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政府委員(
堀川春彦君) たくさんございましたが、私の所管事項につきまして申し上げますが、まず、昨年、
生産者麦価が引き上げられまして、さらにまた昨年、予算で計上しておりました麦の
生産奨励金、予算上は二千円でございましたけれ
ども、これを六十キログラム
当たり二千三百円ということで実行したわけでございます。さ
ようなことから、麦に対します
生産の意欲は、そういう措置によってかなりプラスのいい結果をもたらした。さらに本年の措置といたしましては、いま申し上げました
生産奨励金を予算上も二千三百円ということで引き続き継続交付をするということのほか、
水田裏作の麦につきましては、前年は五千円でございましたけれ
ども、これを反当六千円に引き上げるということをやっておるわけでございます。
そのほか、これは
価格とか
奨励金とか、直接
農家のふところに入るということではございませんけれ
ども、
生産条件を整備するということで、先ほど
先生の御
指摘になりました集団的な
生産組織を使って規模の利益を麦作
農家に対しまして与えるということが非常に重要でございますので、五十二年度からは集団麦作の推進のための経費、これは作業の受委託でございますとか、期間借地を行いまして規模を拡大をするという
ようなこと、それから必要な農機具の導入を行う、それからさらに麦は水に弱い、雨に弱い、あるいは湿害に弱いということがございますので、営農排水
対策といたしまして停滞水を除去するための弾丸暗渠の工事をするという
ような簡易な排水事業を助成をする、さらにまた土地改良事業でも麦作のやりやすい
ような土地条件をつくるための土地改良事業を実施するという
ような、新規
施策をそれぞれ相当大幅に計上いたしておるわけでございまして、こういうことによりまして土地条件の整備、
奨励金の交付、それから機械の導入、そういうことを総合的に講ずるということで、相当
生産の意欲は
高まりつつあるのではないかというふうに思います。ただ
先生御案内の
ように、日本ではまだまだ麦のつくりにくい気象条件なり土地条件というものがございますので、この点は
品種改良とか米麦一体作業体系を確立するとか、そういうことが非常に重要になってこ
ようと思います。
それから、
先生のおっしゃいました輪作体系に対しまするてこ入れと申しますか、援助措置でございますが、これにつきましても、畑作で
考えます場合に
北海道と内地とは非常に様相が違うと思うわけでございます。
北海道ではもう御案内の
ように、これは田を
転換して麦作をやるもの、あるいは畑作が
中心でございます。畑作の方が圧倒的に大きいわけでございますが、近年の
推移はいずれも
面積増加ということになってきております。いずれの場合におきましても
北海道におきましては、特に畑作でございまするけれ
ども、他の
作物との輪作の組み合わせでございますね、これが畑作においては
北海道ではもう完全に定着しておるというふうに見ておるわけでございまして、なおまだまだいろいろと工夫をこらすべきところはございますので、輪作体系の確立、本当に理想的な輪作体系ということに仕上げていくという努力は今後もする必要がある、こういうふうに思っておるわけでございます。
それから内地の場合で
考えますと、内地の畑作の麦につきましてうまい輪作体系がとれるかどうかということについては、
北海道よりもより困難な条件があろうかと思います。と申しますのは、これは地帯によっても違うわけでございますが、
先生御案内の
ように、たとえばたばこの間作に入れておるという
ようなものでございますとか、あるいは
野菜などの方が土地利用の面で反当収益も多いから、労力
事情さえ間に合えば
野菜の方をつくるという
ようなことで
転換をしていくという
ような意味で、そういう意味では自然に畑地をうまく利用をするという形での回りがあるわけでございますから、これは特に麦だけを奨励をして無理やり入れるということは、なかなかできにくい
ような条件のあるところもございます。
しかし、いずれにいたしましても、畑地で麦をやるという場合におきましては輪作のことを
考えざるを得ないので、後作前作の
関係を
地域地域の実情に応じてどう持っていったらいいのかということが今後の課題でございまして、私
ども県の試験場等を指導をいたしまして、それを
中心に普及体制もこれに積極的に参加して、合理的な輪作体系ができる
ように援助してまいりたいというふうに思うわけでございます。したがって、特に麦は輪作体系の中で地力維持上有益な
作物でございますから、積極的に進める気持ちはございますが、直接的な助成金の交付という
ようなことはどうかというふうに思っておるわけでございます。この点は
検討をさしていただきたいというふうに思っております。