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国務大臣(
鈴木善幸君) 領海の幅員を十二海里にすることにつきましては、
政府の基本的な
方針も固まりましてその法制化を急いでおったところでございますが、大体関係各省庁間の
検討も最終
段階に入りまして、ほとんど結論が出るように相なっております。したがいまして、来週早々関係閣僚
会議にそれを諮りましてその上で閣議の御
決定を願いたい、このように思っております。
私は、
閣議決定後はできるだけ早い機会に
国会に御
提案をいたしまして、
国会の御
審議、御
承認をお願いを申し上げたい、このように考えておるわけでございます。
国民の権利義務を定める
内容の
法案にもなるわけでございますから、これはどうしても
国会の御
承認を得なければならない、このように考えておるわけでございます。なお、その
提出の時期は、当
委員会でも前から申し上げておりますように、今月中に
国会提案の手続を完了したい、このように考えております。
それから、
わが国の
漁業専管水域二百海里の問題でございますが、これはかねてから十二海里の問題とあわせていろいろ
検討を進めてまいっておったところでございますが、私、モスクワにおけるイシコフ
漁業大臣との交渉におきまして、公式に
日本も近く二百海里
漁業専管水域を設定する
方針であるということを明らかにいたしまして、これをイシコフ
漁業大臣との交換書簡に明記をいたしたところでございます。その後、暫定交渉等の推移をずっと見ておるわけでございますが、これは暫定協定はやがて基本協定の交渉にもつながる問題でございます。私は、そういう諸般の事情を勘案をいたしまして、
わが国も早急に二百海里
漁業専管水域を
国会の御
承認を得てこれを成立させる必要がある、このように考えておるところでございます。
一方、国連
海洋法会議におきましては、五月から統一草案に基づきますところのこの新しい
海洋秩序の問題につきまして討議が継続をされることに相なっておりますが、私どもといたしましては、
政府としては、この五月会期の推移を見まして、幸いにして五月会期において世界的な合意の上に立った海洋法というものができますれば、これはきわめて幸いだと思いますけれども、その
見通しがない場合におきましては、じんぜん日を送るわけにはまいらない。
日本としてはその推移を見た上で、できるだけ早く二百海里を
日本としても設定すべきだ、このように考えておるわけでございます。
そういうことと、もう一方隣接をしておりますところの韓国あるいは中国との関係がございます。現在、日韓、日中の間には、それぞれ
漁業協定が締結をされておりまして、西
日本の
漁業秩序というものはこの二つの
漁業協定によりましてきわめて安全に秩序ある操業が
確保されておる、こういう状況でございまして、これは
わが国の西
日本の
漁業者の利益を守る上からもこれを大事にしていきたいと、こういう考えも持っております。そこで、
わが国が二百海里
漁業専管水域を設定いたします場合におきましては、事前に中国並びに韓国との間にわが方の
方針を伝え、御理解を願っておく必要がある。また、二百海里
漁業専管水域ができましても、その適用
海域につきましては相互主義で対応していくことが最も現実的であり妥当であると、こういう考えも持っておるわけでございます。
そういうような状況を踏まえて、今後二百海里の問題を進めてまいりたいと考えておりますが、しかし私といたしましては、できるだけ早い機会の閣議におきまして
日本が二百海里
漁業専管水域を設定をする、前段に申し上げた隣接の国々及び国連
海洋法会議、そういう関係を整えながら、できるだけ早く
漁業専管水域を設定をするという
方針だけは早い機会に閣議の了解事項として
政府の意思を決めて、そうしてそれに基づいて直ちに二百海里
法案の法的な
整備のための準備作業に入りたい、このように考えております。そしてその成案を得ました暁におきましては、できるだけ早い機会の
国会で
国会の御
承認をお願いを申し上げたい、このように考えておる次第でございます。