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大塚喬君 大変うまいこと
お答えいただきますが、
現実はこうですよ。
歯医者さんの活動状況というのは、年に一回予供の口をあんとあけさせて、
虫歯何本、次、こういうことで、予防とか、そういう指導とかというような問題は、
現実にはこれはもう
全国的になされておらないというのが実情だろうと思います。
それから、それらの予算というのは、いわゆる身体検査、そのときに
虫歯の数を振り分けするときおいでいただいたその報酬だけでしょう。で、
虫歯何本と言われた
子供が
歯医者へ行けば、どこの
歯医者でも
子供の歯はもう診てくれない。よっぽど親切な
歯医者さんでない限りは
子供の
治療というのはやってもらえないで、薬をちょこちょこと塗っておしまいというようなのが
現状なんです。それらの原因というのが、もう時間がなくなりましたから結論を急ぎますが、
歯科医師の養成、それから補助者の養成、これは国の力で
国民を守る、
国民の健康を守る、確かに歯は痛くて苦しいけれども直接命には差しさわりはないというようなことで、
文部省も
厚生省もしごくのんびりとお構えになっておるように考えるわけですが、アメリカのように、この
歯科医師の養成、医師を養成するための大学を国費で建てると、国費で養成を図ると。
日本の
現状を振り返ってみて、私は早急に大学教育の問題で、この
歯科医師の養成の問題について、ひとつ緊褌一番、
文部大臣新進気鋭で、もう全
国民が期待をしておる
海部文部大臣ですから、その問題についてひとつ思い切った改善策をとっていただきたい。
子供が九七・二%
虫歯なんですから、ひとつぜひこのことについて
お願いをいたします。
それから、最後の
質問でございますが、
子供が
現実に
歯医者へ行って診てもらえないんですから、歯の
治療は、先ほど保健所の
質問もいたしましたが、
子供の歯の
治療、これは国の行政の責任でやれないか、やってもらいたいと、こういう
意見を交えての
質問をいたすわけであります。で、前に結核あるいはトラホーム、こういうときにはもう国が全力を尽くして保健婦の養成を図り、もう学校ぐるみでこれの退治に当たって、
現状これらの病気は学校の中でほとんど退治をされたというか、そういう
現状にまで進んでおります。ところが
虫歯だけは年々歳々
子供の有病率がふえておる。
日本の学校保健制度、
歯科医師制度がこの
学校保健法の中に設けられて約四十年になるわけであります。このお手本はドイツの
学校保健法を
もとにして
日本でもこの
学校保健法が取り入れられたと私は
理解をいたしておるわけでございますが、ドイツでは現在、学校保健のいわゆるその中で
児童生徒の歯の
治療、これは学校でその
治療まで責任を持つ。
日本では
虫歯の数を何本と調べるだけ、学校
歯科医という堂々たる看板を背負ってやっておるお
医者さんが
虫歯の振り割りをするだけでおしまい。実際には予防とか指導とか
治療なんということは一切行われておらないというのが実情であります。また、スウェーデンの制度を見ても、各学校に必ず学校
歯科医がおって、
日本の学校
歯科医とは違います。
児童生徒専門の歯の
治療に当たっておって、授業中でも
子供が順番が来ればどんどんどんどん
歯医者さんのところへ行って歯の
治療が受けられる。こういうことが現に行われておるわけであります。そのほかにノルウェーとか、イギリスとか、あるいはフランス、ニュージーランド、アメリカ、こういうところもスウェーデンと同じような様式をとりつつあるわけですが、
日本の
現状は四十年間依然として学校
歯科医、その人のお仕事は遺憾ながら
虫歯の数を数えるだけで学校
歯科医というのがおしまいになっておる、こういうのが
現状であります。こういう問題でございますので、この
虫歯、歯の痛み、これはもう歴然たる病気ですから、
文部大臣いいですか、病気なんですから、これから先、
子供たちの歯を守る——
子供たちの歯は荒れ切っておる、こういう中で
文部大臣として、
子供たちのこの
歯科医療の問題についてどうなされるお考えか、最後に
文部大臣の抱負、見解をお聞かせいただいて私の
質問を終わりたいと思います。