきましては厳に私どもは注意して対処してまいりたいと、かように考えております。
また、
大陸だな
開発についての不正
防止のためどのような方策をとるかという
お話でございますが、これも不正というような問題が起こらないように当然万全の対処
措置をとる考えでございます。
また、
韓国が、この
協定が成立しなかった、
わが国会において
承認されなかったという、そういう際に単独
開発などの企画を持っておるが、その場合にはどういうふうに対処するかという
お話でございますが、先ほど申し上げましたように、私は何といたしましてもこの
協定は今
国会において、参議院において可決をしていただきたいと、かように考えておるわけでありまして、それが
国益であると、かように考えておる次第でございます。よろしくお願い申し上げます。(
拍手)
〔
国務大臣鳩山威一郎君
登壇、
拍手〕